マガジンのカバー画像

【福島県浪江町】顔の見えるまちで息をする

4
息をするだけで幸せになれるような、そんな感覚があったー。 2024年3月に福島県浪江町へ移住。メディアから見える世界が全てではなかった。ふんわりと湧き起こる感情、わたしの目で見… もっと読む
運営しているクリエイター

記事一覧

希望があれば。菜の花迷路のボランティア。 | 浪江の記録 #4

希望があれば。菜の花迷路のボランティア。 | 浪江の記録 #4

菜の花には、「小さな幸せ」「明るさ」といったポジティブな花言葉があるそうだ。確かに黄色の花を見ていると、何だかエネルギーが充電されていくように感じる。

わたしはこのGW中、菜の花迷路のボランティアをしていた。

震災2年後から、福島県南相馬市にある原町区萱浜地区というところで毎年開催しているイベントだ。
津波でご家族を亡くされた上野さんを筆頭に、福興浜団のみなさんが「悲しみしかなかったこの場所を

もっとみる
時間が目に見えたら | 浪江の記録 #3

時間が目に見えたら | 浪江の記録 #3

もし時間が目に見えたら、どうなるだろうか。

ゆっくり、早い、それだけの表現ではなくて。
空を流れる雲のように穏やかだったり、嵐みたいに荒れていたり、もしくはずんと、腕を引っ張られるような重みがあったり。

いろんな見え方があるんじゃないかと、思っている。都市によって変わるのだろうか。それとも場所に関係なく、やっぱり一人ひとりによって変わるのだろうか。

というのも、浪江にきてから砂時計がほしいな

もっとみる
幸せは目の前に|浪江の記録 #2

幸せは目の前に|浪江の記録 #2

土曜日の朝。浪江にきて2週間、慌ただしい日々が過ぎ去っていった。やっぱり2度寝しちゃおうよ〜という誘惑がよぎったけれど、それよりぱっちり爽やかに目が覚めたので、*ジャーナリングすることにした。(*頭の中のことを書き出すこと。)

昨夜、いきつけの居酒屋で飲んだ記憶が、音楽のように残っている。思い出すとまたほのかに酔ってしまうような、そんな心地よさがあった。

マスターは、移住前からよくお世話になっ

もっとみる
人口2000人、顔が見えるまちで息をする|浪江の記録 #1

人口2000人、顔が見えるまちで息をする|浪江の記録 #1

いまわたしは、東京にいる。高円寺にある自宅のベットの上で、パソコンでぽちぽちと文字を打っている。

人口2,000人の、顔が見えるまちに移り住むことにした。福島県の沿岸沿いにある、浪江町というところだ。
入居日は、3月中旬に決まった。少し築年数は経っているけれど、陽の光がたっぷり降りそそいで、自然と元気になっちゃいそうなお部屋。今は、まるで花びらのように心が軽い。

東京にいるとき、私は模型のよう

もっとみる