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投球時の膝伸展と制球力
プロ投手(メジャー、マイナー)121名、計1121球をバイオメカニクス手法で分析されました。投手は、十分なウォームアップ後にマウンドからホームベースまで通常の距離(18.44 m)を全力で直球のみを8-12球投げました。
121名の投手を低制球投手群(36名)中制球投手群(52名)高制球投手群(33名)に分け、制球力とキネマティックス、キネティックスを比較されました。制球度合は、95%信頼楕円を
投球メカニクスの修正
アラバマ州バーミンガム市に位置するAmerican Sports Medicine institute (ASMI)で高校生以上の投手19名(平均年齢18.7歳)とプロ投手(メジャー、マイナー)27名(平均年齢21.8歳)のバイオメカニクス投球動作分析が行われました。計46名の選手は、最低2回同様の分析を受けました。2回目の平均分析期間は12か月(範囲2-48カ月)でした。
(この記事は、これまで
プロ投手と高校生投手の投球動作のタイミングの違い
プロ投手(メジャー、マイナー)317名の3261投球と高校生投手54名の430球を三次元バイオメカニクス投球アセスメントで比較していました。各投手は、十分にウォームアップを行った後に、通常の距離(18.44 m)をホームベース後ろに座った捕手にゲームのような全力で直球を8-12球投げました。
測定には以下の項目が含まれていました。
1) 前足接地―骨盤:前足接地時から骨盤ピーク角速度ま
プロ投手と高校生投手の投球時の胴体の傾き
健常な高校生投手58名の432投球とプロ投手(メジャー、マイナー)284名の2334投球を三次元バイオメカニクス投球アセスメントで比較していました。
高校生投手の胴体の傾き胴体中間位の高校生投手は、同側傾き、逆側傾き(グローブ側)投手に比べ球速が速く、肩最大外旋(MER)が大きかった。胴体逆側傾き投手は、MER時に胴体回旋が少なかった。さらに胴体逆側傾き投手は、肩上方力および肩前方力が大きかった
投球時の水平内転による球速への影響
プロ投手(MLB, MiLB)339名は、通常の距離(18.44 m)に捕手に向かって直球を8から12球を投げ、それをバイオメカニクス手法で分析していました。実験では、投手は投球に必要なウォームアップ後、各自のペースでゲームのような全力で投げました。
前足接地時の水平外転の平均は38ºでした。そこから最大水平外転が達し、平均は44ºでした。最大肩外旋(MER)時に平均8º水平内転していました。
投球時の肩外転と外旋角度
健常な現役プロ投手(MLB, MiLB)322名の投球中の肩外転と外旋角度の分析がありました。各投手は、十分なウォームアップ後に通常の距離(18.44 m)に座った捕手に全力直球を8から12球、各自のペースで投げました。各球ごとにストライク、ボールの判定もありました。
各投球メカニクス期における肩外転角度は、ほぼ一定でした。前足接地時の平均が85.5º、肩最大外旋(MER)時が 91.7º、ボー
前足接地時の胴体回旋角度と関節唇損傷
プロ投手のほとんどが関節唇を損傷しています。しかし症状にでるか適応性になるかは投手次第でそのメカニズムはわかっていません。
コッキング期の肩最大外旋から加速期において上腕二頭筋長頭と関節唇複合がねじれひずみを起こし、関節唇をはく離させます(Peals back)。一回のことでなく投球動作の繰り返しが関節唇を損傷させます。
プロ投手26名は、肩に投球障害を発生させましたが、その後保存治療を受け、復
投球動作の各部位のタイミング
運動学習の視点からスキルとは、「タイミング」の取り方が上手なことです。タイミングとは関節を動かす順序だけでなく、その速さも適切なことです。鍛錬者のスキルはなめらかな動きになります。プロ投手は、すでにスキルレベルは最高ですが、全員同じキネマティック(速度)あるいはキネティック(トルク)で投げているのではありません。研究は、プロ投手(メジャー、マイナー)287名の投球動作中の各部位のタイミングを比較し
もっとみるプロ投手の投球メカニクス
投球メカニクスの研究論文が興味深い。
今回の研究対象は過去6カ月投手として健康である現役プロ投手です。データ収集は秋の技術指導期間あるいは春のトレーニング(キャンプ)期間で行われました。
プロ投手(メジャー、マイナー)323名がブルペンから通常の距離(18.44 m)に実際のゲーム時のようなホームベースの後ろに座る捕手に向かって全力で投げた直球8球から12球、それらをバイオメカニクス手法で分析さ
運動中の身体バランス補正
習得した運動スキルを別の運動にも応用できるとしたら、その仕組みはなにか。たとえばアイスホッケーとゴルフです。実際プロアイスホッケー選手は引退後、ゴルファーになることがあります。その仕組みはステックを使ってパックを動かすあるいはアイアンでゴルフボールを飛ばすことが似ているからでしょうか。
身体バランス補正 運動学習の先駆者N. Bernsteinは、異なる動きが他の動きに応用できるならそれは四肢
少年野球の投球障害予防
MLBピッチスマートの経緯 投手から投球障害肩・肘を守るために考案されたMLB Pitch Smartガイドライン(日本語版)があります。その礎(科学的根拠)になったのが2010年に発表された研究論文(Fleisig et al. Am J Sports Med. 2010;39(2):253–257)でした。研究は1999から2008年までの10年間、毎年秋に電話と過去1年間の質問で少年野球の投
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