前書き
岸田政権が誕生してから約2年。
発足当初は見えづらかった "岸田政権の政治" がよく見えるようになってきた。
岸田首相はこれまで、左右から叩かれ続けてきた。
あることないこと書き連ね安倍政権を攻撃してきたリベラル・左翼と呼ばれる勢力はもちろん、安倍政権時は左翼のウソを暴く立場にあったはずの保守・右翼までもが、岸田政権、岸田首相を叩いてきた。
政治団体「日本保守党」の百田尚樹代表を筆頭とし、右派論壇は、「岸田は媚中・親中だ」との論調を展開し、保守・右翼が岸田首相を叩く流れをつくった。
しかし、よくよく考えてみてほしい。
岸田首相が本当に媚中なのであれば、なぜ中国寄りの言論をくり返すリベラル左翼が岸田首相を叩くのだろうか。
リベラル左翼による岸田首相への攻撃が、安倍晋三元首相への攻撃と被って見える。
そして、令和6年能登半島地震について、日本保守党が "岸田政権が中国に忖度して台湾の救助隊を拒否した" との論を展開し拡散したところ、台湾外交部(台湾政府)がこれを含む言説の否定声明を発出するという異例の大問題が起きた。
『国家政府が他国のネット言説を公式に否定する』というのは、本当に異例の事態だ。
台湾は1月13日に総統選挙を控えており、「蔡英文政権は日本と上手くいっていない」との根拠なき論が拡散されれば野党が有利(すなわち中国が有利)となるため、台湾政府の怒りが感じられる。
これに対して一般層や被災者を含めた人達が怒りをあらわにし、「災害をイデオロギーに利用するな」と右派論壇が批判されているのが現状だ。
もちろん、リベラル・左翼と呼ばれる層も、災害を利用して岸田政権を攻撃し、被災者や一般層の怒りを買っている。
ウソや週刊誌報道で安倍政権を攻撃し、国政を停滞させたリベラル左翼。
リベラル左翼と同調し、災害を利用し台湾にまで迷惑をかける右派論壇。
彼等は信頼に値するだろうか?
そろそろ、我々も真実と向き合う時だ。
本記事は、岸田無能論、岸田親中論に疑問を覚え始めたあなたに贈る、岸田政権の真の姿である 。
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感謝:小川榮太郎氏
小川榮太郎氏(総合安全保障シンクタンク:日本平和学研究所 理事長)のYouTube動画「【岸田総理米議会演説について再論】台湾危機は目前に迫っている。保守派言論人よ国防の最先端を担う覚悟を!」において、本記事をご紹介いただいた(9:45~)。
小川榮太郎氏は、岸田政権を真正面から評価されている数少ない保守言論人のお一人であり、私も X(旧Twitter)等をフォローさせていただいている。
この動画において小川氏は、「我が国は(国を守れる)憲法があって軍隊があって、言論界は(無責任に)商売をしていればいい、という国ではない。今、我が国の言論界は国家防衛の最前線であり、一心不乱に憲法改正を現実化しようとすべきではないのか」といった趣旨のご発言をされている。
まさに同意するところだ。
私は "言論人" と名乗れるほど立派な人間ではないが、少しでも我が国を守り、そして発展させていく一助になることができればと思い筆を握っている。
小川氏は現状として、真正面から岸田政権を評価されているので、ぜひご参考になさっていただきたいと思う。
小川氏の X(旧Twitter)はこちら
➢ 小川榮太郎(@ogawaeitaro)
小川氏のYouTubeチャンネルはこちら
➢ 小川榮太郎の平和研チャンネル
小川氏の当該動画はこちら
➢ 【岸田総理米議会演説について再論】台湾危機は目前に迫っている。保守派言論人よ国防の最先端を担う覚悟を!
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工作活動の現実
本編へ入る前に、もう少しだけ付き合ってほしい。
【中国の世論工作】についてだ。
これまで我が国においては、"スパイ" というのはどこか空想上の存在であるかのように扱われてきた(だからスパイ防止法は潰された)。
しかし、先の大戦において各国のスパイが暗躍したことは歴史的事実であり、戦後もこれは同じである。
そして近年、世界各国において「中国のスパイ・工作活動」が問題視されるようになった 。
日本カウンターインテリジェンス協会代表理事の稲村悠氏によれば、中国の工作員は親中派のみならず『反中の新興政党』に付け入ることもあるという。
「中国を批判しているから」といって信用してはならず、「その言動は本当に正しいか、口では中国を非難しながら、反中勢力や保守派の動きを中国に利する形へ誘導していないか」と疑ってかからなければならない。
そして、工作の対象となるのは政治家・ジャーナリストのみならず、SNSを利用した工作活動も指摘されている。
X(旧Twitter)を含む各SNSには国籍明示の義務がなく、中国工作員がアカウントを作成して日本語で発信したり、日本人のアカウントを乗っ取って日本語で世論工作を行うことも、容易に行われてしまう。
たとえ日本語の発信であっても、「この言動は中国を利して我が国の益を毀損するものではないか」と、丁寧に判断していかなければならない。
無論、個人情報を公開していない私の言論についても、「國神の言論は本当か、どの国を利するのか」と丁寧に判断しながら読み解いていただきたい。
そうすれば、私の言論が事実に立脚していることがよくわかり、きっと信用していただけるものと信じている。
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ダイジェスト版
本記事は文字数が約20万字となっており、これは一般的な書籍を超える文字数である(一般的な文庫本で10~12万字程)。
もちろん、全編をお読みいただければこれ以上なく嬉しいことだが、目次を設定しているため、ご興味のある箇所のみお読みいただくことが可能だ。
また、文字数を限界まで削った(79,000字)「【ダイジェスト版】岸田首相の正体|政治初心者へ贈る岸田政権の教科書~サクッと岸田政権を知る~」もご用意しているため、「深く理解するよりもサクッと知りたい」という方は、ぜひダイジェスト版を。
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憲法改正
岸田自民の動き
現行の日本国憲法はアメリカの占領下(主権剥奪中)において作成された憲法であり、「独立・主権国家である日本」の憲法として最適かと言えばそうではない。
特に、国民の命を守る「最大の福祉」、つまり国防に関する条文(第9条)が現実に即していなかったり、緊急時に国民の命を守るための条文(国家緊急権)が規定されていなかったりと、問題は多岐にわたる。
そのため、自民党をはじめ保守派は憲法改正を叫び続けてきたわけであるが、制定から78年間、日本国憲法は一度も改正されたことがない。
これは諸外国と比較しても異常なことで、たとえば同じ第二次世界大戦の枢軸国(敗戦国)であるドイツは、戦後、2022年時点で67回の憲法(ドイツ基本法)改正を行っている。
しかし、戦後長らく日本において憲法は聖域化されており、安倍晋三元首相が首相時代に改正を議論のテーブルに乗せてくださったものの、安倍政権の間には改正に至っていない。
これはやはり、リベラル左翼の野党によるボイコットやプロパガンダ等の妨害活動によるところが大きく、「国民投票で否決された」という歴史を残してしまえば、今後数十年は憲法改正がほぼ不可能となってしまうためだろう。
そんな日本国憲法の改正であるが、現在、史上最も改憲に近い状態となっていることにお気づきだろうか。
まず第一に、自民党総裁が岸田文雄になってからというもの、憲法審査会が過去最多の水準で開催されるようになった。
そして第二に、2023年の最終審査会において、「改憲案の起草機関の設置」が自民党より提案。
➢ 第212回国会 憲法審査会 第5号 議事録
これについて、提案した自民はもちろん賛成、その他、維新、公明、国民等が賛成寄りの姿勢を示しており、2024年の通常国会(1月下旬~6月下旬)において起草機関が設置され、憲法改正の発議が行われる可能性は非常に高い。
この後、岸田自民党総裁が「これ以上議論を引き延ばして国民に選択肢すら示さないことは国会の責任放棄」、公明党大口憲法調査会副会長が 「議論は出尽くした。賛同する会派と共に改正案の叩き台を出す」、自民憲法改正実現本部の加藤事務総長「大型連休明けに具体的に改憲原案の作成に入りたい」と発言するなど、自公の本気度が窺える。
憲法改正草案を無料解説
憲法改正について、自民党「日本国憲法改正草案(平成24年)」、自民党「日本国憲法の改正実現に向けて(たたき台素案4項目)」、国民民主党・日本維新の会・有志の会「緊急事態条項条文案」の3案を解説し、無料で公開した。
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・まとめマガジン
・自民党改憲草案(平成24年)
・自民党たたき台素案4項目
・国民維新有志「緊急事態条項案」
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防衛力の抜本的強化
【前提】防衛力強化、なぜ今必要?
防衛力とは、その名の通り日本を防衛する(他国による侵略から国家国民を守る)ための実力である。
防衛力の強化は国のマッチョ化。
マッチョは喧嘩を仕掛けられづらく(この戦争抑止の力を『抑止力』と言う)、また仕掛けられても身を守ることができる。
この「防衛力」について岸田政権下では『抜本的な強化』が行われているが、なぜ今、日本政府は防衛力の強化に力を入れているのだろうか。
それは、「台湾有事」が2025~2030年の間に勃発する可能性が非常に高いとされているからだ。
>台湾有事
台湾と中国の歴史を簡単に説明すると、以下のようになる。
過去、日本と支那(現在の中国領)が支那事変を戦っていたころ、支那では中国国民党が政権を握っていた(中華民国)。
その後、中国共産党(現在の中国政府)との内戦に敗れ、国民党が日本の併合が解除された台湾へ逃亡、台湾を中華民国領とする。
そして中国共産党が大陸領土を制圧、中華人民共和国(現在の中国)を建国したため、中国(中華人民共和国)と台湾(中華民国)の構図が誕生した。
中華人民共和国は台湾も統一しようと武力侵攻に着手するも、軍事力の問題から断念。
ただし、「台湾は元々中国の領土である」として、必ず統一するとの主張を続けている(「一つの中国」論)。
その後、台湾の政府は中国国民党ではなくなっていくが、中華人民共和国と台湾が存在する、「二つの中国」の状況は現在まで変わっていない。
そして近年、中華人民共和国が力をつけ、武力を行使してでも台湾を統一する構えを見せるようになったのだ。
習近平国家主席は、2013年、国際会議の場において「長期にわたる政治対立を次の世代へ引き継ぐわけにはいかない」と発言、自身の統治時代に台湾統一の意向を示す。
そして2022年、「最大の誠意と努力で平和的な統一を堅持するが、決して武力行使を放棄せずあらゆる必要な措置をとる選択肢を残す」と述べた。
この「 "一つの中国" を主張する中華人民共和国が、台湾を武力で統一しようとする侵略戦争」を『台湾有事』と呼び、近年、その発生の可能性が高まっているとされているのだ。
これを抑止するために、岸田政権は超スピードで防衛力の強化を進めている。
【前代未聞】防衛費の倍増
防衛費とは、その名の通り日本を防衛する(他国による侵略から国家国民を守る)ための国家予算である。
防衛力の強化は国のマッチョ化。
マッチョは喧嘩を仕掛けられづらく(この戦争抑止の力を『抑止力』と言う)、また仕掛けられても身を守ることができる。
岸田政権になってから、この防衛費について『GDP比2%(直前からの倍増)』が指針として決定された(前代未聞の増額幅)。
これは時代もあるが、他の政権なら「肝入り」と呼ばれ目玉政策になったことだろう。
また、財源について「増税(俗に言う防衛増税)」が必要以上に騒がれたが、毎年度4兆円ほどの追加財源について、約3/4はさまざまな工夫により賄い、それでも不足する約1/4についてを増税で賄うことになる。
岸田首相が "増税メガネ" との「デマ+外見の揶揄」を投げつけられるようになった大きな理由として防衛増税が挙げられると思うが、少し冷静になってほしい。
まず第一に、過去に類を見ない桁違いの防衛費増額分の、3/4は増税によらない財源の確保工夫が行われている。
第二に、防衛増税の内訳は法人税、所得税、たばこ税となっているが、法人税は約96%の中小企業が対象外、所得税は復興特別所得税の一部転用であり国民負担は増加せず、たばこ税も1本当たり3円相当が喫煙者にのみ課される形となる。
つまり、「国民を守る防衛費」を「桁違い」に増額するにもかかわらず、『国民への負担は最小限度、多くの国民にはほぼ無風レベルに抑え込まれている』ということなのだ。
そのうえで、岸田政権および岸田自民は増税時期を先送りし、現在の公算では2026年度以降にずれ込むものと考えられている。
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【戦後初】反撃能力の保有
(新国家安全保障戦略)
反撃能力とは、我が国に対するミサイル攻撃が発生した場合等に、相手の領域内にあるミサイル発射地点等に反撃(ミサイル迎撃ではなく敵国への攻撃)を加える能力を指す。
ミサイルの迎撃システムにも "100%" はなく、また飽和攻撃(一度に迎撃できる数を超えたミサイル攻撃)を行われた際、必ず国民に被害が生まれることとなる。
この「国民の被害を防ぐ」ために相手のミサイル発射地点等を叩き、そもそもミサイルを撃てなくする攻撃が「反撃」であり、この能力を「反撃能力」と言う。
反撃能力については、1956年2月29日に政府見解(鳩山一郎内閣総理大臣答弁船田防衛庁長官代読)として、憲法上、「誘導弾等による攻撃を防御するのに、他に手段がないと認められる限り、誘導弾等の基地をたたくことは、法理的には自衛の範囲に含まれ、可能である」とされていたものである。
しかし、政治判断により保有してこなかった能力なのだ。
これを岸田政権は、新たな国家安全保障戦略を策定し、「武力の行使の新三要件に基づき、攻撃を防ぐにやむを得ない "必要最小限度の自衛の措置" として、相手の領域に反撃を加える」ことを可能としたのである。
これは『戦後初』のことであり、我が国の安全保障が大きく前進した。
【有言実行】トマホークミサイルの購入
これに関し、岸田政権はトマホークミサイル(アメリカ)の購入を決定し、またその計画を前倒ししている。
この他にも、12式地対艦誘導弾(国産)、島嶼防衛用高速滑空弾(国産地対地ミサイル)を2026年配備から前倒し予定、極超音速誘導弾(国産)についても、まだ先にはなるが前倒し配備を計画している。
【RAA】準同盟
「円滑化協定(RAA)」は、自衛隊と相手国軍隊の部隊間協力を円滑にすることを目的にした協定。準同盟と呼ばれる場合も多い。
日英(2023/10/15~)
日豪(2023/08/13~)
日比議論開始
日仏議論開始
武器輸出の開始
武器輸出は、他国の防衛に関与することで味方(少なくとも敵ではない)を増やし、製造ラインを構築・保存し(自国の緊急事態に量産できる体制を維持)、防衛産業を潤わせる(自国の緊急事態にラインを動かす企業を守る)。
つまり、武器の輸出は抑止力(戦争を思い留まらせる力)と防衛力(日本国民の命を防衛する力)を高める政策なのだ。
>政府安全保障能力強化支援(OSA)とは
※2022/12の国家安全保障戦略に初登場、2023/04に方針決定
>フィリピンへ『我が国初の完成防衛装備品移転』(OSA1例目納入)
>バングラデシュへ警備艇供与(OSA2例目)
>マレーシアへ警戒監視用機材供与(OSA3例目)
>フィジーへ警備艇等の供与(OSA4例目)
>パトリオット・ミサイルの輸出(三点パチンコ方式でウクライナ支援)
【GCAP】日英伊で戦闘機共同開発
2022/12、日英伊三ヶ国による「グローバル戦闘航空プログラムに関する共同首脳声明」が発表された。
外務省の解説ページを貼っておくので、ご興味があればぜひ。
「防衛装備移転三原則」運用指針改正
日米首脳会談後の共同声明においてこのように触れられた「防衛装備移転三原則及びその運用指針の改正」とは、以下の通りである。
日英伊で戦闘機を共同開発するにあたって、「防衛装備移転三原則」の運用指針が改正された。
今回の改正では、「防衛装備品・技術移転協定」を締結した15ヶ国のうち、戦闘が行われていない国に限り、次期戦闘機について、パートナー国以外の第三国に対する移転(輸出)を認めることが決定。
ただし、実際に輸出を行う場合には、案件ごとの閣議決定を必要とする。
「防衛装備移転三原則」は、佐藤栄作総理大臣が国会答弁において触れた指針「武器輸出三原則」をルーツとし、安倍政権下において定められたもの。
今回はこれの運用指針を改正し、「殺傷能力のある完成品を第三国に輸出することが可能となった」のである。
これによって我が国は、戦闘機に巨額投資を行って防衛力を大幅に強化するとともに、完成した戦闘機を輸出することで利益をあげ、巨大投資を回収することが可能になったのだ。
また、この運用指針改正については「日本国憲法に違反するのではないか」と疑問視する声もあるが、実は戦後、我が国は1950年代後半から1960年代にかけて、ミャンマー(ビルマ)や南ベトナム、タイ、インドネシア、台湾、ブラジル、アメリカなどに殺傷能力のある武器を輸出しており、言うまでもなく、今回の運用指針改正は現行憲法に違反しない。
平和を維持するには力が必要であり、力をつけるには防衛産業を潤すことが必要不可欠。
そのうえ、「他国の安全保障に介入する」というのは『味方、少なくとも敵ではない国を増やす』ことでもあり、これも日本を守ることに繋がるのである。
キッシー、マジでGJ!
【国有化】弾薬等のサプライチェーン強化
「【OSA】武器輸出の開始」の節において「武器輸出は、他国の防衛に関与することで味方(少なくとも敵ではない)を増やす」と述べたが、これは「日本→他国」のみならず「他国→日本」においても成り立つ。
つまり、弾薬等を含めた防衛装備品(武器)の生産を他国に依存することは、安全保障、ひいては国策としての方向性について『首根っこを掴まれている』ことを意味するのである。
日本の防衛産業が壊滅してしまえば、この『首根っこを掴まれる』状況へと追い込まれてしまうのだ。
成立した防衛産業強化法では、装備品の製造企業が撤退する場合、他の方法がなければ、政府が生産ラインを買い取って国有化できるようになった。
ここについて、ようやく、ようやくである。
これまで日本の防衛産業(軍需産業)は撤退・ジリ貧を続けてきたが、ようやく金が突っ込まれ、国家として安定した生産・供給への道が開けた。
ここは長年にわたっての課題であって、本当に岸田政権に感謝しかない。
【日米】極超音速ミサイル迎撃開発
中露が配備し北朝鮮も開発を進める「極超音速ミサイル」は、マッハ5(音速の5倍)以上で低空を飛行し、機動性があるため、探知や迎撃が困難と言われている。
日米は今年度中にもこれの迎撃ミサイル開発に着手し、2030年代に完成させる予定だという。
もはや仕事人・岸田文雄の政権の功績として驚きはしないのだが、「もう極超音速ミサイルが迎撃される時代に入るのか……」と衝撃を受けてしまう。
自衛隊員の血液備蓄へ
これは少し怖い情報。
「血液」は人間の生存に必要不可欠な存在だ。
実際の戦場においても、死因の多くを占めるのは失血死であるという。
これまでは自衛官の血液について日本赤十字社からの製剤調達で備えてきたが、ここにきて、全血製剤の製造や凍結赤血球製剤の製造に乗り出すというのだ。
しかも、現在の日本において全血製剤は薬事承認されておらず、自衛隊の例外的運用を厚労省と調整してまで、これの導入を目指すとのこと。
たとえば防衛費を増やすとか、反撃能力を保有するとか武器の性能を向上させるとか、これらは「抑止力」としての側面も大きいものだが、「血液の確保」は明らかに『戦闘が発生した後の話』であり、前者とは全く性質が異なる。
台湾有事や朝鮮有事の危険性が一層高まっており、我が国の周辺情勢は、これまでとは一線を画す段階に入っていることが想像できる。
現役防衛省職員台湾常駐化
常設統合司令部設置
これまでの自衛隊では、有事の際などに陸自・海自・空自を一元的に指揮する必要がある場合、「統合任務部隊」を臨時的に設置することとなっている。
しかし、自衛隊が発足してから数十年、防衛分野の拡大はとどまることを知らず、宇宙やサイバー・電磁波などの分野に日頃から対応する必要性が高まっているため、常設の「統合司令部」を設置することを目指すと決定されたのだ。
これについては、2024年4月の日米共同声明においても触れられている。
現在の体制では、制服組の統合幕僚長が防衛大臣の補佐と作戦指揮を同時に担う構造となっているが、この「統合司令部」を設置することにより、作戦指揮を統合司令部が担うことになり役割分担ができるようになる。
【成立】常設統合司令部(2024/05)
もう成立してしまった。
岸田政権・岸田自民は仕事が早過ぎて、スピード感についていけない。
法改正によって設置が確定した「統合作戦司令部」は、2024年度末の発足を目指すという。
【米軍】横浜ノースドックに陸軍輸送中隊
【沖縄】陸自第15旅団「師団」化へ
沖縄は台湾有事等を想定した場合に重要拠点となる地域であるが、ここの陸上自衛隊第15旅団を、師団に格上げして3000人規模を展開する予定なのだという。
この師団化に伴って司令官が陸将補から陸将に格上げされ、沖縄県に司令部を置く米海兵隊第3海兵遠征軍の司令官(中将)と階級を揃え、より密接な連携を図るそうだ。
【初】沖縄本島に地対艦ミサイル連隊
中国は台湾や尖閣諸島、我が国のシーレーンを脅かしている。
そのような現状に対し、岸田政権は陸上自衛隊の強化を実施した。
岸田政権は防衛費を前代未聞の倍増、戦後初めて反撃能力を保有し、防衛力の抜本的強化に乗り出している。
防衛力の強化は中国に武力行使を思いとどまらせる『抑止力』となり、それを証明しているのが次節だ。
中国がキシダにブチ切れ
防衛の倍増というのは前代未聞の政策であり、総理大臣が岸田文雄でなければ "肝入り" と言われていたことだろう。
しかし岸田首相はこれをいとも簡単にやってのけ、それに対し、台湾有事を目論む中国がお怒りだ。
「キシダは媚中」「キシダは習近平の犬」というのは、日本保守党周辺を中心に未だに根強い主張だが、これが "犬" なら習近平・中国国家主席はあまりに間抜けだろう。
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スパイ防止法と
セキュリティ・クリアランス(SC)
まず第一に、「スパイ防止法」の制定はほぼ不可能である。
1985年6月、「国家秘密に係るスパイ行為等の防止に関する法律案(自民党議員による議員立法)」が提出され、同年の第103回臨時国会で審議未了廃案となっている。
国会において否決・廃案になったということは「民意を得られなかった」ことを意味し、これを再度提出して法制化することは非常に困難であると言える。
しかし、スパイを防止する・取り締まる法律が存在しなければ、「スパイに機密情報を盗まれる」「スパイの混入を警戒した他国との連携ができなくなる」等、日本国民にとって重大な問題が発生するのだ(既に発生し続けている)。
そのため、「スパイ防止法」は制定できなくとも、安倍政権下において「特定秘密保護法」が制定され、岸田政権は「セキュリティ・クリアランス(SC)」を法制化した。
JAUKUS構想
2024/04/08、アメリカ・イギリス・オーストラリアから、安全保障枠組み「AUKUS」の先端技術分野において、日本との協力を検討しているという共同声明が発表された。
AUKUSは「オーストラリアへの原子力潜水艦の配備」と「AIや極超音速ミサイルの共同開発など先端技術分野での協力」を掲げており、日本とは後者での協力を検討しているとのことだ。
そしてこれは、日米首脳会談後の共同声明においても触れられている。
これに反発しているのが中国であり、中国の外交部・報道官は以下のように述べている。
台湾や我が国の存立を脅かし、秩序への挑戦を試みる中国を牽制する意味でも、そして純粋に我が国の技術力向上および世界への貢献の意味でも、AUKUSとの協力・連携強化は非常に喜ばしいことであると言える。
このAUKUSとの接近に大きく関係していると考えられるのが、高市早苗経済安全保障担当大臣が推進する「セキュリティ・クリアランス(SC)」である。
セキュリティ・クリアランス
この法案では、漏洩が起きると日本の安全保障に悪影響を及ぼす情報を「重要経済安保情報」に指定し、機密情報を取り扱うことができる者を、国が「適性評価」を行って認定された者に限定する。
SCは多くの西側諸国が設定している制度であり、日本にはこれまでこれが存在しなかったことにより、機微な情報の共有が必要とされる諸外国との共同研究、諸外国政府からの受注などにあたって、日本企業が非常に不利な目に遭ってきたという。
現在でも特定秘密保護法(安倍政権時に制定)による情報保護制度は存在するが、これは対象者が主に公務員(と一部民間職員)であり、民間において機微に触れる情報を保護する制度が存在しなかったのだ。
そのため、同盟国・同志国との国際共同研究に大きな支障をきたしており、企業や経済団体からも法制化を求める声が挙がっていたのである。
これを解決するのが今回の法案であり、実際、SCが衆議院を通過する見通しとなり、協議を行うべき日米首脳会談の直前となったタイミングで、米英豪から協力検討の共同声明が発表されたのだ。
また、SCについて「キシダの妨害に負けず通した高市さん素晴らしい!」といった珍論を展開する右翼がいるのだが、高市氏を経済安保大臣に任命し、野党から集中攻撃を受けた際、「信用できないなら質問しないで」と危うい答弁をした際も交代させず、「権限」を高市氏に与え続けたのは、他でもない岸田首相である。
目を開けながら寝言を言うのは、一種の超能力なのだろう。感服する次第だ。
【は?】マスコミ労組「経済安保法廃案」声明
「重要情報の流出を防ぎや他国による情報泥棒(スパイ行為)を防ぎ、日本の安全を守ると同時に、民間企業のビジネスチャンスを拡大するセキュリティ・クリアランス(SC)」であるが、マスコミ労組がこれに反対する声明を出している。
これは1980年代に「スパイ防止法」が潰された際と同じ動きであり、警戒する必要があると言えるだろう。
スパイ防止法は国際的に見ても標準的な法律であると言え、SCと同じく「スパイ行為を働いていない者には反対する理由がない」ものであるが、当時、第二東京弁護士会や日弁連、日本民間放送連盟、日本社会党、公明党、民社党、日本共産党、社会民主連合などが強固に反対、廃案となったのだ。
「民意を得られなかった」という形式になった以上、「スパイ防止法」を提出することは非常に困難となってしまった。
しかし、スパイ行為を規制する法律がなければ日本の安全は守れず、その被害を受けるのは他ならない日本国民である。
