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詩 「すてきなふたり」

わたしの すてきじゃないものを みつけてくれたひとの わたしの すてきじゃないものを みすてなかったひとの あなたの すてきじゃないものを わたしもみつけて あなたの すてきじゃないものを わたしたいせつにする そうすれば わたしたち いつかきっと すてきなふたり

    • 詩 「変態名言集」

      1. もしもし もしもし? もしもーし! あれ? おかしいな。 このバナナ どこにも繋がらない。 2. パンツはかぶりません どちらかといえば煮物にします 3. お巡りさん お忙しいところすみません わたくし変態をやっておりまして 今日中に捕まえていただくことは 可能でしょうか? 4. こら!のび太!やめなさい! うんこのキャッチボールは 宿題が終わってからにしなさいって いつも言ってるでしょ! 5. あなた 悪いんだけど わたしのお尻の穴から ペンのキャップ取り出し

      • 詩 「無駄」

        人生には 無駄なことが たくさんある 無駄を 愛せば愛すほど 感性は豊かになる 無駄のチカラは 無駄が無駄として あるときにのみ働く 人生を豊かにするために 無駄を愛するようでは まだまだ無駄がわかってない 無駄の本質は 役に立たないことである その行為が 結果的に役に立ったとしても その行為を 役立てようとしない姿勢があれば どんなものでも無駄になり得るのだ たとえば きみが笑ったとして きみは笑ったことで 幸福感を得たとしよう きみに問いたい きみのその

        • 詩 「死にたい国」

          ようこそ 死にたい国へ ここは究極の安全地帯 人間にはひとつくらい そういう場所が必要です だからわたしはここに 死にたい国をつくることにした 死にたい人が 死にたいまま 生きられるように この国の門は開かれている 幸福の国では わたしに居場所はなく わたしの死にたいこころは 修正されるべきものとして扱われ 楽に息をすることすらできなかった 死にたい国では いまここにある わたしがすでに持っているこころを 愛することからはじめたいのです 人のこころにルールはない

        詩 「すてきなふたり」

          詩 「天才紹介」

          J.S.バッハ すべての天才が憧れる天才の父 ジミ・ヘンドリックス 楽器を粗末にしたアフロ界の異端児 夏目漱石 美文体の極地で千円札になった口髭野郎 チャーリー・パーカー 音にローションを塗ったエロアルト魔人 フランツ・カフカ ネガティブもここまでいけば清々しい 金子みすゞ すてきを発明したすてきなひと 谷川俊太郎 言葉をただそこに置くことができる太郎 溝口健二 女はこうやって撮るんだ覚えとけ ジョン・ケージ 作品とは何かを教えたキノコおじさん マルセル・デ

          詩 「天才紹介」

          詩 「マウント名言集」

          1. あなたより 私のほうが 何百倍も怠けてきた結果 今の幸せがあります 2. おまえ まだスマホで ネットとかやってんの? 遅れてるよ?それ。 俺はね、スマホをね ケツの割れ目に挟んで ケツ筋鍛えながら生活してる 緊急の電話が鳴ったら出るけど クサイよ?もちろん。 あ、おまえにはわからんか スマホでネットやってるもんね? 画面シュってやってまちゅもんね? 俺レベルになってくると スマホなんて汚いから できるだけ触りたくないもん シュってしたら指にうんこ付くもん 3. ご

          詩 「マウント名言集」

          詩 「言語変人」

          こんぬちは はじみまてし わてしのななえはタナカてす あるいはタナキャかもせれません タナキャナカ ナカタてす すきなてべものは ラーサンとチャーサンで きらいなげべものは ピーサンとトナトれす ことしのもけひょうは はやげ はやごき することでし よろせくおねないすまし

          詩 「言語変人」

          詩 「これはペンです」

          これはペンです これはどのへんがペンですか これはこのへんがペンです これはへんなペンです これはペンがへんです これはペソいペンです これはペソいからへんなペンです これはペンとペンです これはどこをペンペンするペンですか これはここをペンペンするペンです これはペンです これはわたしのペンです これはペンでわたしもペンです これはこれはどうもペンです

