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作曲に音楽理論は必要か?

DTM界隈などでよく起こる論争に「作曲に音楽理論が必要か?」というものがあります。

作曲は、人によっては音楽の学校に通わずとも、入門書すら読まずにできるようになれます。だから、そのように自力で作曲ができるようになった人は「音楽理論は必要ない」という人も多いでしょう。
一方、アカデミックに基礎をしっかりと学び積み上げて作曲できるようになった人は「音楽理論は必要」という方が多いんじゃないかと思います。

私は、その半々ぐらいの感じです。小学4年生でエレクトーン教室に通い始めたのでコード進行というものを知りました。3年ほど習って辞めましたが、教えてもらったことを手がかりに、あとは独学で作曲できるようになりました。

では、私の考えとして「音楽理論は必要か?」という問いへの答えは…

「その問い自体にあまり意味がない」

です。

そもそも、音楽理論を使わずに作曲することは不可能なのです。音楽はルールの塊。独学で作曲できる人は、単に自分の音楽に音楽理論を使っていることを理解してないだけです。

母国語で考えたらわかりやすいと思います。子どもが言葉を話すようになるのに入門書は要りません。親や周りが話していることを聞き、そこから法則性を読み取ることで話せるようになるのです。
しかし話せるようになっても「文法」という概念まではわかりません。しかし文法の存在を知らなくても文法は使えるし話せます。
学校に行くようになり、自分のしゃべる言葉には「文法」というものがあり、「主語」とか「動詞」とかを組み合わせて文章ができていることを知るのです。

音楽も同じことなのです。

音楽を聴き、歌ったりピアノやギターで弾いたりしているうちに、音楽の法則性を理解します。その多くの人はドレミファソラシドの音階をなんとなく理解し、聴いた歌を真似して音程を合わせて歌えるようになります。多くの人はここまでは自然とできます。

才能のある人は、耳に入る音楽からさらに法則性を見つけることができます。
世に存在する楽曲そのものが音楽理論の塊なのですから、それをリバースエンジニアリングすれば音楽に必要な法則性は理解できるのです。
才能のある人は、これまで聴いた音楽から構成やハーモニーの法則性、楽器ごとの特徴やお約束の演奏法など発見するでしょう。
そこまでできれば作曲も可能です。入門書など読まずに作曲できてしまう人はそこそこいると思います。

音楽理論を本や学校で学んだほうが良いか?

学ばないよりは学んだほうが良いでしょう。
その音楽理論を学ぶというのは、まず自分で発見した音楽の法則に名前がついていることを知ることから始まります。

音楽の法則性を知る前に音楽理論の本を「読む」ことは可能です。しかし、読んだところで理解はできません。それは、言葉を知らないことには国語の教科書を読むことができなのと同じことであり、たとえ単語と文法を覚えたからといって英語が喋れるわけではないという経験からご理解いただけるのではないでしょうか。

音楽理論を勉強するためには、まず音楽理論をある程度体で理解している必要があるのです。深く理解している必要はありません。日本語で言えば、ひらがなと少しの漢字が読めれば良いのです。そうすれば、辞書が引けるようになります。辞書が引ければ語彙が増えます。これが音楽理論を学ぶということです。

音楽理論を勉強したら良い曲が書けるか?

たまに「音楽理論を学んだらプロのような曲が書ける」みたいなこと言う人がいますが、はっきりいいます。それは大嘘です

音楽理論を勉強しても良い曲は書けるようにはなりません。音楽理論で学べることは国語で例えたら「難しい漢字を覚えた」とか「倒置法」を知ったとか、そういうことです。国語のテストの点が良くても小説が書けるようにはなりません。
だから「自分の曲がいまいちなのは音楽理論を知らないからじゃないか」とか「音楽理論を勉強して良い曲を書けるようになろう」なんて思ってる人がいらっしゃったら、残念ながらその期待は肩透かしに終わるでしょう。

音楽理論を勉強する意味はないのか?

じゃあ音楽理論を勉強する意味はないかといえば、そんなことはないです。一番の意義は、他人と音楽について話ができるようになることです。音階に「ドレミファソラシド」が割り振られてることを知らなければ、他人に自分の今作っている曲について上手く伝えることができません。楽譜が書ければ他人に歌ってもらったり弾いてもらったりできます。

あと、自分の曲を分析したり、頭の中に存在する音のごちゃっとしたイメージが整理され、スッキリと曲が作れるようになります。

最後に

私自身は音楽関係の本をかなり買って読んでいます。それは面白いからです。
良いコンテンツを作るのに必要なのは、面白いモノ、コトにふれることだと思います。
あまり深く考えずに、とりあえず音楽理論の本でも読んでみよう!と軽率にやってみるのはいいんじゃないかなと思います。

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