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カテゴリー・ストーリー

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#小説

きき感覚

きき感覚

「一口に酒類と申しましても、これはもう皆さんも十分ご承知のように、ワインから始まりまして、と言ってもこれは始まりは他にあるという声もあるところですが、また種々の酒類がもたらす効果についても自由研究の枠を超えて、これまた世界中から様々な知見を集めてそれに当たっているところと聞いております。いずれにしろ、そうしたことをミックスして得られる快楽や危機的な状況へとつながる高揚感を持ったカウンターを注視して

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【短歌】勇者の一手

【短歌】勇者の一手

【短歌】勇者の一手

勝ち負けに勝る宇宙の探究に捧げた桂の跳躍ロマン

手の尽きたはずの相手がラッシュする 穴熊ならば勝てていたのに

恋をした君の向かいに振り出せば私はいつも逆転の将

リプレイが明白にする敗着を見つめる君は明日の勇者



【夢】遅刻、反則、退場

「お前が後手じゃ」

 声がしてからずっと通信が遅れて対局に入ることができなかった。数秒後にようやく入れた時には、既に何者かによ

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エビデンスの迷宮

エビデンスの迷宮

「お前は何らかの動機を抱え込んでいた。人知れず胸のどこかにずっと隠していたんだ。お前は何らかの足でこの街にまんまと転がり込んだ。何食わぬ顔をして道を行くお前が街の防犯カメラに映っているぞ。お前はお前の顔から逃げることはできない。そしてお前は、何らかの発想を抱き密室のトリックを作り出した。内心では誰かに自慢したいのをぐっと堪えることによって、トリックが完全なものになるよう企んだんだ。しかし、それにも

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【短歌】小説乗りのカテゴリー

【短歌】小説乗りのカテゴリー

はじまりへ行き着くような終わりへと
招いた虹のストーリー・テラー
(折句「バイオマス」短歌)



書き出せば無敵になれる小説の命は才で言い表せぬ

手に余るモチーフだけで飽和したポメラは黒い小説母船

湖池屋のポテトを食べて待っている深夜0時のカテゴリー・バス

理由なく小説である自意識を読み飛ばすカテゴリーの矜持
#カテゴリ #折句 #アクロスティック #ポメラ
#詩 #言葉遊び #ポテ

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12小説のリフレイン

12小説のリフレイン

「ぱっさぱさするな」
「15グラム」
「ここはプロテインのカテゴリじゃないか」
「強くなりたい人が多いからね」
「違う。僕はもっと色んなところに行きたい」
「だったらおでかけのカテゴリだな」
「そうじゃない。心の旅がしたいんだよ」
「ガジェットじゃないの」
「違う。小説だ!」

「小説? どうせ始まって終わるだけでしょ」
「だから?」
「何になるのかな」
「馬鹿だな。終わるからいいんじゃないか」

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【小説】小説をどうぞ

【小説】小説をどうぞ

「小説をどうぞ」

「ありがとう」

 小説をもらうのは初めてだった。しかも私が最も待ち望んでいた瞬間にやってきたのだ。私は小説がないと生きられない人間だ。もう思い出せないくらい、ずっとずっと昔からだ。ある時、私は小説によって生まれ変わったのだと思う。どんなに現実世界が上手くいかない時にも、一度小説の中に逃げ込めば、すべてが変わる。小説の中には光がある。夢があり理解者がいて温かい人の声が聞こえる。

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カテゴリー・バス

カテゴリー・バス

 あの人を嫌いになったのはあの人があの人を好きだったからだ。あの人はあの人であの人とはまるで別人のようだったけれど、あの人にもあの人に似た一面もあって、あの人もあの人もあの人も交じり合ってあの人を思わせているのかもしれない。小説を嫌いだったのもそうだ。みかんも、バームクーヘンも、ボール遊びも、海辺も、煙草も、銀杏も、雪だるまも、みんなあの人の影響を受けながら、接近したり逃げ回ったりした。あの人が好

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カテゴリ落選

カテゴリ落選

 謎の落選。またどこにもたどり着くことができなかった。失意の帰路。小さくなった肩から何度もジャケットが滑り落ちそうになる。本当にないのか。(自分だけが知らない鍵があるのかもしれない)交差点の真ん中に取り残された手袋をつつく獣の影を見た気がした。出遅れたワゴンを後ろのクラクションが押し出す。ヘッドライトが地を這って、僕の足跡を消す。

 エントランスのドアが破壊され中では枯れ葉が渦巻いていた。エレベ

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【短歌】カテゴリ・ナンセンス

【短歌】カテゴリ・ナンセンス

拾われぬ夜の向こうで小説が歌い続けた夢見る自由

君だけにわかってほしい小説はカテゴリの手をもれても平気

小説の風をなしても小説と軽く認めぬカテゴリ・センス

目に光るしずくに打たれカテゴリがごっそり拾う君のロマンス

夜に錯乱の兆しがのぞくとき小説だけがまともにみえる

うそであれ輝いている異世界はカテゴリにない僕の逃げ場所
#小説 #カテゴリ #異世界 #逃げ場所
#ナンセンス #ロマン

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【小説】ノベル・トレイン&サイエンス・カテゴリ

【小説】ノベル・トレイン&サイエンス・カテゴリ

 自信を胸に朝のホームに立った。
 この街での新しい生活が始まる。
 ホームは大勢の人でごった返していた。メロディーが流れ列車が入り込んでくる。私が乗るのはカルチャー線のノベル・トレインだ。胸にそれぞれの物語を抱え、人々が車内に呑み込まれていく。その中に今日は私もいる。
 私が好むのは左側の座席だ。ささやかな願いを満たし、私はA6の座席に着いた。すぐに列車は動き始めた。うとうととする暇はなかった。

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【短歌】小説になれない

【短歌】小説になれない

ひっそりと小説あげたこの夜にカテゴリはまだ目を閉じたまま

君だけを拾い続けたカテゴリーどうか僕にもコツを教えて

小説のカテゴリ・バスを待ちながら整えているあと15分

目の赤いうさぎが投げた小説に食いつく亀の遅れたディナー

横丁に浮かれて入る旅人の呼吸にそって弾む小説

うっとりと読まれてみたい小説を書き出すまでの100億光年
#小説 #カテゴリ #短歌 #詩歌
#詩 #日記 #あとがき

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【創作note】カテゴリーの謎④ ~サッカーの詩を書いたなら

【創作note】カテゴリーの謎④ ~サッカーの詩を書いたなら

※この記事はnote内におけるカテゴリをテーマとしたコラムまたは物語です。たどり着く結論は妄想を含み、多分に真実と異なる場合もございます。また、ほとんどの謎は未解決のまま終わることをご理解ください。

・意図せず届くところ
 『カテゴリーの謎②』が、「サッカー」カテゴリにおいて人気を得たと知らされた。
(サッカー?)
 思ってもみなかったところから弾丸シュートが飛んできたような気分だ。サッカーがテ

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