「空に旅立ったマキちゃん」ー詩ー

マキちゃんと　一緒に植えた
チューリップに
今日も　ママ　お水をやった
早く　春が来て　花が咲いたら
マキちゃんの　好きだった
「チューリップの歌」歌うの

マキちゃんと　よく買い物した
駄菓子屋さんの前　通ったら
おばあさんが　皺の中から
笑顔を　ピカピカさせるたので
金平糖　一袋　買っちゃったわ
今晩　マキちゃんみたいに
お星さま　数えながら　食べるね

マキちゃんと　メダカ取りした
小川を　散歩したの
メダカの家族　見つけたので
「マキちゃんって」　呼んだら
みんな　泳ぐのやめて　
ママのほうを　見た気がしたのよ
本当に　ほんとよ

マキちゃんに　たまらなく
会いたくなると
マキちゃんが　書いてくれた
「ママの顔」の絵を
胸に　静かに抱きしめて　
尖がった　氷色の悲しみが
溶けてしまうのを　待つの

お願いが　あるの
ママが　三回　空に向かって
マキちゃんの　名前　呼んだら
小鳥の姿で　ママのところへ
飛んできてほしいの

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