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様々な舞台を観た感想、考え、雑記
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新しい芸術ジャンル、〈映像演劇〉の世界に触れて

新しい芸術ジャンル、〈映像演劇〉の世界に触れて

皆さんは〈映像演劇〉という物に触れたことがあるだろうか。

2016年に初めて発表され、今3作目となる「風景、世界、アクシデント、全てこの部屋の外側の出来事」が豊橋市で公演/展示されている。

これまでの公演/展示は九州と北海道であり、本州初上陸が愛知県豊橋市。
そのため、まだ知らないという方が多いのでは無いかと思う。

僕もひょんなことから〈映像演劇〉の映像を担う山田晋平氏と交流する機会があり、

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映像演劇の衣装に関する私見(メモ)

映像演劇の衣装に関する私見(メモ)

以前書いた映像演劇のことを振り返ってみて、あの時妻も疑問に思った衣装について急に自分の中で考えがまとまったので備忘録。

映像演劇に登場したキャストは二人で、二人とも拘束具を身に着けていた。

観たときには 何かに縛られている ことの暗喩かなーと安直に思っていたが、本当にそれだけだろうか。

映像演劇において、少なくとも僕はそこに人物が実在しているような印象を受けた。
ただ、リアルな人物が実在して

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「未練の幽霊と怪物―『挫波』『敦賀』―」を観て

「未練の幽霊と怪物―『挫波』『敦賀』―」を観て

今日は仕事を午後で帰って、観劇に行ったんですよ。

前書いた映像演劇の演出もされた岡田さん演出の舞台で、森山未來さんや片桐はいりさんやら錚々たるキャストの舞台だったんですけどね。

もう圧倒されましたよ僕は。

日本の伝統芸能の『能』のフォーマットに現代劇を落とし込んだ内容だったんですけど、岡田さんの演出特有のキャストの動きとか、そういう良さが能の舞に通ずるものがあって、最近で言うとコンテンポラリ

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戯曲を読むということ

戯曲を読むということ

先日劇場関係者の方と僕の二人で、とある演劇の公演に関するトークイベントをやりました。

僕はどっちかって言うとお客さん側に近い立ち位置というか、演劇好きの素人目線でのトークを展開していくポジションだったと思うんですけど、それでもやっぱノー知識じゃやってらんないんで戯曲を読み込んだり過去の公演を観たり勉強してったんですよ。

で、僕の仕事上の立場的にも劇場関係者の方に求められたのが、「戯曲を読むとい

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劇場が行う大道芸企画に寄せて

劇場が行う大道芸企画に寄せて

劇場と大道芸という組み合わせに違和感を覚えることがあった。
ハコである劇場と、野外の大道芸というある種短絡的な自分の中のイメージにギャップを感じていた。
しかし全国で、劇場が大道芸の企画をやるという構図は多い。一体なぜなのか、私なりに「大道芸とは」ということから考えながら整理してみたいと思う。
 
さて、「大道芸とは」と聞かれた時、皆さんはどう答えるだろうか。
色々な意見があるだろうが、恐らく大道

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劇団フィータル『ベース』観劇速レポ

劇団フィータル『ベース』観劇速レポ

仕事の関係で一度トークイベントにお招きした、劇作家の(ジェシカ)さんが主宰している劇団フィータルの第二回本公演『ベース』が上演されるということで、お邪魔してきました。括弧付きで (ジェシカ) が正式らしい。知らんかった。
 (ジェシカ)さんは穂の国とよはし芸術劇場PLATが行っている「高校生と創る演劇」出身者で、この事業に参加したのが初の舞台。そこでカルチャーショックを受けるとともに、演劇の世界に

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