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レビュー「米津玄師さん」

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米津玄師さんの作品に関する感想、妄想など。
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2024年5月の記事一覧

レビュー「米津玄師/月を見ていた」

レビュー「米津玄師/月を見ていた」

あまり流行りの曲は聞かないのだが、ひょんなことからこのmvを見た。
何だろう、この癖になる感じは。
米津さんそのものが天才でミステリアス。

絶妙なバランスで安定と不安定の空間を行き来している、幻影なのか定かではない、揺らめく炎が眼前に現れるような世界観。
それは生と死の間かもしれない。

運命の時を刻む振り子のようなリズムと重低音から幕を開ける、始まりなのに不穏な予感も漂う。
しかし勇み進むにつ

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レビュー「米津玄師/地球儀」

レビュー「米津玄師/地球儀」

「地球儀」を聞いてイメージしたことなどを、歌詞を中心にただただ自由に書いていこうと思う。
(まだ映画「君たちはどう生きるか」は観ていないので、素直な直感で徒然なるままに。)

【冒頭の音のイメージ】
地球が生まれる。原始、太古の時代。黎明。
太陽の光が地球に届く。
大地への恵みを受け、生命が生まれる。
(※今までこの音色に近いものを聞いたはずのに、何の曲なのか思い出せないけれど、思い出したら追記し

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レビュー「米津玄師/カナリヤ」

レビュー「米津玄師/カナリヤ」

今回もMVを見ながら思ったことを書いていこうと思う。このMVはコロナ禍に是枝裕和監督が手掛け、NHKの番組に採用された(ている?)らしい。

本棚から詩集を取り出して、陽だまりの中でひっそりとお気に入りの詩を読むような気持ちだった。
丁寧に編まれた歌詞と、深くて清らかな声と、それを支え見守るような音楽が何層にも渡って降り注ぎ、心にゆっくり沁みてくる。
(※このレビューは、あくまでも個人の感想です。

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レビュー「米津玄師/Lemon」

レビュー「米津玄師/Lemon」

米津さんの楽曲にあっという間に惚れ込み、「月を見ていた」「地球儀」のレビューを書いてきた。

この流れで今回はLemonである。

このLemonという曲は流行に疎い私でも聞いたことがある曲だった。
でも、米津さんの魅力に今まで気づかずにスルーしていた。
時を巻き戻すように、今回聞いてみた感想を書いてみたい。
(※このレビューは、あくまでも個人の感想です。)

この歌は10代〜20代前半の若い恋だ

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追記。レビュー「米津玄師/Lemon」 ”切り分けた果実の片方”

追記。レビュー「米津玄師/Lemon」 ”切り分けた果実の片方”

先日書いたLemonのレビュー記事。

他の方のレビューや米津さんのインタビュー記事などを拝見していて、これは恋の歌ではなく死別した悲しみを歌った曲だと分かった。
背景に、米津さんのご祖父様が亡くなったこと、ドラマ「アンナチュラル」の主題歌でもあったとのこと。
また、タイトルも当初はmemento(=思い出の品、形見、記念品という意味)だったらしい。

そうすると、私が抱いていた疑問について謎が解

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レビュー「米津玄師/さよーならまたいつか!」

レビュー「米津玄師/さよーならまたいつか!」

今回は、「さよーならまたいつか!」の感想&妄想を書いていこうと思う。
書くにあたって、少し予習をしてみた。
(※このレビューはあくまでも個人の感想(および妄想含む)です。)

この曲はNHK連続テレビ小説「虎に翼」の主題歌とのこと。
視聴してはいないが、HPで概要を見てみた。

主人公、猪爪寅子のモデルとなったのは、三淵嘉子さんという方らしい。
私は知らなかった。法学部の人だと勉強の課程で勉強する

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レビュー「米津玄師/Flamingo」

レビュー「米津玄師/Flamingo」

今回はFlamingo(フラミンゴ)のレビューを書こうと思う。
(※このレビューは、あくまでも個人の感想&妄想です。)

曲の雰囲気は、夜の繁華街のクラブでビートが流れている、その中で花札に出てきそうな世界観とミステリアスな空気が漂う。私が最も縁遠いところだ(笑)

歌い出しの「宵闇」は、しなるような妖艶な声と意表を突く言葉。ビートと男女の声が入り混じる。

酔いどれが花街にでも繰り出したのだろう

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「米津玄師/地球儀」の制作背景を聞いて

「米津玄師/地球儀」の制作背景を聞いて

先日、地球儀のレビューを書いたところだが、YouTube上に米津さんがラジオ番組で地球儀の制作背景や込められた想いなどについて語っているものが載っていたので聞いたみた。

宮崎駿監督から影響を受けた米津さん
NHKから、子供が歌って踊れる応援曲の制作を依頼される(のちにできたのが「パプリカ」)。
制作過程で自身の子供時代を思い返し、宮崎駿監督の「千と千尋の神隠し」に大きな影響を受けたことを意識する

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レビュー「米津玄師/死神」

レビュー「米津玄師/死神」

今回は、おどろおどろしいタイトルの「死神」について書こうと思う。
(このレビューは、あくまでも個人の感想&妄想です。)

古典落語の「死神」がモチーフになっているらしい。

闇夜。刃物を研ぐように摺る足音が鳴り響く。
怨念まみれのスーツ姿の足元。
死神が忍び寄る。

噺家の男に扮する米津さん。高座名は「幻師」。
着物を着こなしていて、これがまた粋でいなせ。
眼福とはこういうことか。

出囃子はエレ

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