#61 農業資材の価格上昇 ~ここ3年での上がり幅に注目~
様々なものが値上がりしてきていますね。特にロシアによるウクライナ侵攻から急激に物価が上がった印象があります。
以前、農産物の価格の推移について調べましたが、今度は農業資材の値段はどうなっているのか調べてみます。
農業界で仕事をしていると肥料がすごく値上がりしていると聞きますが実際はどうでしょうか?
今回は農業物価統計調査を基に考えます。
肥料・農薬・農業用ビニールの価格推移
農業に特に関わる肥料、農薬(殺虫剤)、農業用ビニールの推移は次のとおりです。
特に肥料については2020年から2022年にかけて30%以上の価格上昇です。
ビニールも10%程度の上昇と、近年での増加がすさまじいことがわかります。
グラフは省略していますが、窒素成分の多い尿素肥料は60%以上上昇しています。
ガソリン・燃油・重油の価格推移
農業でもガソリン、燃油、重油は欠かせません。
特に重油はビニールハウスを温めて早く収穫するだけでなく、一部のハウスだけを温めて生育速度を調整することで、作業が一時に集中するのを防ぐ必要不可欠な資材です。
やはり全ての価格が上がっており、特に重油は40%以上の上昇になっています。
一方で農産物の価格は・・・
これら資材の価格が上がっていますが、農産物の価格はというと2020年から2021年にかけてあまり大きく上がっていません。
このような状況に、農林水産省も燃油代上昇にかかる費用補助などの制作を出していますが、あまり私の周りでは浸透していません。
浸透しない要因としては
「補助される金額がぱっとわからない」
「個人の生産者が対象ではなくて3名以上の生産者の団体が対象である」
ことかなと思っています。
どのタイミングで価格が上がるのか?
今後、同様のことが起きないとも限りません。
そういった場合、あらかじめ安い段階で在庫を確保したいと思いますが、価格上昇はいつから起きるのでしょうか?
より詳細に月別価格を見るとこのような推移です。
肥料に関しては2022年の6月に顕著に数字が上がっています。
これは、JAが年に2回、肥料の価格改定をしているからだと思われます。
今回はウクライナ侵攻があった(2022年2月)直後の価格改定のタイミングで一気に値段が上昇しています。
肥料については価格改定のタイミングに注意しながら購入するのが鍵だとわかります。
まとめ
大方の予想どおり資材価格は上昇しており、中でも肥料と燃料(ガソリン、重油、軽油)の上昇が特に大きいことがわかりました。
加えて、示しているのはあくまで年間を通じての値ですので、個々のケースだと2倍以上に価格が上がったことも見受けられるのだと思います。
(実際にJAの肥料価格改定では2倍以上になっているものもあります。)
また、肥料については価格改定のタイミングを知った上で発注量を検討することが大切だと思われます。
エクセルデータにはもっと他の資材のデータもありますので、ご覧ください!
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