栗下直也
ライターは儲からない仕事です。それでも、ライターになりたい人はどうしているか。ノウハウというよりも、フリーが食い続けるための仕事論です。
「平日の昼間からゴロゴロォゴロゴロ。あーあ、ニューヨーク・ヤンキース間違って俺と契約しないかな」 お笑い芸人のずん飯尾のネタである。 そんなことあるあけがないのに、もしかしてもしかしたらあるかも・・・そんなわけないか。現実から目を背け、楽に暮らせないものだろうか。誰もが一度は思い抱いた気持ちを彼はうまく代弁する。 彼の「現実逃避ネタ」はほかにも「平日の昼間からゴロゴロォゴロゴロ。あ~あ、ミスチル一人募集しねーかな」「平日の昼間からゴロゴロォゴロゴロ。あ~あ、ここ2、3日
前回、情報発信には必ずメッセージが込められていると書いた。ただ、そのメッセージがしっかり受け止められるかは別問題である。 メッセージは誤読されたり、意図していない人に届いたりして、物議をかもすし、議論を引き起こす(意図的に誤読させるケースもあるだろうが複雑になるのでここでは置いておく)。 もちろん、それは発信側にも問題があるかもしれないが、今の時代はそうとも言い切れない。 5.6年前に有名な経営者同士の対談に立ち会った。ボケーっと聞いていたので内容はあまり覚えていないの
「なんでnote」を急に書き始めたのかと突っ込まれたので、今日はその理由について書きたい。「お前がnoteを書く動機なんて知りたくもない」「自分語りキモイよオッサン」と指摘されそうだが、これがライター論と無関係ではないのだ。 僕は別に金と効率性にまみれたライター業界に一石を投じたいわけではない。確かに、ライター未経験者が業界に金目的で新規参入するのは素手でフロイド・メイウェザー・ジュニアに殴りかかるくらい危険だ。それなのに「ライターになろうよ」と煽る人が多すぎるのは問題だと
最近、何人かの編集者から「細かいことをいうライターが多い」と聞いた。 「追加で金を払ってくれ」「この内容ではなぜダメなんだ」などなど。僕は片方の意見しか聞いていないので、本当かはわからない。編集者にしてみればライターの原稿があまりにも当初の想定と違うから書き直せといったのかもしれないし、ライターが憤る通り、編集者が途中から無理難題を言い始めたかもしれない。 「ライター業界あるある」だが、前提として、「話が違う」とならないようにライター側が条件を確かめるしかない。仕事内容も
誰もが社会に出るころ、いろいろなことを考えていたはずである。30歳の時にはこうなりたい、40歳ではこうありたい。うまくいく人もいるが、うまくいかない人が大半だろう。 うまくいかない人が何も考えていないかといえばそうではない。考えてもうまくいかないケースがほとんどだ。むしろ、考え過ぎなのではないかというのが僕の結論である。 理想を持つことはいいことだ。だが、理想に縛られすぎてもいけない。 こう指摘すると、「大谷翔平やイチローは高い理想をかかげて実現した、理想は大事である」
「ライター講座」が今、人気らしい。 講座が人気ということは単純に解釈すればライターになりたい人が多いのだろう。 気持ちはわかる。確かにライターは読み書きができれば誰にでもできる。初期投資もいらない。小売りのように何かを仕入れる必要もなければ、装置産業でもない。一方、インターネットの登場以降、必要なコンテンツは増え続けている。「それならば私にもできそう」と考えるのは自然だ。技術は必要だが、資格があるわけでもない。ライターと名乗ればライターなのだ。 WEBライターで稼ぎたい
昨年(2023年)、『政治家の酒癖』(平凡社新書)という本を出した。紙幅の都合で割愛した愛すべき政治家についてここで紹介したい。 粛清理由は「姿勢が悪いから?」 両脇を刈り上げ、ポマードで固めた独特の髪型に詰め襟の人民服姿。いまではお馴染みだが、当初、独特のスタイルに世界は困惑した。インターネットで画像検索すると驚くが、祖父であり「建国の父」である金日成そっくりなのだ。金日成に似せるために整形を繰り返したとの脱北者の証言すらある。 10代半ばからタバコを吸い、酒を浴びる
昨年(2023年)、『政治家の酒癖』(平凡社新書)という本を出した。出版不況の中、「酒」という、これまた向かい風10メートルくらいのテーマで書かせてくれた版元には感謝しかない。「酒を飲もうが飲むまいが、酔っ払おうがそうでなかろうが、人間なんてしょーもない生き物です」がコンセプトで、古今東西の政治家の酒癖を調べた。紙幅の都合で割愛した2人のビッグな政治家についてここで紹介したい。 これだけの貫禄がある人はなかなかいない。北朝鮮の第二代最高指導者であった金正日(1941-201
「肩書で人を判断するな」とはよく言われるが、肩書とは便利なものだ。 例えば、「大手メーカー勤務 営業職40歳課長」と聞けば、なんとなくその人の暮らしや収入が想像できる。 もちろん、思想信条や人格はわからないが、ビジネスの現場でのコミュニケーションの簡略化には非常に有効だ。「肩書なんていらねーよ」なんて、一昔前のパンクロッカーみたいなことを思う人もいるかもしれないが、肩書での会話は余計な前置きがなくなり、楽なのだ。そして、みんなが知っているような肩書であればあるほど楽になる
43歳、趣味がない。 ゴルフもしなければ、ゲームもしなければ釣りもしない。 盆栽をいじるには少し早いし、キャンプに行く気力はない。 仕事に没頭し、会社と家の往復で気づけば定年。あとはゆっくり余生を過ごす。 そんな人生もかつてはありだった。 だが、平均寿命が伸び、人生100年時代ともいわれる。医学の進歩は目覚ましく、死にたくても死ねない時代がそこまできている。仕事一筋では、あまりにも人生は長すぎる。 進歩したのは医学だけでない。 多くの人がうすうす気づいているだろう
勇ましいタイトルだが、「緊急事態宣言で飲食店での酒の提供禁止だと!日本もついに禁酒法の時代か!許さん」などといいたいわけではない。酒が外でおおっぴらに飲めない今、禁酒法、禁酒法って言っている人がいるけれども、結局、米国の禁酒法ってどんなんだったの?ということでまとめてみた。と、書くと、「おまえ、そんなキャラだったっけ?飲み歩けないあまりに暇すぎておかしくなったのか」と突っ込まれそうだが、人間、素面の時間が長いと、いろいろ悩みがつきないのは否定できない。実際、41歳にして初めて