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あしたの小窓から。

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小窓のむこうに、ちいさな「あした」が見える。 ここでは音楽、教育、投資、霊性などについて、考えたり感じたりしたことをつれづれに綴っています。
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2019年12月の記事一覧

今年が終わる。

今年が終わる。

2019年12月31日、大晦日。令和最初の年越しである。

今日は、お昼すぎまでゴロゴロした後、オンラインライブ『みんなのうた on air』の第三夜をやって、今年一年の『あなたのうた』の歌い納めをした。

昨日の第二夜で奥さんから指摘してもらったことを意識したら、声の出かたも疲れもまるで違った。三日の中でも、これまでのオンラインライブの中でも一番手応えのある演奏ができたし、大晦日にも関わらず、観

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バガボンド 。

バガボンド 。

12月30日。年越しまであと二日。
『あなたのうた』を全曲歌うオンラインライブの二日目を終えて、僕たちは夫婦で近所のスーパー銭湯へ行った。

「身ぐるみ剥がされ、あたたかい湯に浸けられ、食事やら癒しやらでこれでもかと煩悩を刺激される」とフェイスブックに書いたけれど、さらに驚いたのは、二階のまんがルーム。

書店にもこんなにはないだろうというくらい、少年誌、青年誌、少女マンガ、雑誌の最新号までずらり

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莫大な未知とほんの少しの既知。

莫大な未知とほんの少しの既知。

昨日のお昼過ぎから『髑髏(どくろ)の円坐』という物騒な名前の場をひらいた。

名前とは裏腹に、静かで、光と陰が繰り返し現れながら豊かになっていく、充実した場になった。

以前、

と書いたとおり、ここで話されたことは文章にはできない。そこで会って、その順番で聞いた(辿った)からこそよかったわけで、要約するとその面白さが消えてしまう。

それでも終わった後に、あることに気がついた。
それは「未知」と

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流星の騎士団。

流星の騎士団。

うちは僕が自営、奥さんが会社員なので、朝、出勤する奥さんを駅まで送り、晩に迎えにいく。

このルーチン、先週くらいまではなんてことなかったのだけれど、今週になって急に冷え込んだため、晩のお迎えがつらくなってきた。

おまけにここ数日、僕はやたらに眠く、迎えに行く直前までふとんに入っている。したがって、最も体温が上がった状態から寒空の下に出ていかなければならない。

そんな時、僕は自分のことを「流星

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年越しが好きだ。

年越しが好きだ。

朝、バイトのときにいつも通る神社の境内に、色とりどりの屋台が準備されていた。

「年越しだ」と思い、うれしくなる。

僕は年越しが好きだ。物心ついた頃からずっと好きだった気がする。
子どもの頃は12月と言えば、クリスマスがあって、お正月があって、ずっとお祝いしているみたいな一ヶ月だった。サンタも待ったし、欲しいものも買えたし、学校も休みだし最高だと思っていた。

大人になってからは、クリスマス気分

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会って話さないと喋れないことってありまさーね。

会って話さないと喋れないことってありまさーね。

夜、仕事から帰ってくると、奥さんは職場で起きたことを話す。
湯水のように出てくるそれを聞いていると「外ではこうはしゃべれないよな」と思う。

話の中身はなにげない日常の、なにげない一コマだ。不謹慎なこととか秘密にしておかなければならないことはあまりない。むしろ、平凡すぎるからこそ、外では話されないといったらよいか。

でも、その話の中には平凡であるがゆえの魅力が詰まっている。
出てくる人も起きる出

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心って宇宙くらい分からんもんじゃなかろうか。(メルマガ『生きているQ』より)

心って宇宙くらい分からんもんじゃなかろうか。(メルマガ『生きているQ』より)

この記事は、㐧二音楽室のメルマガ『生きているQ』の配信記事を加筆修正してお届けしています。(配信登録はこちらからどうぞ。)

