粧谷(Shokoku)

俳句をはじめて24年。苦しみもがいている時、喜びに溢れている時、俳句はやさしさのパワー…

粧谷(Shokoku)

俳句をはじめて24年。苦しみもがいている時、喜びに溢れている時、俳句はやさしさのパワーを発揮する。 粧谷(しょうこく)は俳号。 私は秋の渓谷が好きで赤や黄色の葉っぱが沢を流れる様子が特に好きである。そして大柄。そんな私に俳句の師匠である上迫和海先生が名付けてくださったものです。

記事一覧

六月

外へ出て試しの一歩薄暑なる 紫陽花の花もしづくも青きまま 緑陰に車椅子にて二人かな

夏の友

友の声胸に残りし夏の夕 二十歳とも古稀ともをりし夏の海 紫陽花の花もしづくも青きま々

夏の園

外へ出て試しの一歩薄暑なる 好きなことできる子供に夏の園 帰らない子供噴水戯るる

夏草

夏草や伸びて刈られてまた伸びて

冬の空

冬の雲輝く銀の色となり 冬の月青く光りし岸辺かな

白きもの

昼過ぎて雪降る街となりにけり 一本の街灯点り夜の雪 昼過ぎて雪降る街となりにけり

厄払い

外つ国にいる子の分も厄払い 節分の禰宜と馴染みになりにけり

1

だれやめ

大寒に鰤大根の旨き夜 温め酒解き放たれし金曜日

時雨るれば

時雨るれば過ぎゆく日々の早さかな

島大根(しまだいこ)

島大根みやげに買ひし岳父かな

春菊の深き緑の浮かぶ鍋 闇汁に今年の悩み投げ込んで あれこれと怪しき物あり闇汁会

運だめし

福引を運のある子にまかせたる 目を閉ぢて耳を澄まして冬日和 この世での仕切り直しや日向ぼこ

2

あさげ

寒き朝食事の用意出来てゐる 牛飼ひの朝餉に群るる冬の蠅 ぬくぬくとコーンスープや寒き朝

心通わす

冬に入る人の話に加はりて 笑初職場明るく始まりぬ 改まり患者とナース御慶かな

一日(ひとひ)

平凡な暮らしが好きと冬日かな ふるさとを離れし妻の小正月 カーテンを静かに開けて初明り

4

散歩

暗雲の流るゝ先や冬の海 立ち位置をこことさだめて寒燈下 極月の市電に乗りて古書店へ

六月

外へ出て試しの一歩薄暑なる

紫陽花の花もしづくも青きまま

緑陰に車椅子にて二人かな

夏の友

友の声胸に残りし夏の夕

二十歳とも古稀ともをりし夏の海

紫陽花の花もしづくも青きま々

夏の園

外へ出て試しの一歩薄暑なる

好きなことできる子供に夏の園

帰らない子供噴水戯るる

白きもの

白きもの

昼過ぎて雪降る街となりにけり

一本の街灯点り夜の雪

昼過ぎて雪降る街となりにけり

運だめし

運だめし

福引を運のある子にまかせたる

目を閉ぢて耳を澄まして冬日和

この世での仕切り直しや日向ぼこ

あさげ

あさげ

寒き朝食事の用意出来てゐる

牛飼ひの朝餉に群るる冬の蠅

ぬくぬくとコーンスープや寒き朝