#60-5 【まとめ回】データを踏まえて雇用を考える
これまで雇用についてデータをみてきました。
今回はこれらをまとめつつ、雇用をどうしていくのかを考えようと思います。
直近の記事はこちら
これまでのまとめ
雇用を導入している生産者は大阪では8%と非常に少数です。
そのような中でも、常雇用と臨時雇用を導入している場所に傾向があり、
常雇用は野菜の産地で、臨時雇用は果樹の産地で比較的導入されています。
そして、常雇用については男性、女性で多い年代が少し異なりました。
加えて、大規模な経営体ほど被雇用者は若い傾向があることがわかりました。
これらを踏まえて、雇用について考えたことをまとめます。
雇用についての考察
今回の結果をみると、20代の男性や40代女性にどのように訴求できるのかがポイントになるかもしれません。
20代男性に対する訴求
20代男性が農業で常雇用される際に考えることは
・将来的に農業で独立したい
・農園のスタッフとして活躍したい
・趣味と両立しながら仕事をしたい
といったところかと想像します。
そういう方に訴求する表現としては
・早くから経験を積める
・新しいことにチャレンジングな農園である
・年間で働き方のスタイルを調整できる(繁忙期は忙しいけれど閑散期は休みやすい)
・服装などは自由である
などかと思います。
40代女性に対する訴求
40代女性が農業で常雇用される際に考えることは
・食に関する仕事をしたい
・これまでとは違う仕事をしたい(内勤→屋外での勤務、PC業務→手を動かす仕事)
・子育てなどあるので家の近くで働きたい
・子供の学校行事や急な体調不良などで予定を合わせやすい仕事をしたい
といったところかと想像します。
そういう方に訴求する表現としては
・子供の急な体調不良などに応じてシフトを変更しやすいこと(繁忙期を除く)
・近距離通勤大歓迎
・作業内容が多岐にわたるので飽きない
・食に関わる仕事ができること、美味しい農産物が食べられること
かと思います。
特に大切だと感じること
これらに加えて、私が一番大切だと思うのは、
「農園主やスタッフの顔が見えること、人柄が垣間見えること」です。
大規模事業者に比べると、待遇面で追いつこうとしても難しい部分が多々あります。
小規模事業者の利点としては、
「素敵な社長と近くで仕事できること」
「社長の考え方(組織の方針)をダイレクトに感じられること」だと思います。
この人の下で働きたい、この人から色んなことを吸収したい、この人のために働きたいと思えることがとてもエネルギーになります。
そういったものの情報源はホームページやSNS、または直接会えるようなイベント(マルシェ、体験イベントなど)です。
私の周りにも、ホームページを見て考え方や人柄が素敵そうという理由で求人に応募された方もいます。
給与などの待遇を高めることは中々難しいと思います。
そのような中でできることとして、まずは自分自身のことを発信することなどいかがでしょうか。