そのため、自民党は「スパイ防止法」を『特定秘密保護法(安倍政権)』や『セキュリティ・クリアランス(岸田政権)』などに分解して法制化し、"実質的にスパイ防止法を形づくり、スパイ行為から国民を守る" ことを目指しているのだ。
SCは衆議院を通過したが参議院での審議を控えているわけで、ここで国会がマスコミ労組におもねった場合は否決・廃案にされてしまう。
そうなった場合、日本の重要情報は常に中国(国家情報法により人民のスパイ活動を義務付けている)などの脅威に晒されることになり、民間企業はビジネスチャンスを逃し続けることになってしまうわけだ。
そのため、SCが衆議院を通過したことに安心するのではなく、マスコミ各社の動向、野党の動向、そして国会審議の動向に注意する必要があると忘れてはならない。
しかし、「スパイ行為を働いていない者には反対する理由がないスパイ防止法やSC」について、マスメディアが反対する理由はいったい何なのだろうか。
【は??】新聞労連「経済安保新法廃案」声明
マスコミ労組に続き、新聞労連も「重要情報の流出を防ぎや他国による情報泥棒(スパイ行為)を防ぎ、日本の安全を守ると同時に、民間企業のビジネスチャンスを拡大するセキュリティ・クリアランス(SC)」を潰せと言い始めた。
「職務に関係のない機密情報を知ろうとする国民」は、その情報を使って何をしようとしているのだろうか。
「国民を守る法律が制定されると刑事責任を問われるかもしれない記者」は、いったいどのような活動をしているのだろうか。
マスコミ労組も新聞労連も、「日本の安全を守り、民間企業のビジネスチャンスを拡大する法律を潰そうとした団体」として、未来永劫、語り継いで差し上げたいと思う。
【SC】経済安保新法成立(2024/05)
マスコミ労組や新聞労連、その他勢力の妨害を跳ね除け、岸田自民はセキュリティ・クリアランス(SC)制度の創設を可決、成立させた。
ようやく、ようやく我が国に「セキュリティ・クリアランス」が導入されるのだ。
これで我が国の情報保護は大きく前進し、国民の生活・生命の安全がより確保されるようになるとともに、企業のビジネスチャンスが大きく拡大する。
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外交の岸田
中国は現在、「台湾有事」を画策している。
これがどういったものかについては後述するが、簡単に言えば「中国が起こす台湾侵略戦争(日米も巻き込まれる)」である。
これを念頭に、岸田政権は抑止力(中国に戦争を思い留まらせる力)を強化するため、そして防衛力(実際に台湾有事が起きても国民を守るための力)を強化するために、味方・仲間を増やし、中国のことを封じ込めている(中国包囲網)。
日英同盟事実上の復活(2023年10月15日~)
日豪準同盟の発足(2023年8月13日~)
日韓連携強化
韓国は、従軍慰安婦・徴用工強制連行のウソ、日韓請求権協定の反故、天皇陛下(現上皇陛下)への謝罪要求、国際法違反の李承晩ライン設定、日本人漁師の違法な拿捕・虐殺、竹島の不法占拠等々、反日的な言動が激しい。
しかし、現在の尹錫悦政権は親日的であり、また台湾有事が起きた際に北朝鮮が同調して日本を攻撃しないよう、ある意味での盾となってもらう必要がある。
>ホワイト国復帰
>日韓スワップ再開
>韓国の横暴には毅然と
NATO首脳会合に参加(招待・日本首相は初)
ウクライナ支援
ロシアによる侵略戦争を受けるウクライナは、西側諸国の大きな関心事となっている。
ここを支援するのは西側諸国に恩を売ることを意味し、また「武力による一方的な現状変更を認めない」との姿勢を世界に明示する つまり台湾有事においても同じ考えの適用を西側諸国に迫る ことを意味する。
この他の措置については、以下をご参照。
➢ 直近の主な支援・措置令和5年10月19日更新版|首相官邸
安倍晋三元首相の国葬儀実施と弔問外交
国葬儀決定までの日程(暗殺から6日)
この後、苛烈な反対運動を受けても屈さず決行し、弔問外交も実施した。
>弔問外交リスト
G7広島サミット
【大転換】比が日米頼りに一帯一路を脱退
日比準同盟へ議論開始
フィリピンへの防衛装備品移転に加え、日比間でも日英・日豪と同じ準同盟を結ぼうとしている。
バラマキ外交
「キシダが海外に血税をばら撒いてきたぁ!」と、「日本人が汗水垂らして稼ぎ、納めた税金を、カッコをつけるため、また忠犬として褒められるため外国に差し出してきた」というニュアンスの言説を目にしたことがある方も多いだろう。
これは安倍政権の頃から言われているもので、安倍外交に対する「バラマキ!」との言説を批判していた層までもが、なぜか岸田政権になった途端に「バラマキ!」側に回り、この声が大きくなってしまっている。
ではなぜ、安倍首相や岸田首相は、ここまで非難を受けながらも海外へお金をばら撒いてくるのだろうか。
それは、ひとことで言えば「日本にとって良い国際環境を構築するため」である。
経済・軍事的な二国間関係の強化、資源およびそれを輸送するシーレーンの安定的確保、国際的地位の維持・向上、それによる国連・国際機関選挙等での我が国の立場への支持など、日本の利益を獲得するため、海外への援助を行っているのだ。
また、他国のインフラ発展に干渉することで日本企業のビジネスチャンスを創出したり、何かあった場合に在留邦人・日本企業の安全確保がスムーズになったりと、直接的に国民の利益となる場合も多くある。
この "バラマキ!" との声は主に「ODA」と呼ばれる「政府開発援助」に向けられることが多いのだが、この財源の多くは税金ではない箇所から確保されており、これは首相官邸のページにおいても説明されている。
また、もちろん場合によるが基本的にタダでお金をばら撒いているわけではなく、「円借款」と呼ばれる貸付(金利有り)による利益もあがる。
もちろん外交関係においてすべてが上手くいくことはなく、債務免除による損失が発生する場合もあるため個別検証は必要であるが、総論として「ODAは "バラマキ" で国益を毀損する」とするのは明らかな誤りと言える。
また、日本のODAは中国の一帯一路構想( "債務の罠" を仕掛けて相手国にデフォルトを起こさせ、インフラを占拠、実質的に支配下に置く)に対抗する有効な手段であり、肥大化する中国の脅威を削ぐ効力もあるのだ。
金も武力もない外交は "話し合いで解決" との妄想にほかならず、非現実的理想論であるこれを主張するリベラル左翼は、ロシアによるウクライナ侵略戦争の勃発後、一般にも嘲笑の対象となった。
そして、我が国の国際的地位を圧倒的に高め、国葬儀に世界中の要人が駆けつけた安倍晋三元首相の外交が、「バラマキ」とリベラル左翼から言われていたことも忘れてはならない。
【初】天皇誕生日レセプションに台湾総統
「天皇誕生日」は本来は『天長節』というのだが、本題ではないので詳細は割愛する(ちなみに建国記念の日は「紀元節」、勤労感謝の日は「新嘗祭」)。
2024年(皇紀2684年)の天長節に、台湾において蔡英文総統や賴清德副総統(次期総統)が祝辞を述べてくださったのだという。
「天長節を祝うレセプションに台湾の総統と次期総裁が出席した」というのは中国にとって非常に都合が悪い話で、これを実行できたのは、「岸田首相がいわゆる "チャイナスクール" と揶揄される外務官僚を抑え込んでいるからだ」と見る向きが強い。
また、これを「天皇の政治利用ではないか」と疑問視される方もいらっしゃるかと思うが、これはまったく逆の話で、「第三国への政治的配慮によって友好地域の方に天長節を祝ってもらえない」という方がおかしいのである。
蔡英文総統と賴清德副総統に心より感謝を申し上げるとともに、"我が国はまっとうな国家になりつつあるのだなぁ" と感動を覚える次第だ。
アメポチのキシダ
岸田首相については、「習近平(中国)の犬」のみならず「アメリカのポチ」との声も根強い。
そんなアメポチのキシダが米議会で演説を行った(「【歴代5例目】国賓待遇で訪米(2024/04)」の章で解説)ところ、アメリカの政策に影響を与えてしまった。
ウクライナ支援に積極的な民主党のみならず、モンロー主義(孤立主義)寄りな共和党の議員までもが、複数名、岸田首相の米議会演説を引用してウクライナ支援への支持を訴えたというのだ。
「アメリカのポチ」とは。
むしろアメリカのケツを蹴り上げているではないか。
無論、イランのイスラエル攻撃などの要因も大きいため「岸田首相がひとりでアメリカを動かした」とは言わないが、民主・共和党の両党議員が岸田首相の演説を引用して訴えている以上、岸田首相の演説が影響を与えていることは否定しようのない事実と言える。
岸田首相の米議会演説(歴代2例目)は、確実に『歴史の転換点』となった。
もしトラの麻生(2024/04)
政治をウォッチしていると目にすることの多い「もしトラ」。
これが何を指しているかと言えば、「もしドナルド・トランプ前大統領が大統領に再選したら」である。
そして、最近になってこの「もしトラ」がここまで話題となっているのは、アメリカの大統領選挙が2024/11/05に実施されるからだ。
ここで勝利した大統領候補が、2025/01/20に大統領に就任する。
ドナルド・トランプ氏は "アメリカ・ファースト" を掲げ、モンロー主義・孤立主義と呼ばれる「他国の争いから距離を置く」とのスタンスに回帰しようとする勢力の代表格と言える。
しかし、台湾有事の危機が目の前に迫る日本にとって、アメリカのモンロー主義回帰は到底受け入れられないものであって、だから「もしトラ」対策が重要視されているというわけだ。
「【歴代5例目】国賓待遇で訪米(2024/04)」の章においてご紹介する、米議会を動かした歴史的な岸田首相の演説も、この「もしトラ」を意識したものと考えてよいだろう。
そして2024/04、麻生太郎・自民党副総裁がアメリカへ飛んだ。
重鎮かつ政治感覚に優れていて、かつ閣外である麻生太郎氏が、トランプ前大統領との会談を予定している。
これに対し、なんとしても岸田政権を貶めたいTBSは『「全く下品」麻生副総裁の渡米にバイデン政権関係者が不快感』とのタイトルをつけていらっしゃる。
これではまるで、岸田政権、岸田自民、麻生太郎氏がおかしなことをしているようではないか。
TBSのことなので "バイデン政権関係者" が実在するのかも疑問だが、実際として、バイデン政権関係者がこれを快く思っていないことは事実だろう。
しかし、我が国はバイデン政権のポチでも奴隷でもない。
我が国は我が国の国益を追及するのが当然だ。
トランプ前大統領の再選に備えるのは、我が国として当然のリスクヘッジ。
これはバイデン政権側にとっても「当然の動き」でしかなく、露悪的なタイトルをつけるTBSには辟易する。
そして、我が国がこのような「狡猾な外交」をできるようになったことは、大変喜ばしく、歓迎したい。
泥を被ってくださった麻生太郎・自民党副総裁、そしてこれを企画した岸田自民に感謝申し上げる。
外遊のGW(2024/05)
2024/05のゴールデンウイークを利用し、岸田首相をはじめ政権のメンバーは、『外遊』へ繰り出した。
たとえば岸田首相でいえば、以下のようなスケジュールで『外遊』を実施。
このGWには、岸田首相の他にも、外務大臣、経産大臣、防衛大臣、デジタル大臣、総務大臣、財務大臣、文科大臣、厚労大臣、農水大臣、国交大臣、環境大臣、万博大臣、経再大臣、内閣府副大臣、文科副大臣、文科政務官、厚労副大臣、厚労政務官、農水政務官、国交政務官、環境副大臣、防衛副大臣、防衛政務官、法務副大臣、法務政務官、外務副大臣、外務政務官などが外遊。
これらの『外遊』について、メディアは「 "血税ごっつぁん" 外遊三昧のア然(日刊ゲンダイ)」「世界一周弾丸ツアー(毎日新聞)」などとし、煽られたリベラル左翼や感情右翼が喚いていたのだ。
メディアやインフルエンサーに煽られた者には、なぜか『外遊』を「税金を使って旅行をし、贅沢三昧の物見遊山」であると勘違いしている者が多い。
剰え、現役の国会議員(自称 "痛快弁士" の川内博史衆議院議員・立憲民主党)までもが「思い出作りに税金使うな」と言い出す始末。
これは「外『遊』」の文字から「遊びに行くこと」を連想しているのであろうが、Wikipediaには以下のようにある(この点は "政治の常識" であり、内容に問題がないためWikipediaを引用)。
つまり、『外遊』は言い換えれば「外交」であり、「政治家の海外出張」と表現することができるのである。
立民議員があのように言うということは民主党政権の『外遊』は「外国で遊ぶ」だったのかもしれないが、「即ち自民党も同じ」とは思わないでほしいものだ。
岸田首相の外遊日程を見れば、6日間で6つの空港を発着、その先々で「仕事」をこなすわけであり、これは想像の域を出ないが、おそらく機内でもレクや確認、整理を行う必要があることだろう。
「豪遊」や「物見遊山」を楽しむ余裕がどこにあろうか。
また、この費用について「私費で行け!」と騒ぐ者もあるが、「社の地位確保、安定、発展のための海外出張」の費用を個人持ちとする会社など、恐ろしくて仕方がない。
「せっかく役所が閉まる(行政が休みになる)、国会が止まる期間だから」と大型連休を返上して「仕事」をしてくれているのが、この『外遊』なのである。
銭ゲバメディアや銭ゲバインフルエンサーはあの手この手で国民を煽動せんとするが、これに安易に乗せられてはならない。
我が国は外交なしに成り立たないのであって、外交そのものの否定は、国民自ら我が国を殺そうとしているに等しいと言える。
事実系インフルエンサー
岸田外交については、是非ともメディアの煽り記事ではなく、以下のお二方をフォローし、発信される情報を確認してみてほしい。
・PULP(@like_pulp)
・PULP(note)
・Chum(ちゃむ)(@ca970008f4)
以上のお二方は、岸田政権を事実に基づいて評しており、外交についても正しい情報を共有してくださる。
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外遊のGW(2024/05)
『外遊』とは
2024/05のゴールデンウイークを利用し、岸田首相をはじめ政権のメンバーは、『外遊』に繰り出した。
このGWには、岸田首相の他にも、外務大臣、経産大臣、防衛大臣、デジタル大臣、総務大臣、財務大臣、文科大臣、厚労大臣、農水大臣、国交大臣、環境大臣、万博大臣、経再大臣、内閣府副大臣、文科副大臣、文科政務官、厚労副大臣、厚労政務官、農水政務官、国交政務官、環境副大臣、防衛副大臣、防衛政務官、法務副大臣、法務政務官、外務副大臣、外務政務官などが外遊。
これらの『外遊』について、メディアは「 "血税ごっつぁん" 外遊三昧のア然(日刊ゲンダイ)」「世界一周弾丸ツアー(毎日新聞)」などとし、煽られたリベラル左翼や感情右翼が喚いているのだ。
剰え、現役の国会議員(自称 "痛快弁士" の川内博史衆議院議員・立憲民主党)までもが「思い出作りに税金使うな」と言い出す始末。
メディアやインフルエンサーに煽られた者には、なぜか『外遊』を「税金を使って旅行をし、贅沢三昧の物見遊山」であると勘違いしている者が多い。
これは「外『遊』」の文字から「遊びに行くこと」を連想しているのであろうが、Wikipediaには以下のようにある(この点は "政治の常識" であり、内容に問題がないためWikipediaを引用)。
つまり、『外遊』は言い換えれば「外交」であり、「政治家の海外出張」と表現することができるのである。
立憲民主党の議員があのように言うということは、民主党政権時の『外遊』は本当に「外国で遊ぶ」だったのかもしれないが、「即ち自民党のそれも同じである」とは思わないでほしいものだ。
岸田首相の外遊日程を見れば、6日間で6つの空港を発着、その先々で「仕事」をこなすわけであり、これは想像の域を出ないが、おそらく機内でもレクや確認、整理を行う必要があることだろう。
「豪遊」や「物見遊山」を楽しむ余裕がどこにあろうか。
また、この費用について「私費で行け!」と騒ぐ者もあるが、「社の地位確保、安定、発展のための海外出張」の費用を個人持ちとする会社国家など、恐ろしくて仕方がない。
「せっかく役所が閉まる(行政が休みになる)、国会が止まる期間だから」と大型連休を返上して「仕事」をしてくれているのが、この『外遊』なのである。
銭ゲバメディアや銭ゲバインフルエンサーはあの手この手で国民を煽動せんとするが、これに安易に乗せられてはならない。
我が国は外交なしに成り立たないのであって、外交そのものの否定は、国民自ら我が国を殺そうとしているに等しいと言える。
・スケジュール
岸田政権の外交では、「グローバルサウス」が重要視されているように見える。
「グローバルサウス」はアジアやアフリカなどにおける途上国・新興国などを指し、中国が勢力拡大を目論む地域でもあるのだ。
岸田政権はここに手を入れ、我が国のシーレーンや将来の利益のために協力・投資を行うなどしている。
・留守番大臣の仕事
非常に多くの政務三役が外遊へと飛び立ったわけだが、林芳正官房長官や高市早苗経済安保大臣など、日本国内に残っている閣僚もいる。
ではこれらの閣僚はゴールデンウイークを満喫しているのかと言えばそうではなく、外遊に出る閣僚の「臨時代理」として、担当外の職務を含めて仕事をされていたのだ。
多くの国民がゴールデンウイークを満喫するなか、休みなく働いてくださった岸田政権のみなさんに感謝申し上げたい。
注意
・文字数が多くなり過ぎてしまうため、引用は減らしている
・執筆時に確認できた発表を引用しているため、網羅はできていない
・内容を表示しているものは、その多くが要約である
フランス
・05/01 日仏共同声明(齋藤経産相)
斎藤経済産業相とル=メール仏経済財務相が会談し、共同声明に署名した。
中国が重要鉱物分野での権益獲得を進めるなか、我が国はサプライチェーンの安定化を進める。
日仏は重要鉱物の供給見通しや備蓄などのリスク低減策、採掘や精製錬に関する技術で情報を共有し、その他調達協力、採掘や加工、リサイクルなど、協力を模索する方針だ。
これらの取組を達成するために、必要に応じて、両国政府間もしくは民間企業を交えた対話も実施するとされた。
・05/02 日仏首相会談(岸田)
・05/02 日仏首脳昼食会(岸田)
・05/02 日仏観光イベント(岸田)
➢ 岸田総理大臣の日仏観光イベント出席
・05/03 外相会談(外相)
➢ 日仏外相会談
・05/02 WTO非公式閣僚会合(外相)
➢ 上川外務大臣の豪州主催WTO非公式閣僚会合への出席
・05/02 日・EUハイレベル経済対話(外相)
➢ 日・EUハイレベル経済対話の開催
・05/03 在仏日本企業関係者と懇談(外相)
➢ 上川外務大臣と在仏日本企業関係者との夕食懇談
・05/01 邦人女性との夕食懇談(外相)
➢ 上川外務大臣とフランスで活躍する邦人女性との夕食懇談
・05/01 パリ日本文化会館視察(外相)
➢ 上川外務大臣によるパリ日本文化会館(MCJP)視察
OECD in フランス
・05/02 OECD基調講演(岸田)
経済協力開発機構「OECD」閣僚理事会において、岸田首相は議長国として基調講演を行った。
概要は以下の通り。
>広島AIプロセスフレンズグループ
今回のOECD会合において「AI」は重要イシューのひとつであって、岸田首相より、「広島AIプロセス フレンズグループ」を立ち上げ、同グループのメンバーと共に、国際指針等の実践に取り組み、世界中の人々が安全、安心で信頼できるAIを利用できるよう協力を進めていく旨が述べられた。
参加国一覧:広島AIプロセスフレンズグループに参加する国(アルファベット順)・地域一覧(https://www.soumu.go.jp/hiroshimaaiprocess/supporters.html)
・05/02~05/03 OECD閣僚理事会
(岸田・外相・経財・経産・デジ・官房副)
>DFFT(信頼性のある自由なデータ流通)
「DFFT」は、2019年に安倍首相(当時)が提唱した「信頼性のある自由なデータ流通」の理念である。
2023/05月のG7広島サミットで国際組織の新設が合意、2023/12にOECDに設置することが決定。
既に専門家コミュニティーが設立され、我が国を含む41ヶ国が登録、規制の透明性や技術促進などテーマごとに作業部会を設置、課題解決へ向けた助言、知見の共有等が行われるという。
また、OECDとASEAN(東南アジア諸国連合)が協力し、計40ヶ国超の枠組みによって、国際的なルール、インフラが整備される。
・05/02 SEARP式典・JOAPP設立発表
(岸田・上川・経財・官房副)
岸田首相、上川外相、新藤経財相、森屋官房副長官が、東南アジア地域プログラム(SEARP)10周年記念式典に出席したところ、概要は以下の通り。
OECDのデータや分析能力を東南アジアの成長へ繋げ、日本がその中心となるのだ。
・05/02 生成AIに関するサイドイベント(岸田)
➢ 岸田総理大臣の生成AIに関するOECD閣僚理事会サイドイベント出席
・05/02 IEA事務局長による表敬(岸田)
➢ ビロル国際エネルギー機関(IEA)事務局長による岸田総理大臣表敬
・05/02 OECD事務総長による表敬(岸田)
➢ コーマン経済協力開発機構(OECD)事務総長による岸田総理大臣表敬
・05/03 ベトナム外相会談(外相)
➢ 上川外務大臣とブイ・タイン・ソン・ベトナム外務大臣との会談
・05/03 シンガポール大臣会談(外相)
➢ 上川外務大臣とフー・シンガポール持続可能性・環境大臣兼貿易担当大臣との会談
・05/02 米国国務副長官による表敬(外相)
➢ キャンベル米国国務副長官による上川外務大臣表敬
・05/02 インドネシア大臣会談(外相)
➢ 上川外務大臣とアイルランガ・インドネシア経済担当調整大臣との会談
・05/02 メキシコ大臣会談(外相)
➢ 上川外務大臣とラミレス・メキシコ大蔵公債大臣との会談
・05/02 ラオス副首相兼外相会談(外相)
➢ 上川外務大臣とサルムサイ・ラオス副首相兼外相との会談
ブラジル
・05/03 首脳会談(岸田)
>バイオ燃料
ブラジルはバイオ燃料等について高いポテンシャルを有しており、これと我が国の高性能なモビリティ機器を組み合わせて発展させる国際枠組みとして、日本・ブラジルで 「ISFM」(アイスファム)が立ち上げられた。
・05/03 日系人懇談(岸田・官房副他)
・05/04 対中南米政策スピーチ(岸田)
岸田首相はサンパウロ大学において、「中南米と共に拓く『人間の尊厳』への道のり」と題し、日本の総理大臣として10年ぶりに、対中南米政策スピーチを実施。
スピーチでは、国際社会の分断と対立が深まる中、世界を協調へ導くために日本と中南米の連携がかつてなく重要となっていること、そしてそのための具体的な方向性について発信した。
➢ 中南米と共に拓く『人間の尊厳』への道のり」
・05/04 サンパウロ訪問(岸田)
・同行企業覚書
日本経済新聞によれば、ブラジルには36の企業や機関が同行し、さまざま覚書が締結されたという。
ブラジルは「グローバルサウス」と呼ばれる新興国を代表する国であり、グローバルサウスは中国が影響力を拡大しようと接近している対象でもあるので、ここに我が国が介入するという動きだ。
執筆現在、「覚書が公表された」との記事は確認できないので(首相官邸の公表より約40の様々な協力覚書等が締結されたことは確認できる)、「覚書を公表する」との記事をご紹介する。
この他さまざまな覚書の内容が報じられているため、ぜひ記事をご確認されたい。
・サンパウロ紙寄稿(岸田)
岸田首相がブラジルのサンパウロ紙に寄稿した全文(日本語訳)が掲載されているため、ぜひご確認されたい。
・05/04 副大統領による表敬(岸田)
➢ アルキミン副大統領兼開発・産業・貿易・サービス大臣による岸田総理大臣表敬
・05/04 ビジネスフォーラム(岸田)
➢ 岸田総理大臣の日・ブラジル・ビジネスフォーラム出席(令和6年5月4日)
スリランカ
スリランカは中国の一帯一路構想によってデフォルトを起こし(債務の罠)、港の運営権を中国に奪われている(2017年に99年間の運営権を中国へ譲渡、2022/05にデフォルト)。
スリランカはインド洋のシーレーン(海上交通・輸送路)の要衝に位置する国で、我が国の資源確保や「自由で開かれたインド太平洋」に欠かせず、仮に港湾を中国に軍事拠点化でもされた場合、我が国含め多くの国にとって危機となるのだ。
我が国は主要債権国として、2023/07に林芳正外相(当時)、2024/01に鈴木俊一財務相がスリランカを訪問し緊密に意思疎通、中国依存からの脱却と透明で公平な債務再編へ向け議論。
スリランカは、サンフランシスコ講和会議において対日賠償請求権を自発的に放棄し、我が国の分割占領や主権制限を防ぎ、我が国を救ってくれた国でもあり、スリランカの救済は恩返しにもなるだろう。
・05/04 首相表敬訪問(外相)
➢ 上川外務大臣によるグナワルダナ・スリランカ民主社会主義共和国首相表敬
・05/04 大統領表敬訪問(外相)
➢ 上川外務大臣によるウィクラマシンハ・スリランカ民主社会主義共和国大統領表敬
・05/04 外相会談(外相)
・05/04 ワーキングディナー(外相)
➢ 日・スリランカ・ワーキング・ディナー
・05/04 港・ドックヤード視察(外相)
➢ 上川外務大臣によるコロンボ港及びコロンボ・ドックヤードの視察
・05/04 在留邦人・日系企業昼食会(外相)
➢ 上川外務大臣によるスリランカ在留邦人・進出日系企業との昼食会
防衛大臣会談
・05/02 日米防衛相会談(防衛相)
・05/02 日米豪防衛相会談(防衛相)
13回目の三ヶ国防衛大臣会談が開催され、日米豪防衛相会談共同声明の概要は以下の通り。
・05/02 日米豪比防衛相会談(防衛相)
2度目となる日米豪比防衛相会談の概要は以下の通り。
ベルギー
・04/30 欧州委員と対談(デジ)
河野デジタル大臣がブルトン欧州委員(域内市場担当)と会談を行い、デジタル・アイデンティティ日EU間での相互運用に向けた協力覚書を交わしたところ、概要は以下の通り。
※「デジタル・アイデンティティ」とは、ある実体(主に人・法人)に関連する属性をデジタル空間で表現可能にしたもの。
・04/30 日EUデジタルパートナーシップ会合
(デジタル・総務・経産)
マダガスカル
・04/27 外相会談(外相)
上川陽子外務大臣がラサタ・ラファラバビタフィカ・マダガスカル共和国外務大臣と会談及びワーキングランチを実施したところ、概要は以下の通り。
・04/28 大統領表敬訪問(外相)
➢ 上川外務大臣によるラジョリナ・マダガスカル共和国大統領への表敬
・04/27 共同記者発表(外相)
➢ 日・マダガスカル共同記者発表(上川外務大臣発言)
・04/28 アナラケリー図書館訪問(外相)
➢ 上川外務大臣によるアンタナナリボ市立アナラケリー図書館訪問
・04/28 モバイルクリニック等視察(外相)
➢ 上川外務大臣によるモバイルクリニック(国連人口基金(UNFPA)支援案件)等視察
・04/27 邦人・日系企業と夕食会(外相)
➢ 上川外務大臣によるマダガスカル在留邦人・進出日系企業との夕食会
・04/27 アンタナナリボ大学訪問(外相)
