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いまいちヤバさが分からない外国語の放送禁止用語

 言っちゃいけない言葉というのがあるわけです。相手を傷つけるとか、とんでもない空気になるとか、理由はいろいろですが、とにかく言っちゃいけない言葉は確実に存在する。

 公の場となると制限は特に厳しくなります。放送禁止用語なんて概念を作って、もうこの言葉を放送するのはやめましょうと決めちゃってる時もある。

 難しいのが、時と場合によって言っちゃいけない言葉が変わるところです。難しいけど、ありがちですよね。「綺麗ですね」の一言だって、単なる誉め言葉にとらえられる時もあれば、「外見で判断するのはちょっと」なんて言われる時もある。

 同じ言葉でも意味合いが最も変わるのは国が異なる場合でしょう。築いてきた文化が異なっているでしょうし、そもそも言語が違います。もちろん、現在ではインターネットの発達もあって、よその言語の放送禁止用語みたいなものが結構知られるようになってきてはいます。ただ、日常的に触れてきた言語が異なるために、言葉が持つニュアンスなどが分からず、放送禁止用語のヤバさを理解するのが難しいわけです。

 例えば、英語圏だといわゆるFワードと呼ばれるものがよく知られています。人前で言うと大変なことになるとか、とにかく下品な言葉とか、そんな話はよく聞きます。なるべく使っちゃいけないことくらいは私でも知っている。しかし、日本語すらロクに話せないような私には、もっと話せない英語圏のヤバい言葉であるFワードの本当のヤバさがいまいち理解しきれないんです。不勉強なこともあって、Fワードのニュアンスを過不足なく盛り込んだ翻訳と出会えていないのも理由だと思います。

 しかもFワードって、テレビやら何やらではピー音で隠す癖に、みんな意外と言ってるじゃないですか。昔、映画を見に行ったら登場人物がみんなバンバン使ってて「おいおい、ヤバいワードじゃないのかよ」と閉口した記憶があります。その映画とは2006年公開のアメリカ映画「ディパーテッド」でございまして、Fワードの多さで有名な作品のひとつに数えられているようです。

 何だったら、ウィキペディアに「ファックという言葉が多く使われた映画一覧」という、誰が何のために作ったのかよく分からない一覧があります。1分あたり平均何回出てきたかまで計測済みという念の入れようです。

 いや、すいません。私、嘘をつきました。「誰が何のために作ったのかよく分からない」わけがありません。変わった名前を集めたり集めなかったりしている私には、こういうものを作る人間の心理がよく分かります。単に楽しいからやってるんです。愉快犯的発想ですね。自分が知りたいだけという自己満足型探求心に突き動かされてやってみた方もいらっしゃるでしょう。役に立つかどうかなんて考えていたら、こんなものはできません。「こんなものでも楽しんでくださる方がいらっしゃれば幸いです」の精神に違いない。

 とは言え、これはあくまでFワードのヤバさをいまいち理解できない国のウィキペディアだからできた一覧なのかと思っていました。ええ、本当に浅はかな考えでした。英語版ウィキペディアの充実っぷりは日本語版の比ではありませんでした。

 しかも、1位の映画はギネス世界記録にも認定されているとのこと。やっぱり本場は違うなと感心している場合ではありません。何ギネスもちゃっかり絡んでるんですか。Fワードが本当にヤバい言葉なのか、ますます分からなくなってしまいました。

 多分、今後も分からないまま行くと思います。よろしくお願いいたします。

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