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お気に入りの記事をまとめています。勝手に追加させて貰っているので、外して欲しい方はご連絡下さいね。
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#私の作品紹介

【詩】Surviver

【詩】Surviver

端正な佇まい
口を揃えて
優しそう

あなたを心から
信じたのは
信じることに
間違いはないと
思ったから

実際それでよかった
濡れて甘い時間は
消えることなく続き

一歩足を出すたびに
すでに用意された幸せが
そこにある

隙間がないほど
バスタブにある
溢れる喜びのミルク色

時よ
止まれ

極上の幸せを手放す時が
来るなんて思わず
ただ怖かった

あなたが私を忘れて
去ってしまって
どれだ

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オバケの文化祭 #シロクマ文芸部

オバケの文化祭 #シロクマ文芸部

文化祭が近づくにつれ、この学校では毎年「ある噂」が立つ。

「文化祭には『主』がいるらしいよ」
「それ聞いたことある!」

ちなみにその「主」とは 僕のことであり
そして、オバケ だ。

昔文化祭の出し物でお化け屋敷をやったクラスの集合写真に
僕はみんなと一緒に仲良く写った。いい笑顔でよく撮れていたと思う。
普段は驚かさないよう注意を払っているけど、その時は気分が上がり
どうしてもみんなと集合写真

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【詩】刷り込み

【詩】刷り込み

思い出した
すっかり忘れていたのに
あなたはこんな風だった

きれいごとの言葉の中に
釘やらガラスの破片やら
折れたナイフを入れ込んで
知らんぷりをする

自分の否を指を折って数えても
そこに答えはなくて

気まぐれに振り回されて
落ち込むのはこっちの方

あなたの優しさは自分に帰属してるもの
すっかりあなたは優しいと思い込んでた

思い出せばあなたは元々そんな風

あなたの傷を私が必死で癒して

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【詩】忘れたとしても

【詩】忘れたとしても

結んだ手と手

どうして今になって
こんな小さなことが
大事だなんて

懐かしい夏の香り
遠い面影の湿り気のある空気
木陰のタオル
汗を拭く
母さんに渡される
ペットボトル

母さんのしてくれていたこと

出来ないながらに
台所での母さん
ウロウロと
落ち着かないのは
何かを作りたいから

砂の山が崩れていくように
普通の生活が崩れていく

大事な思い出と
消えていく思い出

二人で歌う好きだった

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【詩】幸福の報酬

【詩】幸福の報酬

どうにかがんばって
突っ走ってきた
得たいものは得られる

がむしゃらの先にある
それ相応の報酬
それ相応の暮らし

脈絡のない意識の高さで
なんとか這い上がった

戻ることを許さない
そこまできた

それでもカップに入った
虹色の液体は一向に
一杯にならない

入れても入れても
こぼれることもなく
ただ溜まらない

幸福は報酬に比例するはずだった

欲しいものは一通りある

それなのに幸福だけが

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【詩】Prayer

【詩】Prayer

痛いのは誰かの手首の傷
日ごと出るあの日の憂い話
舐めあう傷の生暖かさ
ではない

漆黒の闇からの手の多さ
逃げるために
後ずさりする

笑いながら地上から去れ
と手首をつかむように
毎日頭の中で
聞きたくない言葉が
響き渡る

否定的な言葉に
剣を持って
泣きながら戦う
誰にも言わず

毎日毎日
ここにいる
ここにいると
繰り返す

隣で微笑んでいる人に
漆黒の話をするのは
辛すぎる

どうぞど

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詩 「海の見える家」

ここは
海の見える家

これは
来世の物語

ちいさな庭に咲く
花に水をやり
枯れないように
まいにち世話をする
きみの後ろ姿を眺めるのが
ぼくの生きる意味で
ここにいる理由

日曜日の朝
自転車に乗って
海まで行こう
それから
砂浜で
ふたり並んで
遅めの朝食をとろう

ぼくは
この人生では
何も欲しくない
きみがさっきくれた
四つ葉のクローバーが
ぼくのいちばん大切なもの

そんなふうに
日々

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ボディをアニマル柄に...トヨタ86

ボディをアニマル柄に...トヨタ86

Adobe Photoshopを使ってトヨタ86のボディをアニマル柄に変えてみました。
先日、フォロワーさんからのコメントにあったので、やってみました。

アニマル柄もフリー画像素材サイト「Unsplash」からダウンロードしました。
合成させる写真は動物の模様がはっきりとしたものを選びました。
フリー画像素材を利用する際は、利用規約に従って適切に利用するようにお願いいたします。

また、Inst

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詩 「ひとり」

詩 「ひとり」

ひとりのきみ
ひとりぼっちは
どんなきぶん?

わたし
ひとりはぜんぜん
さみしくないのに
みんながわたしを
さみしそうって
かってにきめるの
わたしこんなに
ひとりがすきなのに

ひとりのきみ
ひとりぼっちは
どんなきぶん?

わたしのまわりには
ひとがおおぜいいるのに
わたしはいつもひとりぼっち
わたしはさみしいのに
さみしくてたまらないのに
みんなはわたしのこと
うらやましいっていうの
わた

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【詩】優しすぎる

【詩】優しすぎる

僕の歩いてきた道
自分の自信のなさが
いつも隣にいて
褒められれば褒められるほど
委縮してしまう

何もかもうまくいっているように見え
壊れているとこなんてどこにもなく
顔も悪くない 頭も悪くない
性格も悪くない 全てに
どこも責められることはない

皆は知らない
僕がこんなに自信がないこと

人ごみに行くと倒れそうになる
顔色を自然と見て
雑然とした出来事は
僕を追い詰める

それでも平静を保っ

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雑文/1999、セミ

大学を辞めた夏、ぼくは日本にいないことを決めた。

学生時代、某・国際協力機構関係の活動に熱中していたので、当時、さまざまな国に、さまざまな知人友人がいた――ぼくに友人がいたとは、おやおや、夢ではなかろうか。

7月のある日、仲がよかったソウル大学のJ君に、メールで、そちらに行くけど遊べるかい、と送ったら、わりとすぐに(あるいはMSNのメッセンジャーだったか?)、あたりまえじゃん、いつ、と返ってき

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