上村由紀子/演劇ライター×ラジオDJ
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演大連『あたらしい憲法のはなし3』を観て最終的に泣いた話
「演大連」をご存じだろうか。
演劇の実技授業がある東京都内の大学=「桐朋」「玉川」「多摩美」「日大」「桜美林」の五大学が参加し、演劇の実技授業の在り方や演劇と社会とのかかわり方を研究するため発足した組織だ。
その「演大連」が後援し、学生主体×公共劇場との連携で毎年行っている「演劇系大学共同制作公演」。8回目となる2021年は多摩美術大学が幹事となり、9月10日(金)~12日(日)まで東京芸術劇
コロナじゃなかったけど震えて過ごしてワクチン打つことを決めた話
8月1日の未明にいきなり39.5度の熱が出た。
それはもう、なんの予兆も前触れ(たとえば喉の痛みとか)もなく、気づいたら体中に痛みが走っていて、高熱で意識が飛び、通常10秒の場所にある自宅トイレに行くのに15分かかる始末。
このご時世、高熱の原因として考えられるのは……まさか……。
39度を超える高熱でスマホを持つのもツラい。が、頭の中は大渋滞だ。幸い仕事関係者への取材やオフラインでの打ち合
劇場の「顔」になるのは偉い人たちばかりじゃない
東京芸術劇場・芸術監督の野田秀樹さんが、劇場開場30周年に向けて【「劇場は人が屯をするところではない!」に始まって】とのメッセージを公式ページに出した。
2月のアレに関してはノーコメントかい!というツッコミはさておいて、芸劇のアトリウムに流れる開放的な空気を思い出し、首をブンブン振りながら読んでしまった。
「劇場の顔」と聞いてまず思い浮かぶのは、日本でもここ20年くらいで定着した”芸術監督”と
シアターモリエールへの報道に対して思うこと
※文末に追記アリ(7月16日)
『THE☆JINRO―イケメン人狼アイドルは誰だ!!―』というタイトルの公演でクラスターが発生してしまった。
出演者やスタッフ、さらに観客まで入れると約40名の罹患者が確認され、850名が濃厚接触者に認定という一大事態である(2020.7.14時点)。
わたしはこのステージを観ていないので、内容や演出についての言及は避けるが、報道でどうしても違和感を覚えること
40歳からのライターDAYS⑤~始動3~
目の前のコップに水が半分入っている。
世の中には「やった、半分も入ってるじゃん!」と喜べる人もいるらしいが、私は「ああ、水は半分しかないんだ」とがっつり落ち込むタイプだ。
失敗するのが怖く、勝てる勝負しかしたくない。つねに他者からの評価も気になるし、多分、自己承認のバランスもガッタガタ。
が、この時ばかりは「誰かの評価が怖い、落とされたらどうしよう」なんてつべこべ言っている場合ではなかった。
40歳からのライターDAYS④~始動2~
演劇に関わる仕事をしたい。
それは間違いない。だが40歳を過ぎた今の自分に一体何ができるだろう?いくら少しの経験があるからといって、今さら出るのも創るのも公演を手伝うのも何か違う。というか、そんな荷の重いことまだまだ無理だ。
なら、書くことは?戯曲ではなく演劇に関して記事を書く仕事。
今でこそ複数の演劇系Webサイトがあり、それぞれが個性を出して運営をしているけれど、2013年前半はまだエン