#小説
何度でも「あなたは悪くない」と抱きしめたい|『秘密を語る時間』書評|徳瑠里香
あれはなんだったんだろう。どうしてあんなことに? 不快な気持ちや小さな恐怖が胸のうちにしこりのように残りながら、ふと思い出しては、思い違いだよ、大したことない、と言い聞かせた。
誰に相談すればいいのか、そもそも人に言うほどのことなのか。私のせいかもしれないし、言えない。
どうしてあのとき、へらへらと受け流してしまったんだろう。何事もなかったかのように過ごしていたのだろう。嫌だと言いたかっ
花の名前を聞かれたのだと一瞬、思った。
わたしはリアルショップでの買い物が
すこぶる苦手なのですが。
それでも好きな総菜屋さんがあって。
小田原にある田中屋というお店。
いつもなじみのデパ地下にゆくと
そこを訪れる。
パートのおばさまとも少し親しくなった。
商品ケースコーナーの上から商品を渡す時は
必ず「高いところから失礼します」と声を
かけてくれる。
子供の頃母が、お店の人と会話しているのを
聞いて、大人になった