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知らない人から勧誘かどうかも分からない電話

 皆さんがお持ちなのは、変な勧誘の電話がかかってくるタイプのスマートフォンでしょうか。私はそうです。最近はめっきり落ち着きましたけれども、まだ忘れたころにかかってきます。電話には出ず、番号をネットで検索して「ああまた勧誘か」と納得する。ただそれだけです。

 思えば、固定電話の頃からある話です。人間、自分の電話番号を誰かに教える機会が意外と多い。友人知人にはもちろん、公的な書類とか、ネットで買い物をする時とか、本当に何気なく自分の電話番号を記入してしまいます。自然と電話番号がいろんなところに集まります。そして、どこかの誰かが「これを売ったら儲かるんじゃないか」と思いついた。情報に価値を見出したってやつですね。結果として、電話番号一覧は「名簿」として怪しい業者を渡り歩き、そのたびに変な勧誘電話が我々に飛んでくる。詳しいことは知りませんが大体そういうことなんだと思います。

 私のところに怪しい電話をしている人たちは明らかに特定の業種に偏っているため、どの辺りから情報が流出したのか何となく察することができます。特定の時期にしか利用しなかったサービスのため、流出時期も何となく予想がつく。

 しかし、そのサービスを使ったのはもう10年以上前の話なんです。十年一昔なんて言葉がある通り、十年は人にとって結構な期間になるんですけれども、今も私に変な電話をしてくる業者はそんな化石みたいな名簿を使っているんでしょうか。本当にどうでもいいんですけど、10年ものの化石名簿って使い物になるんでしょうか。

 ここまで来ると、逆にいつ業者が「さすがにこの名簿もう使えねえや」と諦めてくれるのか気になってきます。20年なのか30年なのか、100年経って名簿内に載っている電話番号の持ち主が一通り入れ替わってしまっても未来の業者が変な勧誘電話をしているのか。いずれにしろ、システムが大きく変わらない限り、怪しい電話勧誘はまだまだ続きそうです。

 そんな有様ですから、知らない番号からかかってきたら迂闊には出ず、ネットで番号を調べる癖がついてしまいました。怪しい業者の番号を積極的に公表している方々がいらっしゃるのか、会社名からどんな勧誘をしてくるかまで割と簡単に出てきます。迷惑な電話だと分かったら折り返しませんし、正体不明の電話番号も折り返しません。ただ、たまにどちらでもない番号からかかってきます。

 大体は単純な間違い電話です。「また知らない番号からかかってきた」と思って番号を検索すると、誰もが知ってるクレジット会社の名前が出てきました。「さてはクレジット関係のトラブルに巻き込まれたか」と思って折り返してみましたが、どうも私に電話したかったのではない模様。

「最近、車を購入しましたか?」
「いえ、全然」

 車なんて高級外車から一輪車に至るまで平等に購入の予定がありません。どうやら間違ってかけてしまったということで話は落ち着きました。実はマジでトラブルだった、とかだったらどうしようとちょっとだけ思いましたが、これもまた10年以上前の話なので、本当に間違い電話だったのだと思います。

 留守電に「〇〇さんの電話ですか?」というメッセージが残されることも5年に1回くらいのペースであります。折り返して「間違ってますよ」と知らせてもいいんですが、相手の人を変に恐縮させやしないかとか、余計なことをあれこれ考えてしまって、結局、何もしないまま終わらせてしまいます。正しい行動なのか、未だに判断がつきません。

 最近もまた見覚えのない固定電話から着信がありました。市外局番から考えて関東のどこかのようです。早速、電話番号を検索してみましたところ、私とは縁もゆかりもない、何なら存在もたったいま初めて知った小学校の電話番号がヒットいたしました。

 このケースはちょっと初めてすぎてどうしたらいいのか迷ってしまいました。明らかに間違い電話なんですが、「あれ、俺この小学校に忍び込んで体育館でひと暴れしたんだっけ」とか、ありもしない記憶を勝手に捏造して勝手に不安がってみたりしました。

 折り返し電話をして「間違いましたか?」と言ったところで、教職員に不安を与えるだけでしょう。ですから、私は何もせず、何だかよく分からない不安を抱えて現在に至ります。以後、その小学校から電話は来ないので、本当に間違いだったと思います。

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