マガジンのカバー画像

エッセイらしきものばかり

521
何がエッセイなのかよく分かっていない人が書いたエッセイらしきものです。
運営しているクリエイター

2023年3月の記事一覧

平均から大きく外れたアルハラ

平均から大きく外れたアルハラ

 どんなに普通の人だって、全てが平均的なわけがないんです。自分は普通だと思っている人でも、テストのたびにちょうど平均点を取れる人はまずいない。大体は平均の上か下に点数がブレるはずで、ずっと平均点を取り続ける人は、それはそれで異様な存在です。つまり、誰だって普通じゃない要素がある。もちろん、この文章をお読みのあなたもそうですし、私だってそうなんです。皆様のことを何も知らずに書いていますけど、たぶんそ

もっとみる
東京のほうが野生の王国

東京のほうが野生の王国

 私は田舎の出身なんです。とは言っても、ネタになるような田舎ではありません。隣の家まで2キロとか、近隣住民は人より熊が多いとか、管理されなさすぎて集落が自然に還ろうとしているとか、そんな感じではないんです。周囲には家も道路もありますけれども、山も森も近くにある。自転車で5分走ればギリギリ獣道に辿り着ける。そんな環境で育ってきました。

 日常的に動物とバンバン出会う野生の王国かというと別にそんなこ

もっとみる
三枚のお札以前の問題

三枚のお札以前の問題

 「三枚のお札」という昔話がございます。

 とあるお寺に和尚と小僧が暮らしていたんですが、どういう話の流れか、小僧が山へ栗を拾いに行きたいと和尚へ頼み倒すんです。和尚は「山には恐ろしい山姥がいて危ないからダメだ」と止めますが、小僧の栗への執着がなぜか半端ない。和尚は仕方なく小僧の栗拾いを許可しますが、代わりに「山姥にあったらこれに願い事をして使いなさい。きっと守ってくれる」と言って3枚のお札を持

もっとみる
化かされたことにした事実、創作ってことにされた事実

化かされたことにした事実、創作ってことにされた事実

 家の近所を歩いていますと、おじいさんが前から歩いてきていました。その隣には帽子をかぶって三輪車をこいでいる男の子も見える。お孫さんだろうと思いました。

 ただ、おじいさんの姿勢に違和感を覚えました。おじいさんは男の子の頭に手をのせ、上から押さえつけるように体重をかけながら歩いていたんです。

 確かに、おじいさんが歩いている道は細い割に交通量が多い。男の子が三輪車で爆走した挙句、自動車と激突す

もっとみる
知らない人から勧誘かどうかも分からない電話

知らない人から勧誘かどうかも分からない電話

 皆さんがお持ちなのは、変な勧誘の電話がかかってくるタイプのスマートフォンでしょうか。私はそうです。最近はめっきり落ち着きましたけれども、まだ忘れたころにかかってきます。電話には出ず、番号をネットで検索して「ああまた勧誘か」と納得する。ただそれだけです。

 思えば、固定電話の頃からある話です。人間、自分の電話番号を誰かに教える機会が意外と多い。友人知人にはもちろん、公的な書類とか、ネットで買い物

もっとみる
基準とかいうあやふやなもの

基準とかいうあやふやなもの

 冬は身体を壊しやすいと言います。寒いし乾燥してるし日照時間は短いし、気分だって憂鬱になりがちです。じゃあ、夏はいいのかというと、夏は夏で身体を壊しやすいと言います。暑いし湿気てるし日照時間は長いし、油断したら熱中症まっしぐらです。春や秋は季節の変わり目とか言って身体を壊しやすい時期とされています。前日との気温差が激しいため身体に負担がかかり、体調管理が大変です。

 母親が季節に応じてそんなこと

もっとみる
おびただしい曖昧な名前

おびただしい曖昧な名前

 特に興味があって調べているわけでもないのに名前をチラホラ見るような人が、本当にブレイクしているんだろうなと思い込んでいるんです。ヨシタケシンスケさんもそのひとりだと思います。

 ヨシタケシンスケさんはイラストレーターであり、絵本作家としても知られています。私はイラストにも絵本にも詳しくなく、興味もそこまで持っていないんですけれども、ぼんやり生活をしていると、チラッチラッとヨシタケさんの姿なりイ

