チェルフィッチュ

「チェルフィッチュといっしょに半透明になってみよう」レポート前編

こんにちは、臼井隆志です。ぼくはワークショップデザインを専門に、アートや子どもに関わる企画をつくっています。

子どもに関わる仕事をするなかで、どうすれば「大人と子どもが学び合う場」をつくることができるのか?という問いについて、いつも考えています。

「子どもが学ぶ」というと、大人が子どもになにかを教えることをイメージします。一方「子どもから学ぶ」というと、心理実験のように子どもを観察してデータを

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チェルフィッチュの「消しゴム山」に泣く

事前にまったく情報を入れずに見るようにしているのが、チェルフィッチュの演劇だ。「消しゴム山」は、「モノの演劇」だという。

以下、ホームページより。

いま・ここにいる人間のためだけではない演劇は可能か?人とモノが主従関係ではなく、限りなくフラットな関係性で存在するような世界を演劇によって生み出すことはできるのだろうか?
 東日本大震災で大きな被害を受けた岩手県陸前高田市では、失われた住民の暮らし

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「人間ではない他者」に語る実験に参加する ーチェルフィッチュ『消しゴム山』の感想

「子どもに向けて難しいことをわかりやすく説明をした本は、実は大人がよく読む」という話を聞くし、実際にわかりやすい。『14歳からの社会学』とか『子どものための哲学』など、わかりやすい言葉で丁寧なことが書かれている。

このとき、ぼくたちはこれらの本の想定された読者ではない。いや、もしかしたら子ども向けと見せかけてぼくたち大人を読者として想定しているのかもしれない。

いずれにせよ、著者が子どもにむけ

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いつかあなたのお話も、聞きたいです!
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岸田戯曲賞・記念対談――岡田利規×松原俊太郎「日本演劇の来たるべき新時代」(悲劇喜劇7月号)

2019年に『山山』で岸田國士戯曲賞を受賞した松原俊太郎。悲劇喜劇7月号では、岸田賞の選考委員で『山山』を激賞した岡田利規(チェルフィッチュ主宰)と松原のロング対談を掲載。批評家の佐々木敦司会のもと、今の演劇シーンが直面している危機と可能性をめぐる対話が行われました。本誌発売を記念し、対談冒頭を公開します。

(書影をタップすると、Amazonページにジャンプします。)



「日本演劇の来たる

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スキありがとうございます!
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チェルフィッチュ『スーパープレミアムソフトWバニラリッチソリッド』を、観て。

『スーパープレミアムソフトWバニラリッチソリッド』──開演前のアナウンスでこのタイトルが読み上げられると、劇場内にはどこかユーモラスな空気が漂いはじめる。

 物語の舞台は、どこにでもあるような平凡なコンビニ。といっても、具象的なセットはなく、張り巡らされた黒いパンチの中心に、大きく白いビニールが敷かれ、舞台奥には誰もが目にしたことがあるような──「野菜生活」や「レッドブル」、「明治ブルガリアのむ

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書評:岡田利規『遡行 変形していくための演劇論』

今日は演劇の本のご紹介です。ただし、オススメしたいのは演劇に興味ある人ではありません。「観察」や「ユーザーリサーチ」に行き詰まりを感じるビジネスパーソンにこそ読んでもらいたいし、見てもらいたいという話を書きます。

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先日、ひさしぶりに劇場に行って演劇を見た。作品は、劇団チェルフィッチュの『スーパープレミアムソフトWバニラリッチソリッド』。

コンビニの店長がスーパーバイザーから圧

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スマート新書「意外と知らない赤ちゃんのきもち」発売中!
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熊本市現代美術館の展覧会の話

熊本市現代美術館の展覧会を2回連続で観ることが出来た。1本目は『魔都の鼓動 上海現代アートシーンのダイナミズム』<2018.9.22(土)〜 2018.11.25(日)>、2本目が『バブルラップ:「もの派」があって、その後のアートムーブメントはいきなり「スーパーフラット」になっちゃうのだが、その間、つまりバブルの頃って、まだネーミングされてなくて、其処を「バブルラップ」って呼称するといろいろしっく

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ありがとうございます!
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『NŌ THEATER』

少し前ですが、岡田俊規「NO THEATER」を観劇しに京都へ。

あの大雨の日です。こんなに濁流の鴨川初めて。
でも、京都まで行ってよかった。

振り返れば

初めてチェルフィッチュを好きになったのは、
2011年にKAATで見た「ゾウガメのソニックライフ」。

「もう私はこの頑張らなきゃいけないっていう時代の空気感が嫌い!」
っていうセリフを聞いた時、
私、めちゃめちゃ時代の空気感に流されてる

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ドキドキしながら公開しました…!嬉しいです…!
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来年の抱負は今年をつづけるということ

せっかくの暦が分け隔てられる日なので、回顧メモです
 わたしにとって、今年いちばん素晴らしかったのは、

チェルフィッチュ「『三月の5日間 』リクリエーション」@KAATです。

 演劇における「語り」とはなにかを考え尽くされた作品で、驚愕しました。
(来年上演予定のオリジナル版も楽しみです!)

 書物では、2017年刊行物だと、ジェローム・フェラーリ/辻由美『原理』(みすず書房@misuzu_

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