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音楽の話

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音楽大好きな私の音楽の思い出、曲の紹介、バンドやDTMなどの四方山話を脱線しながら語ります。また、みなさんの記事の中から、お気に入りの記事もマガジンに追加します。
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#音楽

Seawind「Seawind」(1980)

Seawind「Seawind」(1980)

1970年代後半から80年にかけて、フュージョン界で一世を風靡したシーウィンド。ジェリー・ヘイやラリー・ウィリアムズ等のホーン・セクションばかりが強調されるグループですが、個人的にはシーウィンドの殆どの曲を書いているドラムのボブ・ウィルソンの才能に素晴らしさを感じます。
そもそもドラマーで、かつメロディーメーカーな人ってフィル・コリンズやドン・ヘンリー位しか思い浮かびません。同じフュージョン界でい

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Sample This / Joe Sample

Sample This / Joe Sample

 さて、またまたJoe Sample。もうかなり前のことですが、友人がすすめてくれたアルバムを早速、購入して聴いてみると・・・おいおい、これいいんじゃないの! それがこのアルバム、Sample Thisです。そんなわけで、また愛聴盤が一枚増えました。

 Crusadersのファンである僕にとっては、すべてがもうすでに知っている曲。安心して楽しめます。一曲目のRainbow Seeker IIのあ

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YouTube Playlist : のんびり

YouTube Playlist : のんびり

「のんびり」したい時に聴くプレイリストを作ってみました。こんなnoteの使い方、需要あるかな?

1  Miles Apart / Sadao Watanabe  
2   Seven Years / Norah Jones
3   My One and Only Love / Carol Sloane
4   Waltz For Debby / Tony Bennett & Bill Evans

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「音楽の才能は遺伝で90%決まる」は本当か?

「音楽の才能は遺伝で90%決まる」は本当か?

ちょくちょく見かける才能と遺伝についての話。特に「音楽の才能は90%遺伝」というのは音楽をやってる人のやる気をがっつり削ぐ数字的なインパクトがあります。
しかし、そこで言う「音楽の才能」とは具体的に何なのか?記事を読んでみると音楽の才能と呼んででるものが何かがわかります。

検索してみると、出てくる研究は2つ

2つの研究結果とも音を聴き取る調査によって遺伝的な有意差があると結論づけています。おそ

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Rainbow Seeker 虹の楽園 / Joe Sample

Rainbow Seeker 虹の楽園 / Joe Sample

 学生時代にフュージョン系のバンドをやっていた頃、キーボーディストの間では、Joe Sampleは大人気でした。あちこちのライブで、三度下がってから駆け上がるフレーズが聞えてきていました。彼はCrusadersのキーボードとして有名ですが、ソロ作品にも名盤がたくさんあります。今回は彼のソロ作品から定番中の定番、「Rainbow Seeker (虹の楽園)」をご紹介しましょう。このアルバムは1978

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Pianism / Michel Petrucciani 奇跡のピアニスト

Pianism / Michel Petrucciani 奇跡のピアニスト

 今日は奇跡のピアニストと称されるMichel Petrucciani(ミシェル・ペトルチアーニ)のアルバム、「Pianism」をご紹介します。

 Michel Petruccianiは、フランス出身のジャズ・ピアニストです。フランスでは、最高のジャズピアニストと評価されていました。36歳で急逝しましが、ショパンの墓のすぐ近くに埋葬されるほどに、人々から愛されていました。幼少の頃からクラシックピ

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Michael Franks「The Art Of Tea」(1975)

Michael Franks「The Art Of Tea」(1975)

ジャズの香りがたっぷりするAORの先駆け的名盤昼でも夜でも聴けるのがマイケル・フランクスのアルバム。特に「SLEEPING GYPSY」やメジャーデビュー作となる本作がお気に入りです。
極上の演奏に、しなやかなメロディー、下手ウマなマイケルのヴォーカルが素敵です。

ご存知クルセイダーズ等の面々がバックの演奏を務めた名盤。ジョー・サンプル(Key)、ラリー・カールトン(G)、 ジョン・ゲラン(Ds

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Angel  /  Sarah McLachlan

Angel / Sarah McLachlan

 静かなピアノと澄んだ声と美しいメロディと。それなのに哀しさ、というよりは絶望が心を満たしていく。この曲を初めて聞いた時、そんな感じを覚えました。歌詞は聞き取りやすかったのですが、いったいどういう状況なんだろう、この虚しくもがくような重苦しさは?