もっとみる
悪い言葉は誰にとっても必要なのか

悪い言葉は誰にとっても必要なのか

 なるべく良い言葉を使った方がいい。私もそう思います。ただ、悪い言葉は絶対に使ってはいけないと言われると、なんか違和感があります。悪いとされる言葉だって、何かの役に立っているから今まで存在してきたのではないかと思うんです。

 痛いとか苦しいとか、そういう言葉は分かりやすく役立っていると思います。確かにネガティブな言葉ですけれども、痛かったり苦しかったりする状況を他の誰かに伝えられる点は重要です。

もっとみる
独特なレジ係

独特なレジ係

 オンライン決済やセルフレジが増えてはいますが、まだまだレジ係は健在で、至るところでお世話になっています。たくさんの方が従事されているということは、言い換えると割と独特な方と出会うということでもあります。

 例えば、私がよく使っているスーパーに一時期いた女性のレジ係は、非常に大人しい印象の方でした。常に真顔で、声が小さいせいか「いらっしゃいませ」の挨拶も「せ」しか聞こえない。接客としてはよろしく

もっとみる
いまいちヤバさが分からない外国語の放送禁止用語

いまいちヤバさが分からない外国語の放送禁止用語

 言っちゃいけない言葉というのがあるわけです。相手を傷つけるとか、とんでもない空気になるとか、理由はいろいろですが、とにかく言っちゃいけない言葉は確実に存在する。

 公の場となると制限は特に厳しくなります。放送禁止用語なんて概念を作って、もうこの言葉を放送するのはやめましょうと決めちゃってる時もある。

 難しいのが、時と場合によって言っちゃいけない言葉が変わるところです。難しいけど、ありがちで

もっとみる
みんな髪の毛が分からない

みんな髪の毛が分からない

 以前、「チャンスの神様」ことカイロスの話を書きました。チャンスの神様は前髪がフサフサで後ろはツルツルである、すなわち「サッと手を伸ばして掴まないとチャンスは逃げてしまいますよ」という例えを髪型で体現したようです。

 チャンスが来たらすぐに掴まなければいけない。悩んでる暇はない。サッと動こう。そう勧める人や、そういう一派が書いたであろう本が存在します。何しろ世の中は締め切りであふれています。限ら

もっとみる
人魚姫式 時限爆弾

人魚姫式 時限爆弾

 ドラえもんで印象深い話があります。

 ドラえもんが知り合いの女の子に「人魚姫」を読ませますが、主人公の人魚姫は泡になって消えてしまうという例の悲しい結末に女の子は泣き出してしまいます。鳴き声を聞きつけてやってきたのび太のママはドラえもんが泣かせたと思って彼を叱ります。人魚姫の思わぬとばっちりを受けたドラえもんは「この本が悲しいからいけないんだ」と結論づけ、「絵本入り込みぐつ」という絵本の世界へ

もっとみる
忍者には不向き

忍者には不向き

 大人になっても忍者への憧れがバリバリに残るとは思いませんでしたが、そんな話をしたいわけじゃないんです。落とし物の話を書きたいんです。

 たまに前を歩く方が物を落としたことに気づかずそのまま先へ進んで行ってしまう時があります。明らかなゴミでもない限りは拾って持ち主に渡そうと思うんですが、まあこれが難しい。とっさに判断して知らない人への声をかけるわけなんですが、とっさの判断も知らない人への声かけも

もっとみる
妖怪に見る発想の袋小路

妖怪に見る発想の袋小路

 全て捏造かどうかは分かりませんが、妖怪も想像力によってできた部分は大きいと思うんです。「こういうやつがいたら面白いんじゃないか」という完全捏造パターンから、「いや、ぼんやりとしか見えなかったけどあれは確かに妖怪だった」と言って他の何かを妖怪に仕立て上げる一部捏造パターン、実在するものを妖怪に仕立て上げちゃうまさかの捏造ほぼゼロパターンまで、いろんな形があるとは思います。ただ、そこに何らかの想像力

もっとみる