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たまに文章を書く企画屋さん。美大育ち | 1995

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記事一覧

翡翠の月

週5で仕事にいけなくなったので、休み休み働くことにしました。 たばこの匂いがする家の目の前の喫茶店でコーヒーを飲みながら、恋人からもらった詩集を読んで、noteを書…

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1年前
6

本屋に行くと読みたい本が多すぎて泣く女の晴れた休日。

星野源になりたいんよ、とずっと言っている。 天気が良かった。 午前中はテスト前の高校生と一緒に、ユークリッドの互除法を勉強した。 久しく乗っていなかった地下鉄を…

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2年前
3

だけど
日本は軍事力を持たないから、どうしたって戦争に参加できない、守ってあげられないと
仕方ないと涙を飲んで
心の奥底で他所の国のはなしだと、安心している
ひとを殺さずにすむことにほっとしている

それに辟易して落ち込むのは、いよいよ身勝手なはなしだよな

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2年前

歴史の教科書で読んだよ、映画で見たよ
戦いに、死ににゆく彼を
2度と会えないかもしれない、我が子のちいさなてのひらをすがるように握る手を
わたしが見るのか、いまこの目で
映像の彼は、今日いままだ生きてるだろうか
戦争がはじまった
ずっと続いていた
戦争をしている
ひとがしんでいる

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2年前

雑記。が書けるようになりました。

おっと。 これは「おっと。」ですよ、わたし。 文章も書けない生活なんてクソ食らえだね。たぶんどうやら1年とかそこらぶりにnoteを開いてみたら、編集の仕方をまるで忘…

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2年前
6

先生、わたしと‘ソクラテスごっこ’してください。

創作は哲学と似ていたのかもしれない、と 学部生の頃からもう何度も重ねたゼミ(的なもの)の帰り道、思った。 (ってたぶん半年くらい前に書き出した) (書きかけの文章久…

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3年前

『デザイン』がなんたるかを、本当にわかっていなかったんだなぁと、思う。
美しいことに迷いはない。おまえはわるくないのだ。わたしが未熟だ。
考えなしのひとりよがりな浅はかさと、訣別すべき時なんだ。

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3年前

何回観るねん、『八日目の蝉』

もしかすると、邦画の中でいちばんに好きかもしれない、『八日目の蝉』。 好きと言いつつ原作もドラマ版も観ていないのだが、井上真央と永作博美のこちらは、もう何度も繰…

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3年前
4

「それ何色?」と問われなくなる日が来るらしい。

もう5年も前のことだ。 って書き出すつもりでいたのね、いま。 全然うそ、うそもいいとこ。6年とか、7年も前だ。 だってわたしはあの春、まだ18だった。 最近ネイルを…

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3年前
5
+26

写真

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3年前
8

嫌わなければ、生きてはゆけぬだろうか。(いちとせしをりさんの話もする)

「『戦争』をいっちばん最初にはじめた人間がいなければ、いまこんなことにならずに済んだのに」と、至極当たり前という顔で小学生に言われた。 歴史の教科書と睨めっこし…

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3年前
11

日曜日のあさが晴れなら。

「誰のことも救えない」ことを、許されることにした。 デザイナーという職業が、世界の景色を変えてしまえる仕事なのだと、大学に入りたての10代だった頃に知った。この世…

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3年前
4

夏が来る。

この先、あと何度こんな気持ちがやってくるのだろう。 7月も終わりだと言うのに今年の梅雨は雨ばかりで、この長い雨がやんだ頃にはとうに夏も盛りなのかと、早くから明ら…

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3年前
7

3.11は風化しないという幻想を持っていた。

「先生ってさー、東日本大震災知ってる?」 家庭教師のアルバイト先の、小学6年生の少女に、ふいにそう問われた。 学校の授業でそんな話があったのか 何かどこかで見かけ…

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3年前
5

きみはいい子

アルバイトの帰り道。 ご飯を作るのがめんどくさくって、すき家で牛丼買って帰ってやろ、って思ってドライブスルーに車を滑らせていた時。 ぼんやり流し聞いてたラジオで…

