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雑記

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#本

″be″ or ″have″

昨日シェイクスピアの有名な″to be or not to be, that is the question″というフレーズがわけもなく頭から離れず、″be″について思い出したことがあったので書き留めておく(以下シェイクスピアとは全く関係ない話なのでご承知おきを)。

昔、大学の先生が「君たちは″have″と″be″のどちらの生き方がしたいか?」と私たち学生に問うた。
″have″は「持つこと」を

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ご自由にお取りください

渋谷をぶらついていたらこんなものが。

写真だとちょっと分かりにくいが、要らなくなった本をここに置き、自由に取っていってもらうためのボックスらしい。

どんな本があるのか気になって見てみたが、残念ながら無料でも持って帰りたいと思わないようなタイトルが並んでいた。

誰がやったのか知らないが、こういう取り組みは素晴らしいなと思う。要らなくなった本が誰かに読まれ、場合によってはその人の血肉になるかもし

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読後について

これは特に小説に顕著な現象で、本を読み終えると、何だかモヤっとした読後感が残ることが多い。あの登場人物はなぜああいう行動をしたのか、あの時の心理は、そもそも言わんとしているテーマは何か、など。

しかし、不思議なことに時の経過とともに、その理由や仮説が閃いたり、誰かとの会話からそのヒントを得ることが多々ある。

本は自分の中で日々生育していくものなんだろう。

本を読む環境

今まで小説も概説書も専門書も場所を問わず読んでいたのだが、ある時電車に乗りながら小説を読んでいると、自分が思っているほど小説の世界に入り込めていないことに気づいた。電車の揺れや騒音によって、絶えず小説と外界を行き来しているようになっていて、全く集中できていなかった。

その経験から最近は、静かな環境では集中して読み込む必要のある小説を、逆に騒がしい環境では気が散っても問題がない新書を中心とした概説

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購入本ドトン

新宿区でPayPay25%還元キャンペーンをやっていたので、紀伊國屋本店で爆買い。

ざっくり35000円くらい…😅

和歌にハマったので西行と古今和歌集、美学に少し関心が出てきたので小田部先生の『美学』、望月先生訳の『戦争と平和』が完結したのでまとめ買い、などなど。

まぁ、いつ読めることやらという感じではある。笑

楽しみな一冊

ついに購入!
ブラームスとクララ・シューマンの約40年間にわたる往復書簡集、『友情の書簡』

装丁も美しいし、内容も楽しみ。

いま新宿区でpaypay25%還元をやっていたので、定価5000円を3700円ほどで購入することができた。

ふぅ、楽しみ。

ヤマトタケルの絶唱

ひさかたの 天の香山 利鎌に さ渡る鵠弱細 手弱腕を 枕かむとは 我はすれどさ寝むとは 我は思へど汝が著せる 襲の裾に 月立ちにけり

『古事記』にて、婚約者との久々の再会を果たしたヤマトタケルが詠んだ歌。最後の「月立ちにけり」は彼女の生理を表している。つまり月経を月に見立てている。何という奥ゆかしさだろうか!

さらに、この「月立ちにけり」は、お互いが再会するまでには体の変化が生じるほどの年月を

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多読術

「多読術とは逆説的に『本を読まないこと』である」というのは、加藤周一やピエール・バイヤールをはじめいろんな人が言っている。僕は長らくそれを知りつつも、無視して興味の赴くままに乱読していたのだが、徐々に一生涯に読める本の限界に気付いてきた。限界があるというのを知りながら、行動しなければ納得しないというのは若気の至りそのもの…笑

この本は今読む必要ないな、という嗅覚も育ってきたので、ここからは「読む

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全集を読むこと

去年買った小林秀雄全集、32巻中10巻ほど読んだ段階からしばらく放っておいてたので、最近ちょこちょこ読んでる。

全集を読んでいると嫌でもその作家と日々対話しなきゃらならない。一緒に暮らしてる家族と毎日話すようなもんだ。粘り強く対話を続けていると、段々と作家の思想や見ている世界が伝わってくる。小林秀雄は、突き詰めれば作家自身の「姿」が見えると言う。人間が書いた文章を人間に戻す。全集を読むことはこの

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『ドン・キホーテ』に学ぶ「眠り」

寝てるときってなんでこんな気持ち良いんだろ。永眠はしたくないけど、意識がある状態でずっと寝てたいな😅

この眠りについて、セルバンテスの『ドン・キホーテ』に、面白い一節がある。(この一節に出会うために文庫本6冊のドンキホーテを読んだまである笑)

だって眠りは、人間のあらゆる思惑を覆い隠してくれるマントであり、飢えを取り除いてくれる糧食であり、渇きを癒してくれる水であり、寒さを暖めてくれる火であ

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8/1 購入本を紹介してみる

8/1 購入本を紹介してみる



今朝は町田のブックオフへ。この店舗は本当に品揃えが良くて行くたびに🤤こんな顔をしてる。

一冊一冊軽くコメント。

・アンナカレーニナ
2.4巻だけ持ってたので、1巻が手に入ってやっと読み始めることができそう。

・カンディード
神学が幅を利かせていたヨーロッパの伝統を、人間の理性によって打破しようとした啓蒙思想を代表するヴォルテールの作品。相場700〜800円なのが300円で売ってたので即

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本を読む人の美しさ

本を読む人の美しさ

昔通ってた水泳教室のスクールバスを見かけた。あの頃を懐かしみたい思いからか、バスの中の子ども達を一瞥した。

するとその中に本を読んでいる少女がいた。夕陽に照らされその眩しさに苛まれながらも、寸分も動揺することなく、ただ真剣に本に向き合っていた。その眼差しは凛々しく逞ましい聖女の様であった。

ところで、東京国立博物館に、黒田(清輝)記念館がある。そこに読書する女性の絵が展示されている。

黒田記

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自分という宇宙

ドラえもんが小学生向けに詩を解説する本、『詩が大好きになる』という本を読んだ。その末尾で紹介されている、まど・みちおさんの詩にいたく感動した。

ぼくが ここに いるとき
ほかの どんなものも
ぼくに かさなって
ここに いることは できない
もしも ゾウが ここに いるならば
そのゾウだけ
マメが いるならば
その一つぶの マメだけ
しか ここに いることは できない

ああ このちきゅうの う

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想像の旅をしよう

想像の旅をしよう

大学生のうちに国内外問わず、あちこちに飛び回ってたおかげで、いま現在は(物理的な)旅行への欲がほぼほぼないのは喜ばしいことだ。(ギリシャ・ローマはもう一度行きたいけど・・・!)

だって、(物理的な)旅行欲がないことは今ここ、この場所に満足できているということだから。とは言え、移動の欲求を完全に抑えることはできない。そこで僕は頭の中で旅行することをよくやる。

小説はよく旅に例えられるけど、本当に

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