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Rainbow Seeker 虹の楽園 / Joe Sample

 学生時代にフュージョン系のバンドをやっていた頃、キーボーディストの間では、Joe Sampleは大人気でした。あちこちのライブで、三度下がってから駆け上がるフレーズが聞えてきていました。彼はCrusadersのキーボードとして有名ですが、ソロ作品にも名盤がたくさんあります。今回は彼のソロ作品から定番中の定番、「Rainbow Seeker (虹の楽園)」をご紹介しましょう。このアルバムは1978年にリリースされて大ヒットしました。

 Crusadersといえばファンキーな印象が強いですが、Joe Sampleはこのアルバムでメロディメーカーとしての叙情的な側面をみせてくれます。ドラムはCrusadersのStix Hooperですから、グルーブはまさにCrusadersファンクです。しかし、美しいメロディラインはJoe Sample特有のもの。力強いピアノタッチがそれをさらに際立たせてくれます。このアルバムには他に強力なホーンセクション、ベースにRobert Pops Popwell、ギターにDean Parks、Barry Finnerty、David T. Walker、パーカッションにPaulinho Da Costaなどが参加しています。

 一曲目のRainbow Seekerから衝撃です。クールでファンキーなベースとドラム&パーカッションのイントロから、ギター&ピアノが加わり、まるでCrusadersのような・・・でも主旋律のアコピが始まるともうJoe Sampleの世界、彼の強烈な個性が光ります。そしてピアノソロ、学生の時から今までに何回聴いただろうか。

 そして当時アマチュアのフュージョンバンドでよく演奏されていた三曲目のThere are many stops along the way(道草)。これもリズム隊とギターがファンキーでクールだけど、Joe Sampleのピアノが入ってくると数段洗練された音楽に進化します。この曲のアドリブソロは今でも口ずさめますよ。

 道草の感動覚めやらぬうちに、名曲Melodies Of Loveが始まります。Joe Sampleはアコスティックピアノとローズを弾いていますが、どちらも素晴らしいですね。聴いていると昔の切ない思い出が蘇ります。

 今、聴きながらこの記事を書いていますが、手が何度も止まってしまいます。他にもIn All My Wildest Dreams、Fly with Wings of Love、Together We'll Find a Wayなどなどいい曲ばかり。みなさんもぜひどうぞ。

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