➢ 上川外務大臣によるアンタナナリボ大学訪問
・04/27 エクスプレス紙書面インタビュー(外相)
➢ エクスプレス紙(マダガスカル)による上川外務大臣書面インタビュー
コートジボワール
・04/29 大統領表敬訪問(外相)
➢ 上川外務大臣によるウワタラ・コートジボワール共和国大統領への表敬
・04/29 外相会談(外相)
・04/29 女性リーダーと夕食会(外相)
➢ 上川外務大臣とコートジボワールの女性リーダーとの夕食会
・04/29 大学病院新母子保健棟視察(外相)
➢ 上川外務大臣によるココディ大学病院新母子保健棟視察
・04/29 邦人意見交換会(外相)
➢ 上川外務大臣によるコートジボワール在留邦人及び日本企業関係者との意見交換
・04/29 UNW案件開始式典
➢ 上川外務大臣の国連女性機関(UN Women)協力案件の開始式典出席
・04/29 フラテルニテ・マタン紙寄稿(外相)
➢ コートジボワール訪問に際しての上川外務大臣のフラテルニテ・マタン紙への寄稿
インドネシア
・05/02 ASEAN事務局次長会談(自民政調会長)
・05/03 BRIN他会談(自民政調会長)
パラグアイ
パラグアイは台湾と国交を結んでおり、中華人民共和国との国交を有していない国である。
・05/04 首脳会談(岸田)
・05/04 日系人と懇談(岸田)
岸田首相は、パラグアイ中央銀行講堂において、日系人約400人が出席する在パラグアイ日系人との懇談に出席。
➢ 岸田総理大臣と在パラグアイ日系人との懇談
・05/04 ビジネスフォーラム(岸田)
ネパール
ネパールの現政権は2024/03、インド寄り政党との連立を解消し、親中政党との連立を決定。
貧困につけ込み、ロシアが傭兵を募る動きもあるという。
ここに手を入れることは非常に重要と言えるだろう。
・05/05 外相会談(外相)
・05/05 大統領表敬訪問(外相)
・05/05 首相表敬訪問(外相)
・05/05 ワーキングディナー(外相)
・05/05 RSS他への寄稿(外相)
➢ ネパール訪問に際しての上川外務大臣のRSS(ネパール国営通信)、ライジング・ネパール紙及びゴルカパトラ紙への寄稿
ナイジェリア
・04/30 外相会談(外相)
・05/01 邦人及び日系企業懇談(外相)
・04/30 共同記者発表(外相)
➢ トゥガー・ナイジェリア外相との共同記者発表における上川外務大臣発言
・04/30 Ventures Park視察(外相)
➢ 上川外務大臣によるVentures Park(スタートアップのアクセラレーター・ハブ)視察
・04/30 ワーキングランチ(外相)
➢ 上川外務大臣によるWPSに関する意見交換及びワーキングランチ
・04/29 ガーディアン紙寄稿
➢ ナイジェリア訪問に際しての上川外務大臣のガーディアン紙への寄稿
シンガポール
・04/30 副首相との会談(自民政調会長)
その他
・04/29 ベトナム(文科)
・04/29 ベトナム(国交)
・04/29 フランス(万博)
➢ 自見大臣のフランス出張について
・04/30 G7環境相会合(環境・経産)
・05/01 シンガポール(国交)
・05/01 イギリス(万博)
➢ 自見大臣のイギリス出張について
・05/02 デンマーク(総務)
➢ 松本総務大臣とデンマーク王国デジタル政府・ジェンダー平等省 ビエア大臣との協力覚書の署名
・05/02~05/06 スイス(厚労)
・05/03 財務
①日・太平洋島嶼国財務大臣会議
②日中韓財務大臣・中央銀行総裁会議
③ASEAN+3財務大臣・中央銀行総裁会議
➢ 鈴木財務大臣兼内閣府特命担当大臣記者会見の概要
・05/03~05/05 タイ(農水)
①タイ王国のタマナット・プロムパオ農業・協同組合大臣と会談
②日タイの合弁企業魚力を視察
③クボタファームの実証展示農場を視察
④タイ版「料理の鉄人」シェフとホタテを活用メニュー提案会
⑤タイ輸出支援プラットフォーム総会に出席
➢ 坂本農林水産大臣の海外出張(タイ)概要について
・05/05 ジョージア(財務)
➢ 第57回ADB年次総会 日本国総務演説(2024年5月5日 於:ジョージア・トビリシ)
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LGBT理解増進法
まず、"LGBT法案" には2種類が存在した。
実際に法制化された「LGBT理解増進法」と「LGBT差別禁止法案」である。
出典がWikipediaで申し訳ないが、正確な情報が図に表されているため、こちらをご紹介する。
"超党派合意案" が「LGBT差別禁止法案」
"与党修正案" が「LGBT理解増進法案」
"維新国民独自案" が「LGBT理解増進法案を受けた修正案」
"自公維国再修正案" が「制定されたLGBT理解増進法」
LGBT差別禁止法は「LGBT差別解消法」や「LGBT平等法」などとも呼ばれていたが、立憲民主党、日本共産党、社会民主党等の左翼政党がLGBTについて主張している内容を考えれば、その先に何を見据えていたのかは説明するまでもない。
そのうえで、LGBT理解増進法について、リベラル左翼は以下のように述べている。
左翼と活動家の声
また、立憲民主党の泉健太代表はLGBT理解増進法を「当事者に寄り添わない政権与党の問題」のひとつとして挙げ、岸田内閣不信任決議案を提出した。
さらに、当事者団体(という名の活動家団体)などは以下のように。
この太字がカギである。
多くの当事者からも嫌われるLGBT活動家の暴走はもはや説明するまでもないが、その活動家が「私たちの取り組みが規制される!」と叫んでいる。
「LGBT理解増進法」は『過激な差別禁止法を封じ込め、左翼・LGBTQ活動家の暴走に歯止めをかける法律』なのだ。
さすが歯止めをかけられる側、よく理解している。
LGBT理解増進法の本質
LGBT理解増進法は以下のような法律である。
・理念法で罰則はない
・左翼推進で過激な「差別禁止法」を封じ込めた
・当時、白人仕草が止まらない西側諸国の外圧が左翼と連帯し始めており、これに差別禁止法プロパガンダが打たれる事態を防いだ
・大法廷決定にもある通り、「身体的外観に基づく男女の区別」は今後も認められる
ここで言う「大法廷決定」とは、次のものを言う。
大法廷決定
「平成十五年法律第百十一号 性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」(特例法)の第三条一項における「性別の取扱いの変更の審判」の規定の合憲性が争点となった裁判である。
ここで、本大法廷決定において違憲とされたのが、「特例法第三条一項四号 生殖腺がないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること。」である。
1審と2審では四号の規定を理由に性別変更を認めず、五号については判断しない形をとっていた。
これに対し、大法廷は四号の規定について違憲(憲法13条に違反)と判断し、五号の規定については憲法適合性を判断せず、審理を2審(高裁)に差し戻したのだ。
これがどういうことかと言えば、「手術要件そのもの」が違憲と判断されたわけではなく、「生殖不能となる手術要件」が違憲とされ、「変更後の性別の性器に似た外観を備えるための手術要件」については審理差し戻しになった、ということである。
よって、今回の大法廷決定を以て「男性器のついた人間が女性浴場を利用できるようになる」とは言えない。
そして、この大法廷決定ではLGBT理解増進法とそれに係る通知に触れられており、「身体的な外観に基づく男女の区分」が合憲・合法であると認められている。
大法廷決定にある記述
令和5年6月23日付け
薬生衛発第0623号
厚生労働省医薬
・生活衛生局生活衛生課長通知
裁判官三浦守の反対意見の2、5号規定について(3)ア(17ページ)、イ(18ページ)、裁判官草野耕一の反対意見の4(29ページ)において触れられている「令和5年6月23日付け薬生衛発第0623号厚生労働省医薬・生活衛生局生活衛生課長通知」は理解増進法可決にあたり発出されたものであり、以下の内容となっている。
【時事】LGBT理解増進法 情報整理|PULP 🐈⬛
その他、「安倍晋三元首相が反対していたのではないか」「党内議論が無視されたのではないか」などの疑問については、以下の記事をご確認いただきたい。
【全文】性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律(令和五年法律第六十八号)
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外国人政策
「売国奴のキシダは外国人に国を売り渡そうとしている!」との論調は感情右翼を中心に根強いが、岸田政権の外国人政策は、感情右翼が神格化する安倍首相のそれよりも強烈で厳格である。
【なぜ外国人労働者が必要?】
我が国において「移民」「外国人」として問題となるのは、主に「外国人労働者」についてであろうと思う。
我が国には『郷に入っては郷に従え』という各共同体が共存共栄するための叡智があるが、これはあくまで "日本の常識" であって、先進国・発展途上国を問わず、これを持たない国・民族は多い。
無論、そのなかにもこれを理解できる個人は存在するが、ほとんどの外国人はそうではない(先進国の白人をここで見落とす者は多いが、キリスト教的発想を各国に押しつけようとしているのは白人諸国だ)。
これは仕方のない話で、文化が異なるのだからそうなって当然なのである。
しかし、文化の違いは "仕方がない" としても、それを理由に我々の生活が脅かされるのであれば話が違う。
これが、外国人労働者に関する「問題」として浮き彫りになっているのが近年の日本だ。
ではなぜ、我が国はその問題が発生することは明白であるにもかかわらず、外国人労働者の受け入れを進めているのだろうか。
その理由は「少子高齢化」にある。
・少子高齢化
少子高齢化はその名の通り「子どもが減って高齢化が増える」といった現象であるが、ここで問題となるのが「生産年齢人口の減少」である。
・生産年齢人口の減少
「生産年齢人口」とは、15~64歳の人口を指す(15歳未満は年少人口、65歳以上は老年人口)。
そしてこのうち、労働の意思と能力を持っている人口が「労働力人口」と呼ばれるのだ。
日本の人口の推移としては、以下のようになる。
社会の発展により人口が増え、人口の増加により社会が発展し……と相互作用的に発展の道を歩んできたのが近代の日本史である。
この頃は当然、外国人労働者を受け入れる必要などなかったのだ。
しかし、1990年代半ばを境に、生産年齢人口の減少が始まった。
そして現在、厚生労働省が2023/09/17に公開した資料では、我が国の高齢化率(総人口に占める高齢者人口の割合)が29.1%で過去最高となり、この数値は右肩上がりである。
この「高齢化率29.1%」は世界で最も大きい値であり、我が国は世界で最も少子高齢化が進んだ『超高齢社会』となっているのだ( 7%~「高齢化社会」、14%~「高齢社会」、21%~『超高齢社会』)。
これに加えて日本は総人口の減少も始まっており、経済活動を維持して生活水準や安全保障を維持するには、労働者の数を増やす必要がある。
もちろんDXによる生産性の向上等も重要であるが、このままのペースで少子高齢化が進んだ場合、もはやその程度ではカバーが不可能となるため、外国人労働者の受け入れが進められているのだ。
【外国人に関するデータ】
・在留外国人数
※日本人の人口は約1億2000万人
・国籍および地域別
・>国防動員法
個人的に「国防動員法」の影響を受ける中国人の人数は減少させたいところであり、これはキシダガー右翼も懸念しているところであろうと思うが、ならば「どのような法・立法を根拠としてそれを行うのか」が問題である。
我が国が自由主義国家である以上、これは簡単な話ではないと思う。
中国は共産党が国家よりも上位に位置する独裁国家であり、在外中国人が本土に残した家族はある種の人質ともなり得るため、国防動員法の性質は我々自由民主主義国家のそれとは異なると考えるべきだろう。
この点は大きな懸念事項として残るが、だがしかし「中国人の入国・在留を狙い撃ちで制限しろ、でなければ総理不支持」とすることは、些か暴論であると考えている。
現状の日本としてできることは、自由経済的な人口流動は制限せず、セキュリティ・クリアランスによって情報を保護し、重要施設周辺の土地取得を制限し、かつ防衛力を強化して中国による日本の攻撃を抑止することくらいではないだろうか。
・在留資格別
※日本人の人口は約1億2000万人(120,000,000人)
・>特別永住者とは
特別永住者とは、1991年11月1日に施行された「日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法(入管特例法)」に定められた、在留資格を有する者を指す。
日本が大東亜戦争に敗戦するまで、台湾と朝鮮半島は日本の領土であり、台湾人と朝鮮人は同胞(日本人)とされていた。
戦後、サンフランシスコ平和条約によって台湾と朝鮮半島の併合が解除され、台湾人と朝鮮人は日本国籍から離脱。
この台湾人と朝鮮人について、これ以前に日本列島へ移り住んでいた者とその子孫を「特別永住者」とし、我が国への永住が許可されている。
「永住者」と「特別永住者」の違いとしては、「永住者」には審査基準として「素行が善良であること」「独立の生計を営むに足りる資産または技能を有すること」などがあるが、「特別永住者」はこれが免除されていることなどが挙げられる。
・難民
「難民」とは、基本的に以下に該当する者を指す。
詳細は以下から確認いただきたい。
➢ 難民 国内における難民の受け入れ|外務省
日本の難民受け入れ状況は、以下の通り。
日本は「難民」をほとんど認めておらず、2023年は13,823件の申請に対して認定されたのは303人(2.19%)。
日本の難民認定数は、国際的に見ても極少数である。
一般に、日本の難民認定が少ない理由は「出稼ぎ目的の『偽装難民』が多いから」と言われている。
・準難民
改正入管法(2023/06)によって定義された「準難民」について、入管庁は以下のように説明している。
この「補完的保護対象者」が「準難民」を指しており、ウクライナ等の紛争地から避難してきた外国人を保護する制度となっている。
改正前までの入管法では、難民認定の基準を国連難民条約の要件に限定しており、紛争地からの避難民を受け入れることができなかった。
これに対して国際的な非難も少なくなかったが、ウクライナ支援が決定打となったのだろう、準難民の制度が整備された。
【入管法改正(2023/06)】
「少子高齢化により外国人労働者の受け入れは必須」となっている現在だが、だからといって不良外国人を野放しにするわけにはいかない。
これまではなかなか実効的な手が打たれてこなかった我が国であるが、岸田政権下において、とうとう入管法の改正が行われた。
改正入管法では、以下の内容が重要と言えるだろう。
正直な感想を言えば、「今までよくこんなガバガバの法で運用してきたな」である。
今回の改正は「締めるべきは締め、守るべき者は守る」といったものであり、感情右翼は「準難民の抜け穴で外国人に国を売る売国奴ー!」と騒ぐが、そもそも日本の難民認定は厳しいわけで。
「不良外国人は国外へ叩き出し、守るべき外国人の生命は守る」というのは、まさに人道に則った、我が国としてあるべき姿ではないだろうか。
改正入管法の詳細は以下をご参照。
➢ 入管法等改正法の概要等|入管庁
【日本版ESTA】
入管法を改正して不法滞在者の強制送還を実施しやすくした岸田政権だが、ここで止まらないのがバーサーカー・岸田文雄。
あくまでまだ報道ベースであることに留意は必要だが、次は日本へ入ってくる前に問題のある外国人を遮断しようとしているというのだ。
「アメリカとかは厳しいから日本へ」なんて言われていた我が国だが、ようやく国辱の時代が終わりを迎えそうだ。
この「日本版ESTA」では、短期ビザ免除の外国人を対象に、入国前段階で活動内容や滞在先などを出入国在留管理庁(俗にいう "入管" を管理する庁)に申告させ、審査官がブラックリストと照合、問題があると判断した場合は航空機搭乗を拒否し、不法就労やテロ行為目的の入国を阻止するという。
これが現在の制度では、航空会社から離陸後に搭乗者情報が提供され、それをリストと照合するため、着陸後に退去命令を受けた外国人が逃走するなどの問題が発生しているそうだ。
なぜ「短期ビザ免除の外国人」を対象にするのかと言えば、不法滞在者7万9,113人(令和6年1月1日現在)のうち、62.9%にあたる49,801人が短期滞在の資格だからである。
人数が多い不法残留者の資格上位5つは、以下の通り。
1、短期滞在49,801人
2、技能実習11,210人
3、特定活動8,189人
4、留学2,288人
5、日本人の配偶者等1,880人
➢ 本邦における不法残留者数について(令和6年1月1日現在)|入管庁
また、「日本版ESTA」の導入には制度構築の時間を要するが、記事によれば、「搭乗手続きをした際に搭乗者情報が入管庁に送られる仕組みも24年度中に構築する予定」とのこと(iAPI)。
現在は離陸後にリスト照合を行っているが、これを2024年度中に出発前のリスト照合を可能にし、"問題" と判断した場合に搭乗を阻止できるようにするというわけだ。
外国人留学生
外国人留学生については、なぜか「日本人は苦労して大学に通うのに、外国人留学生はタダで通っていておかしい!」との論調が定期的に拡散される。
"タダ" なのは「国費留学生」だけである。
「留学生」には国費留学生の他、外国政府派遣留学生(派遣国の奨学金による留学生)、私費留学生(自らの意志と経済的負担による留学生)の種類がある。
ネット上の外国人留学生論では、これらの3種類についてが混同されている場面をよく見かけるように思う。
・外国人留学生数(割合)
2023年度のデータが見当たらないため2022年度のデータであること、またコロナ禍の影響を受けているであろうことにはご留意いただきたい。
そのためグラフの折れや右上がり・右下がり等には触れないが、全体的なバランスとしては、私費留学生が圧倒的に多く(94.8%)、次いで国費留学生(3.8%)、最少が外国政府派遣留学生(1.3%)となっている。
※()内は2022年度の数値
・中国人が大半?
おそらく多数の問い合わせがあったのだろう、文科省のページに「Q 国費外国人留学生制度においては、中国人留学生が大半を占めているのではないですか。」との項目があった。
この下に嬉しい情報があったため、こちらも共有。
・台湾人留学生
日台の友好は、こういった分野においても大切にされているのだ。
・デマ&ミスリード
「自分の国に留学してもらうために金を払うなんて馬鹿なことをやっているのは日本だけ」とか「留学生がアルバイトをできるのは日本だけ」とか、救いようのないデマはもう取り上げないぞ。
・>毎年約380万円を返済不要で支給
誤:奨学金を仕切ってる文科省の外局、日本学生支援機構
正:日本学生支援機構(JASSO)は主管独立行政法人
誤:日本人学生には約450万円貸して約600万を返済させている
正:約600万は上限金利計算で実際の金利は大幅に低い(JASSO事務局も否定)
誤:外国人留学生には毎年約380万円を返済不要で支給
正:存在するプランの最大でも年額96万円(月額8万円、8日以上12ヶ月以内)
・>日本人予算70億、留学生予算180億
以前に「日本人への給付型奨学金の予算が70億円、国費留学関係の予算が180億円」との情報が拡散されたが、これはそれぞれ2017年度(平成29年度)の数値である。
現在は日本人への給付型奨学金が圧倒的に増加しており、2022年度の数値としては、給付型奨学金が2,525億円、国費留学関係の予算が184億円となっている。
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ウクライナ訪問(2023/03)
2022年2月24日、ロシアがウクライナに対する "特別軍事作戦" を実行、「ロシアによるウクライナ侵略戦争」が開始された。
我が国はその直後からロシアへ経済制裁を課し、ウクライナへの支援を開始。
そして、時は2023年3月である。
【戦後初】戦地を電撃訪問
岸田首相は、2023年3月19日~21日の間に、インドを訪問。
インド世界問題評議会(ICWA)において、「インド太平洋の未来~『自由で開かれたインド太平洋』のための日本の新たなプラン~“必要不可欠なパートナーであるインドと共に”」と題する政策スピーチを行い、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」のための新たなプランを発表した。
「自由で開かれたインド太平洋」の構想は安倍晋三元首相が提言されたものであり、現在は西側諸国の重要政策となっている。
これは明確な "安倍路線" の継承である。
そして来たる3月21日、岸田首相はウクライナを電撃訪問。
日本の首相が戦争当事国の戦地へ足を踏み入れるのは、戦後の歴史では初めてのことである。
安全確保の概念が抜け落ちている立憲民主党などが国会の事前承認が必要だと騒いでいたが、まさに "ステルスキシダ" を発揮し、「電撃訪問」となった(秘匿されていたこの情報を直前ですっぱ抜いた銭ゲバメディアは大問題だ)。
もちろんだが、戦火のど真ん中へ足を踏み入れるわけなのだから、自衛隊の警護などはつかない。
己が身を危険に晒してウクライナへ乗り込んだ岸田首相に、心からの賞賛と感謝を贈りたい。
そして、岸田首相はキーウ郊外のブチャ市を訪問。
「ブチャの虐殺」の犠牲者への献花を行った上で、悲惨な体験をされた方々から話を聞き、また、その後の復旧状況についても話を聞いたとのこと。
さらに、日本政府から越冬支援として供与された発電機の視察も行ったという。
その後、岸田首相はキーウ市内の戦死者慰霊記念碑において、ロシアによる侵略における犠牲者等への献花を行った。
日宇首脳会談・共同声明
日宇首脳会談および共同会見において岸田首相は、「特別なグローバル・パートナーシップに関する共同声明」を発表。
その上で、昨年から進めてきた総額約16億ドルの人道・財政支援に加え、ロシアによる侵略から1年の機会に、改めて約55億ドルの追加財政支援を行うことを決定したと発表。
今後、これらの総額71億ドルの支援を着実に実施し、電力、地雷処理、農業など、さまざまな分野でウクライナを支えていくと述べた。
さらに、エネルギー分野などへの新たな二国間無償支援等を4.7億ドル供与すること、また、NATOの信託基金を通じた殺傷性のない装備品支援に3千万ドルを拠出することを決定したとも発表した。
そして、日本とウクライナが昨年外交関係樹立30周年を迎え、ウクライナへの連帯と支援により、二国間の協力が深化・拡大しているとし、両首脳は、基本的価値を共有するウクライナとの関係を、「特別なグローバル・パートナーシップ」に格上げすることで合意。
また、ゼレンスキー大統領は、我が国が昨年末に策定した「新たな国家安全保障戦略」に対して、称賛する旨の発言をしている。
その上で、両首脳は、「東シナ海および南シナ海における力による一方的な現状変更の試みへの深刻な懸念」を共有し、「台湾海峡の平和と安定の重要性」や、「世界のいかなる場所においても力による一方的な現状変更の試みは認められない」ことについて一致した。
さらに、両首脳は、北朝鮮の核・ミサイル活動の活発化への深刻な懸念を共有し、拉致問題を含む北朝鮮への対応において、緊密に連携していくことを確認した。
日宇と中露
この「キシダのウクライナ訪問」が起こっている裏で、実は中国の習近平国家主席がロシアのモスクワを訪問していた。
「日本 - ウクライナの連携」と「ロシア - 中国の連携」が明確になった、歴史的な瞬間である。
「キシダのウクライナ訪問」は、第二次世界大戦の "枢軸国" であった日本が、ようやく "連合国側" に所属したことを知らしめ、ロシアと中国が新たな "枢軸国" となったことをはっきりさせたのだ。
「自由と平和を愛する日本 ⇔ 独裁と軍国主義を擁護する中国」という対比を、世界中に知らしめた。
これは日本史、そして世界史に残る出来事と言えよう。
【は?】キシダのしゃもじ
このような歴史的訪宇において、岸田首相は地元の名産品である「必勝しゃもじ」をゼレンスキーに贈ったというのである。
遂にとち狂ったか、岸田文雄。
"なぜ岸田首相がしゃもじを贈ったのか" を紐解くには、日露の歴史を振り返る必要がある。
我が国とロシアの関係を語る上では、さまざまな出来事・問題があると言えよう。
大東亜戦争末期、ソ連が一方的に日ソ中立条約を破棄して侵攻してきたこと 侵攻開始時は日ソ中立条約の効力期間内だった 。
大東亜戦争後、日本人を不法に拉致し、強制労働に就かせたこと シベリア抑留 。
大東亜戦争後から現在にわたって、日本固有の領土である北方領土を、ロシアが不法に占拠していること 択捉島、国後島、色丹島および歯舞群島が、現在もロシアに不法占拠されている 。
etc……
しかし、なんと言っても大きい出来事がこれだ。
日露戦争
1904/02~1905/09にかけ、大日本帝国とロシア帝国との間で「日露戦争」が勃発した。
ロシアの南下政策に伴う、朝鮮半島と満洲の権益をめぐる争いが原因とされる。
当時、ロシアと我が国との間には大きな戦力差が存在したが 我が国が圧倒的に不利 、大日本帝国陸軍が陸戦を制圧、海軍が日本海海戦においてバルチック艦隊を撃破し、我が国の勝利で幕を閉じた。
この日露戦争において、我が国では「とあること」が行われていた。
「しゃもじの奉納」である。
日本人は広島県宮島・厳島神社にしゃもじを奉納し、「敵を召しとる」としてゲン担ぎを行っていたのだ。
そして、我が国はロシアに勝利した。
これが「広島の必勝しゃもじ」なのである。
つまり、「必勝しゃもじ」は「日露戦争における日本勝利の象徴」とも言えるのだ。
特級呪物「キシダのしゃもじ」
我らが岸田文雄は、我が国がロシアとの戦争に勝った象徴である「必勝しゃもじ」を、ロシアと戦争中のウクライナに贈ったというのだ。
これ以上ない外交メッセージであると言えよう。
しかも、「必勝 岸田文雄」と自身の名前を明確に書いて渡したというのだから、あまりに胆が据わり過ぎている。
我々は岸田首相を、「ステルスキシダ」から「煽りのキシダ」と命名し直すべきかもしれない。
さらに、だ。
恐ろしいことに、このゲン担ぎは日露戦争からではなく、日清戦争のころから行われていたのだ。
ご存じの通り、日清戦争においても我が国は勝利している。
つまり岸田首相は、ウラジーミル・プーチン大統領(ロシア)と習近平国家主席(中国)という日清・日露戦争の敗戦国の将が一堂に会するタイミングで、「日清・日露戦争における日本勝利の象徴」をロシアと戦争中のウクライナに贈ったというのである。
しかも、ロシアとの関係が深いインドを経由し、「自由で開かれたインド太平洋」を強調、「インドは我々と共にある」と示した上で、だ。
なんと恐ろしいことか。
イギリス人と京都人を凌駕する煽りの才である。
煽りのキシダ、GJ!
