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花の名前を聞かれたのだと一瞬、思った。
わたしはリアルショップでの買い物が
すこぶる苦手なのですが。
それでも好きな総菜屋さんがあって。
小田原にある田中屋というお店。
いつもなじみのデパ地下にゆくと
そこを訪れる。
パートのおばさまとも少し親しくなった。
商品ケースコーナーの上から商品を渡す時は
必ず「高いところから失礼します」と声を
かけてくれる。
子供の頃母が、お店の人と会話しているのを
聞いて、大人になったら、わたしもああいう
ことができるだろうかと、とても不安だったけど。
いつのまにか、そういうこと会話が
できるようになっていた。
いつだったか、カラーの切り花を持って
そのお店に行った時に、彼女が声をかけて
くださった。
なんでしたっけ、あ、カラーですねって。
![](https://assets.st-note.com/img/1640580193450-egl92i4p6g.jpg?width=800)
そんななにげない会話をしたことが
あったからその日も、なんとなく
彼女をみると花を連想するような
ところがあった。
その日、いろいろあってぼんやりとしていたわたしは、
その田中屋さんのブースの前でいつも通りの
お惣菜を買っていた。
その時彼女がマスクの中でくぐもった声で
語尾だけは○○の花はお好きですかって
聞かれた気がした。
桜は好きですか? とか
バラは好きですか?
みたいな種類の会話だとなぜか思ってしまって。
そんなわきゃーないのに。
ここはわからないけれど好きといっておこう
と、マスクの中では口角あげて
好きですよって言った。
そしたら彼女は、あ、よかったです、って
おっしゃってとても安堵した顔をした。
若干あの安堵の顏が不思議だったけど。
同じ花を好きなことがそんなにうれしいん
だなって、まだぼんやりしていたら。
そのパートの彼女は、少し腰をかがめて
商品ケースのガラス戸をスライドしながら
ひとつの総菜パックをてにとって、
おまけしておきますってにっこりされた。
あ、ありがとうございますってあわあわって
なりながらも。
よくみたら、それは卯の花だった。
関西で言うところのおからだ。
○○の花は好きですか?って、
卯の花はお好きですか?って聞いてはったんや。
って。
花の名前とちゃうやんって思いながらも。
いや花の名前やけどなってじぶんで
ツッコんでいた。
関西ではオカラ買う? どうする?
オカラが給食にでると、喉つまるやつやんって
言ったりしてたけど。
オカラは大好きだった。
お豆腐系でいえば湯葉も好きだ。
食べるものも派手じゃないものが
好きなんやなって言われたことが
あるけど。
オカラと湯葉はマストです。
でも卯の花とかって上品に言ったことが
なくて。
関東に来てから卯の花と呼ばれていることは
知っていたけど、じぶんからその名前で
注文したことはなかった。
![](https://assets.st-note.com/img/1640581449686-xXDLLXca7x.png?width=800)
おからは、空っぽのカラらしく。
それじゃあんまりだねっていうので
ないことの空(カラ)よりも、有、
あるほうがいいってことで、うを
つかった名前、なおかつカタチが
似ているから卯の花にもなったと
Googleが教えてくれた。
そしてウツギは卯の月に咲くから卯の花
なのだと。
とても忙しい師走の最中で、人々がデパ地下の
フロアを所狭しと急ぐ人ばかりだったけど。
生活と言う名の現実に呑み込まれそうに
なりながらも。
花の名前を聞かれたと思ったあの勘違いが
すこしわたしの気持ちを和らげてくれて
いた。
リアルでもこちらでもそうだけど、わたしは
ほんとうに勘違いな人生であることよ。
さいごにオカラのレシピもはりつけて
おきますね。
あ、やっぱりオカラっていってしまう。
今日は選曲が難しいけれど
歌も貼り付けておきますね。
名もなき者が 花の名前を 呼んでいる
はなびらが 揺れた気がして ふりむいて
いつも、笑える方向を目指しています! 面白いもの書いてゆきますね😊