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読書狂になりたい人による読書感想📖

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割といい事を書いているつもり。
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独立器官/村上春樹

大雑把にあらすじ⬇️

男性である1人の医師の、恋の物語。

本当に人を好きになった事がなくふらふらと遊んでいたが、ある時1人の女性に恋をする。

今まで体験した事がない感情に振り回され、自分の存在意義に疑問を持つようになる。

最終的には、その人に浮気をされ餓死する事を選ぶ。

そんな物語。

感想(分析的な思考は野暮に感じるが)👇🏻

奇を衒った発言に感じた言葉も、伏線になるように繋げてい

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イエスタデイ/村上春樹

イエスタデイ/村上春樹

結論から言うと微妙かった。

簡潔にまとめる⬇️

仲の良かった友人の恋人が、主人公に向かって浮気をしているとカミングアウトをする。

この何十年後に主人公がその女性と遭遇した際に、凄く後悔していた事を目撃するという話。

感想⬇️

友人が主人公に

“私の恋人と付き合ってくれ”

と頼むシーンがある。

その理由が、浪人期に恋人に構う事ができないからというものだ。

ここで意外性を出したかった

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ドライブマイカー/村上春樹  小説

ドライブマイカー/村上春樹 小説

結論からいうと、かなり面白かった。

村上春樹には嫌悪していたのだが、覆った。

伏線⬇️

- お酒と言われた時の表情
- 演技の意味が然るべき形をとらないとやめられ ない
p66と同様に語り始めた時にも止められない

好きな言い回し⬇️

- 観客のいない演技を。
- 性的な関係を持った男たちのリストの末尾 (冷酷に物事を観察している、怖さの味わい)
- ど

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ソフトウェアオブジェクトのライフサイクル/テッドチャン

ソフトウェアオブジェクトのライフサイクル/テッドチャン

難しい問題提起

デレクの視点⬇️

ロボットの脳手術 or 好きな人の脳手術

どちらを許容するか

人間(好きな人)にアドバンテージ がある

加えてロボットそのものがしたいと言っている

アナの視点⬇️

何としてもロボットに脳手術を受けさせたくない

だから自分が代償を払う。(脳手術)

デレクと違って、好きな人より子供を選ぶ

感想⬇️

このようなデレクの選択肢を後押ししているのは、ア

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重力ピエロ

重力ピエロ

仮に自分or自分の妻がレイプされた子供を育てるとしたらどうするだろうか。
子供も親もその事実を知っている条件下では、どちらも一生背負うことになる。

私だったら耐えられそうにも無いが、子供には罪がないので難しい問題だ。

そんな哲学的な問題に、素敵な形で向き合っていく家族がこの小説に書かれている。

私が好きなシーンをここに。

父親が子供にかけた好きな言葉⬇️

私の子供だ、と虚勢を張らずに発言

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テッド・チャン 不安は自由のめまいを読んで。

テッド・チャン 不安は自由のめまいを読んで。

読んだ後に改めて題名を見ると、何か味わいがある。

題名から考えられる事⬇️

2つある。

1個目⬇️(堀元見のバイアスがある)

(予期された未来と同じ結論だという邪推)

分岐した自分が、自分と違うような行動に対して、羨望や不安を持つ事は結局は意味がない。

不安なんて、自由である事が前提の妄想である。

結局自由なんてものはない。

どんな行動の分岐を取っても、自分の根本的なものと同じ行動

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蜜蜂と遠来を読んで

蜜蜂と遠来を読んで

普段ミステリー小説ばかりを読んでいる私ですが、最近ピアノにはまっていることもありこの小説を手に取ってみました。

非常に面白かったです。

それぞれの登場人物の感情や考えることが精密に書かれています。
音楽業界の厳しさ、音楽に対する考え方、天才ならではの苦悩などを音楽を通して成長し深めていく過程が心に刺されました。

そんな中で私がが特に印象に残っている言葉を紹介します。

音楽は一瞬にして過ぎ去

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多様性を生かすリーダー

多様性を生かすリーダー

リーダー

 私たちは問題を解決するときや、アイデアを出すときには集団で話し合って決めることが多い。しかしこの方法は最大限に発揮されない場合がある。それはリーダーの存在が大きな要因だ。
 リーダーには2種類あり、支配型リーダーと尊敬型リーダーがある。我々がよく目にするリーダーは前者だ。このリーダーは答えが明確な目標に向かって作業するときには非常に効率よく作業できるが、目標が見えないもの、つまりアイ

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