マガジンのカバー画像

酒一本の魅力を伝えるマガジン

33
日本酒レビューマガジンです。気持ちと思い入れを全面に出していきます。
運営しているクリエイター

#日記

一人クリスマスにしみた酒

一人クリスマスにしみた酒

仙禽初槽、中取り。バナナセメダイン洋梨にかすかな森の香り。

これは上澄み。つまり入口。おりが馴染んでからが本番。(見辛いのですが、はじめは瓶の中で液体部分と濁り部分が分離しているのです。はじめに液体の部分を飲み、濁りと混ぜて飲むと面白いのです。)

捉え難い五味をたたえて仙禽は水に還る。クリアで柔らかな水に還る。舌の上で。

ゆえに後に残るものなし。春の残雪の寂しさ。冬だけど。

よもやまを書こ

もっとみる
酸の魔力・水府自慢

酸の魔力・水府自慢

水府自慢。純米大吟醸、無濾過生酒原酒。
(漢字ばっかり。)

こちらのお酒を醸す酒蔵「明利酒類株式会社」は日本酒を醸すための菌、通称「10号酵母」の発祥蔵です。

(※補足…日本酒を醸すための酵母はいっぱいあります。そのうちの一つが10号酵母です。ホントいっぱいあるヨ!これ補足になってる?笑)

ワタクシ10号酵母の特徴をいまいち掴みかねていたため、勉強のつもりで購入いたしました…。

が!勉強と

もっとみる
食べる、という記憶

食べる、という記憶

南遷×カリ豚生麩ココナツソースと生野菜。

前衛的なオブジェの周りを螺旋階段で登ってゆく。景色が目まぐるしく変わり、高まる満足感。

一歩前が残像になり一歩先と重なって豊かな香味になり酔いしれる。重なる口福のままに食し食す。気がつけばオブジェはなくなっていた。

満足。

語られず、示されるものの妙味 居谷里・山廃純米原酒を飲みながら

語られず、示されるものの妙味 居谷里・山廃純米原酒を飲みながら

どうもこんばんは、りょーさけです。
今日は昼間から用意していた記事があったのですが、いろんな勘違いで明日に回すことになりました。

勤務終了アンド帰宅した後記事を早々にアップし、優雅なもぐもぐタイム(流行語?死語?)を過ごした後「今日こそは早く寝る!」と思っていた計画はもろくも崩れ去りました。

や、これでもいつもに比べればずっと早いからいいんですけどね。
さて、今日もお酒をいっぱい…と。

長野

もっとみる
またこの季節が巡りくる度に…あたごのまつ純米吟醸ささら・おりがらみ生酒

またこの季節が巡りくる度に…あたごのまつ純米吟醸ささら・おりがらみ生酒

どんな酒が飲みたい?

日本酒がはじまるシーズンは冬、その季節の到来とともにどんな酒を飲みたくなるだろうか?

もし人にそれを問われれば、僕はこんな酒を飲みたいと答える。
あたごのまつ、純米吟醸ささら・おりがらみ生酒。

なぜ、これを飲みたくなるのだろう。
その理由は単純だ。
この酒は思い出させてくれる。

酒は料理とともにあるべきものだということを。

このお酒のコンセプトは裏ラベルに書いてあり

もっとみる
あまりもの、の、ぜいたく

あまりもの、の、ぜいたく

どうもこんばんは、りょーさけです。
今日は健康診断でした。血圧がギリギリ正常ライン。オンライン。大坂なおみ選手のバックハンドストロークな堂々たるキワキワショットでした。

その他特に一発アウトな結果が出なくてよかったなあと思っています。

あとはラーメン食って寝てました。ははは。
そして今は茶碗蒸しとポムパイヤソンもどきを目の前に発泡酒と日本酒を飲んでいます。

妻が寛容なことをいいことにいい気に

もっとみる
酒に望むもの、スポーツに望むもの。~寳劔秋あがりを飲みながら(後編)~

酒に望むもの、スポーツに望むもの。~寳劔秋あがりを飲みながら(後編)~

どうもこんばんは、りょーさけです。
眠りの重さが尋常じゃなくなってきました。休みの日になると食べてる時以外眠気がとんでもない激烈な形で襲ってきます。

質もまた深し。一回の眠りで3つくらいの短編夢を見るようになってきた…。

夢があまりに多いと一部が現実と混じって何が本当の情報なのかが分かりづらくなってきます。
何年もあってない知人に夢で会うと、それでちょっと満足する自分がいます。
こうやって寂し

もっとみる
ある晴れた日の回想・無窮天穏天雲

ある晴れた日の回想・無窮天穏天雲

以下の詩を、無窮天穏・天雲に捧げます。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

あの空を幾人が眺めただろう

青が呼んでいる

旅人は故郷を思った若人は未来を思った農民は秋の穂を思った乳児はひかるものを光のまま受け取ったよみ人知らずの雑感が宙に浮く途切れることのない想像の大河

するり するり するり

こぼれ落ちていく記憶の物語の中で

笑ったあなたの顔をどうにかつなぎとめてくれ

あわ

もっとみる
糸井重里さんは好きですか? 天穏・無窮天穏天雲、改良雄町

糸井重里さんは好きですか? 天穏・無窮天穏天雲、改良雄町

あなたは雲を見て素晴らしいと思ったことがありますか?

