データで見る大阪農業

「生産者と消費者がもっと繋がる世の中に」 食品メーカー→自治体職員。大阪にも身近に農産…

データで見る大阪農業

「生産者と消費者がもっと繋がる世の中に」 食品メーカー→自治体職員。大阪にも身近に農産物、農空間があることをお伝えしていきます。 https://maroon-heron-781.notion.site/cbbc37562a4943f3a5ff81d3cd5bc24a

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2023年人気記事ランキング【祝5000ビュー㊗️】

いつもご覧いただきありがとうございます。 2023年は計30記事、2021年からはじめて合計67記事になりました👏 ニッチな分野ですが一定数見てくださる方がいて、とても励みになっています! 節目にこの1年の閲覧数ランキングを発表します。 2023年人気だった記事はこれだ!第5位 #07 耕作放棄地で農業。あり?なし? noteを初めて初期の段階で書いた記事です。 耕作放棄地というよく議論になるトピックに対して、「なぜ耕作放棄地が増えるのか?」「耕作放棄地で農業をするこ

    • #61 農業資材の価格上昇 ~ここ3年での上がり幅に注目~

      様々なものが値上がりしてきていますね。特にロシアによるウクライナ侵攻から急激に物価が上がった印象があります。 以前、農産物の価格の推移について調べましたが、今度は農業資材の値段はどうなっているのか調べてみます。 農業界で仕事をしていると肥料がすごく値上がりしていると聞きますが実際はどうでしょうか? 今回は農業物価統計調査を基に考えます。 肥料・農薬・農業用ビニールの価格推移農業に特に関わる肥料、農薬(殺虫剤)、農業用ビニールの推移は次のとおりです。 特に肥料について

      • #60-5 【まとめ回】データを踏まえて雇用を考える

        これまで雇用についてデータをみてきました。 今回はこれらをまとめつつ、雇用をどうしていくのかを考えようと思います。 直近の記事はこちら これまでのまとめ雇用を導入している生産者は大阪では8%と非常に少数です。 そのような中でも、常雇用と臨時雇用を導入している場所に傾向があり、 常雇用は野菜の産地で、臨時雇用は果樹の産地で比較的導入されています。 そして、常雇用については男性、女性で多い年代が少し異なりました。 加えて、大規模な経営体ほど被雇用者は若い傾向があることがわ

        • #60-4 農業経営体(販売金額別)の新規雇用就農者の人数・属性

          前回は被雇用者の年齢別人数について考えてきました。 今回は雇用する側の売上によって雇用の傾向の違い(特に年齢)があるのかを考えていきます。 ※直接的なデータはなかったので、新規就農者の実態調査のデータを基に考えます。 経営体(販売金額別)別の新規雇用就農者数まずは、販売金額別に新規雇用就農者(常雇用)はどれくらい違うのでしょうか。 販売金額が1億円以上の経営体で圧倒的に多く、1億円以上の経営体の雇用数とそれ以下の経営体の雇用数の合計がほぼ同数となっています。 一方で

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        2023年人気記事ランキング【祝5000ビュー㊗️】

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          #60-3 農業の被雇用者は何歳が多い?

          前回のまとめで、想像よりもここ5年間の雇用者数が減っていることがわかりました。 では、どのような人が従業員として働いているのでしょうか。 今回は年齢別、性別の常雇用者数を見ていきます。 男女で傾向が異なる常雇用(大阪府)被常雇用者数を年齢別にみたのが上の図です。 どの年代も合計50人程度で総数に大きな違いはありません。 しかし、男性と女性で年齢の分布が異なります。 男性は20代から30代の若手と、65歳以上で多くなります。 女性は40代後半から60歳にかけてが多くな

          #60-3 農業の被雇用者は何歳が多い?

          #60-2 ここ5年の雇用の推移

          前回は都道府県で比較した際の大阪の特徴、大阪府内の市町村別の特徴について考えました。 今回は、ここ5年間でどのように変わってきているのか、年次変化をみていきたいと思います。 高齢の生産者がリタイアし、徐々にですが大規模法人に集約されているとよく見聞きします。それに伴い雇用も増えてそうですが実際どうなのでしょうか。 意外と減っている!雇用を導入している経営体次のグラフは2015年および2020年に雇用を導入している経営体の割合です。 2015年から2020年にかけて軒並

          #60-2 ここ5年の雇用の推移

          #60 農業の雇用状況

          農業経営体数が減少する中、団体の経営体や法人の経営体は増えています。つまり1経営体が抱える面積が増えてきています。 そうすると雇用労働(正社員、アルバイト)が増えてくるはずですが、私の周りでは雇用をしている人が多いという実感はまだまだありません。 ではどれくらいの経営体で雇用労働を入れているのでしょうか。 雇用を導入している経営体数(大阪)大阪府全体で雇用を導入している経営体数は次のとおりです。 全経営体のうち、実に92%は雇用を導入していません。 常雇用を入れてい

          #59 【写真つき】2023年印象に残った野菜

          次は野菜です!果物偏はこちら。 【柔らかくて甘い】生で食べるかぶ 衝撃的だったのが、”生で食べるカブ”です。 茨城県の久松農園さんの野菜セットの中に入っていました。 おすすめの食べ方に「生で」と書いてあり、半信半疑ながらサラダで食べたところ、甘くて柔らかく、初めての経験でした。 ”エロうま”な野菜に出会いました。 お野菜セットは内容を選べるのではなく、季節の旬のものが送られてくるそうですので、巡りあわせですが、ぜひ食べてみてください。 衝撃です。 ●購入した場所 久

          #59 【写真つき】2023年印象に残った野菜

          #58 【写真つき】2023年印象に残った果物

          2023年も終わりですね。 今年もスーパーや直売所で面白そうな農産物を見つけては試しに食べてきました。 その中で特に印象に残ったものをまとめていきます。まずは果物偏です。 【食べ応え抜群】ぶどうの女王”クイーンニーナ”今年色々なぶどうを食べ比べした中でNo.1だったのがクイーンニーナです。 特徴は何といっても 大粒・あふれる果汁・甘い・歯ごたえ抜群! シャインマスカットよりも果汁感が強いので好きです。 ●購入できる場所 道の駅やぶどう農家の直売所(柏原市、羽曳野市など)

          #58 【写真つき】2023年印象に残った果物

          #57 【野菜の消費ランキング】大阪はあの野菜の消費が全国1位!