          詩 「これはペンです」

          詩 「わかってる奴」

          好きなものを たくさん集めながら ぼくのセンスは育ち ぼくの好きなものを 好きそうな人のことを センスがいい人、と 呼ぶようになった ぼくの好きな あの感じを わかってるから 彼らはみんな わかってる奴ら わかってる奴のやることは わかってる奴ら同士で わかり合ってるから わかってないやりかたしたら わかり合えなくなっちまうよな センスがいい奴は わかってる奴らを がっかりさせるような わるいことができない ルールとマナーの奴隷になって いい子にしてたら わかってる

          詩 「わかってる奴」

          詩 「鑑賞者」

          音楽を愛する者は 音を聴いておらず 詩を愛する者は 文字を読んでおらず 絵を愛する者は 線や色を見ておらず 彼らが愛したのは 作品そのものではなかった 鑑賞者としての彼は 何かを受け取る者ではなく 自分の足で歩き 何かを探しに行く者であった そして 彼はついに 彼自身と出会う 触れたことのない 自分の一部に 指が触れたとき 彼はそれを 愛するようになった

          詩 「鑑賞者」

          詩 「おばさん占い」

          今日は おばさん日和 既婚のおばさんの ラッキーアイテムは パンダのキーホルダー。 旦那と旅行中、森の中で 旦那が池に落ちる危険があります。 その場合、女神の登場を待ちましょう。 まずは女神が質問します。 「あなたが落としたのは、  金の旦那ですか?  それとも銀の旦那ですか?」 欲張りたい気持ちは山々ですが あなたは正直にこう答えましょう。 「いいえ。  私が落としたのは  ボロボロの旦那です」 すると、正直者のあなたには 全部の旦那が手渡されます。 つまり旦那を増やせま

          詩 「おばさん占い」

          詩 「それ」

          ひとりの人間の感性、精神が バラエティに富むことはできない ある人物の好むものが どれだけ多種多様であろうとも ある人物の発想が どれほど雑多であろうとも 彼の生涯は常に ある一箇所を目指している 彼の仕事は 円を描きながら 円の中心の〈それ〉を 毎回違う角度から眺めること そして 円が完成し 円環になったとき 彼は知ることになる これが私の〈それ〉か、と

          詩 「それ」

          詩 「恋物語」

          恋が 終わり 恋は 一冊の 本になった ある日 静かな森へ あのころ紡いだ 夜空の星を読みにゆく 見上げれば きらきらひかる 忘れられない恋物語

          詩 「恋物語」

          詩 「超モーニングルーティン」

          朝6時起床。 とはいえ実際には9時。 時計の秒針を苦しめたくて 意地悪してたらもうこんな時間。 次はトイレでうんこごっこ。 変なアレとかではなく普通に。 出るもんを出さない精神で。 顔を洗ったら 歯ブラシ2本を 鼻の穴からぶら下げる。 意味なんてない。 あるわけない。 髪型をバッチリ整えたら シャワーで洗い流して すべてを台無しにする。 破壊衝動ってやつかな。 焼いた食パンに 名前をつけて 育てながら食べる。 悲しい。マジで。 扇風機3台を稼働させ 全身に風を受けな

          詩 「超モーニングルーティン」

          詩 「父の死」

          父が死んだ日 父は死ぬつもりではなかった 父は 死んだ その日の朝も いつものように 猫に餌と水をやり ベッドに腰を下ろし そのあとおそらく 突然心臓が止まったのだ 父の死にいちばん驚いたのは 父自身だったのではないだろうか 父の死に顔は 驚いていたから もちろん ぼくも驚いたし 信じられなかったけれど 父の生きるつもりだった今日が 父の不在を知らせるのだった それは たとえば 冷蔵庫のビール 買いだめたタバコ カレンダーの予定 洗濯カゴのパンツ それらすべてが

          詩 「父の死」

          詩 「疑う人」

          自分はまともだと 信じて疑わない人間は どこまでも残酷になれる 信じて信じて 疑わない人間だけが 無自覚で人を殺せる 自分や誰かを信じるのは 素敵なことかもしれない でも、ときどき思い出して 疑うことができる心を その心を捨てないで わたしには たしかなものが何もない 信じる、という言葉が 信じられなくなるほど 不安なわたしが愛おしい

          詩 「疑う人」