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虐待問題の継続性について|どのくらい虐待が継続したら虐待といえるのか?

実の親からの虐待が途中から始まることはありますか? また暴力があった場合、継続性があるかないかが、虐待かそうでないかの基準と以前書かれてましたが、どの程度の継続性なのでしょうか。 年に数度、月に数度、週に数度、日に数度でしょうか?
また実際に虐待と判断されるケースの子供は、ファンタジーを作っているので、自分が虐待されているとは思ってないということでしょうか? 自分の親は良い親と思ってる ケースが多いですか?

高間しのぶの質問箱より

【お返事】虐待は生まれたときから始まっていますので、途中から虐待が始まることは原則ありません。例外はありますが、この例外については心理職向けになりますので、一般の方は、そう覚えておいていいでしょう。

※今回の記事はラジオでも視聴できます。テキストを見ながらどうぞ▼


※この記事は、Twitterの質問箱に来た質問を深掘りして回答したものです。

■虐待のベースは情緒的ネグレクト

生まれたときから始まる虐待は、まず「情緒的(社会的)ネグレクト」ですね。子どもと情緒交流しない親です。虐待のスタートはこの情緒的ネグレクトです。ここをまず押さえておきましょう。ここを知っているだけでも、一般の方にとっては十分すぎるでしょう。

情緒的(社会的)ネグレクトについてはソレアの記事で復習しておいてください▼

私は虐待されたの?最も多い5番目の虐待【社会的ネグレクト】を生きる人々

ただ養育者の変更によって途中から虐待が始まる場合もあります。それについては次の記事を参照ください▼

親による虐待が小学生の頃から始まった場合、子どもは愛着障害になるのか?

■「虐待」と「虐待めいた」の違い

  • 途中から「虐待」ではなく、「虐待めいた」対応になるとしたら、親が愛着不全の場合でしょう。これは、途中から十分なが子育てできなくなるということです。状態としては、自分の精神年齢に子どもが近づいて対応不能になっているのです。

ですからこの場合は虐待ではありません。だんだんと対応できなくなってくる感じです。対応できなくなって「勝手にやりなさい」となります。放棄というよりも「逃げる」わけですね。これはネグレクトではありません。ネグレクトは元々対応できない状態です。

■虐待の継続性

虐待は、重症度と継続性、この2軸で見ていくのでしたね▼

子どもを守るための【虐待】重症度(レベル)に応じた正しい介入方法

そして質問の継続性については、「ずっと」ですね。生まれたときからスタートしています。繰り返しになりますが、情緒的ネグレクト(目に見えない虐待)は誕生直後から始まります。目に見える虐待(性的、身体的、心理的虐待および育児放棄)が始まるのは、それよりも後ですね。

目に見える虐待については児相が、この虐待は「一時的ではなく恒常的に行われている」と判断すれば、継続しているといえるでしょう。つまり「一時的ではない=継続している」ことになります。

ということは、例えば身体的虐待が、一時的な感情の高ぶりによる暴発行為だと分かれば、それは「継続していない」ということになります。つまり、継続性の話は、何か月という話ではなく、心理職が「親による虐待がある!」という勘違いを犯さないためのチェック項目なのです。

それは一時的な暴発じゃないよね?それをチェックしなさい。そういうニュアンスが大きいです。虐待だと思って通報を受けても、それが虐待なのか虐待ではないのかを、正確に見極めるためのものと思います。

虐待する親は、脳機能の問題を抱えていることが多いので、それが日々変わることはありません。継続します。そう考えると理解いただけるのではないでしょうか。

以前、就学前健診の仕事をしていた頃、小児科医の先生とタッグを組んでいたのですが、ある先生が「一回でも殴れば虐待」と話していた現場をみて、虐待についての誤解は医療関係者にもあるのかと思ったことがあります。先生の気持ちは分からないではないですが、虐待と誤診されるケースも多いのだなと実感した出来事でした。

ただ、性的虐待は一発アウトです。親が、年ごろになった娘に欲情しながら触れた瞬間に一発アウトです。性的虐待に該当します。ここは継続性は問われません。「一発アウト」とは「継続性は問われない」という表現と同義ですね。

■被虐児のこころ

虐待されている子どもは、自分が虐待されているとは思っていません。「自分が悪い子なんだ」と思っています。自分が悪い子だから、相対的に親はよい人になります。子どもですから、そう思わないとやっていけません。日々生活していかないといけないので、子どもも必死です。

必死で、自分のことを悪い子だと思っています。それは、思春期に入る頃まで続くでしょう。

周りの大人は、そんな子どもの気持ちに気づいてあげる必要があります。「あなたの親は悪い人ではないけど、分かってなかったね」このメッセージが、一番彼らを安心させます。親は悪い人ではない、この「ウソ」に、彼らの希望があるのです。なんとか生きのびてほしいです。

ただ、虐待されていると思っていないのは子どものうちだけです。10歳に満たない子どもたちだけです。自力で何もできない子どもたちです。そういう子どもたちは、おかしなことをされている感覚が頭の中を一瞬よぎっても、その感覚を自分で打ち消します。

思春期に入ってくると、虐待されていると認識せざるを得なくなって、家出をしたりする子たちもいます。そこまでくると、「虐待されている」ことは十分に認識しています。

ただ、情緒的ネグレクトだけは本人でさえ認識できないことが多いです。そこは心理職の腕の見せ所です。

■まとめ

  • 虐待は生まれたときから始まっている。情緒的ネグレクトです。

  • 子育て途中から対応不能になるのは、虐待ではなく、親の愛着不全。

  • 虐待の継続性は、「一時的ではないよね?」を確認するためのもの。

  • 親が悪い人ではないーこのウソが、被虐児が生きのびる希望。

□Down in Okinawa|ラジオおやすみカフェ

今日のラジオおやすみカフェのテーマは…オキナワでひと休み。詳細はラジオをお聴きください。

■他の助けを求めるのもいいでしょう

あなたが愛着の問題を抱えている場合は、自分の物語を十分に話せる臨床心理士などの専門家に相談するとよいでしょう。もし、いまのカウンセラーがいまいちと感じるのなら、別のカウンセラーを探しましょう。あなたにとって良いカウンセラーはあなたの一生の財産になります。あなたのカウンセリングがうまくいきますように。

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