「ゆっくり歩きはじめよう」ー詩ー

一歩　一歩　焦らずに
歩いてゆきたい
道の先には
幾つもの　坂があり
霧のかかる　氷の湖もある

秋の女神の　後ろに従って
冬の国を　抜けて
蝶が　舞い踊り
菜の花に　恋をしている　
春の国を　目指そう

雪が　降り積もる
峠道を　踏みしめながら
木の杖を　ついて
登っていこう

無理は　せず
愚痴は　口にせず
自分を　信じて
予備の　スニーカーを
抱えて　進んでゆこう

熱い心の　光を
目に　蓄えて
父さんが　残してくれた
言葉を　心の　拠り所として
歩んで　行こう

前へと進む　足跡だけを
残して　歩き続けよう

いつか　灰色の雪雲の間から
銀色の　陽の光が
差し込んで　来るのを
見つけるまで
諦めず　時と一緒に
命の枯れるまで
歩き続けよう

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