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スペインサッカーに学ぶ日本の社会改革(ビジャレアル)

今回は、スペインサッカーに精通した女性のサッカー指導者が、書いた本を紹介します。本書は、スペインサッカーの紹介から、日本の社会改革まで射程に入れた本という解釈もできます。サッカーの紹介から、日本社会のハラスメント体質を改革する機運を盛り上げていこうというのがいいですよね。こういうのじゃないと改革できないかもしれません。サッカークラブの比較を通して、体系的な意識改革と社会システム改革まで包含した「社会運動」にしないといけませんよね。テレビコマーシャルで「日本のコークは世界一」と女優の綾瀬はるかさんも言ってますからね。

プロになれるのは2600人にひとりで、その確率は0.038%。プロの道は非常に険しいものになっているのです。

p.11

たとえ、プロになれなくても、小学生の頃のときしか身につかない敏捷性や柔軟性をサッカーを通して養うのはとても良いことだと思います。私も小学生の頃、サッカーとかも習ってみたかったです。

その後、私は世界のあちらこちらで元選手が引退後のキャリア形成に苦しんでいることを知ります。

p.14

この指摘は、日本のプロ野球の亡くなった野村克也監督も、何回も指摘していますよね。スポーツだけやらせて、無責任であると・・・。野村克也監督も、引退後の生活のほうが長いのだからとも言ってますよね。

フットボーラーを育てればいいわけじゃない。”人”を育てるのだ。

p.18

私が、学生時代にやったスポーツって、卓球なんですけど、会社勤めとかには全く役に立ちませんでした(※しかし、実際1回とんでもないところで役立ったことがあります。僕の「動作」を書き取る、文章での表現力に関して「スポーツかなんかやってた?」と聞かれたことがある)。チームスポーツの方が、組織勤めに役立つのかもしれませんけど、日本の会社勤めは、「パワハラ」だ、「オワハラ」だとハラスメントがすごいですからね。会社勤めの難易度を引き下げるか、スポーツを教えるとき、会社勤めに寄り添うかですよね。ヨーロッパでは、日本製品のことを「日本は、会社員を病気させて商品やサービスを作ってるんだよ」と宗教的感情で因縁をつけて、買わない人がいると聞いています。スポーツが寄り添うのではなくて、会社勤め改革が必要じゃないでしょうか。

スペインでは指導者が子どもに暴力をふるったら、親や他のコーチが怒り始めて警察沙汰になります。・・・
したがって、日本のスポーツや教育現場のハラスメント案件に対し、直線距離で1万キロ以上離れたスペインにいる私は全力全霊で怒っていました。・・・
つまり、子どものスポーツとビジネスシーンが内包する問題は、類似していると感じました。・・・
とはいえ、個へのアプローチのまずさが目立つのも事実です。指導者もビジネスパーソンも、少なくとも欧米ではあり得ない言動が、いまだに平気で容認されているようです。・・・
なぜ日本の思考だけ、なかなか進化しないのでしょうか。いきなりすべてを変えようとしたら、法で罰するしかありません。でも、それは現実的ではなく、何より根本的な解決にはなりません。・・・
選手のみなさん、保護者のみなさん。選手をけなしたり、威嚇し恐怖を与えたり、責任を背負わせたりする人は支配者であり、決して指導者ではありません。

p.19・20・21・22

これもやっぱり日本との相当な違いですよね。学校でも、教師が生徒に暴力(実際の暴力・言葉の暴力)なんて日常茶飯事でした。僕の約35年前の中学時代は、PTAで、「○○先生、体罰が多すぎるんじゃないか」と指摘されている先生もいました。体罰は、よくある光景でしたし、それは、今もあまり変わっていないような気がしています。文化の違いでは、許されないと思います。日本の会社勤めは、世界的には相当マイナーなのだろうと思います。ヨーロッパの人が幸せを感じられるように、そのアンチテーゼとして、日本がそういう役回りをやらされているとしたら、なんで日本が白人が幸せを感じられるように、社会生活、会社生活を送らなければいけないんだと思ってしまいます。人生の大半を占める、人生を楽しめなくさせる社会人生活を送らされているということになります。ヨーロッパを上回る、人生を楽しめる社会生活、会社生活を送れるマニュアルを持たせてもらわないといけません。社会人になったからって、何でも言っていいというわけではないですよね。日本は、法律でもいいですよね。「パワーハラスメント禁止法」も作れましたし・・・。最後の引用の、「指導者」と「支配者」の違いも痛烈です。日本の会社勤めにも言えますよね。

