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植物ほぼ一日一題

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植物のことを色々。
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去年の秋に咲いていた皇帝ダリア(Dahlia imperialis)。7、8年前くらいに急に流行り始めたようです。人の背丈をゆうに超えて花をつけます。ダリアは暑さが苦手ですが、霜にも弱いという繊細なお花です。

カシューナッツの実を食べた話

カシューナッツの実を食べた話

私が2年前にカンボジアを訪れた目的の一つは、熱帯ならではの植物を自分の目で見ることだった。
例えばマンゴーなどのトロピカルフルーツや、コショウなどいわゆる商品作物など。
今の時代、ググれば大抵の情報は得られるけれど、実物ばかりは自分が動かねば手に入らない。
(Amazonの受け取りでさえサインしなきゃだし)

私は熱帯の植物の中でも、特にカシューナッツに興味があった。
ひょんなことからカシューナッ

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馬鈴薯≠ジャガイモ?通説を切り捨てる『植物一日一題』

馬鈴薯≠ジャガイモ?通説を切り捨てる『植物一日一題』

私のマガジンの
「植物ほぼ一日一題」
というタイトルは、

・牧野富太郎の「植物一日一題」
・糸井重里氏の「ほぼ日刊イトイ新聞」(通称「ほぼ日」)

この2つを組み合わせています。
今回はそのパクリ元の一つである「植物一日一題」についてご紹介します。

「植物一日一題」は、日本の植物学の権威である牧野富太郎の著書です。
「馬鈴薯とジャガイモ」「アサガオと桔梗」など、様々な植物にまつわるショートエッ

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フラワーバレンタイン、ほんとに普及できるのか?

フラワーバレンタイン、ほんとに普及できるのか?

フラワーバレンタイン、ご存知ですか。
農水省が激推ししているニュートレンドです。

「バレンタインには男性から女性へ花を贈ろう」

というのがフラワーバレンタインの趣旨。
欧米の習慣を日本にも取り入れようとのことです。
(つまりは花の消費を拡大したいんでしょうね)

2011年頃から農水省によるフラワーバレンタイン推進事業が始まったそうなのですが、その割には浸透してなさすぎる気がしませんか。

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四つ葉のクローバー、見つかりますか? (私事で恐縮ですが、明日は卒論発表会なのです。プレゼンではなくポスター形式なので幾分かは気楽ですが……うまくやれるといいなと願いを込めて)

カシューナッツの木。マンゴーと同じウルシ科。1つの実からナッツは1つしかとれません。しかもナッツの殻は超硬くて、割るのも一苦労。ミックスナッツのカシューナッツを食べる度、ありがたい気持ちになる。

モップ頭のアジサイ

モップ頭のアジサイ

最近アジサイについての英語論文を読んでいたら、

mophead

という見慣れぬ単語が出てきました。
読みはモフェード? それともモフィード?
ググったら、どうやら普通にモップヘッドでいいらしい。

さて、モップ頭とは何か。

これ。これがモップ頭です。
つまり、こんもりと花が付くタイプのアジサイのこと。
(アジサイの花びらっぽい部分は、正確には花びらではなくて「がく」です)
こういう咲き方のア

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Cambodian Market――未知との遭遇

Cambodian Market――未知との遭遇

カンボジアでのインターン中、よく市場に足を運んだ。
買い物のためでもあるが、むしろ品揃えを眺めるのが目的だった。
そしてやっぱり青果コーナーが楽しい。

ドラゴンフルーツやリュウガン、ランブータン、マンゴスチンなど、南国ならではのトロピカルフルーツから、ニンジンや大根やキャベツなどお馴染みの野菜まで、実に様々な果物や野菜が並んでいた。

フルーツ大量!

大根大量!(左奥のビニール袋に注目)

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サラダほうれん草

サラダほうれん草

実験の片手間に、お試しでサラダほうれん草を育てています。

普通のほうれん草との違い(主観)
・葉柄が赤い
・葉がすべすべ
・葉がやわらかい
・葉の緑色が薄め

赤色がとても鮮やかです。
サラダにしたらさぞ彩り豊かになるんだろうなあ。

ところで、ほうれん草にはシュウ酸が多く含まれています。
シュウ酸といえば結石。
結石といえば地獄の苦しみという噂……!
というわけで、ほうれん草は茹でてシュウ酸を

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梅の季節

梅の季節

北野天満宮の梅苑公開の報せを聞くと、大学受験の直前期を思い出す。

高校の先生たちが、北野天満宮で合格祈願をしてきてくれた。
お土産には撫でるとご利益がある「撫で牛」の置物。
手のひらサイズの牛様が、廊下のロッカーの上に鎮座ましました。
私は撫で牛を撫で回した。丹念に撫で回した。
撫で回したご利益なのだろうか、幸運にも前期試験で合格した。
そして今に至る。

というわけで北野天満宮には思い入れがあ

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星の瞳と呼んであげたい

星の瞳と呼んであげたい

オオイヌノフグリが咲いていた。
いつ見てもかわいい花だ。
しかし名前はひどい。いつ見てもひどい。

学名はVeronica persica。
ヴェロニカなんて名前もすてきでおしゃれなのに、和名オオイヌノフグリって……。

しかし幸いなことに「星の瞳」というすてきな別名があるので、このまま浸透してくれたらと思う。

余談。
オオイヌノフグリに混じって咲いていたこれは、イヌノフグリだろうか……?
オオ

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モリンガが"スーパー"フードたる所以

モリンガが"スーパー"フードたる所以

スーパーフードなるものが流行っている。
栄養的に優れた植物性食品のことを指すらしい。
例えばキヌア、チアシード、などなど。
そして最近よく耳にするのがモリンガ。

モリンガ(Moringa oleifera)は、ワサビノキ科の木本植物。つまり木だ。
原産地はインドと考えられているらしいが、今ではアフリカやアジアの熱帯地域で広く栽培されているようだ。
主に葉が食用となり、種子も利用できる。

モリン

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冬とホウレンソウ

冬とホウレンソウ

ホウレンソウが高くなるとニュースで言っていた。
1月の寒さのせいで育ちが悪いらしい。雪まで降ったもんなあ。

ホウレンソウを育ててみると、温度によって育ちぶりがまるで違うことに気付く。
春~夏の暖かい時期はどんどん伸びて、2ヶ月育てれば十分スーパーに並べるサイズになる。
寒くなれば途端に成長を遅め、のろのろ伸びる。
暖かいときの1.5~2倍くらい時間がかかる。

ただ、霜が降りようと雪が積もろうと

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