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アントニオ猪木さんが10/1にご逝去…いや大往生でしたね

2022年9月21日に取材があったそのわずか10日後、アントニオ猪木さんは79歳でその人生を終えました。

今回はちょっとしんみりしたお話です。

正直あまり彼のことを知りません。
「元気ですかー!」とビンタをして相手を元気にするパフォーマンスで有名なプロレスラーであり、元国会議員であったことくらいです。
ですが彼を見ていると前向きな気分になれることはその行動や表情からよく分かります。

9/21 彼はもう何年も難病を患っていて自分で歩くどころか起き上がることもできない状態でした。
病名は「全身性アミロイドーシス」で…その病気の詳細はまぁ、ここでは良いでしょう。とにかく全身機能がうまく使えない状態でした。
こういう動けなくなるタイプの病気はいっぱいありますし、このnoteでその話を掘り下げても仕方ないでしょう。

とにかく難病で動けない状態が何年も続いていた猪木さんですが、亡くなるたった10日前に取材を受けていたんです。

それが冒頭の動画です。

介護のお仕事を5年やっていたから分かります。
彼の目は死んでいませんでした。
いや、打ちのめされた感じはします。
そりゃそうです。
アクティブな人間が動けなくなり寝たままで動かないでできる趣味もあまりないと老後に意気消沈しやすくなることはほぼ確実な気がします。
あくまでこれまで見てきた方々の感想と自分の主観が織り交ざっていますが。

彼は動きたかったのでしょう。
だからもどかしくてやはり弱弱しかった。
天井の木目を数えるくらい暇でやることがないことが彼を弱らせたのでしょう。

でも動画の本人の話を聞いてみると彼はこの取材の為に発声練習をしたとのことです。
彼に残されていたのは目と口…目力と声でした。
そして彼の生き様そのものを表現して発信することでした。

1人ではできないけど取材なら可能。
彼は元々地球の環境問題に大きく注目していたのでそのことを見ている人に必ず伝えようという意志をその目と口、しゃべりから感じました。

影響力を使って看護師や介護士の助力を得てもっと別の場所で撮影したり、公の場に出る選択肢もあったでしょう。
そこまではしませんでした。
でも元々 別室での撮影をする予定だったのにも関わらず「今の弱った自分を見てほしい」とあえて普段の生活の場でのベッドでのパジャマ姿での撮影に臨んだのは彼の最後の矜持であり、振り絞ったプライドだったのではないでしょうか。

男性は女性よりも10年は短命です。
以前 自分の働いていた場所でもそんな感じでした。
男性は80くらい。女性は90くらいまでで難しい状態になります。
もちろんその10歳前後する方も全然いましたが。
90越えて1人で杖突いてタクシー乗ってリハビリ施設まで行く人もいましたからね。

猪木さんは難病で動けない。
寝ながらの趣味があったかは不明ですが一番やりたいことは伝えることだったのではないかと思います。
でなければ弱弱しい自分を見せたくなかったでしょう。
それだけ発信することの優先順位が上だったということ。
その上で今の自分が出来ることを出来るだけやって自分らしく発信することに拘ったのだと思います。

寝た切りになってから努力することの難しさや大変さはこれまで様々な人を見てきた身からするとよく分かります。
元々身体が痛くて痛みを取り除くことしか考えたくないのにそこから何かを出来るようにすることの労力は想像を絶します。

そこからの辛いリハビリを越えると一定期間痛みへの耐性や痛みの軽減を得られるのでケアマネージャーや介護士は促すのです。
ちなみに医師や看護師は基本的に治すことに特化しているので医師の枠を越えた親身な医者でもない限り可能性以外の提案はしないです。基本的にですけど。

そしてその辛さから逃げた人が痛みに打ちのめされたままの日々を続けることになります。
正直 リハビリから逃げたから悪いとかではなく、その人の人生や身体や病気の性質によって程度も全然違いので周りがどうこう言いすぎても仕方ないことだと思いますけどね。

人は目的があると底力を発揮します。

ひょっとしたら今の自分にできる伝えること、発信すること、そうした自分リアルの想いを伝えきって目的を達成した猪木さんは「やるだけやった」という境地になってしまった可能性もあります。
もちろん自分の勝手な想像で妄想です。
実際には最後の最後に綺麗な想いや言葉で終わらなかった方も多いでしょう。
でも仕事上、昼夜問わず何度も最後の会話をしたことがありますが、最後の言葉はかすれ声での感謝や小さく頷かれていたことが多かったです。
自分は手を握り「また明日も会いましょう。」と締めくくることが多かったです。

彼が痛みから解放され晴れやかな死後を迎えられたと信じたいものですね。

今回はこんなところで

メルカ

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