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【詩】幸福の報酬

どうにかがんばって
突っ走ってきた
得たいものは得られる

がむしゃらの先にある
それ相応の報酬
それ相応の暮らし


脈絡のない意識の高さで
なんとか這い上がった


戻ることを許さない
そこまできた


それでもカップに入った
虹色の液体は一向に
一杯にならない


入れても入れても
こぼれることもなく
ただ溜まらない


幸福は報酬に比例するはずだった

欲しいものは一通りある


それなのに幸福だけが
置き去りになって
幸福の意味さえもわからない


家族はいる
食べることすることに
不自由はない


得体のしれない
幸福を手でつかもうと
何度も手を伸ばすけど
見えたと思ったら
すぐさま消える


ないものねだり
ならまだいい


ふと気が付くと
全部あるのに
何もない


幸福の定義もわからず
どこかにあるはずの
幸福を探し続ける


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