栗下直也

経済記者を経てライター/著書に『人生で大切なことは泥酔に学んだ』『政治家の酒癖』など/…

栗下直也

経済記者を経てライター/著書に『人生で大切なことは泥酔に学んだ』『政治家の酒癖』など/ビジネス書を中心に書籍構成も多数/飲酒と書評と偉人研究

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  • キラキラしなくても、野望がなくてもそこそこ食えるライター論

    ライターは儲からない仕事です。それでも、ライターになりたい人はどうしているか。ノウハウというよりも、フリーが食い続けるための仕事論です。

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記事一覧

ゴロゴロしていてはミスチルには入れない

「平日の昼間からゴロゴロォゴロゴロ。あーあ、ニューヨーク・ヤンキース間違って俺と契約しないかな」 お笑い芸人のずん飯尾のネタである。 そんなことあるあけがないの…

栗下直也
4か月前
18

「わかりやすさ」の追求はどこまで必要なのか?

前回、情報発信には必ずメッセージが込められていると書いた。ただ、そのメッセージがしっかり受け止められるかは別問題である。 メッセージは誤読されたり、意図していな…

栗下直也
4か月前
31

全ての情報発信には意図がある

「なんでnote」を急に書き始めたのかと突っ込まれたので、今日はその理由について書きたい。「お前がnoteを書く動機なんて知りたくもない」「自分語りキモイよオッサン」と…

栗下直也
5か月前
51

お客様は神様だけれども一神教になれとは誰も言っていない

最近、何人かの編集者から「細かいことをいうライターが多い」と聞いた。 「追加で金を払ってくれ」「この内容ではなぜダメなんだ」などなど。僕は片方の意見しか聞いてい…

栗下直也
5か月前
37

キャリアプランなんてクソ喰らえで、来た球をひたすら振ろう

誰もが社会に出るころ、いろいろなことを考えていたはずである。30歳の時にはこうなりたい、40歳ではこうありたい。うまくいく人もいるが、うまくいかない人が大半だろう…

栗下直也
5か月前
45

43歳、「ライターは誰でもできます!一緒に稼ぎましょう」とSNSで発信すれば一儲けできるのだろうけれども

「ライター講座」が今、人気らしい。 講座が人気ということは単純に解釈すればライターになりたい人が多いのだろう。 気持ちはわかる。確かにライターは読み書きができれ…

栗下直也
5か月前
64

泥酔していた金正恩氏は怒鳴り散らし、夜を徹して反省文を書くよう命じた。

昨年(2023年)、『政治家の酒癖』(平凡社新書)という本を出した。紙幅の都合で割愛した愛すべき政治家についてここで紹介したい。 粛清理由は「姿勢が悪いから?」 両…

栗下直也
5か月前
5

「政治家の酒癖」酒を飲みそうな外見の人は本当に飲むのか

昨年(2023年)、『政治家の酒癖』(平凡社新書)という本を出した。出版不況の中、「酒」という、これまた向かい風10メートルくらいのテーマで書かせてくれた版元には感謝…

栗下直也
5か月前
6

43歳、肩書はない

「肩書で人を判断するな」とはよく言われるが、肩書とは便利なものだ。 例えば、「大手メーカー勤務 営業職40歳課長」と聞けば、なんとなくその人の暮らしや収入が想像で…

栗下直也
5か月前
40

43歳、趣味がない

43歳、趣味がない。 ゴルフもしなければ、ゲームもしなければ釣りもしない。 盆栽をいじるには少し早いし、キャンプに行く気力はない。 仕事に没頭し、会社と家の往復…

栗下直也
5か月前
22

禁酒法の時代

勇ましいタイトルだが、「緊急事態宣言で飲食店での酒の提供禁止だと!日本もついに禁酒法の時代か!許さん」などといいたいわけではない。酒が外でおおっぴらに飲めない今…

栗下直也
3年前
6

ゴロゴロしていてはミスチルには入れない

「平日の昼間からゴロゴロォゴロゴロ。あーあ、ニューヨーク・ヤンキース間違って俺と契約しないかな」

お笑い芸人のずん飯尾のネタである。

そんなことあるあけがないのに、もしかしてもしかしたらあるかも・・・そんなわけないか。現実から目を背け、楽に暮らせないものだろうか。誰もが一度は思い抱いた気持ちを彼はうまく代弁する。

彼の「現実逃避ネタ」はほかにも「平日の昼間からゴロゴロォゴロゴロ。あ~あ、ミス

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「わかりやすさ」の追求はどこまで必要なのか?