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3年前
4

金と芸術とカワイイ女の話

「贅沢な暮らしをする必要はないから、 必要最低限食べるお金さえ稼げるのなら あとは自由に生きていたい」 将来の話をしているとそんな意見を、少なからず聞く。 たぶん…

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4年前
13
翡翠の月

翡翠の月

週5で仕事にいけなくなったので、休み休み働くことにしました。

たばこの匂いがする家の目の前の喫茶店でコーヒーを飲みながら、恋人からもらった詩集を読んで、noteを書いています。
きょうは雨。

5月が終わるね。今月は誕生日だった。
誕生日って誰かにお祝いされるんだ、って、どうしてもびっくりしちゃって
おめでとうのろうそくがぽたぽた垂れるのを長いこと見つめてしまった。

昔はずっと行きたいと思って

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本屋に行くと読みたい本が多すぎて泣く女の晴れた休日。

本屋に行くと読みたい本が多すぎて泣く女の晴れた休日。

星野源になりたいんよ、とずっと言っている。

天気が良かった。

午前中はテスト前の高校生と一緒に、ユークリッドの互除法を勉強した。
久しく乗っていなかった地下鉄を使う生活に変わって、中吊り広告にあった4月号のゼクシィについてくる婚姻届が東京リベンジャーズ柄なのを見て「どういう需要……!?」と思いながら、公共交通機関に乗るのもおもろいもんやな悪くない、とか思った。
家に帰って、昨日の残りのキーマカ

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だけど
日本は軍事力を持たないから、どうしたって戦争に参加できない、守ってあげられないと
仕方ないと涙を飲んで
心の奥底で他所の国のはなしだと、安心している
ひとを殺さずにすむことにほっとしている

それに辟易して落ち込むのは、いよいよ身勝手なはなしだよな

歴史の教科書で読んだよ、映画で見たよ
戦いに、死ににゆく彼を
2度と会えないかもしれない、我が子のちいさなてのひらをすがるように握る手を
わたしが見るのか、いまこの目で
映像の彼は、今日いままだ生きてるだろうか
戦争がはじまった
ずっと続いていた
戦争をしている
ひとがしんでいる

雑記。が書けるようになりました。

雑記。が書けるようになりました。

おっと。
これは「おっと。」ですよ、わたし。

文章も書けない生活なんてクソ食らえだね。たぶんどうやら1年とかそこらぶりにnoteを開いてみたら、編集の仕方をまるで忘れているよ。
なんならむしろエディタの方が更新されていて使い方の案内ポップが出ちゃったよね。わあい。
するするっとスクロールして「見出し機能とかね……あったね……。目次機能はね……まずおれのあたまに目次がないよね使わないね使えないんだ

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先生、わたしと‘ソクラテスごっこ’してください。

先生、わたしと‘ソクラテスごっこ’してください。

創作は哲学と似ていたのかもしれない、と
学部生の頃からもう何度も重ねたゼミ(的なもの)の帰り道、思った。

(ってたぶん半年くらい前に書き出した)
(書きかけの文章久しぶりに開いたら、これ昨日先生も言うたな、ってなった)

「わたしがどういう人間であるか」
「何を理由に、何を作ろうとしているのか」
「その考察の先に、どんな‘なにか’が生まれてくるのか」

8月末、提出期限に滑り込ませる為だけに20

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『デザイン』がなんたるかを、本当にわかっていなかったんだなぁと、思う。
美しいことに迷いはない。おまえはわるくないのだ。わたしが未熟だ。
考えなしのひとりよがりな浅はかさと、訣別すべき時なんだ。

何回観るねん、『八日目の蝉』

何回観るねん、『八日目の蝉』

もしかすると、邦画の中でいちばんに好きかもしれない、『八日目の蝉』。

好きと言いつつ原作もドラマ版も観ていないのだが、井上真央と永作博美のこちらは、もう何度も繰り返し観ている。
この作品の、恵理菜(薫)視点のあり方がとても好きなのだ。

