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感情のエッセイ

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2019年5月の記事一覧

冷酒のように味わって

冷酒のように味わって

夜。風呂上がりに涼もうと外に出る。ひんやりとした風が気持ちいい。
月がでている。そこいらのコンクリに腰かけて、ゆっくりと味わうように息をすいこむ。

日中に揮発した草や土の水分がいっぱいに溶け込んだ空気。ゆっくりと冷やされたそれが、ひとつの贅沢として僕をみたしていく。

あぁ、夏の夜の匂いだ。

季節を彩る香りのなかで、最も芳醇で豊かな味わい。味わうごとにいろんな思い出が通り抜けていって、火照った

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優しくなんて

優しくなんて

あなたってなんでそんなに気が短いの?
そんな風に、人が怒っている姿を見ることがある。

自分だってそうだ。
なんでその程度のことが許せないのとか、なんですぐ雰囲気悪くするのとか。
そんな風に、水面下でいろんな人を見下しながら生活している。

ストレスというのは肌で伝わる。
近くに苛々している人がいる時、自然と空気は流れを止め、ただ物体が動いているだけの空間となる。

この息苦しさを産み出したあなた

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ぼくのそばにいて

ぼくのそばにいて

姉が結婚した時、めでたい気持ちより先に一抹の寂しさがあった。

嫌いな部分はあっても、ずっと仲良く笑いあってきたお姉ちゃんが遠いところにいってしまう。嫁いでいく先が遥か遠くの土地だとか、そういうことじゃなかった。

名字が変わるだけ。そう意識しても、離れていく感覚はどうにもぬぐえない。さびしい。さびしかった。
姉はこの家にずっと嫌悪感を抱えていて、一人暮らしを始めるときも「ここにはいられない」と言

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あなたとわたしであるように。

あなたとわたしであるように。

何事にも初心というものがある。介護職についてもう9年近くなるけど、あの頃と今では想いの色や形は変わってしまっている。

入職前に通る資格講習の中で、介護士の卵たちは暖かく理想的な理念を叩き込まれるもので、僕も例に漏れなかった。

「どれだけ認知症がすすもうが、感情は残る」「何も言わず、表情が変わらなくても、その老人は感じている」

「どんな姿になろうが、彼らは人間だ」

この教育のもと、卵は現

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