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妄想のカケラたち

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書く習慣アプリのお題 シロクマ文芸部のお題 ....などから妄想したもの
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2023年4月の記事一覧

別れのアイスコーヒー #シロクマ文芸部

別れのアイスコーヒー #シロクマ文芸部

凍った星をグラスに。
アイスコーヒーを淹れた
あの星祭で一緒に拾った星々

アイスコーヒーの闇の中で
星は溶けながら輝きをとりもどし
グラスの中にあの夜空がもどった。

あの夜を思い出したら
今から彼が言おうとしている
「さよなら」はなかったことに
なるかもしれない

独りよがりの期待にかけた
おまじない。

でも、彼は、
ためらうことなくミルクを注ぎ
グラスの中の夜空を祓うと
静かに別れを話し始

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妄想のカケラ【どうでもいいこと】

妄想のカケラ【どうでもいいこと】

#80 どうでもいいこと

皆が下を向いてスマホに夢中の
満員電車で私も下を向いて
スマホの中に答えを探していた。

今流行りのネットAIが、恐ろしいほど
もっともらしい答えをくれたけど
ある意味それはどこかの誰かの受け売りで
私の納得いく答えではないような気がする。

「生きる意味とは?」

電車が止まり
ホームに乗客を吐き出し
エスカレーターが吐き出された乗客を
整頓しながら地上に運んでいった

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妄想のカケラ【自分勝手】

妄想のカケラ【自分勝手】

#79 自分勝手

眠るのを諦め
ベランダに出て
真夜中の空を見上げた

皆が眠りにつく
誰も知らない闇に
星々が流れては溶けて消えていた

こんな美しい空を独り占めできるなら
眠れない夜も悪くない...

....

もしも、
明日も私に夜が来なければ
またこうして付き合ってほしい

そんな願いを伝えが
自分勝手すぎたのか
星たちは素知らぬ顔をして
流れて消えてしまった___

書く習慣アプリの

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#シロクマ文芸部【文通:薫風の候】

#シロクマ文芸部【文通:薫風の候】

透明な手紙の香り。
...…がする。

透明なので目に見えないが手紙は確かにこの手にある

手探りで封をあけ
(おそらく)便箋を
これまた手探りでひろげると
香りが一段とはっきりとした。

今回は新緑の風を思わせるような香りだ。

そろそろそんな季節なのですね
手紙に応えるように私はつぶやいた。

この手紙は届くと数日で存在がなくなり
暦の上で季節が変わると
次の手紙がどこからか舞い込む

そんな

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妄想のカケラ【完璧主義】

妄想のカケラ【完璧主義】

#77 完璧主義

もしも未来を見られるなら?

見る!

いや、チェックする。

そして、「これから」を修正し
新しくなったであろう「未来」を
再びチェックして
不完全な「未来」であればまた修正...

こうして、
完璧な未来を求めすぎた結果
私は一歩も前に進めなくなるだろう__

書く習慣アプリのお題「もしも未来を見れるなら」から #エッセイのようなひとりごと

妄想のカケラ【雨予報】

妄想のカケラ【雨予報】

#76 雨予報

この春の終わりから降り続けている
色のない雨は、
世界の穢れを落としながら
自らを黒く染めながら
ずっと降り続けている。

きっとこの雨は
私を含めた世界の全てが
無色透明になるまで
ずっと、降り続けるのだろう__

書く習慣アプリのお題「無職の世界 」から #詩

妄想のカケラ【鈍感】

妄想のカケラ【鈍感】

#75 鈍感

雨に濡れて
踏まれた桜が
白く浮かぶ夜の道
君に告げられた「さよなら」で
やっと気づいた。

とっくに春は終わっていたと__

書く習慣アプリのお題「桜散る 」から #詩

妄想のカケラ【籠の鳥】

妄想のカケラ【籠の鳥】

#74 籠の鳥

青空広がる
遠くの空へ
放たれた私は
初めて翼を大きく広げ
高く高く舞い上がる

不安と隣り合わせの
だけど自由な空は
なんて広くて美しいんだ__

書く習慣アプリのお題「 遠くの空へ」から #詩

妄想のカケラ【消化不良】

妄想のカケラ【消化不良】

#73 消化不良

言葉にできないコトバを
飲み込み続けたハートは
消化不良で悲鳴をあげている

書く習慣アプリのお題「言葉にできない 」から #詩

妄想のカケラ【春爛漫】

妄想のカケラ【春爛漫】

#72 春爛漫

ずっと季節は行きつ戻りつしていたのに
いつの間にか春は根を下ろしていました。

染井吉野は散り八重桜満開
花水木やツツジの花咲く
藤棚からは溢れこぼれるうす紫

そして、
オオイヌフグリ
ホトケノザ
カタバミ
ハナニラ
カラスのエンドウ
タンポポ

足元の小さな春も満開
心浮き立つ季節です。

書く習慣アプリのお題「春爛漫 」から #エッセイのようなひとりごと

妄想のカケラ【敗者】

妄想のカケラ【敗者】

#71 敗者

大好きな君の
目を見つめると
じっと見つめ返されて
思わず下を向いてしまった
僕の負け

書く習慣アプリのお題「「君の目を見つめると 」から #詩

妄想のカケラ【この世界に一つだけの】

妄想のカケラ【この世界に一つだけの】

#70 この世界に一つだけの

「賭けに勝ったお前には約束通り
この部屋の中から一つだけ、
選んで持ち去るのを許可しよう」

大魔王は威厳のある
でも少し口惜しそうな表情で言った。

「光栄に存じます。」
私はうやうやしく頭を垂れてしたたかに礼をした。

賭けには勝てたものの
ここで大魔王のプライドを傷つけるのは命取りだ。

大魔王の宝部屋

ここには古今東西
人間の世界・魔界も含めた
世界のあら

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妄想のカケラ 【半分ずつの法則】(シロクマ文芸部)

妄想のカケラ 【半分ずつの法則】(シロクマ文芸部)

(#シロクマ文芸部
「赤青鉛筆で日記を書く。」から始まる小説)

【半分ずつの法則】

私は赤青鉛筆で日記を書いている。

日記と言ってもその日の出来事を箇条書きにしたためたもので
残念だったり失敗だった事は赤色
良かった事・心が温かくなった事は青色
これが私の日記のマイルール

・今朝は寝坊した 赤
・でも電車の遅延で遅刻にならなかったラッキー 青
・急な作業が増えて昼休みを削った 赤
・いいお

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