これ以上の外交メッセージはない。
さらに言えば、この「必勝しゃもじ」には素晴らしい逃げ道が存在している。
それは、「へ?地元の民芸品をプレゼントしただけですが?なにか?」と言える点だ。
これほど強烈な対露メッセージで中国とロシアを煽り倒しながら、文句を言われれば「ただの特産品だ」と逃げることができる。
ここまで計算され尽くした外交があるだろうか。
天才か?岸田文雄。
ロシアの砲撃
この必勝しゃもじが効いたのかそもそもの訪宇が効いたのか、ロシアが千島列島にミサイルを配備したそうだ。
とはいえ、これは煽りのキシダ(非武力)に対する報復・威嚇・牽制でしかないので、撃ってくる確率は限りなく低いだろう。
ロシアが今、日本を撃つメリットはゼロだ。
ただでさえウクライナの攻略に1年もかけて苦戦しているのに、日米同盟を結んでおり、ウクライナよりも強烈なアメリカの支援を受けるであろう日本と事を構え、ニ正面、下手をすれば三正面作戦を展開する余裕など、現在のロシアにあるはずがない。
、、、、撃たれた。
日本がロシアに撃たれた。
遺憾砲を。
プッチン・プーチン
つまり、少なくとも「ロシアは "必勝しゃもじ" の意味を理解した」ということである。
そもそも、現代国家のインテリジェンス能力をもってすれば、この程度のことを理解するのは造作もない。
しかし残念なことに、言語も文化も異なるロシアですら理解している「必勝しゃもじ」に込められた "外交メッセージ" を、日本の野党は理解できなかったようである。
ロシアが理解したということは、おそらく中国も理解したということだ。
そしてロシアが触れたということは、世界各国が理解したということだ。
つまり、「必勝しゃもじに込められた外交メッセージ」を理解できなかったのは、世界で「日本の野党とその支持者」のみであるということなのである。
これが、我が国における立法府の現状だ。
「世界に対して強烈な外交メッセージを発し、かつ "地元の名産品ですけど?なにか?" で躱せる岸田文雄」と、「日本の歴史に由来した外交メッセージを理解できず、"シャモジガー!" を国会で行ってしまう野党」の対比が、あまりにも、なんというか……
今後、岸田首相がウクライナと会談等を行うことがあれば、その際はぜひ「正露丸」を贈ってほしいものだ。
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【重要知識】台湾有事
くどいようだが、昨今の政治を見るうえで「台湾有事」の存在は前提かつ重要な知識となるので、ここで一章を使って、簡単にご説明しようと思う。
台湾の歴史
台湾と中国の歴史を簡単に説明すると、以下のようになる。
過去、日本と支那(現在の中国領)が支那事変を戦っていたころ、支那では中国国民党が政権を握っていた(中華民国)。
その後、中国共産党(現在の中国政府)との内戦に敗れ、国民党が日本の併合が解除された台湾へ逃亡、台湾を中華民国領とする。
そして中国共産党が大陸領土を制圧、中華人民共和国(現在の中国)を建国したため、中国(中華人民共和国)と台湾(中華民国)の構図が誕生した。
中華人民共和国は台湾も統一しようと武力侵攻に着手するも、軍事力の問題から断念。
ただし、「台湾は元々中国の領土である」として、必ず統一するとの主張を続けている(「一つの中国」論)。
その後、台湾の政府は中国国民党ではなくなっていくが、中華人民共和国と台湾が存在する、「二つの中国」の状況は現在まで変わっていない。
そして近年、中華人民共和国が力をつけ、武力を行使してでも台湾を統一する構えを見せるようになったのだ。
習近平国家主席は、2013年、国際会議の場において「長期にわたる政治対立を次の世代へ引き継ぐわけにはいかない」と発言、自身の統治時代に台湾統一の意向を示す。
そして2022年、「最大の誠意と努力で平和的な統一を堅持するが、決して武力行使を放棄せずあらゆる必要な措置をとる選択肢を残す」と述べた。
この「 "一つの中国" を主張する中華人民共和国が、台湾を武力で統一しようとする侵略戦争」を『台湾有事』と呼び、近年、その発生の可能性が高まっているとされているのだ。
アメリカの"あいまい戦略"
この台湾有事は、せいぜい中華人民共和国・台湾・日本・朝鮮半島程度にしか影響を及ぼさないようにも見えるが、なぜかアメリカをはじめとする西側諸国が出張ってきている。
これは、世界の勢力図を考えるとわかりやすい。
現状として、世界の覇権・主導権を握っているのはどこだろうか。
これは明らかにアメリカである。
そして、そのアメリカに西側諸国(主に白人諸国)が追従している形だ。
そのアメリカの覇権に、「我が中国こそが世界の "中" 心の "国" である(中華思想)」とする中華人民共和国が挑戦しようとしている。
ここで、中華人民共和国付近の地図を見てみよう。
これは「逆さ地図」と呼ばれ、中華人民共和国付近の地図を上下反転させたものである。
アメリカは太平洋の覇権を握っており、中華人民共和国がこれに挑戦するには、地理的に自国を閉じ込める形となるフィリピン、台湾、尖閣諸島、沖縄を突破する必要がある。
反対に言えば、アメリカはこのフィリピン~沖縄の「中国封じ込めライン」を死守せねばならないのだ。
よってアメリカは、中国が台湾へ武力行使した場合の対応を明確にせず、あいまいな立場をとることで、中国の行動を抑止する戦略をとっている。
これを「あいまい戦略(戦略的曖昧さ)」と言う。
アメリカは中華人民共和国と国交を結び、「一つの中国」の主張を認識する(acknowledge)が、その一方で「台湾関係法」(1979年4月10日制定)を制定・維持している。
この台湾関係法は、「平和手段以外で台湾の将来を決定しようとする試みは、いかなるものであれ、地域の平和と安全に対する脅威である」とし、自衛のための兵器を台湾に供給することや、台湾に危害を加える行為に対抗しうるアメリカの能力を維持することを定めている。
ただし、アメリカによる台湾の防衛義務は定められていない。
このような "曖昧さ" を維持することにより、「アメリカは軍事介入するかも知れないしぃ、しないかも知れないよぉ?」とし、中国による台湾侵攻、そして台湾が独立を目指し緊張を高める事態を抑止しているのだ。
逆さ地図と第一列島線、第二列島線
先ほどの「逆さ地図」によって、フィリピン~沖縄が中国を閉じ込めているとわかった。
そして、中国はこの「中国封じ込めライン」に対し、「第一列島線」と「第二列島線」を設定している。
南シナ海からフィリピン、台湾、尖閣諸島、沖縄を「第一列島線」とし、日本から小笠原諸島、グアムを「第二列島線」とした。
中国はまず第一列島線内の制海権を確保し、その後に第二列島線内の制海権を確保、そうして太平洋へと進出することを目論んでいる。
この第一列島線と第二列島線は我が国にも大きくかかわる考え方であり、そろそろ国民の間で共有せねばならない時期に来ていると思う。
我が国の台湾に関する立場
岸田政権は「我が国の台湾に関する立場は、1972年の日中共同声明にあるとおりであり、この立場に一切の変更はない」としている。
>日中共同声明
日中共同声明において、明確に台湾に触れているのは第三項。
これは一般に、以下のように解される。
日本は「台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部である」とする中国の立場を「十分理解し、尊重する」が、この主張を「承認」するものではない。
そして「ポツダム宣言第八項に基づく立場」とは、以下のカイロ宣言における領土条項の履行を指す。
「中華民国」はカイロ宣言当時の中国であり、日中共同声明第ニ項において、日本は中華民国に代わり、中華人民共和国を「中国の唯一の合法政府であることを承認」した。
よって、カイロ宣言の「中華民国」は「中華人民共和国」と読み替えるのが一般的だ。
そのため、日本は「台湾および澎湖諸島の中華人民共和国への返還」を受け入れることとなる。
この「ポツダム宣言第八項に基づく立場を堅持する」というのは、前段のみで中国が納得しなかった場合の第ニ案であったという そして案の定、この第二案を採用することとなった 。
ここで留意が必要なのが、「台湾の最終的地位は未解決である」ということだ。
「中華人民共和国政府の立場を十分理解し、尊重し」とし、「承認する」としなかった理由はここにある。
日本は「台湾を中華人民共和国に返還すること」に異議を唱えない。
しかし、「台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部であること」を承認するものではない。
よって、中華人民共和国と台湾の話し合いで台湾が統一される場合は「国内問題」であるが、中国が武力による統一を試みるのであれば、これはまた話が違うぞ、ということになるなのだ。
ただし、日本は中華人民共和国に台湾を返還しているので、「台湾の独立」を支持する意思はない。
「いったい何を言っているのか」と思うだろう。
私もそう思う。
だがしかし、外務省の「台湾に関する日本の立場はどのようなものですか」に対する返答を見れば、日本政府が上に説明した通りの立場をとっていることがわかるのだ。
日中共同声明において、「台湾の中華人民共和国への返還」を認めている。
しかし、「台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部であること」は認めていないので、非政府間で独自の交流を継続している。
そして、台湾をめぐる問題について、「話し合いを通じて平和的に解決されること」を願っていると。
以前、物議を醸した麻生太郎氏のご発言にも、この認識が表れている。
我が国は日中共同声明に基づき「台湾の独立」は支持しないが、同時に「武力による統一」も認める立場ではない。
そのため、「独立せよ」とは言わないが、「戦う覚悟が必要だ」となるのである。
このような経緯を鑑みるに、「我が国の台湾に関する立場は、1972年の日中共同声明にあるとおりであり、この立場に一切の変更はない」とは、「我が国は台湾に対する支配を放棄し、中国唯一の正当な政府である中華人民共和国に返還し、『一つの中国』の主張を尊重するが、武力による台湾統一も台湾の一方的な独立も認めない」であると言えるだろう。
素直に読めば非常に無理筋な屁理屈であるように思うが、こうでなければ、日本は台湾周辺のシーレーンを諦めることになり、それは海洋国家として死を意味する。
台湾を中華人民共和国に返還しなければ、戦後処理の不履行にもなり、日中国交正常化も叶わなかった。
しかし、「一つの中国」論を承認してしまえば、台湾への武力侵攻が「反乱軍に対する制圧行動(国際法上の内戦)」となり、日本が口を挟む余地を失ってしまう。
そのような難しい立場でのこの決断であり、そして現状として、政府は上記ままの行動をとっているのだ。
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日中首脳会談(2023/11)
11/16、APEC 首脳会議に出席するため米国・サンフランシスコを訪問中の岸田首相は、中国の習近平国家主席と首脳会談を行った。
大前提として、中国の習近平国家主席と会談をしたからといって、日中間の問題が解決することは有り得ない。
日中双方の利益が相反している以上、我が国が折れれば話が別だが、そうでもしなければ問題解決を望むことはほぼ不可能だ。
アメリカやその他の同志国との首脳会談は「問題解決と調整、国際社会へのアピール」と考えるべきだが、中国など利益が相反している国家との首脳会談は、あくまで「国際社会へのアピールと相手国への圧力をかける場」と認識すべきである。
そのうえで、外務省発表のページを読むに、今回の日中首脳会談において岸田首相は、以下の8つを中国に突きつけたと理解できる。
①尖閣諸島・東シナ海情勢
外務省のページには、以下のようにある。
外務省発表にある「日中防衛当局間の海空連絡メカニズムの下でのホットラインの運用開始」とは、以下を指す。
・>日中防衛当局間ホットライン
「日中防衛当局間ホットライン」とは、日中の防衛当局どうしが直接連絡を取り合う仕組みを指す。
設置は2023年3月1日だが、5月16日に16時30分から約20分間、浜田防衛大臣が李尚福中国国防部長と初回の通話を実施した(防衛省発表)ため、外務省発表の「5月」はこの件を指していると考えられる。
この仕組みは、自衛隊と中国人民解放軍の偶発的な衝突を防ぐために設置されたものであり、決して "友和の証" などではなく、『緊張感の高まり』を表していると言えよう。
台湾・尖閣有事を目論む中国政府にとっても、その有事対応を念頭に置く日本政府にとっても、偶発的な軍事的衝突による有事開始は望むものではない。
可能な限り有事を避けたい日本にとってはもちろんのこと、準備を万全に整えて戦争に臨みたい中国にとっても、それは避けたい事態なのだ。
そのため、お互いに情報を交換できる状態にしておき、"すれ違い" が起きないようにしている。
それがこの「ホットライン」なのである。
5月16日の初回通話では、日中の両大臣が、ホットラインを含む「日中海空連絡メカニズム」が、日中間の信頼醸成及び不測事態の回避といった重要な役割を担っていること、今後、ホットラインを適切かつ確実に運用していくことを確認している(防衛省発表)。
そのうえで、浜田防衛大臣(当時)が、東シナ海情勢等の日中間における安全保障上の懸念の存在について言及している(防衛省発表)。
・領海領空侵犯とスクランブル発進
このホットラインが象徴するように、日中間の緊張は大きく高まっており、その原因は中国にある。
東シナ海における中国の暴挙をまとめているとキリがないが、対日本に対する横暴のみに絞っても、以下のような惨状であるのだ。
上記のグラフでは青い折れ線グラフが接続水域内確認隻数を指し、赤い棒グラフが領海侵入延隻数を指す。
そして、2023/11の状況は、21日時点で接続水域入域が21日(76隻)、領海侵入が6日(19隻)となっている(海上保安庁発表) 2023/10は接続水域入域が31日(108隻)、領海侵入が3日(8隻)(海上保安庁発表) 。
これが海の現状だ。
そして、日中の間には海のみならず、空がある。
2022年度の緊急発進(スクランブル発進)回数は778回であり、推定を含め、緊急発進回数の対象国・地域別の割合は、中国機約74%、ロシア機約19%、 その他約7%だった(防衛省統合幕僚監部発表)。
上記の画像からもわかる通り、近年、中国機の活動範囲は東シナ海のみではなくなり、太平洋や日本海にも拡大している。
そして、2013年度以降、年度全体のスクランブル発進回数は700回を超え続けている(防衛省統合幕僚監部発表)。
・>緊急発進(スクランブル発進)とは
つまり、スクランブル発進とは「領空侵犯の恐れのある航空機に対して自衛隊機が緊急的に発進し、行動を監視、警告などを行うこと」を言うのである。
・結論
日中間における尖閣諸島・東シナ海の情勢には、このように多くの、そして大きな問題が存在する。
これに、日本側は可能な限りの対応をしたうえで、岸田首相は首脳会談という公の場で、「尖閣諸島を巡る情勢を含む東シナ海情勢について深刻な懸念」を改めて表明したのである。
「口先だけ」と言う感情右翼もいるが、ではこれ以上どうしろと言うのだろうか。
おそらく「領空侵犯機を撃墜、領海侵犯船を撃沈せしめよ」と言うのだろう。
私も感情的にはまったくの同意見だが、今、この情勢下において先に直接的な武力を行使することは悪手でしかない。
そのため、独立・主権国家としてスクランブル発進等の対応を継続すると共に、世界が注目する「日中首脳会談」という、公で対外的な場において、中国による横暴を指摘し続けるのが最善であると言えよう。
②日本のEEZ内に設置された中国ブイ
外務省発表には、以下のようにある。
この「日本のEEZに設置されたブイ」とは以下のものを指す。
この中国ブイには「中国海洋観測浮標QF212」とあり、明確な目的は判明していないが、気象観測や、軍事目的で海中データ収集を行っているのではないかとされている。
岸田首相はこの不法なブイの撤去を中国側に求めたわけだが、国内では「なぜ撤去しないのか」との声も尽きない。
これについては、高市早苗経済安保大臣がわかりやすく解説してくださっているので、そちらを引用しようと思う。
・高市大臣による説明
高市大臣のYouTube動画によると、以下の通り。
・結論
「①尖閣諸島・東シナ海情勢」の「結論」において述べたことにも通ずるが、今、日本は安易にブイを撤去するべきではない。
EEZ(排他的経済水域)内へのブイ設置は明確な国際海洋法条約違反であり、また日本の主権を軽視し害する行為に他ならないので、設置はもちろん、その放置も是とはできない。
これは大前提だ。
しかし、条約上の根拠が不明瞭な状態(=撤去後、予想される中国の外交戦に明確な反論ができない状態)で、領海外のブイについて安易に撤去へ踏み切ることも、これまた是とできないのである。
今、日本は有事対策に最大限のリソースを注ぎ込むべきであって、無用な争い、外交戦にリソースを割くべきではない。
また、「理はこちらにある」としても、反論根拠が不明確な状態では、外交戦に敗北する可能性だって大いにある 理がこちらにある従軍慰安婦・徴用工強制連行の歴史戦で押し負けて来たことを忘れてはならない 。
そのため、今は慎重に条約の確認を行うと共に中国へ撤去を要請すること、即ち岸田政権の行動そのものが正解であると言えるのだ。
・P.S. 安倍政権下における中国ブイ
岸田政権の中国ブイに対する姿勢を非難するキシダガーの中には、「安倍さんが生きていたら……」とする者が少なからず存在する。
では、安倍政権下における中国ブイの対応はどうなっていたのだろうか。
少なくとも2013、2016年、2018年にも中国による海洋ブイの設置(EEZ内)は確認されているが、いずれも日本側によって撤去された事実はない。
そして当然ながら、2013年、2016年、2018年と、時の政権はすべて安倍政権である。
私は安倍晋三支持者であるが、いや、あるが故に、事実を歪曲し、「安倍さんが生きていたら……」と妄想を垂れ流して岸田政権を攻撃する行為を許すわけにいかない。
③軍事活動の活発化
外務省発表には、以下のようにある。
「我が国周辺での軍事活動の活発化」については、「①尖閣諸島・東シナ海情勢」や「②日本のEEZに設置された中国ブイ」で触れた内容、また台湾への圧力や日本EEZ内へのミサイル着弾なども含まれることだろう。
そして①、②と異なるのが、「ロシアとの連携を含む」という点だ。
・>日本EEZ内へのミサイル着弾
記憶にない方もいらっしゃるかと思うが、2022年の8月、中国が発射したミサイル5発が日本のEEZ内に着弾している。
そしてこのミサイルは沖縄県の与那国島から数十kmの近海に着弾しており、「与那国への攻撃(即ち日本領土への攻撃)を想定した訓練ではないか」と分析する向きもある。
・中露の連携
2022/2にロシアがウクライナへ軍事侵攻を開始し、未だロシアによるウクライナ侵略戦争が継続されているのは、世界的に周知の事実となっている。
これに対し我が国は、「力による一方的な現状変更」を許さず、ロシアの行為を非難する立場を明確にしている。
しかし、中国は「客観的かつ公正な立場」を主張しつつも、以下のような親露的言動をくり返している。
そのうえで、中国は実際に、ロシアへ軍事的な協力をしているものとして考えられている。
中露協力の姿勢については情報戦の真っ只中でもあり、情報の精査は非常に難しいのだが、少なくとも中国はロシア寄りの姿勢を堅持しており、また西側諸国は中露が密接な関係にあると見ていることは事実である。
そのうえで、以下は言い逃れのできない事実であり、中露が密接な関係にあることを明確に示す事項と言える。
・結論
力による現状変更を認めることは、台湾有事(=力による現状変更)を容認し、発生の確率を高める行為にほかならない。
そのため、岸田政権はウクライナと協力、ロシアを非難して制裁を課し、そのうえで連携する中国に深刻な懸念を改めて表明、国際社会へ日本の立場を明確にしているのだ。
④台湾海峡の平和と安定
外務省発表には、以下のようにある。
これを理解するには「台湾有事」について知っておく必要があるため、「【重要知識】台湾有事」の章をご確認いただきたい。
・結論
「【重要知識】台湾有事」の章をご確認いただければわかるが、中華人民共和国は歴史的にも別存在(中華人民共和国が台湾を実行支配した歴史はない)である台湾の存立を脅かし、また周辺諸国にも牙を剝いている状態なのだ。
台湾海峡の平和と安定が崩れることは、関係諸国の安全のみならず、世界の秩序すら崩壊させてしまうことを意味する。
そのため、岸田政権は「台湾海峡の平和と安定が我が国を含む国際社会にとっても極めて重要である」とし、中国に自制を求め、かつ我が国の立場を明確にしているのである。
⑤我が国の台湾に関する立場
外務省発表には、以下のようにある。
本節についても、「【重要知識】台湾有事」の章(「我が国の台湾に関する立場」以降)をご確認いただきたい。
・結論
日中台の歴史を鑑みるに、日中首脳会談における「我が国の台湾に関する立場は、1972年の日中共同声明にあるとおりであり、この立場に一切の変更はない」とは、「我が国は台湾に対する支配を放棄し、中国唯一の正当な政府である中華人民共和国に返還し、『一つの中国』の主張を尊重するが、武力による台湾統一も台湾の一方的な独立も認めない」であると言える。
素直に読めば非常に無理筋な屁理屈であるように思うが、こうでなければ、日本は台湾周辺のシーレーンを諦めることになり、それは海洋国家として死を意味する。
台湾を中華人民共和国に返還しなければ、戦後処理の不履行にもなるし、日中国交正常化も叶わなかった。
しかし、「一つの中国」論を承認してしまえば、台湾への武力侵攻が「反乱軍に対する制圧行動(国際法上の内戦)」となり、日本が口を挟む余地を失ってしまう。
そのような難しい立場でのこの決断であり、そして現状として、日本政府は上記ままの行動をとっているのだ。
今回の日中首脳会談では、日中共同声明に基づき「武力による台湾統一を認めない」との立場を、今一度、中国に対して突きつけた形になる。
⑥中国における邦人拘束事案
※本節は性質上、不確定な情報を含みます。
外務省発表には、以下のようにある。
近年、中国において邦人(日本人)が拘束される事案が相次いでいる。
中国の国内法として「反スパイ法」(中華人民共和国反間諜法)が施工された翌年の2015年以降、「スパイ行為への関与」として、少なくとも17人の日本人が当局に拘束されてきた。
2023年3月にも、大手製薬会社の日本人男性が中国国家安全局によって拘束され、居住監視措置を経た後、10月19日に逮捕された。
そして先日、2019年に反スパイ法違反で逮捕された50代の日本人男性に対し、懲役12年の判決が確定。
現状として情報を整理すると、おそらく中国は公安調査庁をスパイ組織として扱っているようで、たとえスパイ行為を働き中国の主権・国益を害したわけでなくとも、公安調査庁との接触が確認されただけで逮捕された事例もあるようだ。
この反スパイ法は今年7月に改正され、「国家の安全や利益に関わる文書、データ、資料、物品」を窃取・偵察・買収・提供する行為がスパイ行為として追加された。
しかし、この「国家の安全や利益」がなにを指すかは国家安全当局が決定するため、恣意的な運用余地の拡大に西側諸国も大きな懸念を示している。
中国はまぎれもない独裁国家であり、独裁国家の法というのは、やはり恣意的に運用されてしまうものだ。
改正前の反スパイ法は40条だったのが、改正後には71条にまで内容が追加されている。
だが、あくまで立て付けは「中国の国内法」であり、これに対して日本政府ができることは非常に限られているのだ。
このような事案について、日本政府(岸田政権)は邦人の即時解放を中国に求めている 現状、日本政府としてこれ以上にできることはない 。
・P.S. 高市早苗コラム
高市早苗大臣のコラムに改正反スパイ法の条文が掲載されているので、ご紹介まで。
⑦ALPS処理水の海洋放出
外務省発表には、以下のようにある。
我が国は福島第一原発事故において発生した汚染水をALPS処理した、いわゆる「処理水」を海洋放出している。
この海洋放出は日中首脳会談までに3度行われており、1度目は2023年8月24日~9月11日、2度目は10月5日~10月23日、3度目は11月2日~11月20日に実施された。
このALPS処理水の海洋放出について、世界で2つ、科学的根拠に基づかず非難する勢力がある。
「中国」と「日本の左翼」である。
・>ALPS処理水とは
ALPS処理水とは、3.11東日本大震災の津波被害に伴う福島第一原発事故において発生した汚染水を、Advanced Liquid Processing System(多核種除去設備)によって処理した、安全基準を満たす水である。
経済産業省 資源エネルギー庁によると、ALPSの多核種除去では、トリチウムを除いた62種類の放射性物質を除去することができるのだそう。
以前はセシウム以外の放射性物質を除去することができなかったそうだが、ALPSが開発され稼働した2013年以降、発生した汚染水を高い基準で処理できるようになったのだとか。
・>トリチウムとは
このように、汚染水はALPSによって処理水となり、「安全」であるとして海洋放出されているわけだが、1つ気になる点がある。
それは、「トリチウムは現在の技術では除去できない」という点だ。
つまり、現在、海洋放出されている処理水の中にはトリチウムが含まれているということであり、これは我々の健康や資源、海で繋がる諸外国に影響を及ぼさないのだろうか。
ここで、「トリチウム」について簡単に触れておこう。
トリチウムが出す放射線は紙1枚で遮れる程度のものであり、外部から被ばくすることは考えづらい。
また、トリチウムが体の中へ入った場合も、三重 "水素" なので水と一緒に排出(10日で半分程度が排出)され、内部から被ばくする影響も、極めて小さいのだそう。
「放射性物質」と聞くとおどろおどろしいイメージをもってしまうかもしれないが、自然界にもさまざまな放射性物質が存在しており、我々は常にそれらに曝されている。
それに、レントゲン撮影やCT検査等においても、我々は多少なりの被ばくをくり返している。
重要なのは「放射性物質が与える影響の大きさ」なのであって、この観点から考えれば、トリチウムはさほど危険な物質とは言い難いのだ。
メチル水銀のような「生物濃縮」を心配する声もあるが、そのほとんどが生物の体外へ排出され、体内に蓄積されないことから、水の状態のトリチウムが生物濃縮を起こすことは確認されていない。
そのうえで、国の定めた安全基準の1/40(WHO飲料水基準の約1/7)未満へ海水で薄めた後に処分するという。
麻生太郎氏が「飲める」と発言し波紋を呼んだのが2021年。
放射性物質に着目すれば飲めることは明白なのだから、通常の海水を飲料水とするように、塩分を除去し浄水処理を行えば、なんら問題なく飲用できるはずだ。
文句があるなら私が飲むので、是非、塩分を除去して浄水処理した処理水を持ってきてほしい。
常飲するから。
また、「安全ならなぜ飲料水やその他の活用をせず海洋放出するのか」との声もあるが、飲料水への加工や活用のための運搬にかかるコストを考えれば、海洋放出に行きつくのは当然のことである。
・IAEAとは
ここで、処理水関連でよく耳にする「IAEA」という組織についても触れておこう。
IAEAは「国際原子力機関(International Atomic Energy Agency)」といい、原子力の平和利用促進、原子力の軍事転用防止を目的とした、国際的で中立的な機関である。
2023年1月現在、加盟国は176ヶ国であるという。
原発処理水の海洋放出にはIAEAが関わっており、我が国の正当性を科学的な立場から証明している。
・中国によるイチャモン外交
科学的に安全性が証明されているALPS処理水の海洋放出であるが、これに対し中国は、科学的見地に基づかない批判・非難をくり返している。
9月7日に駐日中国大使館ホームページへ掲載された、ALPS処理水の海洋放出に関するコメントについて、経済産業省と外務省が回答したものがあるので、抜粋してご紹介しよう。
この他にも、8月28日の駐日中国大使館コメントへの回答(外務省)、ALPS処理水放出開始を受けた各種事案についての中国側への申入れ(外務省)、ALPS処理水に関する日中外交当局間のやり取り(在中国日本国大使館)等々、日本政府の苦労が見える事例が多々存在する。
さらに、外務省の海外安全ホームページでは、「中国:ALPS処理水の海洋放出開始に伴う注意喚起」として、以下の内容が呼びかけられている。
このような、科学的見地に基づかない主張をくり返している国は中国のみであり、日本政府は中国に対して、正確な情報を発信するよう求め続けている。
・結論
日本のALPS処理水海洋放出は科学的に「安全」と確認されており、IAEA等の国際的機関からもそれは認められている。
そのため世界各国は処理水放出に理解を示しており、科学的根拠に基づかず日本を非難する、まさに「イチャモン外交」と呼ぶべき言動をくり返しているのは、ほぼ中国くらいとなっている。
この中国のイチャモン外交に対し、日本政府(岸田政権)はさまざまな場において、科学的根拠に基づく冷静な対応を求め、それを発信し続けている。
従軍慰安婦や徴用工強制連行などの歴史戦に敗北してきた日本であるが、今回の処理水海洋放出について各国の理解を得たのは、我が国のロビー活動の勝利と言ってよい。
・P.S. 左翼による風評被害(風評加害)
私は本章の冒頭で、以下のように書いた。
中国によるイチャモン外交も酷いものであるが、国内で同じようなことをくり返している左翼勢力も、中国と同じか、国内であるだけ中国よりも酷いものである。
現在の日本において、政党でいえば立憲民主党、日本共産党、社会民主党、れいわ新選組等が「左翼」とされるが、彼等による風評加害は枚挙に暇がない。
つまり、立憲民主党は(表では)「処理水」を公式見解としつつも、個々の議員が「汚染水」との表現を用いて風評被害を助長することについて、これを党として認めるということだ。
地元関係者が恐れているのはまさに「風評被害」であり、風評被害を煽っているのは立憲民主党をはじめとする左翼陣営。
自身で風評を煽っておいて風評を政争の具とする姿勢、これを「マッチポンプ」という。
立憲民主党に頭を悩ませていると、党本体として、党代表の名で「汚染水」との表現を用いる日本共産党が現れた……
社会民主党も公式に処理水を「汚染水」と呼び、風評被害を助長している。
処理水を「汚染水」と呼んだうえ、海洋放出を「海洋投棄」とするれいわ新選組。
れいわ新選組 山本太郎代表は、これに留まらず福島県および県民に対し「差別」と言うべき言動をくり返している。
上記4党および所属議員、そして支持者による風評被害の助長(風評加害)、福島ヘイト・差別はあまりに下劣で、あまりに卑劣だ。
そのうえで「私たちは(自分たちが煽る風評を恐れる)福島の漁師さんたちの味方です!」というような主張を展開するのだから、その姿は醜悪そのものであり、同じ人間とも思いたくないレベルである。
⑧日本産食品輸入規制の即時撤廃
外務省発表には、以下のようにある。
「⑦ALPS処理水の海洋放出」に関連して、中国は「日本産食品輸入規制」を行っている(イチャモン外交の1つ)。
・中国の輸入規制の概要
これにより、我が国の水産物関係は大きな打撃を受けた。
これに関連し、今年9月、櫻井よしこ氏の新聞広告が話題となった。
・櫻井よしこ氏の広告が炎上
8月末に中国が日本産海産物の輸入規制を開始したことに対し、櫻井よしこ氏が「日本の魚を食べて中国に勝とう」との新聞広告を配信した。
これが炎上したのだ。
このように。
私の観測範囲ではこのポストが最もエンゲージを集めていたのだが、同様・似た趣旨のポストが多く見られた。
