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#61 農業資材の価格上昇 ~ここ3年での上がり幅に注目~

#61 農業資材の価格上昇 ~ここ3年での上がり幅に注目~

様々なものが値上がりしてきていますね。特にロシアによるウクライナ侵攻から急激に物価が上がった印象があります。

以前、農産物の価格の推移について調べましたが、今度は農業資材の値段はどうなっているのか調べてみます。

農業界で仕事をしていると肥料がすごく値上がりしていると聞きますが実際はどうでしょうか?

今回は農業物価統計調査を基に考えます。

肥料・農薬・農業用ビニールの価格推移農業に特に関わる

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#28-2 市町村ごとに大阪産(もん)の販路を考える

#28-2 市町村ごとに大阪産(もん)の販路を考える

生産者から消費者へは次のような販路があります。

以前の記事で大阪の生産者の販売先を調べました。

大阪産(もん)の販路の特徴は
・ここ5年で販路が多様になってきている
・JA出荷をしている経営体が最も多いが、全国に比べると割合が低い
・全国と比べて消費者への直接販売の割合が高い
・その中でも地域の直売所での販売が多い
といった内容でした。

では、市町村別で生産者の販路はどうなっているのでしょう

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#52 農業のおおまかな利益率part2 ~日本政策金融公庫のデータより~

#52 農業のおおまかな利益率part2 ~日本政策金融公庫のデータより~

前回記事では、色々な生産者の平均値のデータであるので、本当に大枠でしかわかりませんでした。

今回は、より農業で利益をあげることを目指している経営体の利益率などを見ていきたいと思います。
活用するのは、日本政策金融公庫がまとめている、「令和3年農業経営動向分析」です。

公庫の融資先のデータであり、融資を受けるのは「規模拡大意向がある経営体」や「償還が見込まれる経営体」ですので、ビジネスとして農業

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#51 農業のおおまかな利益率~農業界全体を見た場合~

#51 農業のおおまかな利益率~農業界全体を見た場合~

農業を始めようと思う際に、
「売上に対してどれくらいの利益率が出るものなのか」といったことを知りたいと思いますが、
それらの参考となるデータが中々ありません。。。

もっとも確実なのは、農業を始めたい地域の生産者に直接聞くことですが、
プライバシーなことですので、関係性がないと中々聞くことができません。

そこで、非常に大枠の参考ですが、農林水産省の統計(農業経営統計調査)から考えてみます。

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#50 生産者が”個人”で活用できる補助金・支援金

#50 生産者が”個人”で活用できる補助金・支援金

自治体が来年の予算を決める時期が始まってきています。

農業向けの補助金も種類がたくさんありますが、よく感じるのは
「個人で活用できる補助金めっちゃ少ない!!」ということです。

補助金を受けるにはいろいろな条件を満たさないといけないですが、その要件の中に「法人であること」「団体であること」「○○協議会等」といった表現をよく見かけます。

一方で生産者の大半は個人事業主です。
大阪では個人で販路を

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#45 年単位でみる農産物の価格推移 ~野菜の価格は上がっているのか?~

#45 年単位でみる農産物の価格推移 ~野菜の価格は上がっているのか?~

前回は果物についてみてきました。

今回は野菜について考えます。(データは同じく青果物卸売市場調査より)

1985年以降の野菜価格の推移キャベツ・レタス

なんと、ここ30年にわたってほとんど単価が変わっていません。
むしろレタスは下がっています。

◯キャベツ:73円(1985年)→74円(2021年)
◯レタス:211円(1985年)→162円(2021年)

トマト・なす

トマト、ナスと

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#44 年単位でみる農産物の価格推移 ~果物の価格は上がっているのか?~

#44 年単位でみる農産物の価格推移 ~果物の価格は上がっているのか?~

物価がどんどん上昇していますね。
農業においては肥料が高騰する中、農産物の販売価格への転嫁が進まないという報道がありました。

超短期的には旬や端境期で、1年スパンでは豊作不作で価格が上下する農産物ですが、
そもそも、10年スパンなどの長期では価格はどう変わってきているのでしょうか?
農産物も価格が上がってきているのでしょうか。

今回は代表的な果物のここ20年間の単価の推移を見てみます。

※デ

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#24-2 いちじくは2倍、いちごは3倍に!~大阪の農業生産額の推移~

#24-2 いちじくは2倍、いちごは3倍に!~大阪の農業生産額の推移~

最近Yahooニュースでこんな記事がありました。

ブドウがシャインマスカットにより生産額が格段に上がっています。

大阪の場合はどの品目で生産額が増えているのでしょうか?

