カマイルカ

1992年東京生まれ。映像関係の仕事をしています。 読書を中心に、テレビや映画、昭和歌…

カマイルカ

1992年東京生まれ。映像関係の仕事をしています。 読書を中心に、テレビや映画、昭和歌謡などについて書くと思います。

記事一覧

映画「ロミオとジュリエット」フランコ・ゼフィレッリ監督,1968年

不朽の名作、フランコ・ゼフィレッリ監督の「ロミオとジュリエット」を観ました。 1.バルコニー有名な、バルコニーにたたずむジュリエット。その下にロミオがやってきてジ…

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散歩「長崎~茂木」2020年5月23日

岸政彦『図書室』を読み終わったら、なぜかどうしても、少し歩きたい気分になった。 そこで、3時間ぐらい歩いて丘を越えた先の漁港まで行った。 不意に始まった散歩が思い…

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岸政彦『断片的なものの社会学』朝日出版社,2015年

社会学者・岸政彦さんがフィールドワークとして市井の人々にインタビューをする中で出会った、学問上の目的に収まらない事柄、場合によっては解釈すらできない事柄について…

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映画『プロメア』今石洋之監督,2019年

映画『プロメア』、観てきました。 『天元突破グレンラガン』という大好きな作品と同じ監督・脚本のコンビということで観に行きました。期待通りでした。 息をつかせない…

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松竹大歌舞伎「二代目松本白鸚・十代目松本幸四郎襲名披露」2019年4月24日

歌舞伎を観に行ってきました。 昨年発表された、高麗屋の「親子三代同時襲名」。 ・松本幸四郎 改め 二代目松本白鸚 ・市川染五郎 改め 十代目松本幸四郎 ・松本金太…

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古典芸能への招待 歌舞伎「野晒悟助」 Eテレ,2019年3月31日

平成30年6月、歌舞伎座での公演が放送されていました。 「野晒悟助(のざらしごすけ)」は前回上演されたのが1998年5月だということで、20年ぶりの上演だったらしい。 僕…

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俵万智『あなたと読む恋の歌百首』文春文庫,2005年

この前、友人と話していたら「意中の女性に振られた」という。 そして別れの時に、この『あなたと読む恋の歌百首』をプレゼントされたという。 なんだそれ。 「あなたと…

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人気爆発してるYouTuber、inliving.さんについて

最近、「おお!!」と思った、お気に入りのYouTuberがいます。 普段は本について書いてますが、今回はその紹介と、僕なりの感想を綴ります。 チャンネル名は、” inliving…

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穂村弘『シンジケート』沖積社,1990年

現代の人気歌人、穂村弘さんのデビュー作。 1986年、俵万智が『八月の朝』で角川短歌賞を受賞した時。 次点だったのが穂村弘の『シンジケート』らしい。 今回も僕的にヒッ…

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俵万智『サラダ記念日』河出文庫,1987年

「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日 「現代短歌を知ろう」と思い立ち、読んだ。 僕的にビビッときた歌を淡々と紹介していこうと思う。 まずは、…

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川本三郎 『 「それでもなお」の文学 』 春秋社,2018年

タイトルに惹かれて購入。 文学とは、人が生きる悲しみ、はかなさを語るものではないか。 それも大きな言葉ではなく小さな言葉を重ねることによって。 (まえがきより) …

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本とテレビ

僕は、テレビのディレクターの端くれであり、こんな時代にテレビ番組をよく観る。 また、本が好きで、読書が僕にとって最も重要な社会への窓だ。 ここでは僕の思考の整理の…

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映画「ロミオとジュリエット」フランコ・ゼフィレッリ監督,1968年

映画「ロミオとジュリエット」フランコ・ゼフィレッリ監督,1968年

不朽の名作、フランコ・ゼフィレッリ監督の「ロミオとジュリエット」を観ました。

1.バルコニー有名な、バルコニーにたたずむジュリエット。その下にロミオがやってきてジュリエットを見上げる、というシーン。

脚本家の北川悦吏子さんはこのシーンの男女を逆転させて、「ロングバケーション」にて山口智子がキムタクを見上げるシーンや、「半分、青い」にて永野芽郁が佐藤健を見上げるシーンを作ったという。

人物の位

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散歩「長崎~茂木」2020年5月23日

散歩「長崎~茂木」2020年5月23日

岸政彦『図書室』を読み終わったら、なぜかどうしても、少し歩きたい気分になった。

そこで、3時間ぐらい歩いて丘を越えた先の漁港まで行った。
不意に始まった散歩が思いのほか楽しかったので、日記として残しておく。

大まかに以下のような経路をたどった。

画像は一部Googleストリートビューから拝借している。

1.市中心部長崎市の中心部。
スタバがあり、ドンキがあり、みんなマスクをしている場所。

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岸政彦『断片的なものの社会学』朝日出版社,2015年

岸政彦『断片的なものの社会学』朝日出版社,2015年

社会学者・岸政彦さんがフィールドワークとして市井の人々にインタビューをする中で出会った、学問上の目的に収まらない事柄、場合によっては解釈すらできない事柄について綴ったエッセイ。