これと同様に、横暴な上司がいたとしたら、やはり社員から一気にそういった声が上がります。「ちょっと待って。私、あなたにリスペクトを欠いたことがあったかしら?ちゃんとリスペクトして話してきましたよね?であれば、あなたもリスペクトしてください」フットボールクラブのなかでも、それが役員であれ、部長クラスであれ、必ず言います。・・・
スペインの人たちは、口げんか上手で、仲直り上手。あまり遺恨を残さず口論できるのです。・・・
ただし、互いをリスペクトし許容することが、組織で何か成し遂げていくには重要な要素です。

p.52・p.53

日本の会社勤めと相当違いますね。いいですね、スペインは・・・。スペインでは、閉鎖オフィスでの労働者に、シエスタという昼寝の時間も認められていると言います。日本は、「運動」にして、教育改革と会社勤め改革を一気に進めるのがいいと思います。加えて、法律も作るのがいいと思います。性犯罪の厳罰化なんて、トンチンカンなことをやっている場合ではないと思います。こういう本が出た、今がチャンスだと思います。日本は、スペインと日本の良いところ取りをする権利がある国だ思っています。日本は、中国から「辛い島」にされちゃってるところがあるので、外務省から許可が降りるかですが・・・。

学校の教室が変わらなければ、根本的なことは変わらない。スポーツも社会も、その基盤は教育なのです。

p.80

なるほどね。校外活動にも、やはり学校教育が基盤となっているわけですね。日本の学校教育は、どちらかというと、中学校が代表的なモデルケースとなっていて、中学校の部活の剣道部とか柔道部的思考で動いていますよね。それだけが正義だというか、それだけなのね。ただ、いくら学校教育がいくらスペインのように自由闊達なものになったとしても、会社勤め(組織勤め・社会人生活)が変わらなければ意味がないですよね。会社勤めで、ずでっとこけてしまっては意味がないですよね。たとえば、小学校→中学校→高校→大学→社会人のギャップが、小学校→10→中学校→5→高校→30→大学→200→社会人となってしまっては、意味がないですよね。学校教育がいくらヨーロッパのような子どもの人権を守り、本書が指摘するようなスペイン流ものが取り入れられても、社会人でおおこけしてしまっては意味がないです。ただ、私も、最初に勤めた会社は、半年で辞めたのですが(今で言う「パワハラ」に遭った。ついでに「オワハラ」も受けた。)、やめる1ヶ月前に、社長が会社外の隣の電車の車両から乗ってきて、「会社には慣れたか?」とお尋ねになるんですよね。だから、社会人生活も「慣れ」と言ってしまえば、単なる「慣れ」なんですが、精神的な病気をしやすい労働は、1位が工場労働で、2位がソフト開発で、病気させられてしまう人もいますからね。やっぱり電車に乗ってるサラリーマンの顔が疲れてますよね。私の学生時代、中小企業を経営している、ある科目の非常勤講師が「いい顔付きしたいんだったら、組織なんか勤めないほうがいいよ」と言ってて、社会人を経験してみると、なるほどとは思いますよね。

そもそも、日本語は、尊敬語、謙譲語、丁寧語などといった敬語があり、表現が豊かな言葉である一方で、ヒエラルキーが生まれやすい言語のようです。注意が必要と言えるでしょう。

p.140

私も、スペインの自由闊達さは、言語の影響もあると思いました。日本語は、議論がしにくい言語と言われているし、先輩・後輩とか、儒教的精神というか、ヒエラルキーになりやすいですよね。先輩・後輩とか、儒教的精神が、会社勤めなんかに適用されれば、会社員生活が送りやすくなる可能性もありますよね。サブリーダーや部長などは、よく新人を世話してやるものだという方向に作用すれば、会社勤めがしやすくなりますし、離職率も下がるし、出生率も上がってくるでしょうね。

