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メズム東京で『オペラ座の怪人』コラボレーションランチをいただく午後

ウォーターズ竹芝地区にオープンしたホテル「メズム東京 オートグラフ コレクション」がミュージカル『オペラ座の怪人』とコラボレーションしたランチを出しているらしい……とTwitterでつぶやいたところ

「メズム東京」マーケティングの方から「せっかくなのでご試食なさいませんか」とサプライズ的なお声がけをいただき、うかがってきました。

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コラボランチを提供しているのはホテル内ダイニングの「Chef’s Theatre」。エレベーターを降りるとすぐ目の前にこんな水辺の風景が広がります……高まる!

2021.9.29メズム東京~LK009

席に着くとそこにはファントムからのお手紙が……って、中身は当然メニューです。「Chef’s Theatre」に5番ボックスのお席はありません。

2021.9.29メズム東京~LK010

まずは、お料理に合わせてペアリングされたモクテルが運ばれてきました。最初のグラスは確か、シードルベースだったはず。

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アミューズは「蘇る記憶」。
ほこりをかぶっていたシャンデリアが老ラウルの記憶とともにふたたに光を放ち、劇場の天井に吊られていく冒頭のシーンです。「オルゴール……これだ……あの人がいつも……」。

余談ですが、映画版の『オペラ座の怪人』、老ラウルがクリスティーヌのお墓参りをしているシーンから始まるんですよね。ALW先生、地底湖から地上に上がったふたりの未来は観客に想像させてほしかったよ……。まあ、その後に『ラブネバ』観た時の衝撃に比べたらお墓参りくらい可愛いもんだったけど。

シャンデリアをイメージしたこちらのお料理、白いスプーマには百合根が仕込まれています。珍しい&美味しい。

2021.9.29メズム東京~LK019

ふたつめのモクテルはカモミールベース。
カモミールをこういう形で頂くのは初めて。香りも味も素晴らしい!

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前菜は信州サーモン。
降板したカルロッタの代わりにクリスティーヌがプリマドンナを務めるオペラ「ハンニバル」をイメージした華やかなお料理です。

とにかく色彩の美しさが映える一皿ですが、小さくカットされたお野菜やフルーツの食感の違いがとても楽しい。左上にぽこっとあるやつは、パスタ生地で作られているパンのようなもので、中にモッツァレラチーズが入っています。これは何をフィーチャーしているのかしら……ブケー?(怖いわ)。

楽しくなったのでちょいちょい余談を挟んでいきます。劇中劇「ハンニバル」のシーンでクリスティーヌの髪を整えるヘアメイクさん役、石丸幹二さんもラウルを演じる以前に担当なさってますよね。人に歴史あり。

2021.9.29メズム東京~LK015

こちらは焼き立てのパン
特に『オペラ座の怪人』とはリンクしていません。むしろパンといえば『JCS』。「このパンはわたしの体」……食べづらいわ!

2021.9.29メズム東京~LK032

メインに合わせたモクテル
グラスで二層になっている青い部分はブルーキュラソー。オペラ座の地底湖を表現しているそうです。なんて美しい!(でも、私には少しだけ甘かった……が、目には最高のごちそうでした)

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メインのお肉
ランチコースではお魚かお肉からメインを1品を選びます。私はお魚をチョイスしたので、こちらは今回お声がけいただいた「メズム東京」マーケティング責任者・沙織さんセレクトのお皿。仔羊のグリルに「音楽の天使」とのタイトルがついています。ビューティホー!

「わーたしーの宝物に手を出す奴ー」と、ファントムがラウルに嫉妬の炎を燃やす場面。クリスティーヌは不思議ちゃんなので「エンジェルかしら……それともパパの声なの?」とどこか夢見心地(天然か)。まあ、同じクラスだったら友達にはなれないタイプですよね。給食当番できなさそう。

……そして鏡の向こう……ではなく、お皿の端にひっそり隠れるファントム……

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はい、きました
お魚はタイトルナンバー「オペラ座の怪人」を想起させるひと皿。ファントムが楽屋からクリスティーヌを連れ去り、自身の城である地底湖へと小舟でいざなう場面をフィーチャーしたお料理です。