しかし、『日本に、食費を「いつもより1000円ちょっと多く」自由に使えるおうちがどれだけある』とのことだが、広告の本文を読めば「 "年間" 1,000円ちょっと多く」であることがわかる。
おそらく「いつもより1000円ちょっと多く」との文言に脊髄反射的に反応し、それが1日あたりなのか1週間あたりなのか、1ヶ月あたりなのか1年あたりなのかを考えない者が多くいたのだろう。
1日や1週間あたりであれば1,000円を多く払うことが困難な家庭は多くあるだろうが、1ヶ月や1年あたりでそれが難しい家庭は少ないだろう。
また、1,000円の捻出が難しい場合、他の娯楽品の購入を多少抑えれば、1,000円と少しの全額を加算する必要もない。
そして、「勝ち負けの概念が全くわからん」とのことだが、「嫌がらせに負けるな。勝とうじゃないか!」というのは、そんなにおかしな考え方であろうか。
「なんでも勝ち負けで考えるなんて下品」などの意見も多く目にしたが、嫌がらせに対して勝とうとするのは当然のことであり、そもそも下品なのは、イチャモン外交によって不当に日本産海産物の輸入規制を開始した中国である。
・負けない日本
このような、卑劣なイチャモン外交に晒されている我が国であるが、日本人を舐めてもらっては困る。
この状況を黙って見ている日本ではない。
岸田政権はもちろんのこと、日本企業までが総力を挙げて対応にあたっているのだ。
もちろん中国のマーケットは巨大なので補填は簡単ではないが、日本および日本人が負けることはない。
・>ホタテ続報(2024/04)
・結論
このような中国のイチャモン外交に対し、岸田政権は日本産食品輸入規制の即時撤廃を求め続けている。
このイチャモン外交、輸入規制の問題は、我が国の経済的損失に留まらない。
本件は「相手国の経済を人質に、不当な主張を押し通そうとする」という、まさに「経済的威圧」と言えるだろう。
これは、G7においても問題とされている行為だ。
我々が中国の経済的威圧に屈さず、販路を開拓して経済を立て直すことができれば、「結束して対抗すれば、中国の経済的威圧など恐れるに足りない」というメッセージを世界に発信することができる。
これは、中国の経済的威圧に屈する(=中国の勢力として組み込まれてしまう)国を減らすことに繋がり、大局的に見れば、まさに「対中国包囲網」の形成・強化に繋がる重要な事柄なのである。
余談:国辱のキシダ
以下の画像を根拠として、「自信満々の習近平と岸田文雄首相」として、岸田総理を「国辱」とする向きがある。
上記の記事は、島田洋一氏が記事見出しの画像を引用し、岸田首相を「歩く国辱」とするポストを紹介している(当該ポストは削除済み)。
主に日本保守党支持者と層が被っているキシダガーに上記のような主張が多いのだが、これには2つの問題点がある。
ひとつは、「政策議論ではなく印象論である」という点。
習近平国家主席との写真を引用し、「中国に対して下手に、ペコペコする国辱・岸田文雄」とするポスト。
しかし、本記事において解説したような岸田首相の外交政策を見て、岸田首相を「国辱」と言えるだろうか。
理不尽に毅然と対応し、国際社会へと訴え、出来うる限りの最大限を尽くしているのが岸田外交だ。
そのような岸田首相に対して、一瞬の切り取りに過ぎない画像を用いて「国辱」といったイメージを植え付けようとするのは、決して健全な政権批判とは言えない。
もうひとつは、さらに酷い。
なぜならば、引用されている画像は今回の日中首脳会談におけるものではなく、昨年に撮影されたものだからだ。
この画像を引用する者もいる。
あまりに卑劣だ。
また、政策でない部分に関しても、岸田首相が「歩く国辱」ではないことが報じられている。
・恫喝のキシダ
皆が「媚中の弱腰メガネ岸田文雄」と言っている間、私は「武闘派広島ヤクザの岸田文雄」と言い続けた。
日中首脳会談という対外的な公の場において、「握りこぶしで机を叩く」というのは、これはまさに「武闘派広島ヤクザ」と言うべきではないだろうか。
関係者は「気合が入ったときの動き」と言うが、気合いが入ったからといって、公の外交の場で机は叩かないだろう、普通は(笑)
さすが武闘派広島ヤクザの岸田文雄、我らが誇る、日本の総理大臣だ。
私はこの、理不尽に屈さず闘う広島ヤクザを、全力で支持していく所存である。
まとめ
岸田首相は、決して日本側の立場を譲歩せず、真正面から上記を叩きつけてきた。
中国がブイを撤去しないことや、中国船舶の行動等をもって首脳会談の成果を否定せんとする者もいるが、あまりに政治を単純化して考えすぎだ。
日中首脳会談を実施したからといって、中国側が簡単に態度を軟化させるはずがない。
首脳会談で中国の態度をどうこうできると言うならば、それこそ「話し合いで解決」とする左翼と同じ主張をしていることになる。
ここでは、「日本は譲歩しない」という姿勢を、中国、そして国際社会へと見せつけることに大きな意味があるのだ。
「日本は中国の思い通りにはならない」と中国共産党に示し、「我が国は対中国の最前線として、覚悟をもって闘っている」と国際社会に示すことに意味があるのだ。
これが中国に対する抑止力となり、国際社会へ支援を呼びかける際のプラスにもなる。
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【歴代5例目】国賓待遇で訪米(2024/04)
岸田首相は04/08~/14、「国賓待遇」でアメリカを公式訪問した。
日本首脳が国賓待遇で公式訪米するのは、2015年の安倍首相(当時)以来、9年ぶりとなる。
また、日本の首相が国賓待遇で訪米したのは、確認できる限り今回の岸田首相を含めて5例のみだという(中曾根康弘首相(1987年)、小渕恵三首相(1999年)、小泉純一郎首相(2006年)、安倍晋三首相(2015年)、岸田文雄首相(2024年))。
「アメリカ様に認められた!」とシッポを振るわけではないが、「日米同盟の米が日を国賓待遇で招待した」というのは日米同盟の強さ・濃厚さを国際社会へ示すことになり、これは間違いなく『抑止力』として機能することだろう。
とくに、前回の国賓待遇が安倍晋三元首相であり、各国に対して「同盟国であるアメリカが、Fumio Kishida を Shinzo Abe と同じレベルで扱っている」というメッセージを発することにもなり得るため、関係が深くない国に対しても「岸田文雄」の存在をアピールすることができる。
「日本がアメリカをサポートする時代」
(戦後レジームからの脱却)
これを「国賓待遇訪米における岸田政権の成果」に含めるべきかは悩むところであり、事実関係の検証も困難である。
しかし、岸田首相の言動や政策を見れば確度の高い情報であると考えられ、また国際的な日本の立場を考えるうえで重要な話であると思うので、ここでご紹介しておきたい。
これまで、戦後からの日米関係というのは「対米従属」と揶揄されるなど、明らかに「アメリカが上、日本が下」といった関係値であった。
これは日本にとって「アメリカに一方的に守ってもらえる」というメリットもあったが、「だからこそアメリカ様に逆らえない」という側面も間違いなくあったと言えるだろう。
そして、安倍政権になって集団的自衛権の行使を限定的に容認、我が国の存立にかかわり、武力行使の新三要件を満たす場合において、日本がアメリカと共に血を流すことができるようになった。
「ただアメリカに守ってもらう」という関係から「日本もアメリカと共に戦う」という関係値にかわり、"日米対等" に近づく、つまり「"アメリカ様の仰せの通りに" ではない」という関係に近づいたのだ。
この集団的自衛権の限定行使容認からわかる通り、「日米対等」は安倍晋三元首相が目指された日米関係であって、"戦後レジームからの脱却" のなかでも重要なものであると言えるだろう。
これがようやく、「アメリカをサポートできるようにならなければならない」ではなく、「アメリカをサポートしていく時代に入った」と日本の総理大臣が口にできる時代となり、そして岸田首相がここを意識しているということが明確となったのだ。
岸田首相が「安倍晋三と反目しており、安倍政治を壊した」かのように言う言論人、自称保守層もいるが、本記事においてご紹介している政策、そしてこの精神性、米議会演説を見れば、「岸田首相は安倍路線の継承者である」と断言できる。
>櫻井よしこ氏のキシダ評
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【日米首脳会談】
2024年4月10日、米国・ワシントンDCにおいての岸田首相とバイデン大統領による日米首脳会談が行われた。
・☆尖閣諸島に日米安保条約第5条適用☆
この一点のみでも記事を作成したいレベルの成果だが、岸田首相は上げる成果の数とレベルが桁違いなので、本記事の一節のみでお許し願いたい。
今回の訪米において行われた日米首脳会談の結果として発表された「日米首脳共同声明」では、中国が領有権を主張している我が国の固有の領土「尖閣諸島」について、日米安保条約(日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約)の第5条が適用されると明言された。
つまり、「尖閣諸島に対する攻撃は、日米安保条約に基づいた防衛措置の対象となる」ということが、改めてアメリカの公式声明として発表されたわけである。
これは、我が国の固有の領土である尖閣諸島について正当性なく領有権を主張し、また領海・領空侵犯をくり返す中国に対して、「日米は中国の横暴を決して許さず、断固たる措置をとる用意がある」と示したことになるのだ。
尖閣諸島に対する安保5条の適用は以前から不安定かつ不明瞭だったので、このタイミングでアメリカの公式声明として引き出せたことは大変喜ばしく、これを引き出した岸田首相は称賛に値する。
・「防衛装備移転三原則」運用指針改正
日米首脳会談後の共同声明においてこのように触れられた「防衛装備移転三原則及びその運用指針の改正」とは、以下の通りである。
日英伊で戦闘機を共同開発するにあたって、「防衛装備移転三原則」の運用指針が改正された。
今回の改正では、「防衛装備品・技術移転協定」を締結した15ヶ国のうち、戦闘が行われていない国に限り、次期戦闘機について、パートナー国以外の第三国に対する移転(輸出)を認めることが決定されたのだ。
ただし、実際に輸出を行う場合には、案件ごとの閣議決定を必要とする。
「防衛装備移転三原則」は、佐藤栄作総理大臣が国会答弁において触れた指針「武器輸出三原則」をルーツとし、安倍政権下において定められたもの。
今回はこれの運用指針を改正し、「殺傷能力のある完成品を第三国に輸出することが可能となった」のである。
これによって我が国は、戦闘機に巨額投資を行って防衛力を大幅に強化するとともに、完成した戦闘機を輸出することで利益をあげ、巨大投資を回収することが可能になったのだ。
また、この運用指針改正については「日本国憲法に違反するのではないか」と疑問視する声もあるが、実は戦後、我が国は1950年代後半から1960年代にかけて、ミャンマー(ビルマ)や南ベトナム、タイ、インドネシア、台湾、ブラジル、アメリカなどに殺傷能力のある武器を輸出しており、言うまでもなく、今回の運用指針改正は現行憲法に違反しない。
平和を維持するには力が必要であり、力をつけるには防衛産業を潤すことが必要不可欠。
そのうえ、「他国の安全保障に介入する」というのは『味方、少なくとも敵ではない国を増やす』ことでもあり、これも我が国を守ることに繋がるのである。
キッシー、マジでGJ!
・極超音速滑空兵器の衛星網整備で日米協力
日米首脳共同声明において、日米が「極超音速滑空兵器(HGV)を探知・追尾する衛星網の整備」において協力すると発表された。
極超音速滑空兵器(HGV)は、マッハ5(音速の5倍)以上で低空を飛行し、機動性があるため、探知や迎撃が困難であると言われている。
アメリカはこれの追尾を目的として、多数の小型衛星を連携させる「衛星コンステレーション」の構築を進めており、共同声明では、日本が低軌道で衛星網を構築することについて、アメリカが協力すると明記された。
この "協力" においては、打ち上げ試験や情報共有、分析での連携も行われるという。
また、中国やロシアが他国の衛星を攻撃する衛星(キラー衛星)を開発していることを踏まえ、宇宙空間の監視でも協力することが確認された。
・2025年~定期的な日米英合同軍事演習
日本、アメリカ、イギリスによる三ヶ国共同訓練を、2025年(来年)から、インド太平洋地域において、定期的に実施することが発表された。
これについては、日米首脳共同声明においても触れられており、その重要性と注目度の高さが窺える。
他国の軍との合同演習では、軍事関係における連携の強さを各国に見せつける効果はもちろん、実際に有事となった場合の連携をスムーズにする効果や、互いの技術・練度に新たな要素を取り入れる効果を期待できる。
これをインド太平洋地域で実施するということは、まさにこの地域の覇権を狙って横暴をくり返す中国への牽制に他ならないのであって、また、実際に中国が行動を起こした際の予行演習ともなるのだ。
・自衛隊と米軍の連携強化
岸田政権は防衛力強化の一環として「統合作戦司令部」を自衛隊に新設する計画を進めているが、これに加え、日米両軍の指揮統制の連携を強化することで合意した。
具体的な内容については2+2による議論・調整が行われることとなった。
また、この連携強化に「自衛隊が米軍の指揮下に入るということか」との不安も挙がっているが、林芳正官房長官は以下のように回答しており、これは日本が主権国家であることからも当然と言えるだろう(日米地位協定等の問題もあるが、「今から隷属的関係を新たに結ぶ」ことは困難と言える)。
あくまで「連携の強化」である。
・マイクロソフトが4400億円の対日投資
外資企業の進出には否定的な声もあり、私もあまり産業を売り飛ばすべきではないと考えるが、マイクロソフトのAIおよび人材育成や、TSMCの半導体関連事業を呼び込むことは産業の活発化につながる。
岸田政権に入って活発化している、我が国が遅れをとっている半導体や、今後に伸びるであろう生成AI等について先進国各国と連携をとる動きは、私はこれを歓迎する。
さらに、これらの動きは「他国が日本の防衛に積極的に参加する理由」を増やそうとしているとも解釈でき、また実質としてそのような働きをし得る動きである。
本当に抜け目がない。
また、この対日投資については日米首脳共同声明においても触れられており、期待度の高さが窺える。
岸田政権は先進・重要産業への投資を重要視しており、今後の日本経済を考えれば、非常に重要な分岐点を迎えているのだと思う。
・中国ブチ切れ
「キシダは媚中」「キシダは習近平の犬」というのは、日本保守党周辺を中心に未だに根強い主張だが、これが "犬" なら習近平・中国国家主席はあまりに間抜けだろう。
・輪島塗だよ、ジョー
今回の国賓待遇訪米において、岸田首相は「輪島塗」の工芸品をジョー・バイデン大統領に贈った。
この美しい「輪島塗」は石川県の伝統工芸であり、石川県は2024/01の能登半島地震において甚大な被害を受けた被災地である。
当時、私は上記の首相官邸のポストを引用してご紹介したのだが、「認知の歪み」「被災地をパフォーマンスに利用するな」「被災地を見捨てたくせに」といったニュアンスで非難された。
しかし数日後、彼らにとっては予想だにしなかった、私にとっては予想通りの事態が報じられたのだ。
岸田首相が「輪島塗」をバイデン大統領夫妻に贈り、日本国民、そして世界の人々にその美しさを見せつけた結果、注目が殺到し、被災地の産業を潤すことに繋がったというのである。
「ウクライナ訪問(2023/03)」の章において触れた "しゃもじ外交" もそうであるが、岸田外交は隅々まで計算され尽くしている。
キシダガーと呼ぶべき層から叩かれたしゃもじ外交はロシアはじめ各国に外交メッセージを発し、キシダガーと呼ぶべき層から叩かれた輪島塗外交は被災地の復興にブーストをかけた。
"見事" と言うほかない。
バイデン夫妻に贈られた「輪島塗 青ぼかしカップアンドソーサー」の公式サイトはこちら。
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【米議会演説(9年ぶり2例目)】
岸田首相は今回の国賓待遇訪米において、アメリカ議会での演説を行った。
日本首相が上下両院の合同会議で演説するのは、2015年の安倍首相(当時)から9年ぶり2例目。
これについて安倍晋三元首相を支持する言論人のなかには、「岸田首相の訪米は安倍総理の訪米を上書きして消す行為だ」とする者もいた。
安倍晋三元首相を支持する身として、本当に恥ずかしい限りだ。
岸田首相は議会演説の冒頭、次節全文の太字化した部分において、安倍元首相の訪米、議会演説について触れている。
忘れていた者に思い出させ、知らなかった者に知らせ、"安倍晋三" を、米議会に深く刻み込んだのだ。
そもそも、安倍晋三元首相が暗殺された際、「国葬儀」を決定、実行し、日本の歴史と世界の歴史に "安倍晋三" を刻み込んだのは誰だと心得ているのか。
・全文
・意訳
・【総評】先の大戦「反省」触れず
(戦後レジームからの脱却)
私は今回の岸田首相の演説を受け、「この漢が今、我が国の総理大臣として国を背負っているのか…!」と、もはや感動を覚えた。
まず第一に、岸田首相は今回の米議会演説において、「先の戦争の反省」について一切の言及をしなかった。
これは事前に報道されていた通りだ。
これと対比し、安倍首相(当時)は2015年の米議会演説において、以下のように触れている。
私は安倍晋三支持者であり、日本首相として初めて上下両院合同会議演説を行い、"希望の同盟" と題して感動を呼び、日米の関係を世界に位置付けた安倍首相(当時)の演説を否定するつもりはない。
ただ、「安倍首相(当時)が触れた『先の大戦に対する反省』について、岸田首相は触れなかった」というのは事実であり、2015年から9年間、安倍政権、菅政権、岸田政権と移り行くなかで、"戦後レジームからの脱却" が進んでいることが窺える。
我が国は戦後の荒廃から復興し、為すべき謝罪と賠償を済ませ、今では経済・防衛ともに世界の一員として重要な地位を務めるようになった。
ナチス・ドイツを生み出したドイツや同じ枢軸国であったイタリアが国際社会の一員として活躍する現在、我が国だけがいつまでも卑屈な姿勢を貫き、中国やその他反日的国家から謂れもない外圧を受け続ける必要などない。
我が国に求められてるのは卑屈な姿勢ではなく、国際社会の一員として、誇りと責任をもって活躍する姿である。
それを、岸田首相は内外に示したのだ。
そしてその宣言は、大東亜戦争を戦う敵国であったアメリカの議会において、なんら責められることなく、反対に称賛を受ける結果となった。
そのうえで、岸田首相の米議会演説の内容を見れば、「アメリカに寄り添って頭を撫でながら、アメリカを鼓舞してケツを蹴り飛ばす」ものになっているように感じるのだ。
現在、アメリカでは「他国の争いに干渉せず、自国のことだけに集中しよう」という孤立主義、モンロー主義への回帰を主張する勢力が一定の力を持ち、ドナルド・トランプ前大統領が再選をすれば、国策としてその傾向が反映される恐れがある。
そうなれば日本をはじめとする西側諸国は「アメリカの力をあてにした安全保障」から一気に方向転換を迫られることになり、岸田政権は既にその方向で安全保障政策を転換しているが、台湾有事の危機が目前の今、このタイミングでのアメリカの離脱を受け入れることはできない。
岸田首相はその孤立主義への回帰について、その主張を否定するわけではなく、根底にあるプレッシャーや痛みについて、「希望を一人双肩に背負うことがいかなる重荷であるのか、私は理解しています」と寄り添って見せた。
そのうえで、「米国のリーダーシップは必要不可欠」としてアメリカの功績を認め、「自由、民主主義、法の支配を守る。これは、日本の国益です」として、日本は国家意思として主体的に共に闘うことを示した。
「今この瞬間も、任務を遂行する自衛隊と米軍の隊員たちは、侵略を抑止し、平和を確かなものとするため、足並みをそろえて努力してくれています」と米軍を労い、かつ自衛隊を対等に並べた。
そして岸田政権が進めた安全保障改革を具体的に挙げ、「日本は既に、米国と肩を組んで共に立ち上がっています。 米国は独りではありません。 日本は米国と共にあります」と、直接的に「日本はアメリカの仲間であり、パートナーである」と示して見せた。
日米が「宗主国アメリカと属国日本」から『対等かつ強固なパートナー』へと変化したことを、アメリカの議会において、これ以上ないほどはっきりと示して見せたのだ。
そのうえ、岸田首相は中国を名指しで痛烈批判し、その横暴さと危機の存在を世界へとアピールしてのけた。
私は岸田首相を高く買っていると思うのだが、その期待を平然と、簡単に超えてくる岸田文雄、ここまで痛快な総理大臣は他にいないだろう。
・米議員の反応
この演説について、産経新聞は以下のように報じている。
トランプ前大統領が所属する共和党
ステファニー・バイス下院議員
「米市民が聞く必要があるメッセージだ」
フレンチ・ヒル下院議員
「米国のリーダーシップは不可欠だが、米国だけでやる必要はない」とのメッセージは、「米外交が80年もの間望んできたものだ」
「見事な演説で素晴らしかった」
「日米の安全保障、外交、経済における関係は力強い超党派の支持で築かれている」
マイク・ジョンソン下院議長
「安全で安定したインド太平洋地域に向けたビジョンを聞けて光栄だ」
バイデン現大統領が所属する民主党
クリス・クーンズ上院議員
「われわれ(議会)は今、政治的な分断や相違を抱えている」
「非常にタイムリーで力強かった」
シーラ・ジャクソン・リー氏
「これまで聞いた日本の指導者の演説で最も印象的だった」
➢ 岸田首相演説を米超党派が称賛 国際秩序に貢献「待望のメッセージ」、16回立ち上がり拍手|産経新聞
また、演説後数十分にわたって握手とサインを求められ、議場を去ることができなかった様子も報じられている。
・アメポチのキシダ
岸田首相については、「習近平(中国)の犬」のみならず「アメリカのポチ」との声も根強い。
そんなアメポチのキシダが米議会で演説を行ったところ、アメリカの政策に影響を与えてしまった。
ウクライナ支援に積極的な民主党のみならず、モンロー主義(孤立主義)寄りな共和党の議員までもが、複数名、岸田首相の米議会演説を引用してウクライナ支援への支持を訴え、可決したというのだ。
「アメリカのポチ」とは。
むしろアメリカのケツを蹴り上げているではないか。
無論、イランのイスラエル攻撃などの要因も大きいため「岸田首相がひとりでアメリカを動かした」とは言わないが、民主・共和党の両党議員が岸田首相の演説を引用して訴え動かした以上、岸田首相の演説が影響を与えていることは否定しようのない事実と言える。
岸田首相の米議会演説(歴代2例目)は、確実に『歴史の転換点』となった。
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【初】日米比初の首脳会談(2024/04)
2024/04/12、アメリカの首都ワシントンで行われた日米比首脳会談は、この3ヶ国での初めての首脳会談となった。
まさに歴史的な瞬間である。
フィリピンが日米を頼りに一帯一路構想(中国が中心の枠組み)から離脱すると発表して以降、日米比の結びつきが急激に強化されるようになった。
2023年に岸田首相がフィリピン議会で演説(日本首脳として初)を行った後、多くの方々に囲まれて議会を去ることができなかった姿は記憶に新しい。
そして日本はフィリピンへレーダーを納入しており(我が国初の完成防衛装備品移転 OSA1例目)、日比準同盟への議論を開始、日米比での安全保障協力が強まることとなった。
【大転換】日米比で安全保障協力を強化
日米比首脳会談では、中国による南シナ海での横暴や、東シナ海での「一方的な現状変更の試み」について深刻な懸念を共有したうえで、海洋安全保障分野での協力を強化していくことで一致した。
これまで「中国寄り」とされてきたフィリピンだが、中国の一帯一路構想から脱退するのみならず、我が国およびアメリカとの協力を強化する方向へと舵を切ったことになるわけだ。
私はこの動きを歓迎すると共に、フィリピンに働きかけ、機を逃さなかった日米両政府の動きを支持する。
年内にも南シナ海で日米比共同訓練
日米比の3ヶ国は首脳会談において、年内にも共同訓練を行う方向を示した。
前節においてご紹介した安全保障枠組みの一環として、米比両軍の南シナ海での共同訓練またはパトロール活動に、我が国の海上自衛隊も参加する方針だという。
中国が台湾有事を目論み、南シナ海への進出(軍事拠点化)を進めている現状において、共に中国の隣国である我が国とフィリピンの連携を強め、そこに我が国と同盟関係にある軍事大国・アメリカが噛むことは、明確に抑止力を強化することになり、連携が強化されることは防衛力の強化に繋がる。
また、沿岸警備隊レベルでは、2023/06に3カ国合同訓練(我が国からは海上保安庁が参加)を行っている。
日米比で重要鉱物サプライチェーン強化
日米比の3ヶ国は、首脳会談での共同声明にニッケルを含む重要鉱物のサプライチェーン(供給網)強化を盛り込んだ。
ニッケルは電気自動車(EV)の電池等に使われる重要な鉱物で、中国が獲得を強化している。
これに対し、世界有数の生産国であるフィリピンと日米が連携することにより、安定供給の確保を目指す形だ。
かっこええなおい(笑)
「日比米首脳による共同ビジョンステートメント」の最後の言葉が以下だ。
かっこええなおい(笑)
中国が公使を呼び出しブチ切れ
「キシダは媚中」「キシダは習近平の犬」というのは、日本保守党周辺を中心に未だに根強い主張だが、これが "犬" なら習近平・中国国家主席はあまりに間抜けだろう。
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令和6年能登半島地震(2024/01)
2024年1月1日、元日である。
能登地方を震源とする、マグニチュード7.6・最大震度7の巨大地震が発生。
能登半島の地下16kmにおいて発生したこの地震は、内陸部で発生する地震としては我が国でも稀な大きさの地震であったという。
犠牲となられた方々のご冥福をお祈り申し上げ、被災された方々の、1日も早い復興をお祈り申し上げる。
このような災害を「岸田政権の実績・功績を解説する記事」に記載することは気が進まないのだが、プロパガンダ戦争かと思うほどのデマ・ミスリードが拡散されていたため、事実の確認として本章を設けさせていただく。
「災害を利用した反政権運動」に対抗するファクトチェックであるため「間違ったことはしていない」と断言するが、ご不快に思われる方がいらっしゃれば、それは申し訳ないと思う。
1月1日の対応
16時10分に震度7の揺れを観測して1分後、岸田政権は官邸対策室を設置(これはオートメーション化されている)。
そして16時15分、対策室設置から4分、揺れの観測からわずか5分で、岸田首相から指示が出された。
その後、16時30分に第2航空団が航空偵察を実施、16時45分に石川県知事からの災害派遣要請を受理。
この際の活動内容は以下の通り。
初動対応の速度
岸田政権の能登半島地震対応について「初動が遅い!」との声がSNS等において拡散されたが、上記の事実に基づき、私は「初動対応は爆速だった」と断言する。
私は関西に居住しており南海トラフ地震が想定されるが、いざ発災した際、この速度で時の政権に対応してもらえるのであれば非常に安心できる初動対応だ。
「初動が遅い!」との言説が中途半端に説得力を持ってしまったのは、おそらく自衛隊の投入数が少ないように見えてしまったからだろう。
特に熊本地震の場合と比較して「熊本地震では初動で1万人体制だったのに今回は1,000人」との論調が多く見られたが、事実としては「①熊本地震では近隣の基地に号令をかけた、②その結果1万人の数字となったが、それは現場に投入された数ではない、③能登半島付近には熊本規模の基地数がない」が事実である。
「号令がかかった周辺基地の総人員数(熊本地震)」と「実際に現場へ投入された人員数(能登半島地震)」とを比較するのは、そもそも比較対象として間違っているのだ。
また、「戦力の逐次投入」も大きく非難されたが、これは災害対応と戦闘を混同して考えている者による言説と言えるだろう。
自衛隊や軍隊において「戦力の逐次投入」は否定的に語られる場合が多いが、それは『各個撃破されるから』であって、災害対応は撃破されるものではない。
そのうえ、今回は能登半島の地理的要因上、陸海空路のほとんどが寸断されており、一度に大量投入を行うことが困難だった。
インフラ断絶の環境においては、投入できる箇所から逐次投入し、同時にインフラの復旧を行うことがベストであり、今回の対応はこれに則っている。
以下、和田政宗参議院議員による防衛大臣会見の解説。
特定非常災害と激甚災害指定
01/07に特定非常災害指定、01/08に激甚災害(本激)指定が行われた。
これについても、「遅い」「棄民」「見捨てた」等の言説がSNSを飛び交っていた。
まず、特定非常災害と激甚災害指定について整理しよう。
「特定非常災害」は「特定非常災害特別措置法」に基づく措置であり、指定されると様々な許認可の有効期間の延長、届け出期限の猶予など主に行政手続きについての特例が設けられる。
「激甚災害」は「激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律」に基づく措置であり、自治体への財政支援や、様々な補助制度での補助率のかさ上げなどの、主に金銭面についての特例が設けられる。
主に「激甚災害」指定について "遅い!" との言説が溢れていたが、これは被害額の概算を算出してからの指定であり、東日本大震災等の大規模災害を除いて時間がかかるものなのだ。
新年会
1月5日、岸田首相が「新年会」へ出席したことがニュースになり、これもSNS等において大きく非難を受けた。
「被災者は苦しんでいるのに、総理大臣がこのタイミングで新年会をやるのか!棄民総理!国賊キシダ!」といった言説がこれでもかと拡散されたが、これはメディアや言論人が誤解を煽った結果と言える。
岸田首相が参加した "新年会" は正確には「新年互礼会」などと呼ばれ、多くの方が想像したような宴会・飲み会ではなく、仕事の一環なのである。
総理大臣の仕事は災害対応のみではないのであって、また経済界のおじいちゃん達に顔を見せ、「御上があないに被災地支援をしとるんや!ワシも男を見せんとのぉ!」を煽ることも被災地復興へと繋がるのだ。
また、岸田首相が新年会の挨拶時につけていた胸のブローチにも非難が殺到したが、あれは主催側の識別記号のようなものであり、「地震が起きたから変更しろ」というのは無茶な話である。
加えて、「地震が起きたから花のブローチなど祝うニュアンスのあるモノは自粛しろ」というのは、新春の経済活性化を阻害し、国力への影響も考えられる話であり、推奨されるべきではない。
予備費40億円
岸田政権が「能登半島地震について予備費から40億円を支出する」と発表した途端、「金額が少なすぎる!棄民総理!国賊キシダ!」といった論調がSNSに蔓延した。
この40億支出は「まずは40億出すから初期対応に使ってくれ」というもの。
その後、岸田政権は令和6年度予算案を修正して閣議決定、国会では政府案の通りに可決された。
ここでは、補正予算を組むよりも柔軟に対応できる予備費として、5,000億円が追加計上されている。
被災地支援支出
「岸田政権は被災地を見捨てた!」と言われるが、以下の通り、順次、被災地に対して支出を行っている。
・2024/01/09 47億4千万円
・2024/01/26 1553億円
・2023/03/01 1167億円
・2023/04/23 1389億円
2024/04/25現在
合計:4156億4千万円
なぜ見捨てた土地に対して、4ヶ月で4000億も注ぎ込むのか。
なぜ予備費?