 悪魔に魅入られたように、何度も何度も聴くうちに、人生の辛さから逃れるために薬物に溺れていく歌ではないかと思うようになりました。

I need so

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As Time Goes By / Carol Sloane これは音楽、それとも映画の紹介?

As Time Goes By / Carol Sloane これは音楽、それとも映画の紹介?

 今日はこの曲を紹介しましょう。映画カサブランカのテーマとして使われたこの曲、あまりに有名ですね。僕は Carol Sloane の歌がいちばんのお気に入りです。誰が歌っても素晴らしい曲であることは変わらないのですが、Carol Sloaneのささやくような歌声だとそれがまた最高なんですよ。

Play it once, Sam. Play for old time’s sake
Play “As

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The Melody At Night, With You / Keith Jarrett

The Melody At Night, With You / Keith Jarrett

「今日はこれを聞いてみてください、キースなんですけど」。いつものバルヴェニーを飲んでいると、マスターがあるアルバムをかけ始めました。店に入ってくると決まって僕が好きなSarah VaughanやBill Evansをかけてくれるのにどうして?

 Keith Jarrettはあまり好きじゃないと知ってるはずなのにな・・それでもなぜか音楽から耳をはずせない。引き込まれていく。「このやさしい感じはなん

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心に届く音

心に届く音

 ピアノというのは不思議な楽器です。ピアノは鍵盤を叩くとだれでも音が出ます。でも、同じ鍵盤でもその叩く速さ、深さ、指の上げ方によって違う音になります。どういう和音にするか、それぞれの指の強さをどれくらいにするか、演奏の緩急をどうつけるかなど無限の演奏の仕方があります。

 いいピアノは指の動きにぴったりあわせるかのように指に吸いついてきます。すると弾いている方も快感を覚え、いつもできないような指の

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Unforgettable  / Natalie Cole & Nat King Cole

Unforgettable / Natalie Cole & Nat King Cole

 名ヴォーカリストNat King Coleを父に持つNatalie Coleは、75年にデビュー作「Inseparable」がグラミー賞2部門に輝くという衝撃的なデビューを果たしました。僕が始めて彼女の歌を聴いたのはHey! Mr. Melodyで始まるMr. Melody。今でも鮮烈に記憶しています。

 しかし偉大すぎる父を持つということは必ずしもいいことばかりではなかったようです。80年代

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In Concert, Zurich, October 28, 1979 / Chick Corea & Gary Burton  ビブラフォンの魅力

In Concert, Zurich, October 28, 1979 / Chick Corea & Gary Burton ビブラフォンの魅力

 かつてWashington D.C.の近くに住んでいたころ、GeorgetownにあるジャズクラブのBlues Alleyによく行ってました。McCoy Tyner、Elvin Jones、Wynton Marsalis、Eric Reedなどのライブをほんの数メートルのところで楽しむことができました。しかもテーブルチャージは高くても30ドル程度。日本では考えられないことですね。

 ある時、友

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Russians / Sting

Russians / Sting

What might save us, me, and you
is if the Russians love their children, too.
Stingが米ソ冷戦の欺瞞を歌ったRussiansはこの歌詞で終わります。全体に重苦しい空気の中、Stingのボーカルが魂を揺さぶります。

 リリースは1985年。1979年のソ連のアフガニスタン侵攻に端を発した新冷戦の時期です。初めてこの曲を

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