あのシーン、初めて見た時にはファントムとクリスティーヌの移動が俊敏すぎて一瞬「え?」と思いますよね。じつはあそこの場面、替え……いやあ、ミュージカルって本当にマジカル、不思議がいっぱい。

こちらのお皿、黒い部分はイカ墨で、下に敷かれているのもお魚のムース。オールまでつけるところにシェフの強い変態性……いや、こだわりを感じます(好き)。

メニューをもう1度見ていただくとわかりますが、本コース、通常のフレンチならば、お魚が先に記載されるところ、お肉が先となっています。これはフレンチの定石より、作品の音楽の順番を優先したからとのこと。

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デザートは「ファントムの怒り」
そうです、これ、シャンデリアなんです。
心が綺麗な人にはそう見えます。

さらに見て!
周囲にちゃんとガラスの破片が飛び散ってるの!

アミューズは物語の始まりに復活するシャンデリア。デザートは落とされ砕かれたシャンデリア。最初と最後が対(つい)になっているのが粋です。同じくシャンデリアをモチーフにするということで、デザインが被らないよう、シェフが苦心なさったとか。

「ファントムの気持ちになって、思いっきり壊してください」とのお言葉を受け、がっちり上からナイフを入れさせていただきました。

『オペラ座の怪人』では、屋上で愛を確かめ合うクリスティーヌとラウルの姿を見て怒りに震えたファントムが、オペラ座天井に吊られたシャンデリアを「これほどの辱めを、決して許しはしないぞ……!」と落下させるわけですが、この場面でファントムの呼吸が乱れていないと私は醒めます。だって、あれだけ感情乱れたら息上がるよ?歌い上げられないよ?やっぱりマイデフォルトは初演の市村正親さん……。

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コーヒーは今をときめく猿田彦珈琲とのコラボ=「メズム東京」のために作られた竹芝ブレンド。当然、ハンドドリップです。

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ラストは小菓子。
チョコレートに描かれた「劇団四季」の文字。もちろんフォントも本家と同じものを使用しています……芸が細かい。

ランチコースは
『オペラ座の怪人』第1幕ということで、こちらで終了です。2幕の「マスカレード」等を体験したい方はディナーへどうぞ。

「Chef’s Theatre」はその名の通り”劇場”のようなダイニング。ヨウジ・ヤマモトのジェンダーレスな制服に身を包んだスタッフさんたちが、まるで舞台の出演者のような佇まいでゲストをもてなしてくれます。ホテルスタッフ自ら編み出したという個性的なお辞儀にもぜひ注目を。同じポーズ、つい返したくなるから。

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可能であれば「メズム東京」が命運をかけた(?)『オペラ座の怪人』超本気コラボルームも拝見したかったのですが(総予算と製作過程を伺って汗が)、ホテル側も驚くレベルで反響が多く、この日も予約が入っているということで、ラウンジを抜け、別のお部屋を見せていただくことに。

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こちらは上層階のベッドルームで、もうひとつリビングがあるのですが、特筆したいのが

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これ、お部屋に併設されているバルコニー!
都心のホテルでこの広さ×眺望のバルコニーは稀有だと思います。

もちろん、テーブルとチェアも置いてあるので、ここで水辺が暮れ行く風景を見ながら、泡でも飲んだら最高。ミュージカルもやれそうな広さ。

2021.9.29メズム東京~LK087

そーしーてー
このお部屋の別の角度からは、四季劇場 春・秋をがっちり見下ろせます。自由劇場も奥にしっかり映っているの、わかります?

ミュージカルラバーにはたまらない眺望ですが、劇場屋根の網目が何なのかも気になるところ。

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浜離宮もこの角度で見渡せます。
と、気づけばすっかりいい時間。そろそろ下界に戻らなくては。

世の中の状況もあって、なかなか外でのお食事もままならなかったけれど、やはり時にはプチゴージャスな時間、必要だな、と感じました。心の余裕って大事。背筋を伸ばしながらリラックスして過ごす時間、大切。

このレポートはタイアップ等のPR記事ではないので、詳細はそれぞれでググっていただくとして「メズム東京」都心の使い勝手の良いホテルとして、また、すべてに”物語”を紡ぐ空間として、リストに入れたいと思います。

ミュージカルファンの心に刺さる企画、ここでやれたら最高だな……。



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