来兎の音楽制作周りのこと

ゲーム音楽家です。メルティブラッド・アンダーナイトインヴァース・おそ松さんのへそくりウ…

来兎の音楽制作周りのこと

ゲーム音楽家です。メルティブラッド・アンダーナイトインヴァース・おそ松さんのへそくりウォーズなど ここでは音楽制作について考えてることを個人的にまとめていきます。

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最近の記事

M3 MacBook Airで限りなく理想の音楽制作環境を構築できた

来兎の限りなく理想の音楽制作環境PC M3 MacBook Air ヘッドホン AirPods MAX 外付SSD SanDisk 4TB MIDIキーボード Keystation Mini 32 MK3 実際にゲーム1本分の音楽を制作したので、来兎的にはハードはこの4つだけで音楽制作環境はほぼ完成形です。 なぜM3 MacBookAirなのか?先日M3のMacBook Airを購入しました。ざっくりスペックはこんな感じ。 CPU     M3 メモリ  

    • 作曲に音楽理論は必要か?

      DTM界隈などでよく起こる論争に「作曲に音楽理論が必要か?」というものがあります。 作曲は、人によっては音楽の学校に通わずとも、入門書すら読まずにできるようになれます。だから、そのように自力で作曲ができるようになった人は「音楽理論は必要ない」という人も多いでしょう。 一方、アカデミックに基礎をしっかりと学び積み上げて作曲できるようになった人は「音楽理論は必要」という方が多いんじゃないかと思います。 私は、その半々ぐらいの感じです。小学4年生でエレクトーン教室に通い始めたの

      • [本紹介]プロデュースの基本 (木﨑賢治)

        著者は沢田研二や槇原敬之、BUMP OF CHICKENのプロデュースを手掛けた木﨑賢治さん。タイトルの通りプロデュースについて木﨑さんの経験に基づいた法則やテクニックが書かれています。 過去半世紀、目まぐるしく変化してきた音楽ビジネスの中でもその内容は普遍的。あっという間に陳腐化してしまう音楽ビジネス系の本が多いなか、とても中身の濃い、何度も読み返す価値のある有用な本です。 その本の中から、特に私がこれ!と思った見出しを3つを紹介します。 P46 『新しいもの』とは、新

        • 今、プロの作曲家になるための現実的かつ具体的な方法

          結構よく受ける質問に「プロの作曲家にはどうやったらなれるか?」というのがあります。この質問、プロ作曲家というものを質問者がどう捉えてるのかによって返答もかなり変わるのですが、私なりに考えたプロ作曲家になる方法を書き記しておきます。 まず、ここで言うプロの作曲家の定義は、企業からの依頼で曲を作る人のことを指します。 実際にプロとしてやってる人じゃないとこの話説得力がないと思うので、軽く私の自己紹介をします。 私は、メインはゲーム音楽の作曲家なんですが、アニソンとか、CMソ

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        • 音楽制作のヒント
          5本
        • 制作環境の話
          1本

        記事

          仕事はタダで受けていい

          繰り返す「ノーギャラで受けるな問題」こんなポストが話題になりました。 安価な3Dモデルを販売している方が同業から忠告を受けています。 特にSNS界隈では「ノーギャラで仕事を受けてはいけない」という投稿をよく目にします。 駆け出しの頃はまず実績が欲しいので、ノーギャラや非常に安価な仕事も受けがちです。それは本当に悪いことなのでしょうか? 相場が崩れる、ノーギャラでは真っ当な責任を伴わないから駄目、クライアントに使い潰される、ギャラの額を上げられなくなるなど、ひとつひとつは

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          Spotifyの足切りと、考え方について

          Spitifyが年間1000再生未満の楽曲への収益配分を止めるとの発表がありました。 この件に不満を表明する人もいますが、私としては妥当というか、むしろ「お金さえ払えばメジャーアーティストと同じ棚にに並べてくれてSpotifyありがとう」と考えています。 Spotifyが普及する以前は、自作曲で稼ぐにはメジャーなりインディーなりのレコード会社からデビューするしかありませんでした。 それが今ではレコード会社に頼らず、個人が少額のお金で自作曲を世界配信し、その売り上げで生活で

          Spotifyの足切りと、考え方について

          100年後残る曲について

          「100年前の曲を誰も知らないのだから、米津玄師ですら100年後残らない」的なことを書いてる人を見かけました。さすがに100年前と今では条件が違いすぎます。 100年前はまともに録音環境がありませんでした。だからそもそも録音が残ってないですし、たとえ録音物が残っていたとしてもその音質は悪すぎて今普段使いで聴けるレベルのものではありません。 しかし、今は音楽制作と録音が超低コストになり、スマホひとつでもできます。 そして、もうひとつ重要なのがネットです。100年前は当然ネ

          100年後残る曲について

          「実力で勝負」とは?

          ネットのニュースで「音楽の実力よりもSNSでバズったほうが集客している、実力で勝負したいのに今はSNSで注目されないと日の目をみない」みたいな記事が上がっていました。 ここでいう「実力」とは音楽の評価だけで評価されたいということでしょう。 しかし古今東西音楽の才能だけで評価されて売れたなんてことは、ほとんど無かったはずです。時代や場所によって家柄、師弟関係、話がうまい、顔が良いとか、その評価の要素は色々あります。 そして、現代においてはその評価の要素にSNSが追加されま

          「実力で勝負」とは?