「なぜ補正予算を組まず予備費なのか!チビチビ出してケチるな!」との主張も多く見られる。
そもそも「予備費」とは、行政(内閣)の裁量で、素早く、柔軟に使うことができる予算であり、国会での審議が必要な上、用途を細かく定め、一度決定すれば変更が不可能である「補正予算」を組む合理的な理由があるだろうか。
安倍政権も新型コロナウイルス対策として10兆円の予備費を計上しており、この際、安倍首相(当時)は以下のように説明している。
能登半島地震の被災地に対して、柔軟かつ迅速に支援を行うための、予備費1兆円計上なのである。
予備費は行政の裁量による支出が行われるため、その内容が恣意的になっていないかの検証は必要であり、その可能性を指摘して予備費対応に反対するのは理解できるが、「遅い」や「ケチ」との批判は謎である。
なりわい支援パッケージ
岸田政権は、「なりわい支援」と題して、被災者の生活を守るパッケージを設計した。
ポストにおいて挙げられている「輪島塗に代表される伝統的工芸品産業」に大きく関係する箇所のみでも、以下のような支援が用意されている。
・なりわい再建支援事業(施設復旧に補助率3/4等、石川は最大15億円)
・小規模事業者持続化補助金(災害支援枠:補助率2/3等、最大200万円)
・商店街の再生支援(補助率:石川3/4、富山、福井、新潟1/2)
・被災中小企業が入居する集合型仮設施設整備に定額支援
・伝統的工芸品産業の事業継続に費用補助(補助率: 3/4、最大1,000万円)
・被災酒類業者に被災酒類に係る酒税相当額の還付、被災酒蔵等へ技術支援
・コロナ債務返済負担軽減策(ゼロゼロ融資の追加保証料ゼロ等)
・資金繰り支援(別枠3億円、金利0.9%引下げ、無利子貸付等)
・能登半島産品の販路拡充支援(特設ウェブサイト、販促イベント)
「被災者の生活と生業(なりわい)支援のためのパッケージ」の詳細については、以下の画像およびページをご参照。
➢「被災者の生活と生業(なりわい)支援のためのパッケージ」令和6年1月25日 令和6年能登半島地震非常災害対策本部
岸田首相の被災地訪問
能登半島地震の発災から約2ヶ月後の02/24、岸田首相が被災地を訪問。
これについて、「なぜすぐに行かないんだ」「行くのが遅い」「被災地を見捨てた証拠だ」などの言説も拡散されたが、私は岸田首相の訪問時期を適切であったと見ている。
災害対策基本法において総理大臣は「総責任者」となっており、岸田首相は非常災害対策本部の本部長を務めていた。
ここで岸田首相が行う仕事は「岸田首相にしかできない仕事」であるが、能登半島へ岸田首相が訪問し、この仕事を遅滞させてでも行うべきことが果たして存在するだろうか。
現地の情報は現地の部隊から伝達されるし、インフラ寸断によって救助隊もまともに投入できていない現地にSPを大量に引き連れた総理大臣が訪問し、現地の対応スタッフ等リソースを消費すべきではないだろう。
当時、被災地は自治体からも「救助隊の邪魔になるから来ないでくれ」と発されていた状況で、(れいわ新選組の山本太郎代表はここに松葉杖をついて被災地訪問パフォーマンスを行っていたが)首相はじめ議員・政治家が訪問すべき状態ではなかったのだ。
事実、自民、公明、立民、維新、共産、民民の6党は、01/05の党首会談において、所属国会議員による被災地視察を当面自粛することを申し合わせている。
日台離間陰謀論
能登半島地震の当時、政府はすべての国に対して人的・物的支援を要請していなかった(輸送路の断絶により国内レスキューすら満足に投入できない地理的要因のため)。
在日米軍が支援を行うとの報道もあったが、政府としては協議中であり、その事実はなかった(その後、状況の変化によって在日米軍の受け入れ開始)。
これに付随して、以下のニュースが報じられた。
これは、台湾の国営通信社「中央通訊社」が運営する日本語サイト、「フォーカス台湾」において報じられた記事である。
このニュースを受け、日本保守党を名乗る政治団体の百田尚樹代表、所属議員である小坂英二区議をはじめ、右派論壇から『岸田政権が中国に忖度して台湾の救助隊を拒否した』との陰謀論が展開された(本記事冒頭にも記した)。
そしてこれらの陰謀論は、台湾外交部(日本の外務省にあたる)、つまり台湾政府公式の声明によって否定された。
台湾外交部が、日本保守党および右派論壇の陰謀論を含むネット言説を、公式の声明によって否定したのだ。
もちろん、台湾政府の声明は「岸田政権が中国に忖度して台湾の救助隊を拒否した」という右派論壇の陰謀論を狙い撃ちしたものではなく、「それを含むネット言説」を否定したものである。
これは当然のことで、日本政府内に忖度の意思があったか否かなど台湾政府にわかるはずもなく、またそこまで言及するのはさすがに踏み込み過ぎているからだ(統治内言論への言及ではなく、統治機構そのものへの言及になってしまう)。
しかし、『民主主義国家が他国のネット言説を公式に否定する』というのは異例の事態である。
右派論客の支持者は「岸田政権が台湾に気を遣わせた」などと意味不明なことを喚いているが、「おかしなことを言われて日本政府さんも大変やな、私らで否定しておいてあげよう」などということは、常識的にあり得ない。
なぜならば、ネット言説は国内の問題であって、国内を管理するのは日本政府の役割だからだ。
「他国のネット言説に口を出す」ということは、『相手国政府の顔メンツを潰す』ということに他ならない。
我が国と台湾は友好関係にある。
「友好国政府の顔を潰す」など、常識的に考えれば行われるはずのないことだとわかるはずだ。
しかし、現実として行われた。
なぜか。
台湾総統選が01/13に控えていたからだ。
右派論壇が発した「岸田政権が中国に忖度して台湾の救助隊を拒否した」との陰謀論は、以下のような影響を台湾人に与える可能性があった。
・蔡英文政権(現台湾政府)は日本と上手くいっていないのか
→後継である賴清德候補も同じなのだろう
→野党に賭けるしかないか
・日本に期待してもダメそうだな
→中国と仲良くするしかないか
→現政権よりも対中姿勢が温和な野党に投票しよう
「現政権(民進党)こそが正義で野党(国民党・民衆党)は親中の売国奴」と言うつもりはないが、対中、対米に関しては民進党の方が信頼できる政党である。
馬英九前総統は国民党所属であり、過去、国民党政権において中国との距離が近くなったことも事実である。
対して賴清德氏を候補とする民進党は「現状維持」の立場であり、対中国を考えた際、民進党が最適であるとの考えが主流だ。
右派論壇が発した陰謀論は、このような民進党・賴清德候補を不利に追い込む危険性があったのだ。
だからこそ、台湾政府がブチ切れて公式声明を出した、と見るのがと正しいと言えるだろう。
実際、小坂英二荒川区議(日本保守党)は、台湾人の方に「こういう言い方は台湾近期の総統選挙に対するの干渉と捉えますので、ご注意ください」とまで言われている。
この陰謀論には、自民党議員が相当な怒りを表明しており、これは又聞き情報で申し訳ないが、「現役閣僚含む日本の国会議員がマジギレしており、以前から議論されていたディスインフォメーション(虚偽情報)対策の決定打となった」との話もある(後段はファクトチェックにかけていないので悪しからず)。
台湾総統選は親米・親日である与党・民進党の賴清德氏が勝利する結果に終わり、日台関係がより強固になることが予想される。
これが賴清德候補の敗退に終わっていれば、我々日本国民はいくら台湾に頭を下げても許されるべきでなく、また我が国もシーレーンを失い、餓死者が出るような事態に陥っていたかもしれない。
台湾には感謝するとともに大変申し訳なく、また日本国民としてSNS上のデマ・陰謀論に対する意識の強化が必要不可欠であると感じた出来事である。
東日本は3ヶ月でガレキ撤去したのに!
との言説がSNS上にチラホラ見られるが、デマである。
復興外交
2024/04の国賓待遇訪米において、岸田首相は「輪島塗」の工芸品をジョー・バイデン大統領夫妻に贈った。
この美しい「輪島塗」は石川県の伝統工芸であり、石川県は2024/01の能登半島地震において甚大な被害を受けた被災地である。
当時、私は上記の首相官邸のポストを引用してご紹介したのだが、「認知の歪み」「被災地をパフォーマンスに利用するな」「被災地を見捨てたくせに」といったニュアンスで非難された。
しかし数日後、彼らにとっては予想だにしなかった、私にとっては予想通りの事態が報じられたのだ 。
岸田首相が「輪島塗」をバイデン大統領夫妻に贈り、日本国民、そして世界の人々にその美しさを見せつけた結果、注目が殺到し、被災地の産業を潤すことに繋がったというのである。
「ウクライナ訪問(2023/03)」の章において触れた "しゃもじ外交" もそうであるが、岸田外交は隅々まで計算され尽くしている。
キシダガーと呼ぶべき層から叩かれたしゃもじ外交はロシアはじめ各国に外交メッセージを発し、キシダガーと呼ぶべき層から叩かれた輪島塗外交は被災地の復興にブーストをかけた。
"見事" と言うほかない。
バイデン夫妻に贈られた「輪島塗 青ぼかしカップアンドソーサー」の公式サイトはこちら。
噓つくのやめてもらっていいっすか?
ひろゆき「岸田首相は外交でカッコいいことしても、輪島塗りという日本の文化が亡くなることに何もしてない人ですよ」
まさに、「なんだろう、ウソつくのやめてもらっていいっすか?」案件である。
まず第一に、岸田政権は能登半島地震の被災者に対して、「なりわい支援」を行っている。
第二に、岸田首相は「国賓待遇訪米」という注目度の高い外交の場において輪島塗の美しさを世界に発信し、国家予算に加え富裕層の金を復興へと流した。
第三に、「予約2年待ち=確実に利益があがる」となれば、銀行等の融資も受けやすくなる。
そのうえ、岸田首相は以下の車座対話において「仮設工房ですが、いち早く仕事を再開いただくために、4月中のオープンを目指します」と明言し、実際に4月1日から入居が開始されている。
岸田支持者だから云々を抜きにしても、ここまで完璧な文化保全があるだろうか。
少なくとも、大谷翔平選手(メジャーリーガー)について適当なことを言って非難を浴び、謝罪へ追い込まれた直後にまた適当なことを言うひろゆき氏とは、比べ物にならないほど文化保全に貢献していることだろう。
能登半島地震初動対応 情報整理|PULP 🐈⬛
本記事においても引用した記事だが、01/02以降の動きや災害対策基本法、DMATなどについても詳しく解説されているため、ぜひご一読いただきたい。
P.S.デマバスター
能登半島地震の発災後、私を含む岸田支持者のフォロワーが爆増した。
あまりにデマ・ミスリードが投稿・拡散されたため、PULP氏やChum氏を筆頭に、「事実系インフルエンサー」と呼ばれるアカウントに注目が集まったのだ。
政府機関がここまで直接的かつ強い言葉を用いるのは、異例の事態と言ってよいのではないだろうか。
私は本章の冒頭において「プロパガンダ戦争かと思うほどのデマ・ミスリードが拡散されていたため、事実の確認として本章を設けさせていただく」としたが、誇張なくそうなのである。
本記事をお読みであれば岸田首相の存在がどこの国にとって疎ましいものかお分かりいただけるかと思うが、本気で某国統一戦線工作部等の干渉を疑ってしまうレベルでデマ・ミスリードが拡散されていた。
日本政府がカウンター発信(デマに対する正しい情報の発信)を強化するとの情報もあり、"日本版Cofacts" の創設を望む声もある。
今後、SNS上での情報戦激化は必至であり、災害はもちろん、他国や近隣・自国での戦争などについても、デマ・ミスリードには強い警戒が必要となる。
台湾東部地震支援
2024年4月3日、悲しいことに台湾の東部において地震が発生した。
我が国でも沖縄に津波警報が発表されるなど、その大きさたるや相当なものと言えるだろう。
台湾は日本の安全保障、シーレーンを考えたとき戦略的に重要な地点であると同時に、かつては同胞であり、戦後も友好関係を築いてきた大切な友好国、大切な友人でもある。
犠牲になられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災者のみなさまにお見舞いを申し上げ、1日も早い復興をお祈り申し上げる。
他国の "地震" という自然災害への対応を我が国政権の功績として取り上げることには心理的抵抗感が拭えないが、友好国との結束を強めること、また戦略的重要地点への影響を強めることは間違いなく政治の重要な役割だ。
そのため、本地震についての岸田政権の動きをご紹介しよう。
台湾語で声明を発表
日本時間の3日午前8時58分ごろ、台湾東部の花蓮県沖およそ25キロを震源とする、マグニチュード7.2の地震が発生。
これについて岸田首相は、官邸で行われた会議の中で、津波警報が発表された沖縄に加え、台湾についても「政府として情報収集と必要な対応に万全を期してまいります」と述べ、お見舞いとともに「要請に応じた早急な支援」についての言及した。
そのうえで、岸田首相は X(旧Twitter)に繁体字と日本語でメッセージを投稿、台湾を「大切な友人」としてお見舞いを伝えるとともに、「日本としては必要な支援を行う用意があります」とした。
これには台湾の蔡英文総統や賴清德副総統(次期総統)、外交部公式アカウントなどが反応してくださっている。
※「尊敬する岸田首相」としてくださった賴清德氏に対して「多くの日本人は尊敬していません」などと失礼なリプライをした参政党支持者が、日本人アカウントから大ひんしゅくを買っていたことをメモしておく。
閑話休題。
この岸田首相のメッセージに関しては、台湾の国営通信社「中央通訊社」が運営する「フォーカス台湾」も取り上げてくださっている。
友好国の非常時に相手国の言語を交えてメッセージを発し支援を表明することは、絆を深め関係を強化するうえで非常に重要なことであると言える。
緊急無償資金協力1億5000万円
岸田政権は台湾に対し、約1億5000万円の無償資金協力を決定した。
同時に上川外務大臣の発言が外務省の X(旧Twitter)アカウントから発表され、資金協力や発表について、蔡英文総統や賴清德副総統(次期総統)、台湾外交部などが X(旧Twitter)上でも反応をしてくださっている。
この資金協力については、「能登半島地震で台湾は25億円を支援してくれたのに、日本は1億5000万円しか支援しないのか!」というポストが X(旧Twitter)上に溢れたが、これは完全なミスリードである。
台湾政府が能登半島地震について支援してくださったのは約6000万円、台湾の「民間」から支援してくださったのは約25億円、日本政府が台湾東部地震に支援を決定したのは1億5000万円、我が国の「民間」からの支援はこれ以降。
災害の規模や必要な復興支援など、条件が異なるので単純な比較はできないが、少なくとも「25億もらったのに1億5000万円だけなのか」という批判にあたらないことは間違いない。
ミスリード的ポストを行っているアカウントには支持政党や自身の政治的肩書を明記したものも少なくなく、『災害を利用し、ミスリードによって政権を攻撃する』というのはあまりに醜悪であるとしか言えない。
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増税メガネ
増税メガネの根拠
岸田首相が「増税メガネ」と呼ばれるにあたり、根拠とされるのは主に以下の5点であろうか。
・インボイス
・保険料
・森林環境税
・扶養控除縮小
・防衛増税
これらについては、簡単に否定できてしまう。
・インボイス
安倍政権時に決定(平成28年度税制改正)。
・保険料
①「増税」ではない
②少子高齢化により政権に関係なく上がる
・森林環境税
安倍政権時に決定。
・扶養控除縮小
児童手当と合わせ実質手取りは増える計算。
・防衛増税
①毎年度4兆円の追加財源の約1/4程度
②法人税は約96%の中小企業が対象外、所得税は復興特別所得税の一部転用であり国民負担は増加せず、たばこ税も1本当たり3円相当が喫煙者に課されるのみ。
③つまり大企業とヤニカス以外に影響はほぼない(筆者はヤニカスゆえ涙が止まらない)
さらに岸田政権は、防衛増税を先送りにして実質的に殺している。
よって、以上の5点をもって「増税メガネ」と言うのは無理があると言えよう。
また、税金とはまったく関係ない事柄を指して "ステルス増税" などと揶揄する者もいるが、頼むから身勝手な独自理論で政治を乱さないでくれ。
物価上昇
現在、ロシアによるウクライナ侵略戦争の影響から、世界的な物価上昇が発生している。
ヨーロッパでは電気代が3倍になる国が出るほどの事態となったが、我が国は岸田政権が補助金を出すなどして(トリガー条項よりも補助金の方がカバー範囲が広い)そこまでには至っていないものの、物価上昇の影響は少なからず受けている。
これは致し方ない側面が強く、誰が総理大臣をやっても支持率が下がるタイミングであろうと思う。
岸田政権はかなりよくやってくれていると思うのだが。
国民負担率
国民負担率は、岸田首相が総理大臣に就任(2021年10月4日)した翌年から見て、48.4%(2022年実績)→46.1%(2023年見込み)→45.1%(2024年見通し)と減少している。(➢財務省)
かつ、そもそも2021年時点で日本の国民負担率はOECD36ヶ国中22番目であり、決して高い数値とは言い難いのだ。
株価
そして、株価は2024/02/22にバブル期の史上最高値を更新。
賃上げ
2024年の賃上げは連合で33年ぶり、全労連で25年ぶりの高水準。
【時事】岸田政下の税制|PULP 🐈⬛
増税という増税をせず、政権下で数十年ぶりの高水準をいくつも記録する岸田首相に「増税メガネ」のレッテルが貼られているのは、物価上昇の影響が大きいのだろう。
その他の税制については以下をご参照。
実質賃金
安倍政権~岸田政権の経済政策について言及すると、必ずと言ってよいほど「実質賃金が下がっているだろ!」との声が挙がる。
実質賃金について、安倍政権時は保守派がアベガーの誤りを正していたわけだが、岸田政権になってからというもの、自称保守層までもがアベガーに同調しているのだから救えない。
実質賃金には、実は2つの種類がある。
「1人あたり実質賃金」と「時間あたり実質賃金」だ。
1人あたり実質賃金は「労働時間が短く賃金が平均よりも低い雇用者数」が増加すると低下するため、働き方が多様化、パート・アルバイトに出る主婦も増え、様々な雇用・労働形態の浸透が進む今、"下がって当然" とも言えるのだ。
実際、アメリカ等では既に「1人あたり」ではなく『時間あたり』の賃金データで測られるのが一般的となっているという。
では、我が国の「時間あたり実質賃金」の推移はどのようになっているのだろうか。
2022年までのデータで申し訳ないが、安倍政権以降の我が国では、「時間あたり実質賃金」が右肩上がりとなっている(2020年あたりの下降はコロナ禍の影響を受けたものだろう)。
あまり長々と解説しても仕方ないので、詳細は以下の記事をご参考になさってほしい。
減税メガネ発動(2024/03)
以前から言われていた通り、所得税&住民税の減税が行われることとなった。
今回の減税では、納税者だけでなく、配偶者を含めた扶養家族の分についても減税されるという。
ロシアによるウクライナ侵略戦争を起因として世界中が物価高に苦しむなか、トリガー条項よりもカバー範囲の広い補助金を出し、国内の物価上昇をここまで抑え込み、株価をバブル水準まで上げ、減税までやってのける岸田政権。
増税メガネとは。
自民党広報まとめ
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既得権益の破壊
【日本学術会議】
大前提として、「日本学術会議」がどのような組織であるのかについて確認しておこう。
日本学術会議とは、「科学が文化国家の基礎であるという確信の下」、「行政、産業及び国民生活に科学を反映、浸透させることを目的として」、「内閣総理大臣の所轄の下」に設立された機関であって、「科学の中立性や自由の確保のため」に設立された機関ではないとわかる。
そして「行政、産業及び国民生活に科学を反映、浸透させる」ために、「内閣総理大臣の所轄の下」に存在する機関であり、年間10億円余りの国家予算を受けて運営される以上、「国益に資する活動を行うこと」は大前提と言える。
そうでないならば、わざわざ総理大臣所轄の下に国家予算を原資とするのではなく、各研究機関の自費によって自由に運営すればいい話であろう。
では、この学術会議は、これまで日本の国益に資する活動を、年間10億円もの国家予算に見合う活動を行ってきたのだろうか。
・軍事的安全保障研究に関する声明
「国家における "科学" の役割」というのは多岐にわたるが、国家機関として科学を扱うのであれば、その最大の使命と言うべきは『国家安全保障への寄与』ではないだろうか。
「軍事・兵器の進歩」は「科学の進歩」と切っても切れない関係にある。
「軍事・兵器」と言うとおどろおどろしく感じてしまう国民もいることだろうが、本記事において何度も触れた『抑止力』は兵器によって発揮され、『防衛力』も兵器によって発揮される。
この『抑止力』と『防衛力』は国家が国民を守るにおいて必要不可欠と言えるものであるが、学術会議が我が国の安全保障を妨害してきた証拠として、「軍事的安全保障研究に関する声明」をご紹介しよう。
これは「2017年」の声明である。
戦後すぐの、軍事アレルギーが全盛であった頃の声明ではない。
各国が科学によって軍事技術を発展させ、我が国の近隣諸国が着々と力をつけていくなか、我が国の、年間10億円もの国家予算を拠出されている科学研究機関は、「軍事目的のための科学研究を行わない声明を踏襲する」と主張していたのだ。
無責任にも、ふざけているにも程があるだろう。
特定のイデオロギーを持つ極左活動家が、「総理大臣所轄組織」の看板を利用し、国家に影響を及ぼそうとしているのが現在の日本学術会議なのだ。
・中国と日本学術会議
日本学術会議の問題は、これだけに留まらない。
学術会議は「軍事目的のための科学研究を行わない」とし、大学等の研究機関に対して「軍事的安全保障研究と見なされる可能性のある研究」について自制を求め(密接関係にある権力体からの自制要求は実質的な禁止と言える)ながら、一方で大学等では『中国の軍事技術開発を担う国防七校』からの留学生を受け入れているのだ。
以下は参政党・神谷宗幣議員の質問主意書である。
私は陰謀論や似非科学等を理由に参政党を支持しないが、このような質問で斬り込む姿勢は素直に評価したい。
そして、以下がこれに対する答弁書である。
つまり、「『中国の軍事技術開発を担う国防七校』からの留学生が日本へ来ている」ことは政府も把握している事実であり(政府もキャッチオール規制やガイダンスによって制限をかけているが、完全に規制するのは困難)、学術会議は「政府から独立して職務を行う特別の機関」との建前のもとに設立されたため、我が国の軍事研究を妨害する「声明」に対して政府から口出しはできないというのである。
日本学術会議は、どこまで我が国の安全保障を脅かせば気が済むのだろうか。
・【談話】ロシアによるウクライナ侵略
2022/02/24にロシアがウクライナへ軍事的侵略を開始、その4日後、日本学術会議が「会長談話」を発表した。
ここでその談話の全文をご紹介するので、少し長くなってしまうがご容赦いただきたい。
以上だ。以上ですべてだ。
是非ともリンク先を覗いていただきたいのだが、「隣国が侵略を開始した4日後に、国家予算10億円/年によって運営される機関が発出した会長談話」は、ペライチにたっぷりの余白を残した、わずか5行のポエムだったのである。
➢ 日本学術会議会長談話 「ロシアによるウクライナへの侵攻について」
軍事的安全保障に寄与せず、中国に貴重な技術をくれてやり、隣国が戦争を起こせばペライチ5行ポエムを発出するような機関に、年に10億円もの国家予算が拠出されてきたのである。
こんな馬鹿な話があるだろうか。
・学術会議時系列
このような日本学術会議は「日本のガン」と言われてきたが、菅義偉氏が総理大臣であった2020/10頃から、この学術会議の改革が開始された。
・粘り勝ちのキシダ
このように、菅首相(当時)が法に則り任命を拒否したことで学術会議が反発、SCにも反対したマスコミ労組はじめ学術会議側の組織が抗議、その後、「政府からの切り離し」まで話が進んだ。
首相が岸田文雄氏になってから「法人化提案→見送り」を二度くり返し、その間、学術会議は英文で声明を出すまでして抵抗、そして現在、ようやく岸田政権が学術会議の心をへし折った。
