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Sample This / Joe Sample

 さて、またまたJoe Sample。もうかなり前のことですが、友人がすすめてくれたアルバムを早速、購入して聴いてみると・・・おいおい、これいいんじゃないの! それがこのアルバム、Sample Thisです。そんなわけで、また愛聴盤が一枚増えました。

 Crusadersのファンである僕にとっては、すべてがもうすでに知っている曲。安心して楽しめます。一曲目のRainbow Seeker IIのあのイントロが始まると身震いします。かつてのRainbow Seekerが海の荒々しい波だとすると、こちらは川のようになめらかに流れます。でも力強いタッチはJoeのもの。時々、早瀬のように波が光ります。

 次の曲がI’m Coming Back Againだというのもまた象徴的、Dianne Reevesのボーカルがごきげんで、思わずニコニコ。Carmelは相変わらずかっこいい!これも気持ちよく聴けます。Soul ShadowsDennis Rowlandのボーカル。Bill Withersとはちょいと雰囲気が違うけどこちらもなかなか。Marcus MillersのBassがクール、オリジナルよりビート感が強いな。In All My Wildest Dreamはなんか、そのまんまでほっとできる。昔も今も楽しいなあなんて思いながらね。Free as the Windは・・オリジナルとかなり違うぞ・・これは自然に体が動く!

 It Happens Everydayは好きな曲だけに、ちょっと緊張しながら聴くと・・よし、悪くない、よかったあ。おぉっ、フルートがサビのメロディを!なかなかいいじゃないか。これもMarcus Millerがクールだし、Gaddが繊細でびっくり。

 お次はと、何々Street Lifeじゃないか。雰囲気変わるけど、これもいい。これで僕の知ってるバージョンがオリジナルのRandy CrawfordLalah Hathawayを合わせて3つ。3つの楽しみ方があると考えると楽しい。

 Put it Where You Want itはどうやるんだろう。これ学生の時、バンドライブでやったなあ・・・おっと、ちょいスローでずっしりしたリズム。少し妖しい感じでなかなかいいぞ。そしてMelodies of Love。やっぱり名曲だなあ。もうしんみり。ジャジーなアレンジがとっても哀しい。これウッドベースだよね。最後のShreveport Stompsはご愛嬌、ラグタイムだよ、おいおい。

 さて、初めてこの辺の音楽をお聴きになる方にもこのアルバムはお勧めですが、昔からのCrusadersファンにとってはどうでしょうか?Joe Sampleのオリジナルを何度もくりかえし聴いてきた僕からするとやはり別物。絶頂期の鋭さや緊張感はありません。Jay Anderson、Marcus Miller、Lenny Castro、Steve Gaddという強力なリズム隊ですが、Stix Hooperの「のり」はやはり彼だけのもの。Joe Sampleのピアノタッチもかつての力強さから比べると幾分繊細でやさしくなっています。でも、今はこの方がすんなりと耳に入ってきます。かつては体中に力を入れてグルーブして聴いていたのが、今は自然に流れに身をゆだねるように聴くことができますね。彼とともに、僕も年をとったということでしょうか。だとしたら・・いい歳月の重ね方だと思います。でもJoe Sampleが亡くなってしまったのは本当に残念だな、もう7年になるのか。

最後に最高のおまけ、Randy Crawfordの Street Life、ライブ版です。

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