思うところがあって再読した。

僕もテレビ番組を作るという仕事上、インタビューをするので、日頃なんとなく感じていることと符号する点は多い。

普段、自分は取材相手を、貧困家庭を支援している人を取り上げる番組なら貧困家庭を

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映画『プロメア』今石洋之監督,2019年

映画『プロメア』今石洋之監督,2019年

映画『プロメア』、観てきました。

『天元突破グレンラガン』という大好きな作品と同じ監督・脚本のコンビということで観に行きました。期待通りでした。
息をつかせない展開、熱いセリフ、確かな声優陣など、楽しく観れる要素が揃っています。

中でも僕の印象に残った点を二ヶ所、書きます。

1.アニメとアニメーション「君の名は。」あたりから(もっと前から?)、アニメ映画に対して「神作画」というような言葉で高

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松竹大歌舞伎「二代目松本白鸚・十代目松本幸四郎襲名披露」2019年4月24日

松竹大歌舞伎「二代目松本白鸚・十代目松本幸四郎襲名披露」2019年4月24日

歌舞伎を観に行ってきました。

昨年発表された、高麗屋の「親子三代同時襲名」。
・松本幸四郎 改め 二代目松本白鸚
・市川染五郎 改め 十代目松本幸四郎
・松本金太郎 改め 八代目市川染五郎
その襲名披露公演が、佐賀市文化会館で行われていたので、行きました。

1.襲名披露口上二代目白鸚を中心に出演者が並び、
二代目白鸚と十代目幸四郎の襲名披露の口上。

「高麗屋!」「十代目!」の声が

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古典芸能への招待 歌舞伎「野晒悟助」 Eテレ,2019年3月31日

古典芸能への招待 歌舞伎「野晒悟助」 Eテレ,2019年3月31日

平成30年6月、歌舞伎座での公演が放送されていました。
「野晒悟助(のざらしごすけ)」は前回上演されたのが1998年5月だということで、20年ぶりの上演だったらしい。

僕的に印象的だった2点について。

75歳、尾上菊五郎が演じる“男伊達”主人公は、喧嘩が強く人情に熱い“男伊達”野晒悟助。
基本的に彼のカッコよさを味わう作品です。

悟助は強くて優しいので、貧しい娘であるお賤(しず)と、裕福な娘

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俵万智『あなたと読む恋の歌百首』文春文庫,2005年

俵万智『あなたと読む恋の歌百首』文春文庫,2005年

この前、友人と話していたら「意中の女性に振られた」という。
そして別れの時に、この『あなたと読む恋の歌百首』をプレゼントされたという。

なんだそれ。

「あなたと仲良く肩を並べて、この本を読む未来もあり得た」という意味なのか、「これでも読んで少しは女心を勉強しろ」という意味なのか。

いずれにしても、なんて感受性豊かで、ウィットに富んだ女性なのか。
そんな女性と「ふる/ふられた」の当落線上を漂っ

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人気爆発してるYouTuber、inliving.さんについて

人気爆発してるYouTuber、inliving.さんについて

最近、「おお!!」と思った、お気に入りのYouTuberがいます。
普段は本について書いてますが、今回はその紹介と、僕なりの感想を綴ります。

チャンネル名は、” inliving. ”。「イン リビング」と読みます。
ririkaと名乗る、可愛くて、とても透明感のある、女性が出ています。

動画のジャンルは、Vlog(Video Blog)と呼ばれる、動画を使ったブログ。
日本では「~してみた」

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穂村弘『シンジケート』沖積社,1990年

穂村弘『シンジケート』沖積社,1990年

現代の人気歌人、穂村弘さんのデビュー作。

1986年、俵万智が『八月の朝』で角川短歌賞を受賞した時。
次点だったのが穂村弘の『シンジケート』らしい。
今回も僕的にヒットしたのを載せる。

セクシャルなもの。

「酔ってるの?あたしが誰かわかってる?」「ブーフーウーのウーじゃないかな」
「さかさまに電池を入れられた玩具(おもちゃ)の汽車みたいにおとなしいのね」
回るオルゴールの棘に触れながら笑うお

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俵万智『サラダ記念日』河出文庫,1987年

俵万智『サラダ記念日』河出文庫,1987年

「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日

「現代短歌を知ろう」と思い立ち、読んだ。
僕的にビビッときた歌を淡々と紹介していこうと思う。

まずは、「サラダ記念日」のイメージ通りの、恋をする爽やかな女性、な歌たち。
たまたまどちらも、写真・カメラを題材にした歌。

江ノ島に遊ぶ一日それぞれの未来があれば写真は撮らず

「野球ゲーム」より

三脚とカメラをいつも連れて来る 二人っきり

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川本三郎 『 「それでもなお」の文学 』 春秋社,2018年

川本三郎 『 「それでもなお」の文学 』 春秋社,2018年

タイトルに惹かれて購入。

文学とは、人が生きる悲しみ、はかなさを語るものではないか。
それも大きな言葉ではなく小さな言葉を重ねることによって。

(まえがきより)

僕は、「それでもなお」の物語が好きであることに最近、気がついた。

僕がいう「それでもなお」の物語とは、
映画にしろ小説にしろ、作品の大部分を使って、主人公が穴に落ちていく、絶望的な現実にぶち当たっていく、物語だ。
そして、そうした

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本とテレビ

僕は、テレビのディレクターの端くれであり、こんな時代にテレビ番組をよく観る。
また、本が好きで、読書が僕にとって最も重要な社会への窓だ。
ここでは僕の思考の整理のために、観た番組、読んだ本について書く。
三日坊主、どんと来い。