岸田政権には、是非ともこのまま押し切っていただきたい。
この闘いは、菅 岸田ラインによる、「年間10億円に見合った働きをしない戦後レジーム既得権益の代表格」との死闘だったと言えるだろう。
安倍晋三政権ですらメスを入れられなかった日本学術会議。
菅義偉首相、岸田文雄首相の死闘に感謝申し上げる。
【基金廃止】
漢・岸田文雄、多くの既得権益者からの恨みを一身に受ける代わりに、5400億円余りの埋蔵金を掘り当てた。
岸田政権は5400億円余りの埋蔵金を国庫に入れるだけに留まらず、今後も10年の期限を設けて効果を検証、行政の透明性や効率性を向上させるという。
これはまさに既得権益の破壊であって、どれほどの恨みが向けられるかはかり知れない。
『漢・岸田文雄』としか言いようがないだろう。
【マイナ保険証】
岸田政権は一切を譲らず、現行の保険証を廃止してマイナンバーカードへの一本化を進める構えである。
マイナ保険証への移行には大きな批判が起きているが、私は早急にマイナ保険証への移行を完了させるべきと考える。
なぜか。
「保険証の不正利用」を駆逐するためである。
保険証は、その性質から言い換えれば、「見せるだけで医療費が7割引、9割引になる紙」となる。
そのような保険証が「写真付きでない」という現行の保険証こそがおかしいのであって、写真の入ったマイナンバーへの移行を進めるべきは明白なのだ。
現状として正確に把握することは困難な「保険証の不正利用」であるが、実際に発生していることは確認されており、社会保障制度が不正の温床でよいはずがない。
「国民の財産」とも言える社会保障費から、不正利用者の医療費の7割~9割が支払われているなど、これほど馬鹿馬鹿しく、腹立たしいことがあるだろうか。
また、現行の保険証の不正利用は医療機関のみならずキャリア契約等においても発生していると言われ、実際、ドコモ、KDDI、ソフトバンクなどは健康保険証の本人確認書類としての取り扱いを終了している。
このような保険証の不正利用は、本来は医療費の補助や各種サービスを受けられない外国人や反社会的勢力等によって起こされており、これら大手は「健康保険証の取り扱い終了」と強く出ることができるが、社会全体としての不利益は大きいものだ。
これらを一掃するのが「写真付きマイナンバーカードへの移行」であり、導入初期は不具合・不都合も起きるだろうが(これは何を導入するにしても同じこと)、反対する理由はないと言えるだろう。
無論、その過程で起きる・起き得る不具合、不都合を放置してよいわけではないのでその改善を主張するのは当然だが、「マイナ保険証への移行」そのものは、社会全体としての利益を生み出すのである。
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政治資金規正法改正案
2024/04/25
自民党の清和会を震源地として話題になった「政治資金収支報告書の不記載問題」(俗に "裏金問題" と呼ばれていた)を受け、岸田自民は政治資金規正法の改正に乗り出す構えだ。
2024/04/25現在、報道と議員の発信により、自公案の内容が報じられている。
最終的な決定はGW明けになるようだが、現段階でわかることを挙げると以下のようになる。
・外国人による政治資金パーティ券購入禁止
・パーティ券代金は口座振込でオンライン化
・外部監査で繰越額不一致の場合は説明文書を作成
・議員本人に確認書作成を義務づけ連座制を導入
この中で私が重要視するのが「外国人による政治資金パーティ券購入禁止」と「パーティ券代金は口座振込でオンライン化」である。
これらは自公の「改正案」ではなく「他党へ提起」の箇所に入っているため報道されていないが、議員の発信によれば、既に提起することが決定しているとのこと。
「その他事実整理」の章、「中国人がパー券購入!?」の節、「・私見」の項においても触れているが、主権国家として、民主主義の根幹である「選挙」や、国策、国民の運命を左右する「政治」に関して、外国勢力の関与を防止するため、外国人献金と同様に外国人のパー券購入を法で禁ずべきと私は主張してきた。
そしてそのためには、金の流れをオンライン化し、何かあった際にすべてを追えるようにすることが必要不可欠である。
これがとうとう、自民党から他党へ提起されるというのだ。
今後、これに対して最もらしい理由をつけて反対する政党が現れるかもしれない。
だが、「外国人のパー券購入が生命線となっている」のでなければ、反対する理由はないはずだ。
今後の動きを注視したい。
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皇統
今上天皇陛下は126代にあたり、西暦2024年で2684年(皇紀)となる歴史の間、"万世一系" により皇位が受け継がれてきたとされている。
皇室は「現存する最古の王朝」(ギネスブックにも認定)であり、日本は皇室を王朝とし、"天皇" を戴く国家なのだ。
「男系継承」とは、「天皇陛下のお父さんの、そのお父さんの、そのお父さんの……」と辿っていくと、必ず初代神武天皇に行きつく、血筋が一本に繋がった皇位継承を指す。
昨今は "男女平等" が叫ばれ、「男系継承の万世一系は女性差別だ」として「女系天皇」を認めようとする向きもある。
しかし、「天皇」の存在は「日本が日本たる根拠」であり、「男系継承」は「『天皇』が『天皇』たる根拠」であることから、『現代人の思い付きで、先人が時に血を流して護ってきた伝統、我が国の歴史そのものを変えてしまう』ことを是とするべきではないだろう。
とはいえ、戦後GHQの占領下で行われた臣籍降下(皇籍離脱)の影響も大きく、男系継承を将来にわたって、安定的に継続することが危ぶまれる状況になっていることも事実だ。
ここについて岸田自民は、「安定的な皇位継承の確保に関する懇談会」を立ち上げ、2024/04に党としての意見をとりまとめた。
総裁:岸田文雄の主張
安定的な皇位継承の確保に関する懇談会
会長:麻生太郎の主張
「安定的な皇位継承の確保に関する懇談会」の会長である麻生太郎副総裁の実妹は皇族の寬仁親王妃 信子殿下であり、麻生氏ご自身も女系天皇を「あり得ない」とされている。
岸田文雄総裁の直属機関として新設された「安定的な皇位継承の確保に関する懇談会」の会長に、「女系天皇を認めることはあり得ないと否定」する麻生太郎副総裁を据えているのだ。
岸田自民の意向がよくわかる。
2024/04現在
これらを整理すると、自民党および自民党が与党を務める政府の方針としては、以下の4点になるかと思う。
①男系継承を変えてはならない
②内親王・女王が婚姻後も皇籍を維持する
③養子縁組によって男系男子の旧皇族を皇籍復帰
④旧皇族の男系男子を法律により直接皇族とする
これらの意図について、私は以下のように見る。
今後のとりまとめ、その後の議論を見守りたい。
続報:和田政宗の本音でGO!
自民党の和田政宗参議院議員が、自身のYouTubeにおいて以下の内容をお話しされた(2024/04/16)。
安定的な皇位継承議論や入管法の改正、日本版ESTAの創設にも一枚噛み、トルコからの短期ビザ免除停止を主張する和田政宗議員に対して、執拗に叩く自称愛国保守団体が存在するのは非常に不思議である。
和田政宗参議院議員の解説は以下の動画より。
続報:自民が見解とりまとめ(2024/04/19)
自民党が見解を取りまとめた。
政府有識者会議の報告書を尊重し、文言等の若干の修正のみで衆参議長に報告するという。
今後はフェーズが国会に移り、議論を経て国会見解が取りまとめられ、政府へと伝えられる。
続報:安定的な皇位継承の在り方に関する所見(04/26)
令和6年4月26日、自民党は「安定的な皇位継承の在り方に関する所見」を公開した。
立法府の議席を最も多く保有する与党自民党がまとめた、重要な所見であるため、長くなってしまうが、全文を引用したい。
まず、以下の箇所に注目したい。
"我が党は、秋篠宮皇嗣殿下、悠仁親王殿下という皇位継承の流れをゆるがせにしてはならない、そして、悠仁親王殿下の次代以降の皇位継承については、今後の経過を踏まえつつ、静謐な環境の中で議論を深めていくべきであると考えます。"
ここでまず、「悠仁親王殿下の御即位までの男系男子による継承」をゆるがせにしてはならない、との考えが窺える。
そして以下の箇所。
"皇族以外の男性と婚姻され、かつ、婚姻後も皇族の身分を保持される場合であっても、配偶者と子は皇族の身分を有することなく、一般国民としての権利・義務を保持し続けることが適切と考えます。"
この一文より、和田政宗議員の説明の通り、「女系天皇に繋がる女性宮家」は否定されていることがわかる。
そして以下の箇所において、「悠仁親王殿下の次代以降の皇位継承」についても男系男子による万世一系継承を維持できるよう、戦後に臣籍降下された旧11宮家の男系男子を養子とすることを『必要な方策』としている。
"旧11宮家の皇族男子は、日本国憲法及び現行の皇室典範の下で、皇位継承資格を有していた方々であり、その子孫である皇統に属する男系の男子を皇族の養子とすることは、皇族数確保、安定的皇位継承のため必要な方策であると考えます。"
そのうえ、以下の一文によって、国家破壊主義者がしたり顔で主張する「(旧皇族の皇籍復帰について)一般人だった人間が天皇になっても国民は受け入れない」を潰しているのだ。
"ただし、養子となった男性は皇位継承資格を持たず、その男性が養子となった後に生まれた男子は皇位継承資格を有するものとすることが適切と考えます。"
また、自民党は「皇統に属する男系男子を法律により皇族とすること」についても、皇族数確保、安定的皇位継承のための予備策と位置づけ、この場合であっても、「新たに皇族となった男性が皇族となった後に生まれた男子は皇位継承資格を有する」とすることが適切としている。
そして、私は『3. むすび(我が党の決意)』にも着目したい。
ただ自党の主張を押し出すわけではなく、「天皇と皇統、皇室は我が国の歴史、伝統、文化の礎」であり「政争の具とすることや国論を二分するようなことは努々あってはならない」と釘を刺し、『誠意をもって各党・各会派との協議に臨み、速やかな合意とその実行に全力を尽くす』ことを『国民に約束致します』と宣言している。
私は、自身も "女系天皇" なるものを否定し、「安定的な皇位継承の確保に関する懇談会」を立ち上げ、考えを同じくする麻生太郎氏をその会長とする『岸田文雄』が総裁を務める自民党を信じたい。
私が岸田文雄総裁の再選を願う理由のうち、大きなひとつがこれである。
「男系継承を絶対とする総裁候補がいない」とは言わないまでも、その数は少なく、男系論者が総裁に選出されたとして早々に倒れることが続けば、万世一系による皇位継承がゆるがせにされてしまう可能性は充分にあるのだ。
本記事を読めばわかる通り岸田首相は仕事の鬼を極める漢であり、早々に倒す必要などないのだから、可能な限り長期政権を担っていただき、その間に後続の数を確保するべきではないだろうか。
・NHK党:意見書(要約)
➢ 「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議に基づく政府における検討結果」に対する意見書
・「内親王・女王が婚姻後も皇族の身分を保持すること」に条件付き賛成
・「養子縁組による旧皇族の皇籍復帰」に賛成、可及的速やかに実行すべき
・「法律による旧皇族の皇籍復帰」に賛成、可及的速やかに実行すべき
・NHK党は「自由を守り自由度を高めるため行動する」が基本理念であり、当事者の意思を最大限に尊重すべきという立場
・秩父宮殿下の際には行われなかった立皇嗣の礼が行われたことから、秋篠宮皇嗣殿下へ、悠仁親王殿下へ皇位を継承されることが天皇陛下の大御心と解釈
・これは報告書にあるように、第126代今上天皇陛下まで一度の例外もなく、皇位が男系継承されてきた皇室の伝統に則ったものと理解
・男系継承は民間男性を排除する男性差別とみることも出来るが、皇室の伝統であり日本の歴史そのものであるため、一時の価値観で軽々に変更して良いものではない
・そもそも差別とは合理的理由なき区別であり、民間男性が皇族になれない理由は明確に存在するので、男性差別ではなく合理的区別と理解
・皇位継承を考える際に「直系」は重要な要素だが、皇室の伝統において優先されるのは「直系」よりも「男系」
・「旧皇族の男系男子の皇籍取得」には先例もあり、「旧皇族の皇籍取得」は国民の理解を得られると期待
NHK党はこれらに加え、以下の7点を「強く要望」している。
悠仁親王殿下の警備体制強化
悠仁親王殿下の公務を削減、お妃様探しとお世継ぎ作りに配慮
御学問所再興、皇族の学習環境の整備
根拠なき皇室バッシングに政府が毅然と対処
内廷費を見直し皇族存続を経済面で支える
旧皇族の皇籍復帰により皇室会議の皇族割合増加
敬宮愛子内親王殿下、秋篠宮佳子内親王殿下、皇籍取得していただく旧皇族のご結婚に配慮、「女性宮家」が必要なら「先例」に従うこと
・立憲民主:論点整理(要約)
➢ 安定的な皇位継承に関する検討委員会 論点整理
・附帯決議が政府に検討を要請したのは「安定的な皇位継承を 確保するための諸課題、女性宮家の創設等」であり、報告書は安定的な皇位継承の課題を先延ばし、皇族数確保の方策を示すにとどまった
・「女性宮家の創設等」について明確な結論も示さず、附帯決議の要請に十分に応えていない
・報告書の皇族数確保の方策を参考としつつも、附帯決議が国会に要請した「安定的な皇位継承を確保するための方策」を検討、一定の期限を区切って「立法府の総意」をまとめるべき
・天皇は憲法上の存在であり、国民の総意に基づく天皇並びに皇室をめぐる制度は、憲法違反の疑いが指摘されることがあってはならない
・「女性宮家の創設等」は附帯決議が政府に検討を要請しているが、報告書では明確な言及がなく、とりわけ緊急的な課題として議論を急ぐべき
・野田内閣時の (Ⅰ- A )案「配偶者及び子に皇族としての身分を付与する案」を含め検討すべき
・その他憲法適合性についてさまざま記述
・わが党は、この論点整理を基に更なる検討を行うとともに、決して政争の具 にすることなく、憲法の基本原理と立憲主義を尊重する立場から、安定的な皇位継承を確保するための諸課題、女性宮家の創設等について、「全国民を代表 する」立法府の一員として、国民各層の議論の尊重、国民の合意形成を図りつつ、引き続き、最大限の努力を重ねていく(原文まま)
ひとこと申し添えておくと、立憲民主党の論点整理発表は「子が皇籍を保持し女系天皇に繋がる女性宮家の創設」に執着しているように見えるため、この点には注意が必要である。
・維新の会:意見書(要約)
➢ 「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議に基づく政府における検討結果」に対する意見書
・有識者会議の報告は、非常に繊細な配慮がされており、歴史と整合的であり現実的であるので高く評価できる
・二つ目の方策(養子縁組による旧皇族の皇籍復帰)は特に高く評価
・一つ目の方策(女性皇族の婚姻後の皇籍維持)は、皇位継承資格を女系に拡大することに繋がらないかという懸念の声があることに留意が必要
・以上を踏まえ、有識者会議の報告及び政府の検討結果に賛同
・国民の皆様に対し正確な情報をお伝えして理解を醸成しつつ、今日まで紡がれてきた長い歴史と伝統を大切にし、古来例外なく男系継承が維持されてきたことの重みを踏まえた上で、皇室の歴史と整合的であり、かつ、現実的でもある二つ目の方策について、皇室典範の改正により、安定的な法制度として実現するべき(原文まま)
・国民民主:考え方(要約)
➢ 皇族数の減少と皇位継承についての考え方
・①女性皇族が婚姻後も皇室に残る、②旧宮家の男系男子が養子縁組などで皇籍復帰する、について早急に制度の具体化を進めるべき
・①②では十分な皇族数を確保できない場合に備え、③皇統に属する男系男子を法律により直接皇族とする、も検討しておくべき
・皇位の安定継承の具体化については、引き続き検討を深める必要がある
・有志の会:意見書(要約)
➢ 「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議に基づく政府における検討結果」に対する意見書
・立法府の役割は、将来にわたって安定的に皇位の継承がなされるよう、皇室典範において定める「枠組み」を作ること
・悠久の皇室の歴史において先例のないことを可能とする枠組みを作ることには、極めて慎重であるべき
・皇室の歴史において守られてきた先例を議論する場合には、立法府は悠久の日本の歴史の中での直近の民意を受けているに過ぎない存在であることに強く留意すべき
・「皇室はかくあるべき」「皇位継承はかくあるべき」という皇室についての「べき論」を行ってはならない
・それぞれの皇族の方の配偶者のあり方などは一義的には皇室において決めるべきことであり、立法府の議論は皇室の選択肢を増やすために行うもの
・「今上陛下から秋篠宮殿下、次世代の悠仁親王殿下という皇位継承の流れをゆるがせにしてはならない」という考え方は、妥当である。
・「内親王・女王が婚姻後も皇族の身分を保持することとすること」は、妥当である。配偶者と子は原則として皇族の身分を有するべきでない
・「皇族には認められていない養子縁組を可能とし、皇統に属する男系の男子を皇族とすること」は、限定的に認めるべきであり、内親王・女王の配偶者となる場合、当該内親王・女王が皇位継承資格を持つかの検討が必要
・「皇統に属する男系の男子を法律により直接皇族とすること」は、皇統が途絶える危機にある時などの非常時の方策であり、現時点で結論を出すべき事柄ではない
・以上を踏まえ①②を担保するため皇室典範の具体的改正案の策定にとりかかるべき
・日本共産:会見(要約)
日本共産党については、上記維新・国民・立民・NHK・有志のような意見書等が見当たらなかったため、2022/01/19の会見(赤旗報道)を参考に、その立場を確認しておきたい。
➢ 女性天皇は憲法に照らして合理性持つ 「皇位継承問題」有識者会議報告 小池書記局長が会見|しんぶん赤旗
・有識者会議の報告は、天皇の制度は男系男子によって継承されるべきだということが、事実上、『不動の原則』になっている
・天皇の制度は、憲法の精神に基づいて議論、検討すべき
・日本国憲法第1条は天皇を『日本国の象徴』『日本国民統合の象徴』としており、多様な性を持つ人々によって構成される日本国民の統合の『象徴』である天皇を、男性に限定する合理的理由はない
・女性天皇を認めることは、日本国憲法の条項と精神に照らして合理性を持つ
・女系天皇も同じ理由から認められるべき
・付帯決議は女性宮家の創設についてすみやかに国会に報告することとし、女性天皇、女系天皇について報告を求めたが、有識者会議の報告は、女性天皇、女系天皇について検討せず、男系男子を事実上、『不動の原則』とする報告書になっており、大きな問題点として指摘せざるを得ない
・公明党:意見書
公明党については、「意見書」を取りまとめたことは確認できたのだが、その詳細な内容については確認できなかったため、公明党公式のニュースを引用したい。
・その他
この他、社会民主党とれいわ新選組、参政党については上記の類が確認できず、日本共産党と公明党についても、他党のような意見書等の存在または内容について確認できていない。
これらについて情報をお持ちの方は、XのDM等にご共有いただけると幸いだ。
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天皇
【初】天皇誕生日レセプションに台湾総統
「天皇誕生日」は本来は『天長節』というのだが、本題ではないので詳細は割愛する(ちなみに建国記念の日は「紀元節」、勤労感謝の日は「新嘗祭」)。
2024年(皇紀2684年)の天長節に、台湾において蔡英文総統や賴清德副総統(次期総統)が祝辞を述べてくださったのだという。
「天長節を祝うレセプションに台湾の総統と次期総裁が出席した」というのは中国にとって非常に都合が悪い話で、これを実行できたのは、「岸田首相がいわゆる "チャイナスクール" と揶揄される外務官僚を抑え込んでいるからだ」と見る向きが強い。
また、これを「天皇の政治利用ではないか」と疑問視される方もいらっしゃるかと思うが、これはまったく逆の話で、「第三国への政治的配慮によって友好国の方に天長節を祝ってもらえない」という方がおかしいのである。
蔡英文総統と賴清德副総統に心より感謝を申し上げるとともに、"我が国は真っ当な国家になりつつあるのだなぁ" と感動を覚える次第だ。
天皇陛下が国会議員に激怒!?
X(旧Twitter)上において、そのような言説が流れた。
このニュースを受けてである。
不敬にも、陛下のお言葉に「裏金議員に "国、社会、人々のために力を尽くせ" と怒っている」、「お前たちは国、社会、人々のために力を尽くしていない、と怒っている」などと、信じられないことを言う者が溢れた。
これをれいわ新選組などの支持者が行うのはまだわかる。
彼らは「天皇」の御存在を何とも思っておらず、「金の無駄だから天皇制廃止」などと言う連中であり、都合よく利用せんとするのは想定の範囲と言えるだろう。
しかし、これを「保守」を自称しながら平気な顔をしてやってのける者がいるのだから、私はため息が止まらない。
この件に関して、相互フォローを1人ブロックした。
まず第一に、憲法上「天皇」は政治的な権力・権利を有しない。
よって「天皇」の中立性は慎重に扱われ、「天皇陛下が政治に口を出す」というような事態は徹底的に避けられてきたのである。
「天皇陛下が国会議員に怒った」となれば、これは憲法に抵触する大問題であり、「天皇」の御存在そのものが危ぶまれることに繋がるものだ。
滅多なことを言うものではない。
第二に、そもそも国民が陛下の大御心を代弁するかの如く騙り、そのうえ自身の主張にあわせて歪めんとするなど、不敬にも程があり言語道断である。
政治思想にかかわらず、「礼儀」を重んじるのが日本人のよいところではなかったのか。
陛下の勅語はそれ以上も以下もなく、お話し遊ばされたそのままの通りに受け取るものである。
もし上記のようなポストをした者があれば、撤回と謝罪をオススメする。
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靖国神社
「総理大臣の靖国参拝」は保守派の願うところであり、これは私としても同じくである。
そして岸田文雄首相は総理大臣になって以降、靖国神社を参拝していないのだが、私はそれでよいと考えるし、そうすべきと考える。
なぜだろうか。
本章は、保守・右翼を自認する方には是非ご一読いただきたい。
「中道~保守・右翼が本当に望むものは何か」についてをお話しするからだ。
靖国神社とは
大前提として、「靖国神社」がどのような存在であるのかについて確認しておこう。
総理大臣の靖国参拝
「祖国を守るという公務に起因して亡くなられた方々の神霊」が祀られている靖国神社であるが、やはり「国家」として、「天皇」の思し召しにより建てられた靖国において、総理大臣が国家に殉じられた英霊に尊崇の念、哀悼の誠を捧げるのは「当然」のことと言えよう。
そのため、私を含め多くの保守派は、総理大臣の靖国参拝を願ってやまない。
しかし、総理大臣の靖国参拝は、2013/12/26の安倍晋三首相を最後に行われていないのだ。
大東亜戦争の終結後、総理大臣の靖国参拝は当たり前に行われていた。
だが、1970年代に入ってメディアが騒ぎ始め、1985年の中曽根首相の参拝をきっかけに中国や韓国が反発を開始、以降、中韓政府は日本の政治家による参拝が行われる度に反発している。
そのため、これ以降は総理大臣の靖国参拝が激減し、安倍晋三首相が第二次政権発足からちょうど1年のタイミングで参拝して以降、総理大臣の靖国参拝がゼロとなっているのが現状だ。
安倍晋三回顧録
安倍晋三回顧録において、安倍晋三元首相は以下のようにお話しされている。
有料の書籍であるため詳細は伏せるが、安倍晋三元首相ですら「これ以上は無理だ」と感じることが、靖国を参拝しただけで起こるというのだ。
岸田首相
そして現在、総理大臣に就任する以前については情報を見つけることができなかったのだが(持っている方がいれば X のDMまでお願いしたい)、岸田文雄首相は2021/10/04に総理大臣となって以降、一度として靖国神社を参拝していない。
ただし、岸田首相は春と秋の例大祭に際して靖国神社に真榊を奉納、8月15日に自民党総裁として私費で玉串料を納め、千鳥ヶ淵戦没者墓苑を参拝、献花していることは忘れてはならない。
>千鳥ヶ淵戦没者墓苑
岸田首相は参拝すべきか?