幼少期の母親、野々宮希和子というひとは、妻子のある男性(恵理菜の父)と不倫をしてしまい、さらにはその家庭の娘(恵理菜)を誘拐してしまうという役どころで、
ちらほ

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「それ何色?」と問われなくなる日が来るらしい。

「それ何色?」と問われなくなる日が来るらしい。

もう5年も前のことだ。

って書き出すつもりでいたのね、いま。

全然うそ、うそもいいとこ。6年とか、7年も前だ。
だってわたしはあの春、まだ18だった。

最近ネイルを塗るのにハマっている。
指によって色変えてみたり、百均のきらきらシール貼ってみたり。
高校生の頃くらいに爪に色を付けることはもう覚えてたけど、最近それがレベルアップして、そんで、週一くらいでちまちまそれを直している。
塗る頻度が増

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嫌わなければ、生きてはゆけぬだろうか。(いちとせしをりさんの話もする)

嫌わなければ、生きてはゆけぬだろうか。(いちとせしをりさんの話もする)

「『戦争』をいっちばん最初にはじめた人間がいなければ、いまこんなことにならずに済んだのに」と、至極当たり前という顔で小学生に言われた。

歴史の教科書と睨めっこしながら宿題を進める、家庭教師先の小学生の女の子。
鎌倉幕府に入ったあたりで、いよいよ『〜の乱』が多すぎて頭がこんがらがってきたらしい。

「なんでこんなにセンソウするのーーー!」
と怒るので
なんというかもう、せやねぇ、って感じ。
戦争っ

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日曜日のあさが晴れなら。

日曜日のあさが晴れなら。

「誰のことも救えない」ことを、許されることにした。

デザイナーという職業が、世界の景色を変えてしまえる仕事なのだと、大学に入りたての10代だった頃に知った。この世界にまだないものを、まだないけれどあったらきっといいな、ってものを生み出せるのがデザイナーの仕事。

所属する専攻の教授は、実際に現場で働いていたプロダクトデザイナーだった。その教授が繰り返し教えてくれる話のひとつに「少女とスプーン」の

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夏が来る。

夏が来る。

この先、あと何度こんな気持ちがやってくるのだろう。

7月も終わりだと言うのに今年の梅雨は雨ばかりで、この長い雨がやんだ頃にはとうに夏も盛りなのかと、早くから明らむ空を見て気がついた。

昨年の夏休み。
となり町のおじさまおばさま達が集う絵画同好会で、人物モデルのアルバイトをした。
公民館の一室。イーゼルをずらっと並べた初老の男女に囲まれて、箱椅子で組んだステージの上に置いた椅子に腰掛ける。ワンピ

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3.11は風化しないという幻想を持っていた。

3.11は風化しないという幻想を持っていた。

「先生ってさー、東日本大震災知ってる?」

家庭教師のアルバイト先の、小学6年生の少女に、ふいにそう問われた。
学校の授業でそんな話があったのか
何かどこかで見かけるきっかけでもあったのか
思い出したように脈絡のない話をするのは彼女の常で、きょうもそうして、分数のかけ算を解きながら彼女は問うた。

「あぁ、うん、知ってるよ、東北の方の地震だね」

そう言うと、「東日本」と「東北」がうまく繋がらない

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きみはいい子

きみはいい子

アルバイトの帰り道。

ご飯を作るのがめんどくさくって、すき家で牛丼買って帰ってやろ、って思ってドライブスルーに車を滑らせていた時。

ぼんやり流し聞いてたラジオで、誰かもわからんラジオパーソナリティが自粛期間中何してました?って話で盛り上がっていて。

「あぁ、最近家で映画を観ましたよ」
「『きみはいい子』っていう映画なんですけど」
「めっちゃ泣けました、オススメです」

って。

すき家の赤々

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金と芸術とカワイイ女の話

金と芸術とカワイイ女の話

「贅沢な暮らしをする必要はないから、

必要最低限食べるお金さえ稼げるのなら あとは自由に生きていたい」

将来の話をしているとそんな意見を、少なからず聞く。
たぶん我々美大生は特にそういう選択がわりと現実的で
・アルバイトをしながら作家活動を続ける とか、
・収入は多くはないけれど自分の思うような活動ができる会社に就職する
だとか、自分のものづくりのためにお金を犠牲にする(かもしれない)選択をす

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