前回、情報発信には必ずメッセージが込められていると書いた。ただ、そのメッセージがしっかり受け止められるかは別問題である。

メッセージは誤読されたり、意図していない人に届いたりして、物議をかもすし、議論を引き起こす(意図的に誤読させるケースもあるだろうが複雑になるのでここでは置いておく)。

もちろん、それは発信側にも問題があるかもしれないが、今の時代はそうとも言い切れない。

5.6年前に有名な

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全ての情報発信には意図がある

「なんでnote」を急に書き始めたのかと突っ込まれたので、今日はその理由について書きたい。「お前がnoteを書く動機なんて知りたくもない」「自分語りキモイよオッサン」と指摘されそうだが、これがライター論と無関係ではないのだ。

僕は別に金と効率性にまみれたライター業界に一石を投じたいわけではない。確かに、ライター未経験者が業界に金目的で新規参入するのは素手でフロイド・メイウェザー・ジュニアに殴りか

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お客様は神様だけれども一神教になれとは誰も言っていない

最近、何人かの編集者から「細かいことをいうライターが多い」と聞いた。

「追加で金を払ってくれ」「この内容ではなぜダメなんだ」などなど。僕は片方の意見しか聞いていないので、本当かはわからない。編集者にしてみればライターの原稿があまりにも当初の想定と違うから書き直せといったのかもしれないし、ライターが憤る通り、編集者が途中から無理難題を言い始めたかもしれない。

「ライター業界あるある」だが、前提と

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キャリアプランなんてクソ喰らえで、来た球をひたすら振ろう

誰もが社会に出るころ、いろいろなことを考えていたはずである。30歳の時にはこうなりたい、40歳ではこうありたい。うまくいく人もいるが、うまくいかない人が大半だろう。

うまくいかない人が何も考えていないかといえばそうではない。考えてもうまくいかないケースがほとんどだ。むしろ、考え過ぎなのではないかというのが僕の結論である。

理想を持つことはいいことだ。だが、理想に縛られすぎてもいけない。

こう

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43歳、「ライターは誰でもできます!一緒に稼ぎましょう」とSNSで発信すれば一儲けできるのだろうけれども

「ライター講座」が今、人気らしい。

講座が人気ということは単純に解釈すればライターになりたい人が多いのだろう。

気持ちはわかる。確かにライターは読み書きができれば誰にでもできる。初期投資もいらない。小売りのように何かを仕入れる必要もなければ、装置産業でもない。一方、インターネットの登場以降、必要なコンテンツは増え続けている。「それならば私にもできそう」と考えるのは自然だ。技術は必要だが、資格が

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泥酔していた金正恩氏は怒鳴り散らし、夜を徹して反省文を書くよう命じた。

泥酔していた金正恩氏は怒鳴り散らし、夜を徹して反省文を書くよう命じた。

昨年(2023年)、『政治家の酒癖』(平凡社新書)という本を出した。紙幅の都合で割愛した愛すべき政治家についてここで紹介したい。

粛清理由は「姿勢が悪いから?」

両脇を刈り上げ、ポマードで固めた独特の髪型に詰め襟の人民服姿。いまではお馴染みだが、当初、独特のスタイルに世界は困惑した。インターネットで画像検索すると驚くが、祖父であり「建国の父」である金日成そっくりなのだ。金日成に似せるために整形

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「政治家の酒癖」酒を飲みそうな外見の人は本当に飲むのか

「政治家の酒癖」酒を飲みそうな外見の人は本当に飲むのか

昨年(2023年)、『政治家の酒癖』(平凡社新書)という本を出した。出版不況の中、「酒」という、これまた向かい風10メートルくらいのテーマで書かせてくれた版元には感謝しかない。「酒を飲もうが飲むまいが、酔っ払おうがそうでなかろうが、人間なんてしょーもない生き物です」がコンセプトで、古今東西の政治家の酒癖を調べた。紙幅の都合で割愛した2人のビッグな政治家についてここで紹介したい。

これだけの貫禄が

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43歳、肩書はない

「肩書で人を判断するな」とはよく言われるが、肩書とは便利なものだ。

例えば、「大手メーカー勤務 営業職40歳課長」と聞けば、なんとなくその人の暮らしや収入が想像できる。

もちろん、思想信条や人格はわからないが、ビジネスの現場でのコミュニケーションの簡略化には非常に有効だ。「肩書なんていらねーよ」なんて、一昔前のパンクロッカーみたいなことを思う人もいるかもしれないが、肩書での会話は余計な前置きが

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43歳、趣味がない

43歳、趣味がない。

ゴルフもしなければ、ゲームもしなければ釣りもしない。

盆栽をいじるには少し早いし、キャンプに行く気力はない。

仕事に没頭し、会社と家の往復で気づけば定年。あとはゆっくり余生を過ごす。

そんな人生もかつてはありだった。

だが、平均寿命が伸び、人生100年時代ともいわれる。医学の進歩は目覚ましく、死にたくても死ねない時代がそこまできている。仕事一筋では、あまりにも人生は

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禁酒法の時代

勇ましいタイトルだが、「緊急事態宣言で飲食店での酒の提供禁止だと!日本もついに禁酒法の時代か!許さん」などといいたいわけではない。酒が外でおおっぴらに飲めない今、禁酒法、禁酒法って言っている人がいるけれども、結局、米国の禁酒法ってどんなんだったの?ということでまとめてみた。と、書くと、「おまえ、そんなキャラだったっけ?飲み歩けないあまりに暇すぎておかしくなったのか」と突っ込まれそうだが、人間、素面

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