          「才能の民主化」と、才能に対する考え方について

          最近「才能の民主化」という言葉がバズっていました。 生成AIによって、ハンディキャップを負ったひとでも才能を発揮する機会が与えられるということが言いたいらしいです。 この考え方に対して、私は明確に否定します。 まず、才能の定義についてです。 一般的にいいう才能の定義は上記です。 現実に落とし込むと、この才能はとは 上手くなる才能 と 有名になる(売れる)才能 この2つを合わせたものをいうでしょう。しかし、これは正しくありません。 この意味で才能という言葉を使う

          「才能の民主化」と、才能に対する考え方について

          「顔出しNGアーティスト」の終焉

          2000年代から顔出しNGのアーティストが現れました。 古くはGReeeeN、ClariS、比較的最近だとadoさんやヨルシカなど。ミステリアスさの演出や個人情報漏えい対策などそれぞれに理由はあるかと思いますが、なによりそれを可能にしたのは、インターネットの登場によりアーティストが露出できるメディアが格段に増えて、収益を上げられる方法も多彩になったからでしょう。 歌手のオーディションに顔出しNGを希望する参加者も増えました。それもあって、今は顔出しNGでもOKのアーティス

          「顔出しNGアーティスト」の終焉

          来兎式 初心者向けDAWの選び方2024年版

          迷いを断ち切れDAW選びは結構迷います。この記事では、その迷いをなくすためのDAWの選び方をお教えします。迷っている暇があったらさっさと決めて始めてください。迷っている時間だけ、あなたの成長は遅れていくのですから。 予算がない、お金を使いたくない人向けiPhone GarageBand iPhone・iPad付属のDAW。Logicというプロが使っているDAWの機能限定版ですが、これだけでもかなり作り込むことが出来ます。iPhone・iPadの方はまずこれから使い始めまし

          来兎式 初心者向けDAWの選び方2024年版

          やってはいけない芸名・ペンネームの付け方

          私はこの来兎というペンネームを10代の頃から使っています。もともとは同人でマンガを書いてたときの名前です。もはやどうやって決めたかも覚えてないぐらい、ある意味いい加減につけてしまいました。この名前、実はあまり良くなくて、正直失敗したなと思ってます。 今から絵師とか作曲家など表現を始める人は、自分の名前をつけるときには良く考えて決めてください。そのために、やってはいけない・避けたほうが良い名前と、推奨する名前の付け方をお教えします。 良い名前をつけたら売れるということはそう

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          才能とは「解像度」と「再現力」

          音楽には才能という言葉がよく使われますが、才能とは一体何でしょう? 一般的に使われる才能という言葉は、始めたすぐに何故かメキメキと上達してしまう人のことを「才能がある」なんて使われることが多いように思います。 そこには具体的な理由はなく、天から与えられた不思議な能力ぐらいの曖昧な感じです。 私は、才能とは「解像度」と「再現力」だと考えています。 私は、小学4年生でエレクトーン教室で習い始めて半年ほどでコードとハーモニーの基本を感覚的に理解しました。 なぜ理解できたのか?そ

          才能とは「解像度」と「再現力」

          AIは作曲家の仕事を奪うのか?

          イラストのAI生成サービスが炎上しておりました。このサービスは自分の書いたキャライラストを複数アップするとその特徴をAIが分析して、その絵柄の新たなイラストを生成するというものです。 このようなサービスが現れるとイラストの仕事を奪われると反発が出てきます。 では、音楽はどうでしょう? 音楽もAI作曲サービスやAI技術を活用したアプリが数多く出ています。ですが、今の所それで仕事が減ったという空気感はありません。実際のところ、AIで作曲の仕事は奪われるでしょうか? 結論を言

          AIは作曲家の仕事を奪うのか?

          「思い入れ」は創作にとって枷になる

          マンガ『SPY×FAMILY』の作者が「キャラへの思い入れ0」とインタビュー記事で話したことが話題となっています。 ファンにとってはそれが好きなキャラクターをないがしろにされたような気分になるかもしれません。しかしながら、創作するものとして言わせていただければ自分の作品やキャラに強い思い入れは持たないほうがいいです。特にそれがプロ、またはプロ志望ならなおさらです。 アマチュアの方で上達の遅い方の特徴に「作品への思い入れが強すぎる」というのがあります。 このタイプの人は「こ

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          音楽学校には気をつけろ!

          10年ほど前の話ですが、うちに新人ボーカリストがいて、歌唱力を向上させようとボーカルの学校を探したんです。 ひとつ見つけたんでマネージャーが体験レッスンに行かせたのですが、ちょっとこれがなんというか非常に駄目な音楽学校でした。 ボーカリストが体験レッスンを受けたんですが、どんな先生がどんなレッスンをするのかマネージャーが付き添おうとしたらなんやかんや理由をつけられ断られました。お金を出すのはボーカリストではなくうちなんですけど。 じゃあそれはしょうがないとしよう。 体験レ

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