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マッドマックス:怒りのデスロード/Mad Max:Fury Road
いわゆる大作映画みたいなものが、どうも自分の趣味とは少し合わないな、と思い始めたのはいつぐらいのことだっただろうか。何を気取っているんだ、と言われそうだけれど、何を隠そう僕は気取っていたのだ。なにせ、『映画が好きというより、映画が好きな自分が好き』な若者だったのだから。
この映画もヒット作の続編ということで、大々的なプロモーションがされていたと思う。ド派手なアクションシーンをつなぎ合わせた予
トゥルーライズ/TRUE LIES
ストレンジデイズからの関連で……、というわけではないのだけれど、たまたまこの順番になった。ジェームズ・キャメロン脚本、監督。アーノルド・シュワルツネガー主演の94年の映画だ。
紛うことなきエンタメ大作。ジェームズ・ボンドにさりげなく目配せしながら、銃撃戦、カーチェイス(馬も使う)、爆発、戦闘機、橋も爆破、核爆弾の爆発をバックにキッス、ハロウィーンな叫び(=スクリーム!)、ご都合主義的展開。け
ストレンジデイズ/Strange Days
『完璧な映画は存在するか』この問いに、どう答えれば良いか。答えは簡単で、実際に完璧な映画をひとつ差し出せば良い。では、完璧な映画とは? 唐突なリプライズ。
キャスリン・ビグローが監督、脚本をジェームズ・キャメロンというアカデミー賞的にはまさに『完璧』なタッグ(しかも二人は元夫婦だ)をもってしても、完璧な映画というは作り得ないらしい。でもこれは批判じゃない。
他人の五感を体感できるVR装置「
コットンクラブ/The Cotton Club
『完璧な映画は存在するか』
この問いに、どう答えれば良いか。答えは簡単で、実際に完璧な映画をひとつ差し出せば良い。では、完璧な映画とは?
人によって、どんな映画を挙げるかは様々だろう。『バック・トゥ・ザ・フーチャー』『レインマン』『ターミネーター』はたまた『蜘蛛巣城』などなど。単に名作なだけともいえるし、それ以上とも言えるかもしれない。『ゴッドファーザー』だって、パートⅢを除けば、そうかも
天気の子/Weathering With You
新海誠はセルアウトした、でもそれは悪いことじゃない。というのが、前作『君の名は。』を観たときの感想で、随分と偉そうな感想だと自分でも思うけれど、僕の作家・新海誠への関心は、そこで潰えてしまっていた。じゃあ、どうして今作を見たかといえば、たまたま入った映画館で時間がちょうど良いのがこれしかなかったからで、なんだか言い訳めいているけれど、見た理由は本当にこうで、でも結果から言えば観て良かった。
ストレンジャーシングス/Stranger Things
物心ついたときというか、自分がいわゆるカルチャー全般に興味を持ったのが90年代以降で、青春を共に過ごしたのは2000年代(しかしゼロ年代というのは誰の考えた言葉なのだろう)だったから、その直前の80年代というのはダサいもの、というのが無意識的にあった。だから昨今の、というか、少し前からの80年代リバイバル的な雰囲気には正直少し違和感があって、いまひとつ乗れなかったのだけれど、このネットフリックス
もっとみるスカイクロラ/ THE SKY CRAWLERS
『映画が好きというより、映画が好きな自分が好き』な自分というのが本格的に開花(?)したのは、一人暮らしを始めてからで、もともと家族を含めた人付き合いというか、そういうことが苦手だった僕が、親元を離れて一人の時間を思う存分使えるようになって、そこにピッタリとハマるべくしてハマった趣味が映画鑑賞だった。何も一人暮らしを始めてから急にそういう自分が生まれたわけではなく、振り返れば中学生くらいから、過剰な
もっとみる東京物語/TOKYO STORY
二十歳くらいのころ、『映画が好きというより、映画が好きな自分が好き』というような時期があって、今となっては若気の至りというか、多少の恥ずかしさを伴って思い出されるのだけれど、とにかくそういう時期があって、そのときに主に観ていたのが、ジム・ジャームッシュやヴィクトル・エリセ、アキ・カウリスマキ、そしてヴィム・ヴェンダースで、特にヴェンダースは『パリ、テキサス』や『ベルリン、天使の詩』はもちろんのこ
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