          前回は果物の消費について調べました。 今回は野菜の消費者の傾向(※)を見ていきます。 ※2人以上の世帯が年間に品目別に購入する量および金額(家計調査:2020年~2022年の平均値で県庁所在地別(+政令指定都市)より) 大阪の野菜消費の特徴全国平均よりは消費額が大きい 生鮮野菜への支出額の全国平均は72,326円、大阪市は76,508円で全国平均より少し高かったです。首都圏が消費額の上位を占めていました。 消費額1位はトマト!そして注目の野菜が!! 大阪の野菜の年

          #57 【野菜の消費ランキング】大阪はあの野菜の消費が全国1位!

          #56 【果物の消費ランキング】意外と産地じゃないところで食べられている?大阪人の特徴は?

          今回は果物の消費者の傾向を見ていきます。 2人以上の世帯が年間に品目別に購入する量と金額のデータがあります(家計調査:2020年~2022年の平均値で県庁所在地別(+政令指定都市)のデータ)。 こちらをもとに、大阪および全国の果物消費の特徴について考えてみます。 大阪の果物消費の特徴大阪は果物にあまりお金をかけない 生鮮果物への支出額の全国平均は36,781円、大阪市は35,471円で全国平均より低かったです。 福島や山形などの産地が上位に来る中、東京も6位に入って

          #56 【果物の消費ランキング】意外と産地じゃないところで食べられている?大阪人の特徴は?

          #55 後継者が決まっている生産者はどれくらいいるのか?

          農業の平均年齢は68.4歳です。圧倒的に高齢化が進んでいる業種で、70代、80代の方がザラにいらっしゃいます。 そしてここ10年間で生産者の数は30%程度減少しています。 (2010年:205万人→2019年:140万人) 一方で農業を1から始めるのは初期投資が大きいだけでなく、栽培技術の習得や販路獲得の面でも非常に大変です。 そこで、今の農業経営を後代に引き継ぐということは非常に大切です。 では実際、後継者が決まっている生産者はどれくらいいるのでしょうか。今回は後継者の

          #55 後継者が決まっている生産者はどれくらいいるのか?

          #28-2 市町村ごとに大阪産(もん)の販路を考える

          生産者から消費者へは次のような販路があります。 以前の記事で大阪の生産者の販売先を調べました。 大阪産(もん)の販路の特徴は ・ここ5年で販路が多様になってきている ・JA出荷をしている経営体が最も多いが、全国に比べると割合が低い ・全国と比べて消費者への直接販売の割合が高い ・その中でも地域の直売所での販売が多い といった内容でした。 では、市町村別で生産者の販路はどうなっているのでしょうか。 あなたの住んでいる市町村の農産物はどこに売られているのでしょうか。 今

          #28-2 市町村ごとに大阪産(もん)の販路を考える

          #54 新規就農の実態

          全国では毎年4.5万人ほどの新規就農者がおり、大阪でも毎年30人前後の新規就農者がいます。(参考:大阪府の農業データ) コロナ禍を経ての自然回帰やテレビでも”耕作放棄地問題”が取り上げられ、「新規就農をしたい」という相談は増えている印象があります。 そのような意思は大事ですが、「新規就農者の実態はどうなっているのか」を把握することも非常に大切です。 今回は全国農業会議所が公開している新規就農の実態調査をもとに新規就農の実態と心構えについて考えてみます。 ※半農半X的な

          #54 新規就農の実態

          #53 聞いたことのなかった集落営農。大阪にもあるの?

          全国で農業支援をされている人と話をすると、たびたび「集落営農」という言葉を聞きます。 が、正直に言って「何ですかそれ(*_*;?」の状態でした。 そこで、集落営農がそもそも何なのか、大阪にどれくらいあるのかを調べてみました。 集落営農とは?農業生産の一部分もしくは全部を集落単位で実施する組織を指しています。 こちらのページに詳細が載っていますが、例えば次のような形態があります。 ①機械や施設を共同利用して生産を行う。 ②中核となる農家やが機械や施設を使った作業を受

          #53 聞いたことのなかった集落営農。大阪にもあるの?

          #52 農業のおおまかな利益率part2 ~日本政策金融公庫のデータより~

          前回記事では、色々な生産者の平均値のデータであるので、本当に大枠でしかわかりませんでした。 今回は、より農業で利益をあげることを目指している経営体の利益率などを見ていきたいと思います。 活用するのは、日本政策金融公庫がまとめている、「令和3年農業経営動向分析」です。 公庫の融資先のデータであり、融資を受けるのは「規模拡大意向がある経営体」や「償還が見込まれる経営体」ですので、ビジネスとして農業を実現している(これからしていく)経営体に近いと思われます。 元データもぜひご覧

          #52 農業のおおまかな利益率part2 ~日本政策金融公庫のデータより~