いちじく、いちごが大躍進主要な農産物(産出額上位20)のうち、大きく産出額を伸ばしたのは
いちじく(3億円→6億円)、いちご(2億円→6億円)です。

他にも、ぶどう(33億円→38億円)もも(2億円→3億円)など果物は伸び

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#42 果物の月別の価格 ~ぶどう・いちごを例に~

#42 果物の月別の価格 ~ぶどう・いちごを例に~

前回は野菜についてみましたが、今回は果物で考えてみましょう。

ぶどうまずは柏原市や羽曳野市の名産の”ぶどう”です。

デラウエアは5月から量が出始め、9月ごろまで続きます。

5月の価格は1900円/kgと、8月の価格(839円/kg)の2倍以上の値段になります。

その他ぶどう(主にシャインマスカット)は6月から12月ごろまで続きます。
6月の価格は3778円/kgで9月(1526円/kg)の

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#41 野菜の月別の価格 ~なす・春菊を例に~

#41 野菜の月別の価格 ~なす・春菊を例に~

今や同じ農産物が年中ある時代です。(めっちゃすごい!)

もちろん、時期によって価格が変動します。

今回は年間でどれくらい価格が上下するのか、なぜ変動するのかを考えていきます。

※卸売価格ですので、スーパーの販売価格とは違います。

なすまずは富田林市で生産が盛んな”なす”についてです。

なすの特徴

5~7月に卸売量がピーク

6月は比較的安く(363円/kg)2月が最も高い(438円/k

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#30-2 販売金額別の経営体数ver2 〜「農家はもっと減っていい」久松さんの講演を受講して〜

#30-2 販売金額別の経営体数ver2 〜「農家はもっと減っていい」久松さんの講演を受講して〜

話題の著書「農家はもっと減っていい」の作者である久松達央さんの講演会がありました。

本を読んだ時から感じていたとおり、とても面白く、そして考えさせられる内容でした。

その中の「80%の農家が売上500万円以下の零細農家で、10%強しかいない売上1000万円以上が農業生産額の80%弱を稼ぎ出している」
について、#29の記事や#30の記事でも触れましたが、改めて整理しようと思います。

文末にエ

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#33 直売所でどのように販売するか?

#33 直売所でどのように販売するか?

今回は生産者向けのデータです。消費者の方も、生産者になったつもりで考えてみてください(意外と面白いですよ)。

買い手(お客さん)に注目してみます。
どんな年齢層の人が、どこから、どんな頻度で買いに来るのでしょうか!?

こちらも、直売所調査のデータ(2017年)を引用しています。
聞き取りでのアンケート調査がデータ元です。
※POSデータではありません。グラフ中の「直売所前、レストラン前」は聞き

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#32 府内直売所の規模別件数

#32 府内直売所の規模別件数

直売所が人気です。特にコロナ初期には内食が増えたこともあり、直売所周りがかなり渋滞していると報道されていました。

直売所は新規就農者からベテラン生産者まで多様な人が販路として活用しています。
一方で、お客さんからみても、(スーパーよりも)新鮮な農産物が安く買えるため人気です。

そこで大阪府の直売所(大型だけでなく生産者の庭先などの小型も含む)について、数値で現状を把握していきたいと思います。

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#31 各市町村の販売金額別経営体数の分布図  〜エクセルダウンロード可〜

#31 各市町村の販売金額別経営体数の分布図 〜エクセルダウンロード可〜

販売金額別の生産者の分布(市町村別)について、特徴的だった貝塚、柏原、能勢、高槻に注目してみました。
どんな分布をしているのでしょうか??

貝塚市、柏原市(販売金額1,000万円以上が占める割合 多)どちらも最も多いのは販売金額が50万円未満の経営体ですが、全体的にはグラフのピークがない形をしています。

面白いのは、どちらも50~100万円と300~500万円で数が減っているところです。
想像

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