じゃあ、木の葉が命を終えて地に還るときの音に耳を澄ましたことがありますか?

酔って道端を歩くおっさんの感情を想像して盃を交わしたくなったことがありますか?

赤ん坊の笑顔から喜び以外を感じ取ろうとしたことがありますか?

何気なく散歩して、泣き叫びたくなるほど季節の移り変わりの激しさに戸惑ったことは、ありますか?

どうも、りょーさけです。

もっとみる
曙光のように先駆けてくれ 栄光富士・朝顔ラベル(前編)

曙光のように先駆けてくれ 栄光富士・朝顔ラベル(前編)

どうもこんばんは、りょーさけです。

最近ようやく息子が自分の声かけに反応してくれるようになってきました。クッ・・・いままでお父さんサボりすぎてたのかな。こどもは正直ですぞ。面白い人には面白い。ツマラン人は、無視であります。これが現実です。

ということで今日は久々にシンプルな酒レビューと行きましょう。お酒はこれです。栄光富士・朝顔ラベル。酒米の王様山田錦と、やや寒冷な地域の女王(勝手に名付けまし

もっとみる
そこでは誰もが凡庸ではなかった。少なくとも誰もが、普通ではなかった。~モダン仙禽・亀の尾を飲みながら~(中編)

そこでは誰もが凡庸ではなかった。少なくとも誰もが、普通ではなかった。~モダン仙禽・亀の尾を飲みながら~(中編)

どうもこんばんは、りょーさけです。

ついに我が家にも厚い掛け布団が登場しました。押入れの中から。
とってもあたたかいです。これにニトリの「ずり落ちがしにくい布団カバー」をかけた布団を二段重ねにすれば…夢のあたたか寝床の完成であります!

今日仕事から帰ってきたら毛布も出ていた!ありがたきは家族の存在ですね。明日も仕事頑張れそうだなあ。

…ということで、大学時代の批評の講義とモダン仙禽・亀の尾の

もっとみる
酒に望むもの、スポーツに望むもの。〜寶劍秋あがりを飲みながら〜(前編)

酒に望むもの、スポーツに望むもの。〜寶劍秋あがりを飲みながら〜(前編)

どうもこんばんは、りょーさけです。

職場でもプライベートでも不思議と多くの人からからかわれます。不思議です。どこへ行ってもなぜか立ち位置が変わりません。ここ10年位の謎です。いや、もっとか。

人は所属するコミュニティによって、対面する相手によって自分自身の質を変えると何かの本で読んだのですが、僕はあまり変わってないのかもしれません。

今日はこのお酒を飲みながら行きます。寳劔純米吟醸秋あがり。

もっとみる
そこでは誰もが凡庸ではなかった。少なくとも誰もが、普通ではなかった。~モダン仙禽・亀の尾を飲みながら~(前編)

そこでは誰もが凡庸ではなかった。少なくとも誰もが、普通ではなかった。~モダン仙禽・亀の尾を飲みながら~(前編)

どうもこんばんは、りょーさけです。

日に日に眠りが深くなっております。深すぎて迷惑なくらいです。起きにくいデス。危うく遅刻しそうになりますです…。
あと、久しぶりの布団が重いですね。年々体が不自由になっていくのを感じます。元気なお年寄りって本当にすごいんだなあ。

とまあ老いと寒さを感じつつ、ちょっとあたたかくて若い(?)話をひとつ。
最近ちょいちょい昔の話をしています。あ、自分のです。で、よく

もっとみる
君は何を買うのだろう 僕は何を選ぶのだろう 寺田本家五人娘&香取(後編ってことで)

君は何を買うのだろう 僕は何を選ぶのだろう 寺田本家五人娘&香取(後編ってことで)

楽しい時間は想像以上に早く過ぎます。

昨日は飲み友のお宅へ伺って、家族どうして飲んだり食べたりしてました。

楽しかった。後何回あんなことがあるだろうか。あんな時間を共有してくれる人と会えるだろうか。

出会ってからまだ飲んだ回数なんて多くなくて、家族同士も二回目だけれど毎回心地よい時間を過ごさせていただいてます。

僕はそういうところでかわされるお酒の話が大好きです。
正しいかどうかは二の次の

もっとみる