スペインは、8時間労働で基本的に残業をしないのが一般的です。

p.151

こんなのを見ると、やはり、日本の社会人生活、働き方は、エキセントリックだし、世界的に見るとマイナーと言えるかも知れません。昔、日本人のことを「エコノミックアニマル」と呼称されたこともありましたが、もっと世界標準ののんびりしたもので、仕事とともに、余暇を楽しむという人生もいいのかもしれませんよね。日本は、昼寝の時間(スペインではシエスタという昼寝の時間も認められている。)も認められていないですからね。昼寝は、脳の疲れを取り、脳の病気(精神の病気)を防ぐ、絶好の行為です。日本でも、古語で「うたたね」という言葉があり、昼寝のことを指す言葉です。日本でも、古語が使われていた昔では、「うたたね」と言って、昼寝の文化が認められていたのです。昼寝も、立派な日本の文化なのです。それが、明治時代の開国・文明開化以来、忘れられてしまったのです。

スポーツ現場でのパワハラについても、スペインは法に守られているうえ、他者に対するリスペクトの概念が深いからか、小学生など育成年代の試合でもほとんど見かけません。

p.177

やはり日本でも、「パワーハラスメント禁止法」のみならず、さらなる法整備が必要だと思います。「うたたね法」みたいなもので、昼寝も法律で、認めてやってもいいと思います。子供(校外活動・学校教育)もそうだし、大人(社会人生活)にも、他者へのリスペクトが必要ですよね。日本も、古文の世界では、もっと他者へのリスペクトがあったような気がします。明治時代の開国・文明開化以来、西洋学問や西洋のシステムを社会から教育まで導入して、日本の古代にリスペクトされていたこととのマニュアルと接続が悪くて、中国から、非科学的な社会人生活、日本は辛い島というのが、導入されてしまって、古語で存在する昼寝を意味する「うたたね」すら、閉鎖オフィスでは認められなくなってしまったということなんだろうと思います。こういうスペインのサッカークラブの紹介本が出版されて、流行っている今がチャンスじゃないでしょうか。私が住んでいる地域では、ニーズがあるのを良いことに、わざと、高い料金を取りつつ、パワハラしてくるスポーツクラブなども立ってしまっています。社会人経験があると、非常に勉強になるパワハラ(お金を払って個別にオーダーメードで受講するとなると50万円とか払わなくてはいけない高額な研修となる)なのですが、息抜きで来てる社会人や小学生には不必要なパワハラ(公には「礼儀」を教えるとホームページではされているので、パワハラではないという抜け道を作られている。そういう悪知恵が働くのは、中央省庁だと思いますが・・・。)だと思います。日本は、人生が楽しめないマニュアルを持たされてしまっていることの極地で、本書の指摘とは、ほど遠い、辛い島にされてしまっているというのが、現状です。そういうスポーツクラブの存在が変わるとは、とうてい思えないのです。無理じゃないかと思います。この著者は、最近、「一般社団法人スポーツハラスメントZERO協会」を設立したそうですが、こういう人生を楽しめない地域に存在する特定のスポーツクラブなどの一般社会にトリクルダウンしてくるのは、厳しいのではないかと思っています。認証制度みたいなものも良いですよね。シールみたいなもやホームページでも、貼れるバナーを用意するなども良いですよね。そのシールやバナーがあれば、安心して通えるスポーツクラブということになるわけです。そういう認証シールや認証バナーがない各種目のスポーツクラブには行かないという風に誘導するのもいいでしょうね。しかし、そういう実質的にパワハラしてくる、そういうスポーツクラブも、認証シールや認証バナーを取得できてしまいそうな気がします。一般人からのクレームで、年度更新などのシステムを取るべきであろうと思います。事例集みたいなものでもいいですよね。

上記で引用した箇所以外にも、私はいくつかのスポーツをやっているので、スポーツにも教育にも、本書は、参考になる記述があちこちにありました。本書は、単に読まれるだけでなく、日本の実質的な社会改革も狙わなければいけない大切な本だと思いました。加えて、テレビでもそうですが、予備校講師の林修先生とかが、推進役となっていますが、こういうサッカーの佐伯夕利子さんとかがやらないとダメなのね。林修先生とか、サッカーの佐伯夕利子さんとかの役を大学教授とかがやっちゃうと、波風が立っちゃって、うまく行かなくなったり、その大学の先生もよかれと思って言ってるのに、不利益を被ったりすることがあるのね。あとヨーロッパと比較したりして、日本はダメだねとか言っちゃう大学教授って、大概、当局から睨まれて、不利益を被ってしまうという扱いが難しい職業なのね。

この筆者は、アメブロでブログを書いています。本書の続きを知りたい方は、著者のブログは必読です。

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