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木田 りも
2020年8月27日 23:37
夏の終わり。僕は何の変哲もない日常を送っている。テレビでは、ある映画で、主演女優賞を取ったというニュースが流れる。僕は電源をきり、出かける用意をする。僕は休日、レンタルビデオ屋に来た。旧作は1本100円で借りることが可能で、新作は少し高い。期限さえ過ぎなければ、お手頃である。何本か借りていく。僕は久しぶりにあの作品が見たくなってそれを借りた。DVDを再生する。少し前に流行った映画の広告と、おことわ
2020年7月29日 01:19
____________________強い風が吹く。私は別れが嫌いだった。これから先、その人と会えなくなるような別れも、遊び終わって家に帰る別れも。どんな別れも嫌いだった。分かれ道に着いてから私は悲しくなる。どんなに楽しい時間、幸せな時間を過ごしても、家族でもない限り、長い時間、一緒にいることはありえないことは分かっている。分かりたくなかった。終わりのある始まりが嫌いな私のことを、人はわがま
2020年5月28日 22:22
きれいなビー玉を買ってもらった。百円ショップにあったそれは量産物であるにも関わらず、僕の心をとてもワクワクさせた。透明感の溢れ出るその玉は水色や緑色や青色があってまるで宝石やダイヤモンドを持っている気分になった。中でも一番綺麗なのが金色っぽいビー玉で、特にそれを大事に机の中にしまい、たまにみるのが楽しみになっていた。 その頃、僕は中学生になって、遊ぶことが仕事だった小学生があっという間に
2020年5月10日 13:13
あの日、僕たちはドライブに出かけた。2日前に別れた君が突然現れた。家に忘れ物をした君が物を取りにきて、でもなんか寂しくて2人で最後にドライブに行った。もちろん、友達として。僕はなぜかあの時、2人でいたいって思った。というよりも2人でいなければならないと思っていた。僕たちは2人でなければ意味がなく、1人だったらダメになってしまう。実際、僕はこの君がいなかった間、死んだような生活だった。具合も悪くない
2020年5月6日 20:43
感謝。後悔。_____________________私は、もうすぐ死ぬ。この老人ホームに入ってもうすぐ2年になる。人の死期はわからぬが、自分の死期は案外わかるものだ。だから、ここの施設の感想でもここに書いておこう。 環境はいい。毎日3食、美味いご飯が出てくる。孤立した生活が送れる。世間からも、家族からも。家族とは、もう何年もあっていない。妻が亡くなったあと、私は家族に迷惑をかけたく
2020年4月30日 22:43
・ここに観察日記を書いておこうと思う。思い出せる限り。・初日。 30分残業した仕事を終わり、家に帰る。家から職場まで約1時間かかる。もうそれにも慣れた結婚生活10年目。夏のじめじめした日。関東では、明日更新されるであろう今季最高気温が観測された。新婚の時、電車に乗ってる間に今日は何をしてあげよう、どうやって喜ばせてやろうなどと考えていたが、最近はめっきり。このつまらない日常になにか刺激
2020年4月29日 10:42
・私という人物。 私は地球単位で考えると生涯の、どのあたりでスポットが当たるのだろう。そんなことを考えながら今日も世界は明日を迎える。世界から見たらちっぽけなこの私は夢の中でだけ宇宙に行くことができる。宇宙の果て、惑星から惑星にジャンプして飛び越えることができる。そして何万光年も先にある銀河を目指す途中で夢から醒め、昨日と順番が違うだけの授業がある学校に向かい歩く。 人生は一度きりで私
2020年4月23日 20:40
0、 日常。1、 変化。 登場人物ぼく盲目の彼女クラスのみんな (僕の知識不足で、盲目の方は普通のクラスにいないことが多いかもなのですが、あくまでフィクションとして見てやってください) 0 日常。 雨が降っている。普通だ。慣れたことだ。僕はいつも持ち歩いている折り畳み傘で今日も帰るんだ。僕が、なにか気合いいれて出かけたり、行事があったりすると雨が降る。最初は僕が原因
2020年3月17日 11:01
大学2年生になった。そのころになると先輩は就活で必死になり大変そうだった。先輩のツイッターを見ると、就活辞めたい、か、酒飲みたい、か。無言で日本酒の画像を、上げていた。日本酒の画像に一番いいねがついていてクスッと笑える。先輩がリツイートした漫画を読んでいると先輩からLINEが来た。今からウチ来ない?日本酒あるよ?というものだった。日本酒は苦手だし、先輩の家も遠い。だが終電間際の時間に家を飛び出し、