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眞葛焼、そして陶を探究していく

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眞葛焼をはじめとして、陶磁器に魅入られた方々の素敵な記事をまとめています。
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2024年6月の記事一覧

【美術展2024#35】脅威の細密表現展@横須賀美術館

【美術展2024#35】脅威の細密表現展@横須賀美術館

会期:2024年4月20日 (土) 〜 6月23日 (日)

・初代 宮川 香山

初代宮川香山作品がキービジュアルを飾る。
初代宮川香山といえばやはりこれが思い浮かぶ。↓

これは以前のトーハクでの展示だが、本当にそこに生きているかのような徹底的な細密表現の技術力にため息が出る。
蟹がほぼ実物大ということもあってリアリティが凄いのだが、蟹を取っ払った器を単体で見ても釉薬の色やかかり具合、歪んだ形

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アルミメーカーですが手洗い鉢を作っています~リサイクル材を活用した新たなもの作りへのチャレンジ

アルミメーカーですが手洗い鉢を作っています~リサイクル材を活用した新たなもの作りへのチャレンジ

こんにちは。
アルメタックス スタッフです。

今回紹介するのは、現在開発中の手洗い鉢について。
当社はアルミサッシなど住宅建材を製造する、アルミのメーカー。
アルミをコアにもの作りをしていることは、過去の記事でもお伝えしているとおりです。

その当社が、アルミを材料にしていない手洗い鉢をどうして作ることになったのか?
開発から販売までの経過を数回にわたってお届けします。

今回は記念すべき第1回

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リサイクル瓦を使った手洗い鉢ができるまで~瓦を使った初めてのものづくりは試行錯誤の連続でした

リサイクル瓦を使った手洗い鉢ができるまで~瓦を使った初めてのものづくりは試行錯誤の連続でした

こんにちは。
アルメタックス スタッフです。

今回は、手洗い鉢の開発ストーリーの第2回目です。

前回の記事では、どうしてアルミメーカーが「手洗い鉢」という陶磁器製品を作ることになったのか?
さらに、陶磁器製品を作るにあたり、「瓦」を材料に選んだ理由についてお話ししました。

その中で、当社のインテリアブランド「ALCOLOLO」のコンセプトや資源循環センターの取り組みなどについても解説。

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貧乏性の陶芸SDGs

貧乏性の陶芸SDGs

ミニチュア生け花の会の新メンバー
No.35 らむーら塩さんは
ちょっと変わったことを考えていらっしゃる
都市で大量廃棄されている陶器を
「都市鉱山」と見なしリサイクル粘土として
蘇らせようと考えている方だ

ただこれには技術的に制約が多く前途多難だ
それでもその可能性信じていらっしゃるんだ
その記事を読んだからには自分にも
できることがありそうだと思ったんだよね

最近飽きずに掻き落としを作り続

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スティーブ・ジョブズが最後まで尊敬し続けた陶芸家 釋永由紀夫氏との対談

スティーブ・ジョブズが最後まで尊敬し続けた陶芸家 釋永由紀夫氏との対談

はじめに 
 2021年のこと。「スティーブ ジョブズが魅了された越中瀬戸焼作家、釋永由紀夫氏」というタイトルで、某雑誌向けに記事を書いた。私は海外在住のため、ご本人との内容確認はメールで行うより仕方がなかった。記事を書くにあたり、色々下調べをし、また釋永さんと直接メールのやり取りをさせて頂いく中、次回日本へ帰る時には是非一度直接お会いし、お話を聞かせて頂きたいものだと思いを温めていた。果たして2

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制作の前にあるもの

制作の前にあるもの

私の作りたいものは、どこまでも「人間の作れるもの」である。
この世界を空想的に捉え、確かに触れることのできる物質に落とし込みたいと思っている。
そうして私は、過去に学んできた陶芸の手法を用いて、自然界には存在しない人工の石を作るようになった。
それらを『稀晶石』と呼んでいる。
まず、私の石への興味と、制作の動機についてここに記しておきたい。
石は文明のはじまりである。
誰かが稀晶石を手にし、それに

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「尊敬する人が愛用した茶碗でお茶を戴くと、その人の人生の一部を戴いている、そんな気持ちにもなれる」

「尊敬する人が愛用した茶碗でお茶を戴くと、その人の人生の一部を戴いている、そんな気持ちにもなれる」

                  【インタビュイー】田原陶兵衛さん

秀吉が持ち帰った大陸の技術と、日本の柔らかな土が出会って生まれた萩の茶碗。江戸時代、茶人達に長く愛され、その美意識を体現した器は、今もなお登り窯が並ぶ小さな谷で営々と形づくられている。
400余年に渡りその火を守り続ける窯元の一つ、田原陶兵衛家。13代目となる現当主が大切にしてきた物作りの心とは何か。そして今、萩焼を襲う過去

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伝統を受け継ぎながら新しい作品を生み出す

伝統を受け継ぎながら新しい作品を生み出す

         【インタビュイー】六兵衞窯・八代目 清水六兵衞さん

京都の五条坂に開窯したのが始まりで、250年続く六兵衞窯の八代目清水六兵衞さん。
大学では建築を学び、作品は図面にあわせて正確に土の板を切り、結合させて作られる。焼成によるゆがみやへたりを意図的に造形に取り入れて、造形性を持った器物を中心に作品を生み出す。
作品づくりでは空間を意識しているという清水さんに、作品へのこだわりや今

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