こんばんは。澤です。

聴いてくださり、
ありがとうございます。

僕の友達にJAXAに勤める
天文学者がいます。

その彼だったか、
別の人だったか忘れたんですが、

「天文学でわかっていることって
 宇宙のほんの一部で、
 実はほとんど何もわかってないんだよ」

と聞か

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本の森の散策。

本の森の散策。

昨日、この本のオンラインでの読書会に参加した。

読書会に参加したのは、はじめての経験だったけれど、すごく豊かで面白い読書体験だった。

僕はこの本の惹かれる箇所を、note の下書きに抜き書きしている。
落ち葉を拾うように「言の葉」を拾うこの作業をしていると、なんだか気持ちが落ち着くし、本をより深く味わえている実感が湧く。

昨日、僕はその抜き書きした言葉を読み上げ、思うところを語った。
たとえ

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人間だった頃を思い出す。

人間だった頃を思い出す。

明日はクリスマスイブ。
今年のクリスマスは、この記事が話題になっている。

これを読んでから、クリスマスエクスプレスのCMを観て、ボロ泣きしてしまった。

五本あるどれもいいけれど、「会えなかった時間を、今夜取り戻したいのです」というコピーが特に染みる。前にこんなふうに「会いたい」って思ったのは、いつだったかな。

そして、それ以上に泣いたのが、これ。

特に新幹線の扉越しのシーンがいい。
ユーミ

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「障がい」とは、どこにあるのか。(『ありのままがあるところ』③)

「障がい」とは、どこにあるのか。(『ありのままがあるところ』③)

1ページずつ、気に入ったところを抜き書きしながら、野道を散歩するようにこの本を読み進めている。

今日もいくつもの文を拾ったけれど、特に印象に残っているのは、ここだ。

P.83
 アートは単体では存在しない。作品と見る人の感性の間にアートがある。つまり「間」にアートがあるのであって、作品そのものはアートではない。また作品に対して感じることは人間にしかできないが、作品だけあっても何も語らない。暗黙

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無知よりも先入観が。

無知よりも先入観が。

著書『FACTFULNESS』が売れに売れているハンス・ロスリングさんのTED トークを観た。

きれいだった。
かつて会社員をしていた頃、エクセルでグラフをつくりながら「これ、アニメになって動いたりしたら楽しいのにな」と思った夢が実現されていた。乳幼児死亡率、平均余命、所得の分布といった統計についての話が、こんなふうにうっとりと観られるなんて驚きだった。

そして、彼の話の中で一番印象に残ったの

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「私の言うようにすれば、きっといい人生になるよ」という強迫。(『ありのままがあるところ』②)

「私の言うようにすれば、きっといい人生になるよ」という強迫。(『ありのままがあるところ』②)

note の下書き機能で抜き書きをしながら、この本を味わっている。

この読み方は、公園を散歩しながら、落ち葉やどんぐりを拾って歩く感じに近い。

少し読んでは立ち止まり、気になった言葉を拾って書き留めていくので、ページはなかなか進まない。けれど、一つひとつの風景はよく味わうことができて、僕の性分には合っている。

今日、心に留まったのは、このあたりだ。

P.47
 けれども無意識のうちに「私の

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ナチュラル。(『ありのままがあるところ』①)

ナチュラル。(『ありのままがあるところ』①)

今日、読みはじめた。

冒頭にこんな文章がある。

私たちの目の前で日々繰り広げられていたのは、今の現実を否定せず、相手や環境に逆らわずに物事を自然に決定していく姿だった。目的もわからない、即興にも似た行いは彼らにとってはナチュラルなのに私たちにはハプニングに見えた。だから「そんなことをしてどうするのか。それよりか何か実のあることが実現できるようになった方がいいではないか」とすら言うこともあった。

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その人がその人であることの不思議。

その人がその人であることの不思議。

「澤さんは興味があるんだね」

と言われて、おっ、と思った。

昨日の『listen.』で参加者さんとおしゃべりをしていた時のことである。

そう、僕は人の話を聞くとき、その人に興味がある。

その人は、自分とはまったく違う環境で、まったく違うやり方で、まったく違う好みを持ち、まったく違う出来事に遭遇している。

それって、どういうことなんだろう。
その人がその人であることって、一体なんなんだろう

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