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盆栽初心者が、『2万円の五葉松』を購入するまで迷走した話。

今回は3回目の盆栽教室で『五葉松(ごようまつ)』の盆栽を購入した時の心情、授業で学んだ事を公開メモとして書き残します。


念願の『五葉松の盆栽』を育てる事に!

今回3回目の盆栽教室では、これから自分で育てる『五葉松』を、先生の盆栽園から”自分で選び”育て始めるという事が授業内容になりました。

僕はずっと『五葉松』をずっと育ててみたかったので、今回の授業はスタートからワクワクしていました。

なぜ『五葉松』を育ててみたかったかと言うと、やはり盆栽の王道というか『THE 盆栽』というイメージがあり、盆栽に興味を持った時からずっと気になっていた存在でした。

あとは「五葉松(ごようまつ)」には「御用を待つ」という縁起物としての意味がある事を知っていたので、ぜひ自分で育てて自宅に飾りたいなぁと思っていました。


五葉松が持つ5つの魅力と特徴

今回の授業で育てる事になった「五葉松(ごようまつ)」ですが、五葉松の盆栽としての『特徴と魅力』について公開メモとして書き残したいと思います。

①美しい樹形

・五葉松は、古木のような風格ある姿を作りやすく、時間をかけて枝を整えることで、独自の風情を楽しむ事が出来ます。

②深い緑色の針葉

・五葉松の針葉は深い緑色をしており、盆栽全体に落ち着いた雰囲気を与えてくれます。
・五葉松はその名の通り、5本の針葉が一つの束になって生えます。
・針葉は他の松の種類と比べて短く、触ると柔らかいのも特徴です。
・その葉が短く密集している独特のシルエットも五葉松独自の魅力です。

③成長スピードの遅さ

・成長が遅いことから、樹形が長期間にわたって保たれやすく、細部にまでこだわったデザイン形成が可能である事も魅力です。

④樹皮の風格

・五葉松は、時間とともに樹皮が割れ、古木のような風合いが出てきます。
・この樹皮の風格が、年齢を感じさせる堂々とした佇まいを演出し見るものを魅了してくれます。

⑤縁起物とてしての存在

・五葉松は、長寿や不屈の精神を象徴する植物とされており、縁起物としても人気があります。
・五葉松を置く事で、繁栄や健康を願う象徴的な存在として愛されています。

このように五葉松の盆栽は、見た目の美しさだけでなく、育てる過程で得られる喜びや、日本庭園の美学を感じさせる存在として、多くの人に愛されています。


五葉松を育てるのは簡単?難関!?

そんな盆栽として人気がある五葉松ですが、自分でこれから育てる盆栽を選ぶ時に、同じ盆栽教室のベテラン生徒さんからこんな事を言われました。

『五葉松をこれから育てるんですか?良いですね!
でも、私は五葉松の盆栽だけ枯らしてしまった経験があるんですよ・・・。五葉松は難しいですよ・・・』と。

その言葉を聞いて私は驚きました。
なぜなら、五葉松は比較的育てやすいと本やネットに書かれており、育てるのが難しいとはあまり記載が無かったからです。

そしてベテラン生徒さんは続けてアドバイスをくれました。
五葉松は水やりの加減が難しくて、他の盆栽と同様に同じように水やりをやっていたら、五葉松だけ枯れてしまったんですよ・・・』と。

このベテラン生徒さんのアドバイスを聞き僕は、五葉松と言えば、見た目も格好良く、縁起物でもあり、育てるのも比較的簡単であると思い込んでいたので寝耳に水でした。

一応先生にも『五葉松って育てるの難しいんですか?』と聞いてみると以下のような答えが返って来ました。

『なぜか一般的に五葉松は育てるのが簡単みたいな認識をされていますが、実際は難しいですね。
何が難しいかと言うと弱っているのが分かりずらいんですよ。
つまり見た目では不調がわかりづらい。

葉が弱ってきて根を調べて見ると根が既に腐っていて手が施せない状態だったり、非常に不調がわかりづらい品種なんです。』と話してくれました。

私は、五葉松を育てる事をずっと楽しみにしていたのが、ワクワクから一気に不安へと変わっていきました。
果たして自分のような初心者に五葉松が育てられるのか?”と・・・


五葉松選び。価格とデザインの狭間での迷走

五葉松を育てる事に一抹の不安を抱えながらも、実際に育てる五葉松を選ぶ事になり、私は迷いに迷いました。

迷った理由の大部分は『値段が高い!』という事であります。
高さが約30cmくらいの五葉松で約20,000円でした。

もちろん、値段が10,000円以下で小さな五葉松もあるのですが、やっぱりずっと育ててみたかった五葉松ですし、”自分が気に入ったサイズ感や形で選びたいな!”という気持ちを捨てきれずにいました。

でも約20,000円の盆栽を枯らしてしまうと考えると、出費が痛い・・・

これは現実的に初心者であるという点もわきまえて、10,000円以下で小さな五葉松を選ぶべきか・・・

本当に迷いに迷いました。

五葉松の盆栽の前をウロウロしている僕の所に、前回のnoteで記述した同じ教室の生徒さんで資産家の野田さんが私の所にきて話をしてくれました。


『値段で迷われているんですか?デザインで迷われているんですか?
もしも値段で迷われているなら間違いなく高い方を買った方が良いですよ。
安くてデザインが好きでもない盆栽を育てても結局枯らしてしまいますよ。
値段にとらわれないで本当に欲しいと思った五葉松を買って育てた方が良いですよ。』とアドバイスをくれました。

そして資産家の野田さんは続けます。

『実はね、僕も五葉松を一度枯らしてしまった事があって、少し敬遠をしていたのですが、やっぱり五葉松はいいんですよ。
不思議と惹かれるんですよね。
五葉松が縁起物と言われる理由は、”御用を待つ”というだけでなくその樹木が持つ魅力があるんですよ。』と私に説いてくれました。

僕は資産家の野田さんのアドバイスを受けて、決心を固めました。

枯らしてしまう可能性がある事に滅茶苦茶ビビりながらも、約20,000円ほどする五葉松の盆栽を買い、育てる事に決めました。

実際に購入した五葉松


そしてその決心の様子を見ていた野田さんが、おもむろに『私も今日新しい五葉松を買って育てる事にします。』と僕が選んだ五葉松と似た形の五葉松を手にとってニヤリとしました。

『あなたが選んだ五葉松は、私もいいなぁと思っていた五葉松なんですよ。好みが似ていますね。』と野田さんは笑顔で呟きました。

つづく。

この連載について

この連載は、筆者が実際に盆栽教室で『学んだ事』と、毎回の授業で『感じた事』を公開メモとしてnoteに記録しています。

盆栽には、園芸としての魅力以外にも人と人を繋げる魅力があり、盆栽教室で出会った様々な人との出会いも書き残しています。

下記バナーから『盆栽の話』をマガジンとしてまとめて読む事が出来ます。
ぜひお時間ある時に過去の『盆栽の話』もお読み頂けると嬉しく思います。


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