私は本章の冒頭において、「岸田首相は靖国神社を参拝すべきでない」とした。
なぜならば、岸田首相は「 "力のない日本" から脱却する過程を爆速で走る、ステルス性能の高い総理大臣」だからである。
まず、これまでの総理大臣が靖国神社に参拝できなかったのは、「毅然と対応しなかったから」ではない。
「毅然と対応できなかったから」である。
我が国には軍事力がなかった。国際的な地位が低かった。
だから、「毅然と対応しようとしても押し負けるしかなかった」のである。
そして今、我が国はこれを脱却しようとしている。
岸田文雄政権は防衛力を抜本的に強化し、米英のみならず豪・比・その他アジアへと影響力を広げ、スパイを締め出し、我が国を "戦後レジーム" から加速度的に脱却させようとしているのだ。
そのなかで岸田首相は、未確定な政策について情報を絞っているように見え、そのためメディアや言論人は騒ぐこともできず、政策とは何ら関係のない政権攻撃を行うしかできず、その間に、これまでは極左の妨害で通りようがなかった政策がバンバンと通されている。
ここで岸田首相が靖国を参拝すれば、何が起きるだろうか。
ただでさえ、靖国への真榊や玉串料の奉納はもちろん、防衛費の倍増や反撃能力の保有、その他諸々で中韓の反発は受けている。
そのうえで靖国を参拝すれば、その他の政策にも影響が出かねない程の騒動が、中韓や国内の極左、メディア、下手をすればアメリカなどを巻き込んで発生すると容易に想像できるだろう。
我々中道~保守が望むのは何か。
「戦後レジームからの脱却」である。
戦後レジームから脱却し、国家として主権と名誉、領土・領海・領空・資源、国民の生命と財産を護れるようになり、誰であっても安心して靖国を参拝し、国家に殉じた英霊のみなさまに尊崇の念を捧げることができる国になる。
これこそが我々の望みではないのか。
そのためには「力」が要る。
中韓に好き勝手を言わせない「武力(抑止力)」が要る。
極左に大きな顔をさせない、国民の「知の力」が要る。
まずは最低限、他国から干渉を受けないための抑止力を備えてからである。
それがないうちに総理大臣が靖国を参拝すれば、安らかに眠られる英霊が "政争の具" として弄ばれることになりかねない。
そのうえ、「戦後レジームからの脱却」にも遅れが生じる。
英霊のみなさまには大変申し訳ないが、国家のため、そして英霊の安らかな眠りのためにも、まずは最低限、他国の干渉を黙らせる力を持つまで、総理大臣は靖国を参拝すべきでない。
そのうえで、何度も触れている通り岸田文雄首相は、靖国に真榊を奉納し、玉串料を納め、千鳥ヶ淵戦没者墓苑に参拝、献花していることから、決して英霊を軽視しているわけではないことがわかる(これにすら反発する中韓。黙っていろまったく)。
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NTT法改正
2024/04/17、NTT法(日本電信電話株式会社等に関する法律)が改正された。
これについても解説を行おうと考えていたのだが、
①多くの国民にとって興味の範囲外であること
②反対派の多くが話の通じない陰謀論者であるように見えること
以上の2点を踏まえ、萩生田光一・元自民党政調会長の解説をご紹介し、事実系インフルエンサー・PULP氏の記事をご紹介するのみに留めようと思う。
萩生田光一・元自民党政調会長
萩生田光一氏は、自民党政調会長として岸田文雄首相(自民党総裁)と共に財務省のふざけた防衛費案を蹴飛ばし、財務省の謀略を防いだことで有名だが、NTT法についても丁寧なご説明を発信されている。
ロシアの産業スパイ
萩生田氏の説明のなかに「ロシアがソフトバンクの携帯基地局の設備情報を窃取した事例もあります」とあるが、これは以下の事件を指しているものと考えられる。
重要情報の守秘はもう戦争状態と言ってよく、我が国はセキュリティ・クリアランス(SC)によって重要情報を死守しようとしているところだ。
そして今回のNTT法改正には、「NTT研究成果の開示義務廃止」が含まれている。
【時事】NTT法 情報整理|PULP 🐈⬛
外資規制等を含め細かく解説されている記事を貼っておくので、ぜひこちらもご確認いただきたい。
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その他事実整理
中国人がパー券購入!?
岸田文雄首相が所属していた「宏池会」(2024/01/23解散)という派閥のパーティ券を、中国人が購入していたのではないか、との噂がある。
これについて「安全保障上、または法的な問題があるのではないか」との声もあるため、ここで一度、事実を整理しておきたい。
・政治資金パーティーとは
政治における "パーティ券" 、略してパー券は、「政治資金パーティーの参加券」である。
そして「政治資金パーティー」というのは、パー券の購入者を集めてパーティを開催し、その収益を政治活動の費用に充てることを目的としたイベントを指す。
政治資金規正法第8条の2では、以下のように定義づけられている。
国会議員が活動資金を集める手段には「個人献金」などもあるが、これは50,000円 / 年以上の献金を受けた場合、政治資金収支報告書に献金者の個人情報(指名・住所・職業)を記載しなければならない。
しかし、政治資金パーティーの場合はこれが20万円 / 年からの記載となるため、購入者の心理的にも参加しやすく、議員の重要な資金源として活用されているのだ。
・宏池会のパーティ
宏池会もこの政治資金パーティーを開催していたわけだが、このパーティのパー券を、中国人が購入していたのではないかと言われている。
しかし、その根拠とされるのはほとんどが X(旧Twitter)上の「中国語字幕で宏池会パーティを紹介する動画」であり、中国人とされる参加者が本当に中国人なのか、またパー券の購入者が中国人なのかについて、明確な根拠を見かけたことはない。
よって、現時点で「宏池会のパー券を中国人が買っている」と断言するのは、非常に危険な行為であると言えるだろう。
・外国人のパー券購入は違法?
稀に、「中国人にパー券を売った宏池会議員を逮捕しろ!」と言う者が現れる。
仮に「宏池会のパー券を中国人が購入していた」としよう。
いったい何の法に違反するというのだろうか。
第一に、政治資金規正法は外国人または外国人が過半数の株式を保有する会社(上場5年未満)からの政治献金を禁じているが、政治資金パーティーについては同様の規定が存在しない。
※外国人献金は3年以下の禁錮又は50万円以下の罰金、公民権停止。
このため、「政治資金規正法違反での逮捕」は有り得ない。
では、感情右翼が大好きな「外患誘致罪」に問えるかを確認しよう。
X(旧Twitter)などのSNSにおいて、「こいつは反日だ!親中だ!媚中だ!外患誘致罪で逮捕しろ!」と叫ぶネトウヨアカウントを目にすることは少なくない。
これが外患誘致罪である。逮捕できるわけがない。
この他、どの法律に照らし合わせようとも、外国人によるパー券購入を禁じている法律は存在しない。
よって、宏池会の議員が逮捕されることは有り得ないのだ。
・私見
証拠が提示されたことのない「中国人による宏池会パー券の購入」ではなく一般論として考えるが、「外国人によるパー券購入(=議員の活動資金源化)」は、安全保障上の問題があると言うべきではないだろうか。
なぜ外国人献金が政治資金規正法によって禁止されているか。
主権国家として、民主主義の根幹である「選挙」や、国策、国民の運命を左右する「政治」に関して、外国勢力の関与を防止するためである。
「御国のために働き、御国を護る」という議員の信念や正義感に任せるのではなく、法によって「外国勢力による買収」を防いでいるのが現在の政治資金規正法なのだ。
そして、政治資金パーティーも議員の資金源となるものであり、ここに外国勢力が浸透して買収を仕掛けた場合、それに飲まれてしまう議員が決して出ないと考えるのは、外国人献金の禁止と照らして不合理である。
よって、私は外国人によるパーティー券購入を法で禁ずべきと考え、以前からそのように主張している(にもかかわらず、現行法を理解できない感情右翼から「売国奴」と罵られる(笑))。
・事実まとめ
①中国人による宏池会のパー券購入は噂止まり
②外国人によるパー券購入を禁じる法はない
③よって①が事実でも宏池会に罪はない
④外国人によるパー券購入を法で禁ずべき
加えて、感情右翼は「中国人がパー券を買っている宏池会のキシダは中国に買収されている」と言うが、本記事でご紹介しているように岸田首相は対中強硬派であり、それは無理があるだろう。
外国人犯罪者は起訴率が低い!?
X(旧Twitter)等において、「外国人は日本人と違って不起訴ばかり」との言説が拡散されることも多いため、ここで確認しておこう。
表にまとめられているものが令和3年(令和4年版犯罪白書)のものしか見つけられなかったため以下をご紹介するが、総数としての起訴率が40.7%、来日外国人の起訴率は43.6%となっている。
その他年度の犯罪白書を確認しても、「総数・日本人と比較して外国人の起訴率が顕著に低い」との根拠は見つけられなかった。
「現行法の下で外国人に対して不正に甘い運用がなされている」ということはないと言えるだろう。
実質賃金
安倍政権~岸田政権の経済政策について言及すると、必ずと言ってよいほど「実質賃金が下がっているだろ!」との声が挙がる。
実質賃金について、安倍政権時は保守派がアベガーの誤りを正していたわけだが、岸田政権になってからというもの、自称保守層までもがアベガーに同調しているのだから救えない。
実質賃金には、実は2つの種類がある。
「1人あたり実質賃金」と「時間あたり実質賃金」である。
1人あたり実質賃金は「労働時間が短く賃金が平均よりも低い雇用者数」が増加すると低下するため、働き方が多様化、パート・アルバイトに出る主婦も増え、様々な雇用・労働形態の浸透が進む今、"下がって当然" とも言えるのだ。
実際、アメリカ等では既に「1人あたり」ではなく『時間あたり』の賃金データで測られるのが一般的となっているという。
では、我が国の「時間あたり実質賃金」の推移はどのようになっているのだろうか。
2022年までのデータで申し訳ないが、安倍政権以降の我が国では、「時間あたり実質賃金」が右肩上がりとなっている(2020年あたりの下降はコロナ禍の影響を受けたものだろう)。
あまり長々と解説しても仕方ないので、詳細は以下の記事をご参考になさってほしい。
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支持率の謎
ここまで実績を積み上げ、(安倍晋三支持者であること、安倍さんがお亡くなりになっていることから心理的に認めたくないが)安倍政権を超えたと言って過言ではない岸田政権だが、その支持率たるや散々なものである。
世論調査を確認する際、気を付けるべき点は以下の2つ。
・あくまで標本調査(かつ無作為抽出が成立しているか怪しい)であって、各党のパワーバランスと変動の参考にしかならないこと
・「国民の不満をぶつけられる政権与党とお気楽野党」なので自民党の支持率は実際よりも低く出ている(選挙では結局自民しかない)と考えられること
そのうえで自民(28.4)と立+共+社+れ(11.1)という野党の情けなさに涙が出るが、自民党の支持率、岸田政権の支持率が低いこともまた事実である。
この理由はいったい何であろうか。
①物価高
現在、ロシアによるウクライナ侵略戦争の影響から、世界的な物価上昇が発生している。
ヨーロッパでは電気代が3倍になる国が出るほどの事態となったが、日本は岸田政権が補助金を出したり(トリガー条項より補助金の方がカバー範囲が広い)原発を再稼働させたりなどしてそこまでには至っていないものの、物価上昇の影響は少なからず受けている。
これは致し方ない側面が強く、誰が総理大臣をやっても支持率が下がるタイミングであろうと思う。
岸田政権はかなりよくやってくれていると思うのだが。
国民負担率は、岸田首相が総理大臣に就任(2021年10月4日)した翌年から見て、48.4%(2022年実績)→46.1%(2023年見込み)→45.1%(2024年見通し)と減少している。(➢財務省)
かつ、そもそも2021年時点で日本の国民負担率はOECD36ヶ国中22番目であり、決して高い数値とは言い難いのだ。
そして、株価は2024/02/22にバブル期の史上最高値を更新。
2024年の賃上げは連合で33年ぶり、全労連で25年ぶりの高水準。
増税という増税をせず、政権下で数十年ぶりの高水準をいくつも記録する岸田首相に「増税メガネ」のレッテルが貼られているのも、この物価上昇の影響が大きいだろうか。
②不記載問題
自民党清和会(安倍派)の不記載問題が「裏金」として報じられ、岸田首相の出身派閥である宏池会、問題の本体である清和会、その他自民党の派閥が解散した。
そして、検察の捜査を受けて清和会(安倍派)と志帥会(二階派)の会計責任者が虚偽記載の罪で在宅起訴、宏池会(岸田派)の元会計責任者が事務処理上のミスとして罰金刑を求める略式起訴、二階元幹事長の秘書が略式起訴、清和会(安倍派)の池田佳隆衆議院議員が逮捕、清和会(安倍派)の大野泰正参議院議員が虚偽記載の罪で在宅起訴、清和会(安倍派)の谷川弥一衆議院議員が略式起訴。
上記は司法的責任であるが、政党である以上は政治的責任も免れず、離党勧告が2名、党員資格停止12ヶ月が2名、6ヶ月が1名、党役職停止12ヶ月が9名、6ヶ月が8名、戒告が17名の処分が発表、実行された。
処分の基準については以下の画像がわかりやすいため、是非ご参考にしていただきたい。
さて、支持率についてであるが、まず政治への関心が強いわけではない層は、「宏池会(岸田派)」と「清和会(安倍派)」の違いがわからず、矢面に立つ岸田首相が悪いのだと捉えてしまう。
これは致し方ない。
だが、もちろん自民党総裁として引き受けるべき責任は岸田文雄首相にもあるのだが、いくら総裁とはいえ、「関知できるはずのない他派閥の会計処理の責任をすべて負え」というのは、一般論としてもあまりに酷だろう。
リベラル・左翼と呼ばれる層は、自民党政権を無条件に叩くようにプログラムされているため、野党でも確認される不記載を自民党にだけ "裏金" のレッテルを適用し、法的に問題のないキックバックまで悪魔化して自民を攻撃。
そして限界右翼と呼称すべき層は、そもそも清和会がやらかした事案であることを記憶の彼方へと忘却、「キシダの安倍派(政敵)潰し」として岸田文雄首相を攻撃している。
清和会の責任を清和会議員がとるのは当然のことであり、また政権の屋台骨を担ってくれた安倍派(萩生田光一政調会長、西村康稔経産大臣、その他安倍路線の継承にあたり安倍派の力は必要不可欠だった)を潰す理由など、岸田文雄首相にあるはずがない。
むしろ、安倍派の動きが鈍って困っているのは岸田文雄首相の方だろう。
自民党の不祥事である以上、自民党の支持率が低下するのは当然と言えるが、これが政権支持率に打撃を与えてしまうのが非常に痛い。
ここまで仕事ができる総理大臣候補は他に心当たりがなく、もちろん宏池会の元会長、自民党の総裁としての責任はあるものの、「岸田文雄を引きずり下ろしても国民に益がない」状態でこの状況になってしまったのが本当に痛いのだ。
③恨み買いすぎ問題
岸田首相は、本当に仕事ができる。
だからこそ、さまざまな勢力の恨みを買っているのだ。
・財務省
安倍元首相が安倍晋三回顧録において「彼らは省益のためなら政権を倒すことも辞さない」した財務省が提案した防衛費案を蹴り飛ばし、謀略は萩生田政調会長と共に阻止、防衛増税は最小限かつ先延ばし、挙句の果て減税。
・右派言論人
安倍政権からはコンタクトを貰えていた右派言論人らだが、岸田政権からは一気にパージ。そこに因果関係があるのかは不明だが、岸田政権になって以降、特に日本保守党周辺の言論人はLGBT理解増進法を曲解してミスリードをくり返し、岸田首相に "媚中" のレッテルを貼り、台湾総統選に影響しかねない陰謀論まで発出する等。
・感情右翼
右派論壇に煽られた感情右翼は、根拠もなく岸田首相を媚中の国賊呼ばわりし(これは俺もしたことあるごめん!)、LGBT理解増進法の内容を曲解して國體破壊と女性への権利侵害だと騒ぎ(俺も条文確認できるまでやってたごめん!)、対北朝鮮の盾とするための日韓連携強化を国賊と非難し、その他デマとミスリードのオンパレード。
私自身、過去に岸田首相を曲解していた側なのだが、未だに上記が通じると考えているのはさすがに呆れてしまう。ここまで事実が明るみに出たのだから、恥を忍んで前言撤回すればよいものを。
方向転換を叩かれながらも国益のために罪滅ぼし(事実の拡散)を続けていれば、多くの岸田支持者は受け入れてくれるだろうに(だって私が受け入れてもらえているのだから)。
・LGBT活動家
LGBT理解増進法は本記事でも解説した通り活動家の勝手を許さない法であって、法律制定時、LGBT活動家は本記事でもご紹介した通り断末魔をあげていた。
・信教の自由重視派
安倍晋三元首相の暗殺後、清和会と旧統一教会の接点がやり玉に挙げられた。その際、岸田自民は旧統一教会と接点を持たないようガバナンスコードを党内に示し、テロリストの主張に沿って旧統一教会を締めあげた。
私は統一教会を反吐が出る程の嫌悪の対象として見ているが、テロリストに利益を与えない観点、信教の自由の観点から、あれは政権与党の動きとしてやり過ぎだろうと考えており、岸田政権最大の汚点であると考えている。悪しき前例をつくってしまった。
ここを私は個人の価値判断として外交・安全保障を優先とし、岸田首相を支持しているが、価値基準が異なる方の中にはここを理由に反岸田である方もいらっしゃる。
・中国
もはや言うまでもないだろう。
・リベラル&左翼
自民党政権は無条件に叩く勢力なので、これも言うまでもない。
……
"トラストミー"になるな自民党
岸田首相は脚色して情報を歪める言論人をパージし、出す情報を絞り、ステルスに事を運ぼうとしているのだと思う。
これは、高市早苗大臣の以下の発言からも推察できる。
高市早苗大臣はテレビ番組に出演した際、「大臣就任時に "中国" という言葉とSCの提出時期について口が裂けても言うなと言われた」と暴露し、これが波紋を呼んだ。
当時、感情右翼は「岸田は中国におもねっている」と岸田文雄首相を叩いたが、今になって考えれば、これは摩擦を抑え、ステルスにSCを通すためだったのだろうと言える。
これをなぜ高市早苗大臣が軽率にもベラベラと喋ってしまったのか理解に苦しむが、このように信頼関係をぶち壊すような行動をとった高市大臣を、経済安保大臣から外すことなくSCを衆院通過させたのが岸田首相である。
このように、岸田首相はステルス性能の代償として支持率を捨てているのだろうと私は見ている。
よって、このままの支持率で今年9月に行われるであろう自民党総裁選挙において岸田氏が再選した場合、次回選挙では自民党の議席が減ることだろう。
だがしかし、2024/04の米議会演説で岸田文雄は何をした。
アメリカ国民のケツを蹴っ飛ばし、日米のコミットメントを約束してきたのだ。
ここで次期総裁が岸田文雄とは別の人間になり、これに少しでも遅滞が発生すれば。
完全に悪夢の民主党政権、鳩山由紀夫の "トラストミー" 状態ではないか。
そのうえ、2024/11のアメリカ大統領選挙において共和党が勝ち、「俺たちの苦悩をわかってくれた Fumio Kishida じゃないのか。だったらモンロー主義に回帰しよう」となってしまえば。
台湾有事を目の前にして、我が国は死刑宣告を受けるに等しい。
自民党にはどうか、もちろん職を失う者がいる不安、自身がそうなるのではという恐怖があることは充分に認識したうえでお願いしたい。
日本の未来を優先していただきたい。
政局の上手さが自民の強さでもあると理解しているが、「いざとなれば一致団結、我が身を顧みず国益のために闘う」ことこそが、自民の強さの一丁目一番地であると信じている。
【小ネタ】メディア取材は最多の岸田文雄
脚色が酷い言論人のパージを行っている岸田政権だが、安倍首相、菅首相、岸田首相の3人のなかで、メディア取材(ぶら下がり会見)の回数が最多なのは、実は岸田首相であるというのだ。
日本テレビの調べによると、以下の通り。
これは意外だな。
2024/04:キシダの反転攻勢
ANN世論調査(テレビ朝日系列)の世論調査において、以下の結果が出た。
朝日新聞をはじめ朝日系列は安倍政権の頃から自民党への偏向報道が酷いメディアグループと言って間違いないが、そのような朝日グループの世論調査ですら、岸田内閣の支持率が+5.4%、不支持率が-9.4%となったのだ。
この世論調査はNHKと異なり国賓待遇訪米の評価を含んだ値となっており(2024年4月13・14日調査)、約30年ぶり高水準の賃上げと減税の決定に加え、安全保障の驚異的前進や歴史的な米議会演説が国民に "キシダノ正体" を気づかせ始めたか。
賃上げが労働者を潤わせ、減税が家計を潤わせ、株価が企業と投資家を潤わせ、安全保障で国民を守る。
その結果、国民のうち約1/20が一気に岸田政権を支持する側に回り、国民の約1/10が岸田政権の不支持をやめたのだ。
ぜひこのまま、メディアの偏向報道、言論人のねじ曲がった言論に負けることなく、支持率を順調に伸ばしていただきたいと思う。
+++++
おわり
非常に長々と書いてしまったが、本当に長々と書いてしまったが、岸田文雄が仕事ばかりしやがるので仕方がない。
本記事を見てもわかるように、岸田政権は国民の命を守るため、戦後初、前代未聞の成果ばかりをあげている。
無論、時代の後押しがないとは言わないが、事実に基づいて岸田政権を評価する者の中には、「安倍晋三を超えている」と評する者もいるほどだ(私も感情的に認めたくないが、実際として超えているのだろうと思う)。
岸田首相についてまとめている方は、note にも X(旧Twitter)にも多くいる。
公的ソースも多くネットに公開されている。
ぜひ、お調べになっていただきたい。
P.S. 政治言論界への愚痴(2024/04)
少し愚痴らせてほしい。
ここまでお読みいただいた方であれば、「政治言論界から、どれほどのデマ・ミスリードが発信され、どれだけ岸田政権の姿が歪められて伝えられてきたか」をご理解いただけると思う。
私は本記事を公開し、その後に追記を重ねていくなかで、多くの方に高い評価をいただいてきた。
X(旧Twitter)では「事実系インフルエンサー」と持て囃され、数万、数十万のフォロワーを抱えるインフルエンサーに認められ、シンクタンクの理事長に評価され、その他、裏でもさまざまお声をいただいている。
おかしいだろう。
私は21歳のド素人である。
出版社に勤めているわけでもなく、議員の秘書をやっているわけでもなく、誰か言論人に師事しているわけでもなく、ただ個人で一次情報を追いかけているド素人なのだ。
そのような私がここまで評価されることなど、本来はあってはならないことのはずだろう。
「政治言論」とは、21歳のクソガキが認められるほど安いものではなかったはずだ。
言論で飯を食っている文屋共(敢えてこう呼ぶ)は、いったい何をしているのか。
金に魂と国を売るような誇りも覚悟もない文屋共は、ぜひとも言論なんて辞めてしまえ。
「言論」とは、国民を動かし、政治を動かし、国家の命運を左右する、値打ちのあるものではなかったのか。
この現実が残念でならない。
反面、X(旧Twitter)においては、2023年末~2024年に入って私を含む岸田支持者のフォロワーが爆増。
プロパガンダ戦争かと思うほどのデマ・ミスリードが投稿・拡散されたため、PULP氏やChum氏を筆頭に、「事実系インフルエンサー」と呼ばれるアカウントに注目が集まったのだ。
世代交代の始まりだ。
今後、筋を通した数少ない言論人と事実系インフルエンサーによって、政治言論界の勢力図が大きく書き換えられることだろう。
無論、私もそこに食い込むべく、徹底的に事実を追いかけ続ける。
世論工作に負けて可愛い子どもたちに地獄を遺すなど、断じて認めるつもりはない。
皇紀2684年1月20日 國神貴哉
P.S. 國神からのお願い
約20万字の本記事、お付き合いをいただきありがとうございました。
私は俗に言う "オタク気質" であり、そのうえ政治に関心が強いものですから、岸田政権についてネチネチとファクトを調べ、公式発表や一次情報にあたり、正確に岸田政権を評価できるようになりました。
しかし、多くの有権者のみなさんはお忙しく、また政治に強い関心がある方も少なく、ファクトチェックに手が回っていない方も多くいらっしゃるものと思います。
そのような方に事実をお伝えすることができればと、本記事を執筆いたしました。
ですが、noteには広告収入の形式がなく、本記事がいくら読まれようと私には一銭も入りません。
もちろん、自身の収益は二の次であり、儲からずとも日本のために筆を握る所存です(そうでなければ、毎日のように誹謗中傷と脅しを受けながら、儲からない岸田支持の記事など書かない)。
とはいえ、私もただの21歳。
食っていくことができなければ、このように情報を集めてお届けすることが困難となってしまいます。
そこで、ここまでお読みいただいたあなたにお願いです。
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私がどの言論組織にも所属せず、独自の視点で情報を共有できているのは、ひとえに皆様のご支援によるものです。
いつも本当にありがとうございます。
今後もご贔屓いただけますと幸いです。
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