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水木三甫の心葉♡♧詩集

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心葉♡♧詩集では、心に感じたままを言葉に置き換えて表現した詩を掲載します。 まだまだ表現力不足で、うまく伝えられない未熟な僕ですが、進化していく姿を追いかけていただき、感想などを…
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#過去

初めてのビーナス(詩)

初めてのビーナス(詩)

光はいくつもの色を携えて
君の裸体を虹色に染めあげる
君は目の前にいるのに
僕は眩しさに耐えられずに
目を閉じてしまう
気まずい沈黙の後
僕はゆっくりと
君の裸体に視線を向ける
古代彫刻のような
神が与えた至上の曲線に
自然と涙がこぼれる
もし君を抱きしめたら
君が壊れてしまいそうで
僕はただ君を見つめる
君は小さな声で
僕に服を脱ぐよう命じる
僕の不格好な裸を見て
君は初めて笑顔を見せる
僕は君

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過去と記憶(詩)

過去と記憶(詩)

涙の跡を辿っていった先に見つけた
古いアルバムに挟まれた僕の残骸を
拾い集めて、型に嵌めて
過去の僕を甦らせる
過去の僕と僕の記憶が同じかどうか確かめるために

僕の記憶では過去の僕は不幸せだった
それが本当か過去の僕に聞いてみた
過去の僕は
楽しかった思い出を僕にたくさん話してくれた
僕は不幸でもあり、幸福でもあったんだ
「楽しい記憶はすぐに忘れるものさ。人間ってやつは嫌な記憶ばかり頭の中にしま

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最後の花火(詩)

最後の花火(詩)

かすれてゆく景色の中で
僕だけが鮮明になってゆく
僕を見たくない僕が
僕のことしか見えないなんて
僕はどんな罪を犯したの?
どうして償わなきゃいけないの?
過去に戻ってやり直したいのは
神様じゃなくて僕のほうさ
過去の罪を未来まで引きずらなきゃいけないの?
今の変わった僕をもっと見てくれないの?
もしそうならば
自分が大嫌いだった昔のままで
化石にならなきゃいけないよね
そんな未来は嫌だから
今の

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風見鶏(詩)

風見鶏(詩)

いつも風の来る方向を見つめ
風を正面から受け止めて
風の行方を追うことはない

いつも過去から現在までを見つめ
現在が過去に変わっていくのを見つめ
決して未来の行方を追うことはない

君の名は風見鶏

真夜中のメロディ(詩)

真夜中のメロディ(詩)

君の奏でるメロディが
街の灯りを滲ませる

郷愁のような トラウマのような
どこか懐かしく
それでいて忘れてしまいたくなる

君独特のギターの音色が
街の中を彷徨うように
空の果てまで飛ばされるように
僕の亡霊を過去へと引き戻す

君の音楽が終わったとき
僕は君の前にひざまずくだろう
そして君に縋るだろう
音楽の続きを聞かせてほしいと

君は僕の言葉に気づかぬ振りをして
通りの向こうへと消えていく

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無意識の戦い(詩)

無意識の戦い(詩)

無意識が過去にしがみつく意識と戦っている
無意識だから私には何をどう戦っているのかわからない
でも、微熱が続いているのは戦いのエネルギーのせいだろう
どちらが優勢なのかもわからない
戦いは長引いているようだ
体は疲労し、倦怠感と脱力感で体を動かす気にもなれない
いつか無意識が意識に勝ったとき
私は生まれ変わるだろう
私の微熱は今も続いている

第一歩(詩)

第一歩(詩)

あなたは今日生まれ変わった
あなたは過去をすべて捨て去った
だから新しいあなたに一言
「さあ、今日から第一歩を踏み出そう」

あなたには戻るべき過去がない
あなたにあるのは今と未来だけ
だから若いあなたに一言
「さあ、今日から第一歩を踏み出そう」

一歩踏み出すごとに新しい未来がやってくる
一歩踏み出すごとに輝かしい未来がやってくる
だから迷っているあなたに一言
「さあ、今日から第一歩を踏み出そう

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輪廻転生(詩)

輪廻転生(詩)

手をつないで歩こう。
離れ離れになるといけないから。
手をつないでさえいればこの世は過去から未来につながっていくから。

歩調を合わせて、リズムに合わせて、スピードは控えめに。

昔から人間はそうやって生きてきたんだ。たかが1千年でそれを変えようなんて思うのは傲慢というものだよ。

無理したツケは必ずやってくるから。

慌てず、騒がす、冷静に。そして笑顔で歌いながら歩こう。

手を離してはいけない

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人生って(詩)

人生って(詩)

人生は凸凹道を後ろ向きで歩くようなもの
過去はいつまでも視界から消えず、
将来は見たくてもまったく見えない。

何度も転び、転んでは立ち上がる
起き上がったとき前を向けばいいものの、
どういうわけか再び後ろ向きになってしまう

忘れたい過去から逃れられず、
どこに行き着くかはわからない
不安だけを背中に負って、
立ち止まることもできない

だから生き地獄の中、
夢や希望といった、
頼りない灯りに頼

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失恋(詩)

失恋(詩)

途切れ途切れの言葉のすきまを冷たい風が吹き抜けていく
君の温もりを道連れにして

落ち葉は乾いた音をたてながら排水溝へと吸い込まれていく
二人の軌跡をたどるように

立ち去っていく君の後ろ姿が街の中へ溶け出していく
まぶたの裏に幻影だけを残して

それが二人の最後の場面
後は未来に目を向けるだけ

だけど、未来の種の中には忘れたい過去がまだ眠っている

断捨離(詩)

断捨離(詩)

過去に責任を押しつけているだけじゃ、明るい未来なんてやってこない。

人は過去のカケラでできているのだから、
いくら過去を剥がしたって新しい自分になれるわけでもない。

でも、過去がろくなものじゃなかったからといって、
行き着く先もろくなものじゃないだろうなんて、
それじゃあ何のために生きているのかわからないし。

背負いきれない荷物は捨てるしかない。

本当に必要なものだけを持って身軽になれば、

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