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リノベーションの仕事を通じて

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リノベーションを始め、デザインに関する思想を倩と。
運営しているクリエイター

#家

するべきとしたいの距離とは。

するべきとしたいの距離とは。

リノベーションの打ち合わせを進めていくと
どの夫婦もある種の矛盾と気遣いがあるのが分かってきます。

木が好きで木に囲まれたいと言う言葉と
実際に選ぶのは石のタイルだったり
金属や皮の素材は落ち着かないから嫌だと言いつつステンレスのキッチンやレザーのソファを選んだり。

本当は選びたいと思ってるものがあるのにパートナーの反応を見ながらお互いを尊重しあったり。

「するべき」と「したい」

要は家族

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コミュニケーションでは何も解決しない。

コミュニケーションでは何も解決しない。

『1人の時間が欲しい』

施主も自宅でのワークが増えて
集中のスタートと継続が捗る家づくりの要求が多いです。

やる気スイッチが欲しいわけですね。

仕事においての「集中」を考えた時
リモートではチャット
オフィスでは上司や同僚から話しかけられたり
集中の分断が11分に1回の頻度で起きてるようで
1日あたりの集中してる時間は2時間に満たないそうです。

スマホと仲間に集中を奪われてるわけで

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休日について聞く必要性とは。

休日について聞く必要性とは。

施主の属性として以下の4パターンでふわっと分類しています。

・効率大好きシステム派
・好きなものに囲まれたいアイデンティティ派
・手間暇掛けたいスローライフ派
・宅飲み大好きホームパーティー派

明確な境目があるわけではなく
それぞれの成分が夫婦単位でどの程度のパーセンテージか?を見ています。

夫婦単位で「ゆるい理想」を掲げて
上記4パターンの方向に向かっていくわけです。

この「ゆる

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集中力の種類を知るべきである。

集中力の種類を知るべきである。

家の中にもワークスペースが増設されるケースが増えてきました。

元々の家の中にはなかったリモートワークのワークスペースはそれまであった書斎と考え方が少し違っていると感じています。

これまでの書斎はご主人の『1人になれる空間』でした。

ワークスペースともなるとそれは「職場の」なわけです。

要は家の中にあるオフィシャルな場と言うわけで。

とても不自然です。

ただその拡張はスーツを

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デザインに耐久力は必要か。

デザインに耐久力は必要か。

どう足掻いても家は生活感が出てしまうもので
その日常的な使われ方でも良い感じに映るようにデザインできるかを考えながら作っています。

脱ぎっぱなしの洗濯物
隅っこに溜まったホコリ
開きっぱなしの扉
置きっぱなしの食器
常に美しく使い続けるのなんて到底できないです。

華奢すぎるテーブルの脚
薄すぎる棚や天板
ほぼないように見えるドアの枠
柔らかな曲線
ディテールにこだわることももちろんできます

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『夫婦と愛情と地獄』

『夫婦と愛情と地獄』

『人生は暇つぶし』
というよく耳にするアレを最近仲の良い住職さんから言われて改めてよくよく考えているところです。

『喫茶店でスマホや雑誌もなくひたすらボーッとしてるみたいなのは退屈で窮屈』
みたいな極論をぶつけられて
「たしかに」
となってしまってます。

どうやら僕には死ぬまでタスクが必要みたいです。

リノベーションの計画を進めていく上で必然的に起こる夫婦間での価値観の共有はぶつかった

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リノベーションする施主の4タイプ。

リノベーションする施主の4タイプ。

最近纏まってきた施主の4タイプ別分析があります。

リノベーションデザインをする上で家具と家電との関わりを割と考えます。

スマホを始め家電にSiriが搭載され始めたころから、家電は「同居人」と言う無意識の認知が生まれてるのですが、そうなった瞬間から「どこまでを家電にお願いするのか?」がポイントになります。

わかりやすいところで行くと、土鍋か炊飯器か?みたいなアレです。

最近では家具に

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コミュニケーションが必要なら1人になるべき。

コミュニケーションが必要なら1人になるべき。

リノベーションのご相談を頂く時、施主からはいろんなリクエストを頂きますが、それとは別で夫婦円満をテーマとして掲げています。

ここで言う円満は「いつも楽しく」や「喧嘩をしない」という事ではなく「コミュニケーションがい起こる状況」という意味での円満です。

⁡ コミュニケーションは2人以上の人が同じ目標を持つ事で必要になる手段で、そもそもコミュニケーションは自然に発生するものではなく、共通の目標に

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システム化されたマンパワー

システム化されたマンパワー

独立してから6年間で40軒ほど家やお店設計をしています。

案件ごとに10社程度施工会社さんに挨拶に行っており、これまでトータル400社ほど最低でもお話しをしに伺ってきました。

それぞれの会社と話していくうちに、各会社ごとに得意不得意があることに気づいたので、纏めていきたいと思います。

①施工会社のエリアの得意不得意。・半径10キロ圏内
・施工会社がある県のみ
・施工会社がある県+隣接する県の

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動機やエビデンスは必要ない。

動機やエビデンスは必要ない。

リノベーションをする上で、施主から要望を頂くことが少なくありません。

リビングを広くしたい、壁にタイルを貼りたい、などなど様々です。

どれくらい広くしたいですか?や、どんなタイル貼りますか?といきなり具体的なことを伺うのも良いとは思います。

ですが、それよりも「どうして?」や「いつごろから?」のような動機やモチベーションを確認することの方が大切なプロセスだと思っています。

とは言え、現代を

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18坪のマンションリノベーション。

18坪のマンションリノベーション。

代々木にある18坪のマンションのリノベーション。
経験上、最もミニマム。
加えて排気ダクトや排水経路などのインフラが個性豊かだったため、施主からのリクエストよりも建物の個性を優先させて頂いた。
本当に複雑だった為、現地にてスケッチでほぼほぼを纏めきった記憶が強く、昨年の2月の極寒の中、半日かけて現場を知る作業を行った。
非常に思い出深い現場。
過去に経験のない、個人宅

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足すほうが楽。

足すほうが楽。

家を作るにあたり、ベースになってくる空間自体は刺激的で興奮するものであってはならないと考える。

家を作るということは、暮らしを作るということ。

結婚したり、子供が生まれたり、巣立ったり、ペットが増えたり、趣味が変わったり、仕事が変わったり、長く使うと状況は変わる。

その都度の心地よさを求めて、その都度スケルトンを変えていくことは簡単なことじゃない。

足すことは出来ても減らすことは簡単じ

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コミュニティデザイン

コミュニティデザイン

家を作ろうが
お店作ろうが
イベント作ろうが
グラフィック作ろうが
プロダクト作ろうが
それは
それらそのものを作ってるんじゃなくて
そこに関わるコミュニティを作る作業

コミュニティデザインが
今後のすべてのカテゴリーにおけるデザインの在り方になる
それはもはやデザインという名前ではないのかも知れない

コミュニティに於いて重要なのは思想
どういうマインドで
どういうビジョンを描いている

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