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#296 「子ども最少1,493万人 40年連続で減少」を読んで。

子供の日、恒例の15歳未満の子どもの数が報道各社で記事になっていました。その記事を読んで思ったことを、メモ。


1、どんな記事?

5月4日の総務省の発表によると(毎年子どもの日の前日に公表します。敬老の日の前日も同様です)、今年、4月1日時点の15歳未満の子どもの数が、前年より19万人少ない1,493万人になった、という記事です。

これは、1982年から40年連続の減少で、過去最少を記録したことも合わせて書かれています。

男女別の内訳では、男子が765万人、女子が728万人
3歳ごとの区分では、中学生にあたる12〜14歳が324万人なのに対し、0〜2歳は265万人で、少子化が進行している状況が現れています。

ちなみに、ピークは54年の2,989万人でしたから、そこからは半減、ということになります。

15歳未満が総人口に占める割合は11.9%で、これは75年から47年連続で減少しています。50年には総人口の3分の1(つまり33%)を超えていました。

ちなみに、65歳以上の高齢者の割合は28.9%です。


2、人口減少、少子高齢化で大変だ!…??

さて、このニュースを聞いて皆さんどう思われたでしょうか?

報道などのトーンを見ると、

☑️ 少子高齢化が進むと、公的年金制度(世代間の仕送りシステム)が大変だ
☑️ 国内のマーケットが縮小するので大変だ
☑️ 労働人口が減るので優秀な若手の確保がますます大変だ

という「大変だ」というニュアンスが多くみられます。

確かに。

ここであえての質問です。

人口が増えれば万事OKなのでしょうか?
少なくとも、「大変」ではない、のでしょうか?


実は、この新聞記事を読んで思い出したのが、「逆・タイムマシン経営論」という本にあった「人口は増えても減っても諸悪の根源」という章です。

簡単にご紹介すると、過去は、人口増が諸悪の根源とされていた時代があった、ということを紹介して、こうした「昔のことほどよく見え、現在進行中のことは深刻に見える」というバイアス、時間的な遠近歪曲トラップだと指摘しています。

つまり、人口が減少中の今から見ると、昔の人口が増えていた時代のことがよく見える、ということです。

では、実際に人口が増えているときにはどのように世の中が受け止めて、解決に動いたか、同書からいくつかご紹介します。

<移民政策>
日本の人口増が問題になり、海外移民がその解決策として進められた。特に第一次大戦後の不景気で盛んになり、1928年には神戸に「国立移民収容所」が設立され国策として移民が推進された。同所の閉鎖はなんと1971年。
<産児制限>
移民という事後措置ではなく、「産児制限」で未然に防ぐべきという議論が起こった。というのも、多産のため、女性はいつまでも育児に追われることになり一生家庭に縛り付けられることになり社会進出も進まないから、ということで、産児制限こそが女性の「働き方改革」の一丁目一番地で、当時最もリベラルで先進的な考え方だった。


海外から移民を受け入れるか否か、働きながら子育てしやすい環境と社会制度の整備が必要ではないか、という今とは全く逆の議論ですね。


3、まとめ

いかがでしたでしょうか?

人口は増えても減っても諸悪の根源
なのは、「昔のことほどよく見え、現在進行中のことは深刻に見える」というバイアスがあるから、というお話でした。

その流れの中にどっぷり浸かっていると、あたかもそれが常識、のように感じてしまいますが、ちょっと待てよ、という視点を持てるか否か、というのは大事ですね。

かくいう私自身、この本を読むまでは、「人口減少、大変だ!」と思っていたので、何も言えませんが…

一方で、だから安心、というわけではなく、確実にくる未来に備えてどうするか、というのは考え続けないといけないですね。

ちなみに、将来予測は当たらないもの、ですが、人口だけはかなりの精度で予測できます。例えば、15年後の15歳から30歳未満の人口は、ほぼ確実に1,493万人弱、です。


最後までお読みいただきありがとうございました。

記事と本のご紹介でしたが何か参考になるところがあれば嬉しいです。


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